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徐
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しづ
ふりがな文庫
“
徐
(
しづ
)” の例文
八 廣く各國の制度を採り開明に進まんとならば、先づ我國の本體を
居
(
す
)
ゑ風教を張り、然して後
徐
(
しづ
)
かに彼の長所を斟酌するものぞ。
遺訓
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
群集の中から三人の男が影のやうに舟にすべり込んで
纜
(
ともづな
)
を解いた。
徐
(
しづ
)
かに艣を操つて、松明の火を波に
障
(
さは
)
るやうに低く持つて漕いでゐる。
聖ニコラウスの夜
(新字旧仮名)
/
カミーユ・ルモンニエー
(著)
それは
徐
(
しづ
)
かに近寄つて來た。間も無くその黒い船體が眼界に現はれた、——それは實際西部の峽灣を巡𢌞に來た巡洋船であつた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
みらるゝに
久
(
ひさ
)
しく浪々なし殊に此程は
牢舍
(
らうしや
)
せし事
故
(
ゆゑ
)
甚
(
はなは
)
だ
窶
(
やつ
)
れ居ると雖も自然と
人品
(
じんぴん
)
よく天晴の
武士
(
さぶらひ
)
なりしかば大岡殿
徐
(
しづ
)
かに言葉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そしてその下流は、長白山脈を右にした、襞の多い、皺の多い山地の中へと
徐
(
しづ
)
かに日に輝いて流れて行くのを私達は見ました。
一少女
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
▼ もっと見る
彼
(
か
)
の人の眠りは、
徐
(
しづ
)
かに覚めて行つた。まつ黒い夜の中に、更に冷え圧するものゝ澱んでゐるなかに、目のあいて来るのを覚えたのである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
終夜
(
よもすがら
)
供養
(
くやう
)
したてまつらばやと、御墓の前のたひらなる石の上に座をしめて、
経文
(
きやうもん
)
徐
(
しづ
)
かに
誦
(
ず
)
しつつも、かつ歌よみてたてまつる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
苦痛の重荷に押し据ゑられたる我は、アヌンチヤタが足の下に伏しまろびしに、アヌンチヤタ
徐
(
しづ
)
かに
扶
(
たす
)
け起し、すかして戸外に伴ひ出でぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
(お妙はうつむきて悲しげに聽きゐたるが、やがて湯の沸きたるに心づきて、茶碗につぎて父にすゝめる。鬼貫は
徐
(
しづ
)
かに湯をのみて又考へる。)
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僧
(
そう
)
は
徐
(
しづ
)
かに
鉢
(
はち
)
に
殘
(
のこ
)
つた
水
(
みづ
)
を
床
(
ゆか
)
に
傾
(
かたむ
)
けた。そして「そんならこれでお
暇
(
いとま
)
をいたします」と
云
(
い
)
ふや
否
(
いな
)
や、くるりと
閭
(
りよ
)
に
背中
(
せなか
)
を
向
(
む
)
けて、
戸口
(
とぐち
)
の
方
(
はう
)
へ
歩
(
ある
)
き
出
(
だ
)
した。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
三
人
(
にん
)
の
兵士
(
へいし
)
はそれを
見
(
み
)
ながら二三
分間
(
ぷんかん
)
彷徨
(
うろ/\
)
して
居
(
ゐ
)
ましたが、やがて
徐
(
しづ
)
かに
他
(
た
)
の
者
(
もの
)
の
後
(
あと
)
に
隨
(
つ
)
いて
進
(
すゝ
)
んで
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
私は
徐
(
しづ
)
かに足を運んだ。別に行き逢ふ人もないのに、殊更
迂路
(
まはりみち
)
をして、白い野薔薇のところ/″\咲いてゐる
小径
(
こみち
)
を
択
(
よ
)
つて歩いた。『別に急ぐことはない。急いだつて同じことだ』
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
大佐
(
たいさ
)
は
笑
(
わら
)
ひながら
徐
(
しづ
)
かに
歩
(
あゆ
)
み
出
(
だ
)
すと、
一同
(
いちどう
)
は
吾等
(
われら
)
の
前後左右
(
ぜんごさゆう
)
を
取卷
(
とりま
)
いて、
家路
(
いへぢ
)
に
迎
(
むか
)
ふ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それでも、療治を受けた
