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失望
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しつばう
ふりがな文庫
“
失望
(
しつばう
)” の例文
竹村
(
たけむら
)
は一
年
(
ねん
)
たつかたゝないうちに、
大久保
(
おほくぼ
)
の
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
たのに
失望
(
しつばう
)
したが、
大久保
(
おほくぼ
)
の
帰朝
(
きてう
)
の
寂
(
さび
)
しかつたことも、
少
(
すく
)
なからず
彼
(
かれ
)
を
傷
(
いた
)
ましめた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「さうですな、
拜見
(
はいけん
)
に
出
(
で
)
ても
可
(
よ
)
うがす」と
輕
(
かる
)
く
受合
(
うけあ
)
つたが、
別
(
べつ
)
に
氣
(
き
)
の
乘
(
の
)
つた
樣子
(
やうす
)
もないので、
御米
(
およね
)
は
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
少
(
すこ
)
し
失望
(
しつばう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
過
(
す
)
ぎがてに
愛
(
あい
)
ちやんは、
棚
(
たな
)
の
一
(
ひと
)
つから一
個
(
こ
)
の
甕
(
かめ
)
を
取下
(
とりおろ
)
しました、それには『
橙糖菓
(
オレンジたうくわ
)
』と
貼紙
(
はりがみ
)
してありましたが、
空
(
から
)
だつたので
大
(
おほ
)
いに
失望
(
しつばう
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と、
然
(
さ
)
う
思返
(
おもひかへ
)
したものゝ、
猶且
(
やはり
)
失望
(
しつばう
)
は
彼
(
かれ
)
の
心
(
こゝろ
)
に
愈〻
(
いよ/\
)
募
(
つの
)
つて、
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
はず
兩
(
りやう
)
の
手
(
て
)
に
格子
(
かうし
)
を
捉
(
とら
)
へ、
力儘
(
ちからまか
)
せに
搖動
(
ゆすぶ
)
つたが、
堅固
(
けんご
)
な
格子
(
かうし
)
はミチリとの
音
(
おと
)
も
爲
(
せ
)
ぬ。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
女
(
をんな
)
は
弱
(
よわ
)
いもの
故
(
ゆゑ
)
にたやすく
失望
(
しつばう
)
をし、そしてたやすく
自棄
(
やけ
)
にもなります。やがて私達にもそれがやつて來ました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
彼等
(
かれら
)
は
丁度
(
ちやうど
)
䰗
(
くじ
)
を
引
(
ひ
)
くやうに
屹度
(
きつと
)
一
(
ひと
)
つは
當
(
あた
)
る
筈
(
はず
)
のどつぺを
悉皆
(
みんな
)
が
心
(
こゝろ
)
あてに
掴
(
つか
)
んで
引
(
ひ
)
くのである。一
度
(
ど
)
毎
(
ごと
)
に
失望
(
しつばう
)
と
滿足
(
まんぞく
)
とが
悉皆
(
みんな
)
の
顏
(
かほ
)
にそれからそれと
移
(
うつ
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
K
氏
(
し
)
はすぐに、
村役場
(
むらやくば
)
へ
證明書
(
しようめいしよ
)
を
貰
(
もら
)
ひに
出
(
で
)
て
行
(
い
)
つたが、
失望
(
しつばう
)
して
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
證明書
(
しようめいしよ
)
なるものが
下附
(
かふ
)
されるには、十
日
(
か
)
かゝるか
二十日
(
はつか
)
かゝるか、
解
(
わか
)
らないといふ
事
(
こと
)
だつた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
遂
(
つひ
)
に
失望
(
しつばう
)
落膽
(
らくたん
)
し、
今更
(
いまさ
)
ら
世間
(
せけん
)
へも
面目
(
めんもく
)
なく、
果
(
はて
)
は
思
(
おも
)
ひ
迫
(
せま
)
つて
大
(
おほ
)
いに
決心
(
けつしん
)
して
居
(
ゐ
)
たのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
私
(
わたくし
)
は
此
(
この
)
光景
(
くわうけい
)
を
見
(
み
)
て
實
(
じつ
)
に
失望
(
しつばう
)
した、
見渡
(
みわた
)
した
所
(
ところ
)
此
(
この
)
島
(
しま
)
の
模樣
(
もやう
)
は
疑
(
うたがひ
)
もなき
無人島
(
むじんとう
)
! かく
全島
(
ぜんたう
)
が
山
(
やま
)
と、
森
(
もり
)
と、
谷
(
たに
)
とで
蔽
(
おほ
)
はれて
居
(
を
)
つては、
今更
(
いまさら
)
何處
(
どこ
)
へと
方向
(
ほうがく
)
を
定
(
さだ
)
める
