“烏有”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うゆう87.5%
ういう12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
* 荒井寛方氏の労作、この後五六年を経て、大正十二年の関東大震災の際、東京帝国大学文学部の美術史研究室において烏有うゆうに帰した。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
全部の建物が烏有うゆうに帰し、狭山良吉という剥皮夫が一名生き残ったほか、清水技手以下五名が焼死したという椿事である。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この変な私の蒐集も、戦火のために他の一切と共に烏有ういうに帰したが、こんな物よりも港々の思ひ出を伴つて居る菓子の写生帳は、どうなつて居るのか、時々思ひ出すことがある。
菓子の譜 (新字旧仮名) / 岩本素白(著)
こゝに烏有ういう先生といふ談理家ありけり。理を談ずることを旨とする一大文學雜誌を發行せむとおもへども未だ果さず。烏有先生は何故に談理家となりぬるか。曰く記實にあかでなり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)