後
(
あと
)
なぞはしばらく
徐
(
しづ
)
かに寢る方がいゝと院長は言ひ附けた。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
幾度
(
いくたび
)
も廊下の角を曲がつた末に、主人と己とは一つの扉の前に立ち留まつた。鍵のから/\鳴るのが聞えた。続いて鍵で錠を開けた。油の引いてある
枢
(
くるる
)
が滑かに廻つて、扉が
徐
(
しづ
)
かに開いた。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
スタニスラウスは
徐
(
しづ
)
かに手を振つた。人に邪魔をせられずに落ち着いてゐたいと思つたからである。けふかあすかは知らぬが、自分はもうこの椅子から立ち上がらずにしまふのが分かつてゐる。
祭日
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
旅の身の
大河
(
おほかは
)
ひとつまどはむや
徐
(
しづ
)
かに
日記
(
にき
)
の里の名けしぬ(旅びと)
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
今
(
いま
)
一
度
(
ど
)
物
(
もの
)
言
(
い
)
うて
下
(
くだ
)
され、
天人
(
てんにん
)
どの! さうして
高
(
たか
)
い
處
(
ところ
)
に
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
いておゐやる
姿
(
すがた
)
は、
驚
(
おどろ
)
き
異
(
あやし
)
んで、
後
(
あと
)
へ
退
(
さが
)
って、
目
(
め
)
を
白
(
しろ
)
うして
見上
(
みあ
)
げてゐる
人間共
(
にんげんども
)
の
頭上
(
とうじゃう
)
を、
翼
(
はね
)
のある
天
(
てん
)
の
使
(
つかひ
)
が、
徐
(
しづ
)
かに
漂
(
たゞよ
)
ふ
雲
(
くも
)
に
騎
(
の
)
って
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
然
(
しか
)
し道の通り合せに、真直に見て歩く女があつたからといつて、何処の誰ぞとも知らない
間
(
うち
)
は余り
取逆上
(
とりのぼせ
)
てはならない。さういふ折には一度急ぎ足に女を追越して、
徐
(
しづ
)
かに
後
(
あと
)
を振かへつてみるがいい。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
何か珍らしい行列が向うの町から
徐
(
しづ
)
かにやつて來るらしい
鳥料理:A Parody
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
徐
(
しづ
)
かで確実な夕闇と、絶え間なく揺れ動く
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
こんな晩ではそれが
徐
(
しづ
)
かに呟きだすのを
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
徐
(
しづ
)
かにも、その黒い大きい扉が開く時。
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
爾時
(
そのとき
)
我血は氷の如く冷えて、五體
戰
(
ふる
)
ひをのゝき、夢とも
現
(
うつゝ
)
とも分かぬ
間
(
ま
)
に、屍の指はしかと我手を握り屍の唇は
徐
(
しづ
)
かに開きつ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
閉
(
とぢ
)
て居ければ此上は
詞
(
ことば
)
を以て諭さん樣もなく
拷問
(
がうもん
)
に及ぶより外はなしと思はれしなり然れども
猶
(
なほ
)
徐
(
しづ
)
かに長庵を見られ如何に長庵
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
人殺
(
ひとごろ
)
しの
罪
(
つみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
『
競技
(
ゲーム
)
に
參
(
まゐ
)
れ』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
が
愛
(
あい
)
ちやんに
申
(
まを
)
されました、
愛
(
あい
)
ちやんは
驚
(
おどろ
)
きの
餘
(
あま
)
り
一言
(
ひとこと
)
をも
云
(
い
)
ひ
得
(
え
)
ませんでしたが、
徐
(
しづ
)
かに
其
(
そ
)
の
後
(
あと
)
に
隨
(
つ
)
いて
毬投場
(
まりなげば
)
へ
行
(
ゆ
)
きました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
郎女は、
徐
(
しづ
)
かに
両袖
(
もろそで
)