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ぬのである
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
下人は、老婆の答が存外、
平凡
(
へいぼん
)
なのに失望した。さうして
失望
(
しつばう
)
すると同時に、又前の憎惡が、冷な
侮蔑
(
ぶべつ
)
と一しよに、心の中へはいつて來た。すると、その
氣色
(
けしき
)
が、先方へも通じたのであらう。
羅生門
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
思
(
おも
)
はずあツといつて
失望
(
しつばう
)
した
時
(
とき
)
、
轟々
(
がう/\
)
轟
(
がう
)
といふ
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
。
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
な
)
んだ、
君
(
きみ
)
もですか、これは
如何
(
どう
)
も
失望
(
しつばう
)
した。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
愛
(
あい
)
ちやんは
頗
(
すこぶ
)
る
失望
(
しつばう
)
して
誰
(
だれ
)
かに
助
(
たす
)
けて
貰
(
もら
)
はうと
思
(
おも
)
つてた
矢先
(
やさき
)
でしたから
兎
(
うさぎ
)
が
傍
(
そば
)
へ
來
(
き
)
たのを
幸
(
さいは
)
ひ、
低
(
ひく
)
い
怕々
(
おど/\
)
した
聲
(
こゑ
)
で、『
萬望
(
どうぞ
)
、
貴方
(
あなた
)
——』と
云
(
い
)
ひかけました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
さうしてつかまう/\とする
要求
(
えうきう
)
が
烈
(
はげ
)
しくなればなるほど強くなつて來るのは、それに
對
(
たい
)
する
失望
(
しつばう
)
の心でした。私達は
暗
(
やみ
)
の中に
手探
(
てさぐ
)
りで何かを探し
廻
(
まは
)
つてゐました。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
で、
彼
(
かれ
)
ももう
思慮
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
の
無益
(
むえき
)
なのを
悟
(
さと
)
り、
全然
(
すつかり
)
失望
(
しつばう
)
と、
恐怖
(
きようふ
)
との
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
んで
了
(
しま
)
つたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
(
そ
)
の
莖
(
くき
)
を
痛
(
いた
)
めても
構
(
かま
)
はぬ
拗切
(
ちぎ
)
りやうを
見
(
み
)
て
失望
(
しつばう
)
と
憤懣
(
ふんまん
)
の
情
(
じやう
)
とを
自然
(
しぜん
)
に
經驗
(
けいけん
)
せざるを
得
(
え
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
土井は最初そこへ
着
(
つ
)
いた
晩
(
ばん
)
、筆を執るやうな落着きがないのに、ちよつと
失望
(
しつばう
)
したが、
家主
(
やぬし
)
の
住
(
すま
)
つてゐる家の
離
(
はな
)
れを一
室
(
しつ
)
借
(
か
)
りておいたからと、甥が言ふので、彼はそれを信じて
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱ
)
り
元
(
もと
)
の
通
(
とほり
)
の
自分
(
じぶん
)
なので
失望
(
しつばう
)
する
許
(
ばかり
)
だと
云
(
い
)
つて、
宗助
(
そうすけ
)
を
笑
(
わら
)
はした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
瘡痍
(
きず
)
が
輕
(
かる
)
く
醫者
(
いしや
)
から
宣告
(
せんこく
)
された
時
(
とき
)
は
何
(
なん
)
となく
安心
(
あんしん
)
されたのであつたが、
然
(
しか
)
し
又
(
また
)
漸次
(
だんだん
)
道程
(
みちのり
)
を
運
(
はこ
)
びつゝ
種々
(
いろいろ
)
な
雜念
(
ざふねん
)
が
湧
(
わ
)
くに
連
(
つ
)
れて、
失望
(
しつばう
)
と
不滿足
(
ふまんぞく
)
を
心
(
こゝろ
)
に
懷
(
いだ
)
きはじめた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
決
(
けつ
)
して
失望
(
しつばう
)
なさる
事
(
こと
)
は
御座
(
ござ
)
いません。たゞ
熱心
(
ねつしん
)
が
大切
(
たいせつ
)
です。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“失望”の意味
《名詞》
失 望(しつぼう)
期待が外れて希望を失うこと。
(出典:Wiktionary)
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
望
常用漢字
小4
部首:⽉
11画
“失望”で始まる語句
失望湾
失望的
失望落胆
失望落膽