客樣きやくさま)” の例文
新字:客様
さあ、らつせえまし、わらび自慢じまんだよ。これでもへいうちふではねえ。お客樣きやくさまるだで、澤山どつさり沙魚はぜあたまをだしにれてくだアからね。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うるやと容子を尋ねけるに親十兵衞が云々しか/″\にて年貢のお金に差支さしつかよんどころなく身をうる時宜しぎなれば何卒おかゝへ下されたく如何樣いかやうつらかなしひ事成とも御主人大事御客樣きやくさま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのたまのように、かゞやいていらつしやるうつくしいお客樣きやくさまを、どうぞうちらへ、と御案内ごあんないまをげてくれ。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
きくのおりきゆきぬけのしまりなしだ、苦勞くろうといふことはしるまいとふお客樣きやくさまもござります、ほんに因果ゐんぐわとでもいふものかわたしくらいかなしいものはあるまいとおもひますとて潜然さめ/″\とするに
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
『あのね、おくさんにめづらしいお客樣きやくさまが……。』とつたまゝわたくしはう向直むきなほ
「あんたは白瓜しろうりぽん、それつきり」といひました。お客樣きやくさま
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ほかことでもござりませんが、手前てまへ當年たうねんはじめての御奉公ごほうこうにござりますが、うけたまはりますれば、大殿樣おほとのさま御誕生ごたんじやう御祝儀ごしうぎばん、お客樣きやくさまがお立歸たちかへりにりますると
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
客樣きやくさませやうが空車からときだらうがやとなると用捨ようしやなくやになりまする、あきれはてるわがまゝをとこ愛想あいそきるではりませぬか、さ、おりなされ、おともをしますとすゝめられて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこのいへにお客樣きやくさまがきました。すると鸚鵡あふむ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ほかことでもござりませんが、手前てまへ當年たうねんはじめての御奉公ごほうこうにござりますが、うけたまはりますれば、大殿樣おほとのさま御誕生ごたんじやうのお祝儀しうぎばん、お客樣きやくさま御立歸おたちかへりにりますると、手前てまへども一統いつとうにも
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今歳ことしきてお客樣きやくさま數多かずおほく、午後ごゞよりとの招待状せうたいじよう一つもむなしうりしはくて、ぐるほどのにぎはひは坐敷ざしきあふれて茶室ちやしつすみのがるゝもあり、二かい手摺てすりに洋服ようふくのお輕女郎かるじよろう
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
客樣きやくさまがかへると
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
差出さしでがましうござんすが、お座興ざきようにもとぞんじて、お客樣きやくさままへながら、申上まをしあげます、とお孃樣ぢやうさま御口上ごこうじやう。——うちに、日本につぽんふ、草毟くさむしりわかひとりませう……ふとおもきました。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うつくしいまなじり良人をつとはらをもやはらげれば、可愛かあいらしい口元くちもとからお客樣きやくさまへの世辭せじる、としもねつからきなさらぬにお怜悧りこうなお内儀かみさまとるほどのひとものの、此人このひと此身このみ裏道うらみちはたら
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何處どこへお客樣きやくさまにあるいてたのと不審ふしんてられて、取越とりこしの御年始ごねんしさと素知そしらぬかほをすれば、うそつてるぜ三十日みそか年始ねんしけるうちいやな、親類しんるゐへでもきなすつたかとへば
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「だつてお前樣まへさんはお客樣きやくさまぢやあないかね、お客樣きやくさまならわたしところ旦那だんなだね、ですから、あの、毎度まいど難有ありがたぞんじます。」とやなぎすがつて半身はんしん伸出のびでたまゝ、むねかほなゝめにして、與吉よきちかほ差覗さしのぞく。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
をんなならぬお客樣きやくさま手前店てまへみせへおかけをねがひまするともふにかたからん、御方便ごはうべん商買しようばいがらを心得こゝろゑ口取くちと燒肴やきざかなとあつらへに田舍いなかものもあらざりき、おりきといふは此家このやの一まい看板かんばん
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「お客樣きやくさまだつて、あの、わたし木挽こびき小僧こぞうだもの。」
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それはなんぞのお間違まちがひなるべしわたくし客樣きやくさまにお懇親ちかづきはなしいけはたよりおともせしに相違さうゐけれど車代しやだいたまはるよりほか御用ごようありとはおぼえず其譯そのわけおほせられて車代しやだい頂戴ちやうだいねがくだされたしと一歩いつぽうごかんとせぬ芳之助よしのすけ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)