文明ぶんめい)” の例文
またギリシヤの文明ぶんめいひらけるまへに、クリートのしまやその附近ふきんにおいて發達はつたつした文明ぶんめいも、やはり青銅器せいどうき時代じだいぞくするのでありました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
文明ぶんめいのこの社会しゃかいまれながら、むかしのものなぞをありがたがるのは、じつにくだらないことだと、かれ簡単かんたんかんがえたのであります。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
諭吉ゆきちは、このヨーロッパ旅行りょこうで、日本にっぽんくにをひらいて、西洋せいよう文明ぶんめいをとりれなければならないというかんがえをつよめました。
見識けんしき迂闊うくわつ同根也どうこんなり源平げんぺい桃也もゝなり馬鹿ばかのする事なり。文明ぶんめいぜにのかゝらぬもの、腹のふくるゝものを求めてまざる事と相見あひみ申候まうしそろ。(十四日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
して、その、世をしのぶ老士得印兼光なる主の物語というのは? はなしは、文明ぶんめいより永正えいしょうにかけてのむかしにかえる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
一触いっしょくしてタイタニックを沈めた氷山である。華麗かれいな羅馬の文明を鉄蹄てってい蹂躙じゅうりんした北狄ほくてき蛮人である。一切の作為さくい文明ぶんめいは、彼等の前に灰の如く消えて了う。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さも/\おとろへたかたちで、永代えいたいはうからながつゞいてるが、いてせんくと、文明ぶんめい程度ていど段々だん/\此方こつちるにしたがうて、屋根越やねごしにぶることがわかるであらう。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
文明ぶんめい十七年十二月の大晦日おおみそかに、不意討ちをかけて城をのっとったので、掃部介かもんのすけ殿も討死なさったのであります。
日本全國にほんぜんこく津々浦々つゝうら/\までもゆきわたつてはず文明ぶんめい恩澤おんたくぼく故郷くにには其微光そのびくわうすらみとなかつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
文明ぶんめい元年の二月なかばである。朝がたからちらつきだした粉雪は、いつの間にか水気の多い牡丹ぼたん雪に変って、ひるをまわる頃には奈良の町を、ふかぶかとうずめつくした。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
さてついででございますから一寸ちょっと申しておきますが、一休様は応永おうえい元年のお生れで、文明ぶんめい十三年の御入寂ごにゅうじゃくでいらせられますから、浮世にお在遊ばしたことは丁度八十八年で
神主かんぬし宮氏の家に貞和ぢやうわ文明ぶんめいの頃の記録きろく今にそんせり。当主たうしゆ文雅ぶんがこのみ吟詠ぎんえいにもとめり、雅名がめい正樹まさきといふ。同好どうこうを以てまじはりおさむ。幣下へいしたとなふ社家しやけ諸方しよはうにあまたある大社也。
ところが、物質ぶつしつ進化しんか方面ほうめんと、精神上せいしんじようのことゝは反對はんたいで、複雜ふくざつなものをだんだん整頓せいとんして、簡單かんたんにして能力のうりよく出來できることが、文明ぶんめいすゝんでゆくありさまであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
時は文明ぶんめい五年であり、応仁の大乱が始まって以来、七年を経た時であり、京都の町々は兵火にかかり、その大半は烏有うゆうに帰し、残った家々も大破し、没落し、旅舎というようなものもなく
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
文明ぶんめいだという、にぎやかななかまれて、いったいどんなしあわせをけたろう? きているあいだは、なかのために仕事しごとをした。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしてつはじめてもちひられたころは、どうばかり使つかつてゐたまへ時代じだいよりはかならずしも文明ぶんめいすゝんでゐたといふことは出來できません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
しかし、アメリカのりっぱな文明ぶんめい自分じぶんでみてきた諭吉ゆきちは、これを日本にっぽんにとりれなければならないとおもいました。
文明ぶんめい元年の二月なかばである。朝がたからちらつきだした粉雪は、いつの間にか水気の多い牡丹ぼたん雪に変つて、ひるをまはる頃には奈良の町を、ふかぶかとうづめつくした。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
文明ぶんめいより永正えいしょうにかけての昔——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こうして、このなかは、みんなのちからによって、文明ぶんめいになり、つごうがよくゆき、そして平和へいわたもたれてきたのでありました。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして三千年さんぜんねん五千年ごせんねんまへから日本につぽん島々しま/″\には人間にんげんんでゐて、石器時代せつきじだい文明ぶんめいながくつゞけてゐたといふことがわかつてたのであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ほんをだして、一人ひとりでもおおくのひとに、自分じぶんかんがえをわかってもらい、西洋せいようのすすんだ文明ぶんめいをとりれてもらいたいと、いっしょうけんめいにげんこうをかきました。
それから、いろいろあちらの文明ぶんめいはなしや、まだひとのたくさんゆかないような土地とちで、たからや、めずらしいものが無尽蔵むじんぞうにあるはなしなどをきました。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たまには、かねにぎって、かえって、都会とかい文明ぶんめいにもせっしたり、うまいさけんでみるものだ。」と、いいました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんなばかなはなしがあるものか。この文明ぶんめいなかに、ものや、悪魔あくまなどのいようはずがない。むかしひとは、いろんなことをいって、ひまをつぶしたものだ。
青いランプ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そうすれば、まちうつくしくなり、また、電燈でんとうもつき、いろいろな文明ぶんめい設備せつびがゆきとどくにちがいがありません。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先生せんせいに、いてやろう……。なか文明ぶんめいになって、かえって、品物しなものわるくなるということを?」
お母さんのかんざし (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちは、けっして、ひとりでに、このなか便利べんりに、文明ぶんめいになったとおもってはいけません。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、この文明ぶんめいなかに、時計とけいもちいなくてははなしにならぬというので、むらうちでの金持かねもちの一人ひとりが、まちたときに、そのまち時計屋とけいやから、一つの時計とけいもとめたのであります。
時計のない村 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なかが、文明ぶんめいになればなるほど、そこには、犠牲ぎせいになっているものがあるのだ。みんな人間にんげんは、しまいにはその職業しょくぎょうのためにぬのさ。そうおもっていれば、いちばんまちがいがない。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二人ふたりは、それが貨幣かへいであって、それとおなじものが、かぞえることのできないほどたくさんにあって、世界せかい文明ぶんめいがゆきわたっている国々くにぐに流通りゅうつうしているということなどはりませんでした。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おれもはやく、こんな船乗ふなのりなんかやめて、おかがりたいとおもっているよ。いくら、なか文明ぶんめいになったって、こうしてふねにばかりっているんでは、ありがたみがわからないじゃないか。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けっして、自分じぶんひとりが、どんなに富裕ふゆうであっても、また学問がくもんがあっても、このなかは、すこしもつごうよくいくものでもなければ、また文明ぶんめいになるものでもないことをよくらなければなりません。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)