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朗
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ほが
ふりがな文庫
“
朗
(
ほが
)” の例文
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
は、ほのかに
足
(
あし
)
もとをあたためて、
草
(
くさ
)
のうちには、まだ
生
(
い
)
き
残
(
のこ
)
った
虫
(
むし
)
が、
細
(
ほそ
)
い
声
(
こえ
)
で、しかし、
朗
(
ほが
)
らかに
歌
(
うた
)
をうたっていました。
丘の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たいへん
朗
(
ほが
)
らかな、
可愛
(
かわい
)
い娘さん達なので、喜んで、一緒に写真をとったり
名刺
(
めいし
)
を
貰
(
もら
)
ったり、
手振
(
てぶ
)
り身振りで会話をしたりしました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
また、もうひとりのほうは、
眼
(
まなこ
)
朗
(
ほが
)
らかに、眉濃く、背丈すぐれ、四肢
暢
(
の
)
びやかな大丈夫で、両名とも、孫策の前につくねんと立ち
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
テムプル先生は、いつも彼女の容子に何か靜かな
朗
(
ほが
)
らかなものを、態度にどことない
威嚴
(
ゐげん
)
を、言葉には
品
(
ひん
)
よく穩かなものを持つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「図書係の
京町
(
きょうまち
)
ミチ子嬢。こちらは今日から入所された理学士
古屋恒人
(
ふるやつねと
)
君。よろしく頼むよ」四宮理学士の声は
朗
(
ほが
)
らかであった。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
、あのように
朗
(
ほが
)
らかにうたっております。……このごろ破門を許されまして、舞台に立つことができましたので、元気になったのでござります
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私たちも
一寸
(
ちょっと
)
芝居気
(
しばいぎ
)
を出して、パナマや
雀頭巾
(
すずめずきん
)
を振る。童話の中の小さな王子のお蔭で、
朗
(
ほが
)
らかに朗らかに私たちも帽子が振れるというものだ。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
チァイコフスキイの
朗
(
ほが
)
らかに憂鬱な曲が、静かにオーケストラ・ボックスを漏れてきた。指揮者のバトンが彼の胸をコトン、コトン! と叩いた。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
常に山頂の風力の強暴なるに似ず、日光の
朗
(
ほが
)
らかなるを見て、時として
妻
(
さい
)
などはもし空気が目に見ゆるものならば、この
烈
(
はげ
)
しき風を
世人
(
せじん
)
に見せたし
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
そういって感慨に
耽
(
ふけ
)
っているようであるが心は
朗
(
ほが
)
らかである。鶴見は自分の年とったことは余り考えずに、梅の老木になって栄えているのを喜んでいる。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
世界が今
朗
(
ほが
)
らかに成つた許りの色をしてゐる。
飯
(
めし
)
を
済
(
す
)
まして茶を
飲
(
の
)
んで、縁側に椅子を持ち出して新聞を読んでゐると、約束通り野々宮君が帰つて来た。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
笑うことも
稀
(
まれ
)
に、
櫓
(
ろ
)
こぐにも酒の勢いならでは歌わず、
醍醐
(
だいご
)
の入江を夕月の光
砕
(
くだ
)
きつつ
朗
(
ほが
)
らかに歌う声さえ哀れをそめたり、こは聞くものの心にや、あらず
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
と
朗
(
ほが
)
らかに答えたが、母は落ちついて、それを幾人でわけるのですか、と言ったので、私はがっかりした。
帰去来
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
儀式らしく、
朗
(
ほが
)
らかに、さわやかに、彼は兄貴のフェリックスの
後
(
うし
)
ろへ並んで立つ。兄貴のフェリックスは総領である姉のエルネスチイヌの後ろに控えている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
真紅の花の
咲満
(
さきみ
)
ちた、雲の白い花園に、
朗
(
ほが
)
らかな月の映るよ、とその浴衣の色を見たのであった。
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さも自分をトーナメントに出場した中世の
騎士
(
きし
)
のように想像したり——ああ、わたしの耳に
吹
(
ふ
)
きつける風のなんと
朗
(
ほが
)
らかだったことよ! ——あるいは顔を大空へ振向けて
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
