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是
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ぜ
ふりがな文庫
“
是
(
ぜ
)” の例文
〔譯〕
象山
(
しようざん
)
の、
宇宙
(
うちう
)
内
(
ない
)
の事は皆
己
(
おの
)
れ
分内
(
ぶんない
)
の事は、
此
(
こ
)
れ男子
擔當
(
たんたう
)
の志
此
(
かく
)
の如きを謂ふなり。
陳澔
(
ちんかう
)
此を引いて
射義
(
しやぎ
)
を
註
(
ちゆう
)
す、
極
(
きは
)
めて
是
(
ぜ
)
なり。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
……とはいえ客人は小さいと仰せられ、それがしは大きいという。いずれが
是
(
ぜ
)
やら、いずれが非やら、
篤
(
とく
)
と、見ていただきとう存ずる
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きのうの
是
(
ぜ
)
はきょうの
非
(
ひ
)
なるわが瞬間の感触を、筆に写して
誰
(
たれ
)
にか見せん。これや日記の成らぬ縁故なる、あらず、これには別に故あり。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
自分は『
是
(
ぜ
)
』と信ずるとおりに生き、努力してきた。そうして来たつもりである。だが、その努力からはなにも酬われなかった。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
昨日の
非
(
ひ
)
は今日の
是
(
ぜ
)
となり、昨年の
是
(
ぜ
)
は今年の
非
(
ひ
)
となることは、内閣の
更迭
(
こうてつ
)
ごとに起こる事実に照らしても分かるくらいである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
もともと狂言
綺語
(
きぎょ
)
即ち詩歌を讃仏乗の縁として認めるとした白楽天のような思想は保胤の
是
(
ぜ
)
としたところであったには疑無い。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
吾
以為
(
おも
)
へらく両者の短歌全く標準を異にす、鉄幹
是
(
ぜ
)
ならば子規
非
(
ひ
)
なり、子規是ならば鉄幹非なり、鉄幹と子規とは並称すべき者にあらずと。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
感情に激しやすくっても失敗はある。いずれが
是
(
ぜ
)
、いずれが
非
(
ひ
)
と誰れが定められよう。感情の複雑な人ほど、美人は人間的の美をますと——
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
前条所記の論説はたして
是
(
ぜ
)
ならば、わが国の文明を進めてその独立を維持するは、ひとり政府の
能
(
よ
)
くするところにあらず。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
而
(
しか
)
して議会そのものは国民の意思を代表せるものにして、国民の意思が集合して国家の意思となり、国家の
是
(
ぜ
)
とするところ、即ち
国是
(
こくぜ
)
となるのである。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
さきに愛をもてわが胸をあたゝめし日輪、
是
(
ぜ
)
と
非
(
ひ
)
との
證
(
あかし
)
をなして、美しき眞理のたへなる姿を我に示せり 一—三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
淫事の恐るべきは武骨一片の野暮なるが故にして淫の淫たるが故に非らざる也と。それ果していづれか
是
(
ぜ
)
なる。
猥褻独問答
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
何だか、今夜中に
三井寺
(
みいでら
)
を過ぎて、
滋賀
(
しが
)
の里までは
是
(
ぜ
)
が
非
(
ひ
)
でも
辿
(
たど
)
り着くんだなんて、とても張り切ってたよ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
似たる事は似たれども、
是
(
ぜ
)
なる事は未だ
是
(
ぜ
)
ならずとは、
如此
(
かくのごとき
)
の事をや云う可き。さて汝云わずや。DS は「さひえんちいしも」とて、
三世了達
(
さんぜりょうだつ
)
の智なりとは。
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勿論
(
もちろん
)
、描いた人物を
判然
(
はっきり
)
と
浮出
(
うきだ
)
させようとして、この
彩色
(
さいしょく
)
で
地
(
じ
)
を
塗潰
(
ぬりつぶ
)
すのは、
画
(
え
)
の手段に取って、
是
(
ぜ
)
か、
非
(
ひ
)
か、
巧
(
こう
)
か、
拙
(
せつ
)
か、それは菜の花の
預
(
あずか
)
り知る
処
(
ところ
)
でない。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
前主の
是
(
ぜ
)
とするところこれが
律
(
りつ
)
となり、後主の是とするところこれが
令
(
りょう
)
となる。当時の君主の意のほかになんの法があろうぞと。群臣皆この廷尉の類であった。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
以上のごとく道元は、名聞我執を捨てた透明な世界において、一切に
是
(
ぜ
)
なる広い愛の可能を説くのである。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
凡
(
およ
)
そ忠告と云う者は——君にかぶれて哲学者振るのじゃアないが——忠告と云う者は、人の所行を非と認めるから云うもので、
是
(
ぜ
)
