トップ
>
悪口
>
わるくち
ふりがな文庫
“
悪口
(
わるくち
)” の例文
旧字:
惡口
はじめの二、三
日
(
にち
)
は、その
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
に
対
(
たい
)
して、べつに
親
(
した
)
しくしたものもなかったが、また、
悪口
(
わるくち
)
をいうようなものもありませんでした。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
和尚
(
おしょう
)
さま、
聞
(
き
)
きますとゆうべねずみがこちらへ
上
(
あ
)
がって、わたくしどもの
悪口
(
わるくち
)
を
申
(
もう
)
したそうですね。どうもけしからん
話
(
はなし
)
でございます。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
「ハハハそれじゃ刑事の
悪口
(
わるくち
)
はやめにしよう。しかし刑事を尊敬するのは、まだしもだが、泥棒を尊敬するに至っては、驚かざるを得んよ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
△「まア何うしたんだ、勝も
余
(
あん
)
まり大人気ねえじゃねえか、熊の
悪口
(
わるくち
)
は知ッてながら、
廃
(
よ
)
せッてえば、
下
(
くだ
)
らねえ喧嘩するが
外見
(
みえ
)
じゃアあるめえ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それに、時々、その
活
(
い
)
き
活
(
い
)
きした目がかすむのを井筒屋のお貞が
悪口
(
わるくち
)
で、
黴毒性
(
ばいどくせい
)
のそこひが出るのだと聴いていたのが、今さら思い出されて、僕はぞッとした。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
そうですとも。ゾイリアと云えば、昔から、有名な国です。御承知でしょうが、ホメロスに猛烈な
悪口
(
わるくち
)
を
Mensura Zoili
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さんざん
悪口
(
わるくち
)
の歌を歌ひますと、達磨さんもやつと目をさまして、あたりを見廻しましたが、お友達の鼠だと知りましたから、またグーグーと眠つてしまひました。
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
それはさっき、泣き虫の
蛾次郎
(
がじろう
)
に、さんざんな
悪口
(
わるくち
)
や
揶揄
(
やゆ
)
をなげられていた
盲
(
めくら
)
の少年——鞍馬の竹童。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いままでどおりの生活がいつまでも続くとでも思っているのかしら、相変らず、よそのひとの
悪口
(
わるくち
)
ばかり言いながら、寝て起きて食べて、ひとを見たら泥棒と思って
冬の花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
腹
(
はら
)
ばいになって
芝生
(
しばふ
)
に顔をうずめた。息切れがとまると、また
何
(
なに
)
か
悪口
(
わるくち
)
をいってやろうと考えた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
先日
(
こなひだ
)
の事、都路華香氏を訪ねて、
例
(
いつも
)
のやうにそろそろ拝み倒しにかゝつたが、
旋毛
(
つむじ
)
曲りの華香氏を動かすには何でも
画家
(
ゑかき
)
仲間の
悪口
(
わるくち
)
を言はねばならぬと思つたらしかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
己の家の饅頭がなぜこんなに名高いのだと思う、などとちゃらかすので、そんならお前さんはもう早くから人の
悪口
(
わるくち
)
も聞いていたのかと問えば、うん、と言ってすましている。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
乃公
(
おれ
)
の
側
(
そば
)
では喫んで
呉
(
く
)
れるななんて、
愛想
(
あいそ
)
づかしの
悪口
(
わるくち
)
を
云
(
いっ
)
て居たから、今になって自分が烟草を始めるのは
如何
(
どう
)
もきまりが悪いけれども、高橋の説を聞けば
亦
(
また
)
無理でもない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
高橋
例
(
れい
)
の
悪口
(
わるくち
)
を言出せば、先生、
黙
(
だま
)
って見て
居
(
お
)
れ、その
代
(
かわ
)
りに我れ
鰻飯
(
うなぎめし
)
を
汝
(
なんじ
)
に
奢
(
おご
)
らんと。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
当時の
屠者
(
えた
)
の事を評して、「蓋人中最下之種」と侮辱極まる言辞を用いているのも、畢竟僧侶の同一見地から出た
悪口
(
わるくち
)
で、当時彼らの見る旃陀羅の地位を言いあらわしたものなのである。
旃陀羅考:日蓮聖人はエタの子なりという事
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
何そんな気の
利
(
き
)
いた物は有りさうにもしない生れると直さま橋の
袂
(
たもと
)
の貸赤子に出されたのだなどと
朋輩
(
はうばい
)
の奴等が
悪口
(
わるくち
)
をいふが、もしかするとさうかも知れない、それなら己れは
乞食
(
こじき
)
の子だ
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そうじゃないなんて
思
(
おも
)
ったり、いったりする
者
(
もの
)
があったら、それこそ神様を
敬
(
うやま
)
わないで、人の
悪口
(
わるくち
)
をいう人だといってやります。ジャンセエニュ
先生
(
せんせい
)
の
生徒
(
せいと
)
はみんなおとなしくて、
勉強家
(
べんきょうか
)
です。
母の話
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
悪口
(
わるくち
)