朗
(
ほが
)
らかに笑う新三郎を伏し拝んで、平次は八丁堀の往来へ飛出しました。襟へベットリ冷汗。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして
吉備
(
きび
)
の
中山
(
なかやま
)
が
帶
(
おび
)
にしてゐるといふようなことは、
別
(
べつ
)
に
珍
(
めづら
)
しくもなんともないのであるにも
拘
(
かゝは
)
らず、われ/\はそれに
對
(
たい
)
して、
朗
(
ほが
)
らかな
氣持
(
きも
)
ちを
受
(
う
)
けずにゐられません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
彼は
朗
(
ほが
)
らかな青空を背にして、
鉄棒
(
かなぼう
)
に腰を掛けながらさも愉快そうに声高く叫びました。
金色の死
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
だが、実に奇妙なことには、この激情のさなかに、人もなげなる
朗
(
ほが
)
らかな哄笑が響き渡ったのである。しかもその哄笑の主は、四人の男に組み敷かれた明智小五郎その人ではなかったか。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ああなんという
朗
(
ほが
)
らかな晩だったろう。子ども心にも私はほっと一安心した。
父
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
歯切れのいい口調で、まるで朗読しているような
朗
(
ほが
)
らかな声で堂々というのでしょう。あたしすっかり聞き惚れちゃったわ。外の人もみんなそうだったの。ところがね。下村さんだけがね。
ニッケルの文鎮
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
恋愛に就いて、正直も純粋も大切だとはおもうが、もっと大切なことは、自分の周囲に
火
(
ひ
)
の
粉
(
こ
)
を散らさぬ用心だろう。つつましい
朗
(
ほが
)
らかな恋愛だったら、不貞と云いきれないような気がする。
恋愛の微醺
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
日の光が町全体に明るく踊って、道ゆく人の足もおのずから早く、あわただしい暮れの気分を作ってるなかにも、物売りの声がゆるやかに流れて、徳川八代泰平の
御治世
(
ごじせい
)
は、どこか
朗
(
ほが
)
らかである。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
自分でもその自分がとうとう
滑稽
(
こっけい
)
になった。土曜日から天気が上った。龍介は初めて修学旅行へ行く小学生のような気持で、晩眠れなかった。その日彼は停車場へ行った。彼は
朗
(
ほが
)
らかな気分だった。
雪の夜
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
妾は、久しぶりで
朗
(
ほが
)
らかな気持ちで、あの人の帰りをまっていた。
オパール色の手紙:――ある女の日記――
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
わが
病
(
やまひ
)
診
(
み
)
たまひしかど
朗
(
ほが
)
らにていませばか吾の心は
和
(
な
)
ぎぬ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
サーちゃんは、
朗
(
ほが
)
らかに笑った。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
女王
(
きみ
)
の御代 これより
朗
(
ほが
)
らに
髪切虫
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
こよひ
朗
(
ほが
)
らのそらにして
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
朗
(
ほが
)
らかな 日
秋の瞳
(新字旧仮名)
/
八木重吉
(著)
夏
(
なつ
)
のはじめの
時分
(
じぶん
)
には、どんなに、
自分
(
じぶん
)
たちは
楽
(
たの
)
しかったろう。このあたりは、
自分
(
じぶん
)
たちの
朗
(
ほが
)
らかに
歌
(
うた
)
う
唄
(
うた
)
の
声
(
こえ
)
でいっぱいであった。
雪くる前の高原の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ご婦人です」助手の
須永
(
すなが
)
が
朗
(
ほが
)
らかさを
強
(
し
)
いて隠すような調子で答えた。「しかも
年齢
(
とし
)
の頃は
二十歳
(
はたち
)
ぐらいの方です」
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
朗
(
ほが
)
らかになり、「I am a oarsman Rowing.」と漕ぐ恰好をすると、
大袈裟
(
おおげさ
)
な身振りで
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
中二日
(
なかふつか
)
置
(
お
)
いて、突然平岡が
来
(
き
)
た。其
日
(
ひ
)
は乾いた
風
(
かぜ
)
が
朗
(
ほが
)
らかな
天
(
そら
)
を
吹
(
ふ
)
いて、
蒼
(
あを
)
いものが
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