と認めて忠告を試みる者は無い。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
しかし私の子供時代を思いかえすと、外観上の
従順
(
じゅうじゅん
)
は、必ずしも心からの従順ではなかった。内心では
是
(
ぜ
)
を是とし、非を非として、かなり批判的であったと思った。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
河鰭
(
かはひれ
)
は真赤に酔うたる顔突き出し「
是
(
ぜ
)
ツ
非
(
ひ
)
、花ちやんに御依頼の件があるのだが」とサヽやくを
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「
斧
(
おの
)
だ! この
扉
(
ドア
)
がロッビアだろうが左甚五郎の手彫りだろうが、僕は
是
(
ぜ
)
が非でも叩き破るんだ」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
作者の心に映る幻影を幻影として写す秋成の態度と、心理批判を棄て得ない谷崎君の態度に、私などは時代の相違を見るので、
必
(
かならず
)
しも一を
是
(
ぜ
)
とし一を
非
(
ひ
)
とするのではない。
武州公秘話:02 跋
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
天道樣
(
てんたうさま
)
は
是
(
ぜ
)
か
非
(
ひ
)
かなどゝいふ
事
(
こと
)
が、
私
(
わたし
)
の
生意氣
(
なまいき
)
の
心
(
こゝろ
)
からばかりでは
有
(
あり
)
ますまい、
必
(
かなら
)
ず、
屹度
(
きつと
)
、
何方
(
どなた
)
のお
口
(
くち
)
からも
洩
(
も
)
れずには
居
(
を
)
りますまい、
私
(
わたし
)
は
自分
(
じぶん
)
に
少
(
すこ
)
しも
惡
(
わる
)
い
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
作者の心に映る幻影を幻影として写す秋成の態度と、心理批判を棄て得ない谷崎君の態度に、私などは時代の相違を見るので、
必
(
かならず
)
しも一を
是
(
ぜ
)
とし一を
非
(
ひ
)
とするのではない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
かくして彼の心に
拘
(
かかつら
)
ふ事あれば、
自
(
おのづか
)
ら念頭を去らざる痛苦をもその間に忘るるを得べく、
素
(
もと
)
より彼は
正
(
せい
)
を知らずして邪を為し、
是
(
ぜ
)
を喜ばずして
非
(
ひ
)
を為すものにあらざれば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
是
(
ぜ
)
として
彌々
(
いよ/\
)
道十郎の仕業なりと疑がひ掛り
直
(
すぐ
)
に麹町へ
召捕方
(
めしとりかた
)
を
差向
(
さしむけ
)
られ十兵衞事死骸は兄長庵へ御引渡しに相成ければ長庵は
仕濟
(
しすま
)
したりと内心に悦び
直
(
すぐ
)
に十兵衞の死骸を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
外国想が日本想の純全なるに
如
(
し
)
かず、一片相が少くとも円満相に如かざることを
是
(
ぜ
)
なりと認め得ば、余は緑雨が社界の諸共に認めて妖魔とし魅窟とする処の一片相を取り来つて
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
我輩門外漢にはその
孰
(
いず
)
れが
是
(
ぜ
)
であるかを正確に判断することは出来ぬが、ただこの法が神授の権に依って立てられ、この法の効力の基礎が神意にあるということだけは明らかである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
天
苟
(
いやしく
)
も吾が区々の
悃誠
(
こんせい
)
を諒し給わば、幕吏必ず吾が説を
是
(
ぜ
)
とせんと志を立てたれども、
蚊虻
(
ぶんぼう
)
山を負うの
喩
(
たとえ
)
、
終
(
つい
)
に事をなすこと
能
(
あた
)
わず今日に至る。また吾が徳の
非薄
(
ひはく
)
なるによればなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
が、
昨
(
さく
)
の非を悔い今の
是
(
ぜ
)
を悟っている上から云えば、予も亦同じ
帰去来
(
ききょらい
)
の人である。春風は既に予が草堂の
簷
(
のき
)
を吹いた。これから予も軽燕と共に、そろそろ
征途
(
せいと
)
へ上ろうと思っている。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そこで弾劾という制度が発達したのである。弾劾は即ち下院原告となり、上院これを裁判して、その結果下院の見るところを
是
(
ぜ
)
なりとすれば内閣は更迭せねばならぬという制度である。
憲政の本義を説いてその有終の美を済すの途を論ず
(新字新仮名)
/
吉野作造
(著)
我々は個々の場合において善悪の判断に迷うこともあり、今は
是
(
ぜ
)
と考えることも後には非と考えることもあり、また同一の場合でも、人に由りて大に善悪の判断を異にすることもある。
善の研究
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
この連中の日本の昔風を攻撃する動機を疑い、多分これが彼らの感心している西洋風と違う故に、
是
(
ぜ
)
も
非
(
ひ
)
もなく反対するのだろうという邪推であって、それが随分有力に行き渡っている。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
お前の婚期がおくれるくらいになっているのを知りながら、それをどうすることもできない自分を思うと、自分は苦しい。けれども今度のだけは
是
(
ぜ
)
が
非
(
ひ
)
でも断れ。そんなことが書いてあった。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