をあびせかけられ、向うの通りを行く人々からは相手にされないで、源一もすっかり元気をなくし、くたびれはてて焼けあとの焼け
煙突
(
えんとつ
)
のうえにあかあかと落ちてくる夕日が目にうつると
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
浪子が病みて地を
転
(
か
)
えしより、武男は帰京するごとに母の
機嫌
(
きげん
)
の次第に
悪
(
あ
)
しく、伝染の恐れあればなるべく逗子には遠ざかれとまで戒められ、さまざまの壁訴訟の果ては
昂
(
こう
)
じて
実家
(
さと
)
の
悪口
(
わるくち
)
となり
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「何のためだろう、丙はあちこちで君の
悪口
(
わるくち
)
を言い歩くよ」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「おまえに
悪口
(
わるくち
)
を
言
(
い
)
うの」
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼
(
かれ
)
は、いたっておとなしい
性質
(
せいしつ
)
で、
自分
(
じぶん
)
のほうからほかのものに
手出
(
てだ
)
しをしてけんかをしたり、
悪口
(
わるくち
)
をいったりしたことがありません。
どこで笛吹く
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、こんなことをいい
合
(
あ
)
っては、あざ
笑
(
わら
)
いました。そして
中将
(
ちゅうじょう
)
や
奥方
(
おくがた
)
に
向
(
む
)
かっても、
鉢
(
はち
)
かつぎの
悪口
(
わるくち
)
ばかりいっていました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
東京に生れて東京に育ったその父は、何ぞというとすぐ
上方
(
かみがた
)
の
悪口
(
わるくち
)
を云いたがる癖に、いつか永住の目的をもって京都に落ちついてしまった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
世間の
悪口
(
わるくち
)
だろうから取上げるなよ、
私
(
わし
)
が来ましてから御新造は
些
(
ちっ
)
とも
他
(
ほか
)
へ出た事はないぞ、弁天へ参詣に
行
(
ゆ
)
くにも小女が附き、決して
何処
(
どこ
)
へも行った事はない
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また、よくもさっきは、この竹童を
盲
(
めくら
)
とあなどって、
土塊
(
つちくれ
)
をぶつけたり、お
師匠
(
ししょう
)
さまの
悪口
(
わるくち
)
をたたいたり、そして、
鞍馬
(
くらま
)
の竹童のことを、天下のお
乞食
(
こじき
)
さまとののしり恥ずかしめたな。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それをこの
市
(
まち
)
じゃ理解もなしに、さも弟だの妹だのの結婚を
邪魔
(
じゃま
)
でもするために片づかずにいるように考えるんでしょう。そう云う
悪口
(
わるくち
)
を云われるのはずいぶんあなた、たまらないものよ。
文放古
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「まるで
悪口
(
わるくち
)
の言葉のようだわ……。」
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「そうよ、ものはこわすし、あまり、りこうではないわ。」と、
二人
(
ふたり
)
は、いっしょになって、きよの
悪口
(
わるくち
)
をいっていました。
北風にたこは上がる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ただ原口さんが、しきりに
九段
(
くだん
)
の上の銅像の
悪口
(
わるくち
)
を言っていた。あんな銅像をむやみに立てられては、東京市民が迷惑する。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その上に
為朝
(
ためとも
)
の
悪口
(
わるくち
)
を
有
(
あ
)
ること
無
(
な
)
いことたくさんにならべて、どうか一
日
(
にち
)
も
早
(
はや
)
く
為朝
(
ためとも
)
をつかまえて、
九州
(
きゅうしゅう
)
の
人民
(
じんみん
)
の
難儀
(
なんぎ
)
をお
救
(
すく
)
い
下
(
くだ
)
さいと
申
(
もう
)
し
上
(
あ
)
げました。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
誰を見ても怖がって
彼
(
あれ
)
じゃアねえ/\と云やアがる……何うしたんですエ……幇間が……、成程、
悪口
(
わるくち
)
を利いたんで……安、己があの侍に喧嘩ア吹ッかけて、あの頭巾をふんだくるから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
学校
(
がっこう
)
では、
正雄
(
まさお
)
も、いっしょになって
悪口
(
わるくち
)
をいった
一人
(
ひとり
)
なのでした。なかには、まったくそんな
悪口
(
わるくち
)
などをいわずに、
黙
(
だま
)
っていた
生徒
(
せいと
)
もありました。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
最初妹からつけられて、たちまち家族のうちに
伝播
(
でんぱん
)
したこの
悪口
(
わるくち
)
は、近頃彼女自身によって平気に使用されていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
村の者も今迄は
堅
(
かて
)
え人だったが、
何
(
ど
)
う言う訳だがな泊り歩くが、役柄もしながらハアよくねえ
事
(
こッ
)
たア
年老
(
としと
)
った親を置いて、なんて
悪口
(
わるくち
)
を
利
(
き
)
く者もあるで、
成
(
なる
)
だけ
他人
(
ひと
)
には能く云わしたいが
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「なんだい、こんな