を胸のあたりに重ねて見た。家に居時よりは、
萎
(
な
)
れ、
皺
(
しわ
)
立つてゐるが、小鳥の
羽
(
はね
)
とはなつて居なかつた。手をあげて唇にさはつて見ると、喙でもなかつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
徐
(
しづ
)
かに夜は明けて来た。私は車窓の明るくなつて来るのを感じた。
曠
(
ひろ
)
い野に銀のやうな霧が茫とかゝつて、山も丘もぼんやりとぼかしのやうに空に彫られてあるのを私は感じた。
アカシヤの花
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
『あゝ、
壯快
(
さうくわい
)
、
壯快
(
さうくわい
)
!。』と
私
(
わたくし
)
は
絶叫
(
ぜつけう
)
したよ。
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
徐
(
しづ
)
かに
立上
(
たちあが
)
り
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
博士は重々しい調子で、
徐
(
しづ
)
かにかう云つた。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
私達は再び
徐
(
しづ
)
かに歩き出した。
生者と死者
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
蒼ざめた馬を
徐
(
しづ
)
かに進める!
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
娘は黙つて
徐
(
しづ
)
かに
頷
(
うなづ
)
いた。
駆落
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
徐
(
しづ
)
かに私は酒のんで
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
乃
(
そこ
)
で、
愛
(
あい
)
ちやんは
其
(
その
)
小
(
ちひ
)
さな
動物
(
どうぶつ
)
を
下
(
した
)
へ
置
(
お
)
き、
屹度
(
きつと
)
それが
徐
(
しづ
)
かに
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
へ
逃
(
に
)
げ
込
(
こ
)
むだらうと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
てゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
われは
徐
(
しづ
)
かに、ジエンナロよ、そはよも眞面目なる詞にはあらじといひて、其手を握りしに、ジエンナロは手を引き面を
背
(
そむ
)
け、舟人に
陸
(
くが
)
に着けよと命ぜり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
聞れ心に思はれけるは老中方始め諸役人の前にて今一
應
(
おう
)
明白の吟味を聞せんと
故意
(
わざ
)
と
徐
(
しづ
)
かに
詞
(
ことば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此時
(
このとき
)
徐
(
しづ
)
かに
艇頭
(
ていとう
)
を
廻
(
めぐ
)
らして
此方
(
こなた
)
に
近
(
ちか
)
づいて
來
(
き
)
たが、あゝ、
其
(
その
)
光譽
(
ほまれ
)
ある
觀外塔上
(
くわんぐわいたふじやう
)
を
見
(
み
)
よ※
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
い、
筋骨
(
きんこつ
)
の
逞
(
たく
)
ましい、三十
餘名
(
よめい
)
の
慓悍
(
へうかん
)
無双
(
ぶさう
)
なる
水兵
(
すいへい
)
を
後
(
うしろ
)
に
從
(
したが
)
へて、
雄風
(
ゆうふう
)
凛々
(
りん/\
)
たる
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今日の墓参に
相応
(
ふさは
)
しく
徐
(
しづ
)
かにその心を繞つた。
草みち
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
その時こそは
徐
(
しづ
)
かに飲まう
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
Bは躍る心を押へつゝ
徐
(
しづ
)
かに
把手
(
ハンドル
)
を廻した。
時子
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
徐
常用漢字
中学
部首:⼻
10画
“徐”を含む語句
徐々
徐徐
徐行
緩徐調
徐六岳
徐家滙
徐晃
徐州
徐盛
徐福
徐庶
緩徐
徐鉉
徐氏
徐葆光
徐元直
徐大盡
徐城
徐四
徐商
...