熊「フヽム
左様
(
そう
)
よ、
彼女
(
やつ
)
が
是
(
ぜ
)
ッ
非
(
ぴ
)
来てくれと
吐
(
ぬ
)
かしアがッてよ、
己
(
おい
)
らが面を見せなけりゃア店も引くてえんだ、本ものだぜ、
鯱鉾
(
しゃちほこ
)
だちしたって
手前達
(
てめえたち
)
に真似は出来ねえや、ヘン
何
(
ど
)
んなもんだい」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いやしくもわが区々の
悃誠
(
こんせい
)
を諒したまはば、幕吏かならずわが説を
是
(
ぜ
)
とせんと志を立てたれども、「
蚊蝱
(
ぶんばう
)
山を負ふ」の
喩
(
たとへ
)
、つひに事をなすことあたはず今日に至る、またわが徳の菲薄なるによれば
留魂録
(新字旧仮名)
/
吉田松陰
(著)
儻
(
もし
)
くは
所謂
(
いはゆる
)
天道
(
てんだう
)
は
是
(
ぜ
)
か
非
(
ひ
)
か。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
それを
是
(
ぜ
)
とするか
非
(
ひ
)
とするか、自分の
唇
(
くちびる
)
をでる、ただ一
句
(
く
)
で、どんな
兇刃
(
きょうじん
)
がものの
弾
(
はず
)
みで
御岳
(
みたけ
)
の
神前
(
しんぜん
)
を
血
(
ち
)
の海としないかぎりもない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分が
是
(
ぜ
)
なり善なりと信ずるに於ては、それを実行するに寸刻の猶予もしない——こういうことを思って、
頓
(
やが
)
てはこれを主義ともするようになった。
ソクラテス
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
然りといえども、事物の軽々信ずべからざることはたして
是
(
ぜ
)
ならば、またこれを軽々疑うべからず。この信疑の際につき必ず取捨の
明
(
めい
)
なかるべからず。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
軍人は自ら主人の如く思ひ従軍記者は自ら厄介者の如く感ず。感ずる者
是
(
ぜ
)
か感ぜしむる者
非
(
ひ
)
か。かく感ずる者是ならばかく感ぜしむる者また是なるべし。
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
珙一見して
即
(
すなわ
)
ち
趨
(
はし
)
って燕王の前に拝して
曰
(
いわ
)
く、殿下何ぞ身を軽んじて
此
(
ここ
)
に至りたまえると。燕王等笑って曰く、
吾輩
(
わがはい
)
皆護衛の士なりと。珙
頭
(
こうべ
)
を
掉
(
ふ
)
って
是
(
ぜ
)
とせず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さるほどに予審終わり、公判開きて、裁判長は検事代理の請求は
是
(
ぜ
)
なりとして、渠に死刑を宣告せり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
世は
挙
(
こぞ
)
って書生の暴行を以て
是
(
ぜ
)
となすものらしい。曾てわたくしも明治大正の交、
乏
(
ぼう
)
を
承
(
う
)
けて三田に
教鞭
(
きょうべん
)
を
把
(
と
)
った事もあったが、早く辞して去ったのは幸であった。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
文学上では私は写実主義を
執
(
と
)
っていた。それも研究の結果写実主義を
是
(
ぜ
)
として写実主義を
執
(
とっ
)
たのではなくて、私の性格では勢い写実主義に傾かざるを得なかったのだ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私は
謙遜
(
けんそん
)
に人の評を聞きました、決して自分の仕事だけが
是
(
ぜ
)
なりとは思わない、世間のどんな人の評もおろそかには聞かず、よしと思われる評は受け入れようとしました、けれども
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
が、
昨
(
さく
)
の非を
悔
(
く
)
い今の
是
(
ぜ
)
を
悟
(
さと
)
つてゐる上から云へば、予も亦同じ
帰去来
(
ききよらい
)
の人である。春風は既に予が草堂の
簷
(
のき
)
を吹いた。これから予も
軽燕
(
けいえん
)
と共に、そろそろ征途へ
上
(
のぼ
)
らうと思つてゐる。
入社の辞
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
高敏の家業は、曾孫三
市
(
いち
)
さんの聞いてゐる所に従へば、古著屋であつたと云ふ。しかし伊沢宗家の伝ふる所を以てすれば小さい書肆であつたと云ふ。これは両説皆
是
(
ぜ
)
であるかも知れない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
国民の
是
(
ぜ
)
なりと認むる事が、
国是
(
こくぜ
)
である。これが多数政治の原則である。
憲政に於ける輿論の勢力
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
罪の罪たるを知らざるより大なる罪はなし、とはカーライルに聞くところなり、
昨日
(
さくじつ
)
の非を知りて
明日
(
みやうにち
)
の
是
(
ぜ
)
を期するは、信仰に入るの
要緘
(
えうしん
)
にして、罪人の必らず自殺すべしとせざるは之をもてなり。
山庵雑記
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
“是”の意味
《名詞》
(ゼ)正しいこと。
(出典:Wiktionary)
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
“是”を含む語句
如是
彼是
是非
是方
是限
於是
頑是
是々
是処
是有
是等
如是我聞
是程
是沙汰
彼方是方
是公
方是乎可信依
如是縁庵
是切
是無
...