黒
(
くろ
)
いからすなんかつまらないなあ。」といって、かごの
前
(
まえ
)
に
立
(
た
)
って、
悪口
(
わるくち
)
をいいましたけれど、
主人
(
しゅじん
)
は、そんなことに
頓着
(
とんちゃく
)
せず
からすの唄うたい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうして私の
悪口
(
わるくち
)
を自分で肯定するようなこの
挨拶
(
あいさつ
)
が、それほど自然に、それほど
雑作
(
ぞうさ
)
なく、それほど
拘泥
(
こだ
)
わらずに、するすると私の
咽喉
(
のど
)
を
滑
(
すべ
)
り越したものだろうか。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
悪口
(
わるくち
)
をきいて居る処へ、ガラリと戸を明けて帰って来たが、ずぶ
濡
(
ぬれ
)
で
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
だんだん
日
(
ひ
)
がたつと、こんどは
反対
(
はんたい
)
に、
独
(
ひと
)
りぼっちの
女
(
おんな
)
の
子
(
こ
)
を、みんなして、
悪口
(
わるくち
)
をいったり、わざと
仲間
(
なかま
)
はずれにしたりして、おもしろがったのでした。
青いボタン
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし津田に
嫁
(
とつ
)
いでからの彼女は、嫁ぐとすぐにこの態度を改めた。ところが最初
慎
(
つつし
)
みのために控えた
悪口
(
わるくち
)
は、二カ月経っても、三カ月経ってもなかなか出て来なかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
孫「誰だ、そんな
悪口
(
わるくち
)
をいうのは」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この
健康
(
けんこう
)
そうな
赤
(
あか
)
ん
坊
(
ぼう
)
ほどもある
人形
(
にんぎょう
)
は、そのひょうきんな
顔
(
かお
)
つきでは、いまにも、
足音
(
あしおと
)
におどろいて、
目
(
め
)
をくるくるさし、
通
(
とお
)
りかかる
人
(
ひと
)
になにか
悪口
(
わるくち
)
をいって
戦争はぼくをおとなにした
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
又与次郎の
悪口
(
わるくち
)
が
出
(
で
)
た。其与次郎は今頃窮屈な会場のなかで、一生懸命に、奔走し且つ
斡旋
(
あつせん
)
して大得意なのだから面白い。もし先生を
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
かなからうものなら、先生
果
(
はた
)
して
来
(
こ
)
ない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
幸「
悪口
(
わるくち
)
をきゝなさんな」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
無欲
(
むよく
)
な、
正直
(
しょうじき
)
な
人間
(
にんげん
)
だ。そんな
悪口
(
わるくち
)
をいうもんでねえ。
雪
(
ゆき
)
が
降
(
ふ
)
って、
仕事
(
しごと
)
がなくなって
困
(
こま
)
っているだろうから、
私
(
わたし
)
は、
明日
(
あす
)
にも、ちょっといってのぞいてみるつもりだ。
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
また与次郎の
悪口
(
わるくち
)
が出た。その与次郎は今ごろ窮屈な会場のなかで、一生懸命に、奔走しかつ
斡旋
(
あっせん
)
して大得意なのだからおもしろい。もし先生を連れて行かなかろうものなら、先生はたして来ない。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
父
(
とう
)
さんの
悪口
(
わるくち
)
なんかいったら、
僕
(
ぼく
)
は、
承知
(
しょうち
)
しない。もし、
学校
(
がっこう
)
へいって、
試験勉強
(
しけんべんきょう
)
ばかりしていたら、
僕
(
ぼく
)
は、ほんとうの
自然
(
しぜん
)
というものを、
永久
(
えいきゅう
)
にわからずにしまったろうな。
金歯
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
両人は出直そうとしては出遅れ、出遅れては出直そうとして、柱時計の
振子
(
ふりこ
)
のようにこっち、あっちと迷い続けに迷うてくる。しまいには双方で双方を思い切りの
悪
(
わ
)
るい野郎だと
悪口
(
わるくち
)
が云いたくなる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「やあい、どこかの
弱虫
(
よわむし
)
め、やあい。」と、
後
(
うし
)
ろの
方
(
ほう
)
で
子供
(
こども
)
らが
悪口
(
わるくち
)
をいいました。
角笛吹く子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ほんとうに、かわいそうなことをしたな。おれに、よく
悪口
(
わるくち
)
をいったり、
石
(
いし
)
を
投
(
な
)
げたり、からかったが、あの
子
(
こ
)
は、かわいい、いい
子
(
こ
)
だった。おれ、ちっとも
憎
(
にく
)
いと
思
(
おも
)
ったことがなかったよ。」
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“悪口”の意味
《名詞》
他人のことを悪く言い、貶すこと。
悪態をつくこと。
(出典:Wiktionary)
“悪口”の解説
悪口(わるくち、わるぐち)とは、他人のことを悪くいうこと、貶すこと、悪態をつくこと。古語の悪口(あっこう)は、言葉によって他人の名誉などを傷つける行為、もしくはそれによって成立する犯罪で、中世の日本では規制された。
(出典:Wikipedia)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“悪口”で始まる語句
悪口雑言
悪口家