後世こうせい)” の例文
したふか板倉のひえ炬燵こたつとは少しもがないといふ事なりと火と同音どうおんなればなり夫より後世こうせい奉行ぶぎやういつれも堅理けんりなりといへども日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(七九)閭巷りよかうひとおこなひてんとほつするものは、(八〇)青雲せいうんくにあらずんば、いづくんぞく(名ヲ)後世こうせいかん
後世こうせい地上ちじやうきたるべき善美ぜんびなる生活せいくわつのこと、自分じぶんをして一ぷんごとにも壓制者あつせいしや殘忍ざんにん愚鈍ぐどんいきどほらしむるところの、まど鐵格子てつがうしのことなどである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なんといっても、この時代の作で最も有名なものは『捜神記』で、ほとんど後世こうせいの小説の祖をなしたと言ってもよろしいのです。
この書一度ひとたび世にでてより、天下てんか後世こうせい史家しかをしてそのるところを確実かくじつにし、みずからあやまりまた人を誤るのうれいまぬかれしむるにるべし。
かういふうたが、さきにいつたとほり、後世こうせいてはやされて、これをまなひとおほかつたのであります。あとうたからいひませう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
日本にほん化物ばけもの後世こうせいになるほど面白おもしろくなつてるが、これはじ日本にほん地理的關係ちりてきくわんけい化物ばけもの想像さうざうする餘地よちがなかつたためである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
世界に対し闇黒あんこくなるチベットの事情を明らかにして学者社会に功を現わす事があったと仮定しても、恐らくは天下後世こうせい日本の人は何というか知らんが
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
しかるに後世こうせいひと、これを餘震よしん混同こんどうし、したがつて餘震よしんまでも恐怖きようふするにいたつたのは災害防止上さいがいぼうしじよう遺憾いかん次第しだいであつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
常々あれば心おごりて湯水のごとくつかい、無きも同然なるは黄金なり。よって後世こうせいちょうことあるときの用に立てんと、左記の場所へ金——サア、これはわからぬ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
よしや執着のとゞまりてうらみ後世こうせいに訴ふるとも、罪なき我を何かせむ、手にも立たざる幻影にさまで恐るゝことはあらじ、と白昼は何人なんぴとしかく英雄になるぞかし。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ただかたきはどこまでも報いねばならないので、そのしるしに土を少しって来たのです。このくらいのはじを与えたのならば、後世こうせいだれにもはばかることはありますまいから
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
つみなくしてあやまちを得る者は非常の人、くっして、後世こうせいぶ。罪ありてあやまちをまぬかるる者は奸侫人かんねいじんこころざし一時に得て、名後世にず。いにしえてん定まりて人に勝つとはれなり
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
一休いっきゅうさんは、幼時ようじから、からはなけるような、りこうな子供こどもでしたが、そのりこうさが、仏門ぶつもんはいってみがきをかけられ、後世こうせいにのこるような英僧えいそうにとなったわけでしょう。
先生と父兄の皆さまへ (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
「それだけまた、後世こうせいにのこらなかった愚作の数も、思いやられると云うものさ。」
片恋 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
だいめが、屋敷やしきかまえ、くらつくったのは、先祖せんぞあと後世こうせいのこかんがえだったのです。ところが、三だいめになると、そんなかんがえはなく、ただ、あそんでらすことばかりかんがえていました。
武ちゃんと昔話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
六年の男子の中の一番早い生徒でも負かすくらい走れましたので「後世こうせいおそし」
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
人間は自分を通じて先祖を後世こうせいに伝える方便として生きているのか、または自分その者を後世に伝えるために生きているのか。これはどっちでもいい事ですけれども、とりようでは二様にとれる。
無題 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
後世こうせい地上ちじょうきたるべき善美ぜんびなる生活せいかつのこと、自分じぶんをして一ぷんごとにも圧制者あっせいしゃ残忍ざんにん愚鈍ぐどんいきどおらしむるところの、まど鉄格子てつごうしのことなどである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
秦王しんわうのちこれい、ひとをしてこれゆるさしむれば、すでせり。申子しんし韓子かんしみなしよあらはし後世こうせいつたふ、(一二一)學者がくしやおほり。
其外双方さうはう付添つきそひの役人共みぎの通り申わたせしにより其むね心得こゝろえよと申渡されける實にや大岡殿の裁斷さいだん明鏡めいきやうに物をうつすが如く後世こうせい才量さいりやうたゝへるもむべなるかな
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おれはすこし神経質になっているようだ——神経質なンて洒落しゃれた言葉は後世こうせいの発明だから、大迫玄蕃が知っている訳はないが、とにかく、そんなようなことを考えて
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それとともに、時代じだいうつると、言葉ことば意味いみや、むかしにいひならはしたわけが、わからなくなるために、後世こうせいでは、なんのくつもわからない『いひならはし』となつてしまつたのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
しかし僕等の大川おほかはへ水泳を習ひに行つたと言ふことも後世こうせいには不可解に感じられるであらう。現に今でもO君などは「この川でも泳いだりしたものですかね」と少からず驚嘆してゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひん(一四)阿鄄あけんあひだうまる。ひんまた孫武そんぶ後世こうせい子孫也しそんなり孫臏そんびんかつ龐涓はうけんとも兵法へいはふまなぶ。
だからこのうたは、はるかに後世こうせい短歌たんかさかんになつてのちおこなはれして、そのつくつたひともわからなくなり、また、非常ひじよう重々おも/\しいちからのあるものとしんじられた時代じだいに、こんなうただから神代かみよ神樣かみさま
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
知り後世こうせい皮剥かはむき獄門ごくもんとて裁許さいきよ名譽めいよのこされたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)