る、
常
(
つね
)
よりは
暑
(
あつ
)
い天気であつた。
朝
(
あさ
)
の新聞に菖蒲の案内が
出
(
で
)
てゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
眞紅
(
しんく
)
の
花
(
はな
)
の
咲滿
(
さきみ
)
ちた、
雲
(
くも
)
の
白
(
しろ
)
い
花園
(
はなぞの
)
に、
朗
(
ほが
)
らかな
月
(
つき
)
の
映
(
うつ
)
るよ、と
其
(
そ
)
の
浴衣
(
ゆかた
)
の
色
(
いろ
)
を
見
(
み
)
たのであつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
朗
(
ほが
)
らかに笑ふ新三郎を伏し拜んで、平次は八丁堀の往來へ飛出しました。襟へベツトリ冷汗。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ああ何という
朗
(
ほが
)
らかな晩だったろう。子供心にも私はほっと一安心した。静かな、静かな、平和な晩だ‼ けれど、やがて私達は余りにも静かな生活を余儀なくされなければならなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
きみのまなこは
朗
(
ほが
)
らかに
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
朗
(
ほが
)
らに
澄
(
す
)
むや
神殿
(
しんでん
)
の
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「そうすれば、
徳
(
とく
)
ちゃんと三
人
(
にん
)
で
走
(
はし
)
りっこをしよう。」と、
清
(
きよ
)
ちゃんは、
吉坊
(
よしぼう
)
の
心
(
こころ
)
なんかわからず、
朗
(
ほが
)
らかでありました。
父親と自転車
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
勝って
還
(
かえ
)
る人達はとにかく元気でした。陸上の東田良平が、大きな
亀
(
かめ
)
の子を二
匹
(
ひき
)
、記念に
貰
(
もら
)
い
頸
(
くび
)
に
紐
(
ひも
)
をつけ、
朗
(
ほが
)
らかに引張って歩いているのが目立っていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「え、え、」と、
小
(
ちひ
)
さな
咳
(
しはぶき
)
を、
彼方
(
かなた
)
の
其
(
そ
)
の
二階
(
にかい
)
でしたのが、
何故
(
なぜ
)
か
耳許
(
みゝもと
)
へ
朗
(
ほが
)
らかに
高
(
たか
)
く
響
(
ひゞ
)
いた。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
秋日和
(
あきびより
)
と
名
(
な
)
のつく
程
(
ほど
)
の
上天氣
(
じやうてんき
)
なので、
徃來
(
わうらい
)
を
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
の
下駄
(
げた
)
の
響
(
ひゞき
)
が、
靜
(
しづ
)
かな
町丈
(
まちだけ
)
に、
朗
(
ほが
)
らかに
聞
(
きこ
)
えて
來
(
く
)
る。
肱枕
(
ひぢまくら
)
をして
軒
(
のき
)
から
上
(
うへ
)
を
見上
(
みあげ
)
ると、
奇麗
(
きれい
)
な
空
(
そら
)
が
一面
(
いちめん
)
に
蒼
(
あを
)
く
澄
(
す
)
んでゐる。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
人を縛らない時は、本當に
朗
(
ほが
)
らかな平次だつたのです。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのとき白丘ダリアは
朗
(
ほが
)
らかな声で云った。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
目
(
め
)
にあった、さびしいお
母
(
かあ
)
さんのお
顔
(
かお
)
は
消
(
き
)
えて、どこを
見
(
み
)
ても、たのしい
朗
(
ほが
)
らかなお
母
(
かあ
)
さんの
顔
(
かお
)
が
笑
(
わら
)
っていました。
さびしいお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しばらくすると女はこの紋章の下に書きつけてある題辞を
朗
(
ほが
)
らかに
誦
(
じゅ
)
した。
倫敦塔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
スミレ局長は
朗
(
ほが
)
らかにいった。
三十年後の世界
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
日章旗
(
にっしょうき
)
のひるがえる
商船
(
しょうせん
)
とか、そんなような、
清
(
きよ
)
らかで、
朗
(
ほが
)
らかなうちにもさびしい、けしきが
目
(
め
)
に
浮
(
う
)
かぶのだよ。
兄の声
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
朗
常用漢字
小6
部首:⽉
10画
“朗”を含む語句
朗々
朗読
晴朗
朗詠
明朗
朗吟
麗朗
朗誦
法朗西
朗然
士朗
阪谷朗廬
延朗法師
王朗
爽朗
朗詠集
高朗
朗讀
玲朗
清朗
...