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図
>
ず
ふりがな文庫
“
図
(
ず
)” の例文
旧字:
圖
おのが恋を捨てても! と一
図
(
ず
)
に決して、さてこそあの、裏で手を合わせて表に毒づくあいそづかし……お艶も江戸の女であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
当主の、福子の良人には父にあたるその人は、
温厚
(
おんこう
)
一途
(
いちず
)
が
取
(
と
)
り
柄
(
え
)
で、仕事の上のことでは、まだまだ隠居の
差
(
さ
)
し
図
(
ず
)
の下にいた。
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
この
木彫
(
きぼり
)
や
金彫
(
かねぼり
)
の様々な
図
(
ず
)
は、
瓶
(
かめ
)
もあれば天使もある。羊の足の神、羽根のある
獣
(
けもの
)
、不思議な鳥、または
黄金色
(
こがねいろ
)
の
堆高
(
うずたか
)
い果物。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
軍配
(
ぐんばい
)
のてはずを、残りなくいいわたした
民部
(
みんぶ
)
は、ひとりそこに
踏
(
ふ
)
みとどまり、
人穴攻
(
ひとあなぜ
)
めの作戦
図
(
ず
)
を胸にえがきながら、
無月
(
むげつ
)
の秋の空をあおいで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし御承知の通り父はとても
凝
(
こ
)
り
性
(
しょう
)
でしたので、
指
(
さ
)
し
図
(
ず
)
がなかなか
八釜
(
やかま
)
しくて職人は面喰い通しだったそうです。
押絵の奇蹟
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
こんないい
景色
(
けしき
)
ァ、
毎朝
(
まいあさ
)
見
(
み
)
られる
図
(
ず
)
じゃァねえッて。——ごらんなせえやし。お
前
(
まえ
)
さんの
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えたら、つぼんでいた
花
(
はな
)
が、あの
通
(
とお
)
り一
遍
(
ぺん
)
に
咲
(
さ
)
きやしたぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
さもさも
衰
(
おとろ
)
えた
形
(
かたち
)
で、
永代
(
えいたい
)
の方から長く続いて居るが、
図
(
ず
)
に
描
(
か
)
いて線を引くと、文明の程度が段々
此方
(
こっち
)
へ来るに
従
(
したご
)
うて、
屋根越
(
やねごし
)
に
鈍
(
にぶ
)
ることが分るであろう。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なんでも、その
図
(
ず
)
は、
中国人
(
ちゅうごくじん
)
らしい、
一人
(
ひとり
)
の
女
(
おんな
)
が、
赤
(
あか
)
いたもとをひるがえして、おどっているのでした。
太陽と星の下
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何某という軍医、恙の虫の論に
図
(
ず
)
など
添
(
そ
)
えて県庁にたてまつりしが、こはところの医のを
剽窃
(
ひょうせつ
)
したるなり云々。かかることしたり
顔
(
がお
)
にいい
誇
(
ほこ
)
るも例の人の
癖
(
くせ
)
なるべし。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は悪魔に別れた
後
(
のち
)
、校舎の中へ
靴
(
くつ
)
を移した。教室は皆がらんとしている。通りすがりに
覗
(
のぞ
)
いて見たら、ただある教室の黒板の上に
幾何
(
きか
)
の
図
(
ず
)
が一つ
描
(
か
)
き忘れてあった。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
第十二 学者雪ニヨリテ理学ノ諸支ヲ悟り詞人画工ニ至ルマデ
詩賦
(
しふ
)
ノ
工
(
こう
)
ヲ添ヘ山川ノ美景ヲ
図
(
ず
)
セシム
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
器量美しく学問
音曲
(
おんぎょく
)
のたしなみ
無
(
なく
)
とも
縫針
(
ぬいはり
)
暗からず、女の道自然と
弁
(
わきま
)
えておとなしく、
殿御
(
とのご
)
を大事にする事
請合
(
うけあい
)
のお辰を迷惑とは、
両柱
(
ふたはしら
)
の御神以来
図
(
ず
)
ない議論、それは
表面
(
うわべ
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此処は西
欝々
(
うつうつ
)
とした
杉山
(
すぎやま
)
と、東
若々
(
わかわか
)
とした
雑木山
(
ぞうきやま
)
の
緑
(
みどり
)
に
囲
(
かこ
)
まれた田圃で、
遙
(
はるか
)
北手
(
きたて
)
に甲州街道が見えるが、
豆人
(
とうじん
)
寸馬
(
すんば
)
遠く
人生行路
(
じんせいこうろ
)
の
図
(
ず
)
を見る様で、
却
(
かえっ
)
てあたりの
静
(
しず
)
けさを
添
(
そ
)
える。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
もしねずみの
言
(
い
)
うことをお
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げになって、わたくしどもがまたつながれるようなことになりますと、いよいよやつらは
図
(
ず
)
に
乗
(
の
)
って、どんなひどいいたずらをするかわかりません。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
『
何
(
なん
)
としても
爰
(
ここ
)
から
離
(
はな
)
れたくない……』
私
(
わたくし
)
は一
図
(
ず
)
にそう
思
(
おも
)
い
込
(
こ
)
んで
居
(
お
)
りました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
或は良心を
傷
(
きずつ
)
けて自重の気を
拉
(
とりひし
)
いで課長の鼻息を
窺
(
うかが
)
い得るかも知れぬが、
如何
(
いか
)
に窮したればと云ッて苦しいと云ッて、昇に、面と向ッて
図
(
ず
)
大柄
(
おおへい
)
に「痩我慢なら大抵にしろ」ト云ッた昇に
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
要するに僕は
図
(
ず
)
を
披
(
ひら
)
いて地理を調査する人だったのだ。それでいて
脚絆
(
きゃはん
)
を着けて
山河
(
さんか
)
を
跋渉
(
ばっしょう
)
する実地の人と、同じ経験をしようと
焦慮
(
あせ
)
り抜いているのだ。僕は
迂濶
(
うかつ
)
なのだ。僕は矛盾なのだ。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見込が有るに依て実は
彼奴
(
きゃつ
)
の意見の底を探りたいと下から出て
煽起
(
おだて
)
れば
図
(
ず
)
に乗てペラ/\と
多舌
(
しゃべ
)
りやがる、ヘン
人
(
ひと
)
、彼奴が経験経験と経験で以て探偵すれば此方は理学的と論理的で探偵するワ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
足袋
(
たび
)
は
図
(
ず
)
なしと言われるほど大きなものをはき、腕の力とても相応にある半蔵のような人をいれる場処とあって、障子を立てる部分には特にその外側に堅牢な荒い
格子
(
こうし
)
を造りつけることにした。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ますます
図
(
ず
)
に乗って、しまいには、女たちが女神のお
召物
(
めしもの
)
を織っている、
機織場
(
はたおりば
)
の屋根を破って、その
穴
(
あな
)
から、ぶちのうまの皮をはいで、血まぶれにしたのを、どしんと投げこんだりなさいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
またそのうしろには三本の
脚
(
あし
)
のついた小さな
望遠鏡
(
ぼうえんきょう
)
が黄いろに光って立っていましたし、いちばんうしろの
壁
(
かべ
)
には空じゅうの
星座
(
せいざ
)
をふしぎな
獣
(
けもの
)
や
蛇
(
へび
)
や魚や
瓶
(
びん
)
の形に書いた大きな
図
(
ず
)
がかかっていました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
しかし、もうよほど前から彼の計略が
図
(
ず
)
にあたっている。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
さっさと
図
(
ず
)
をひいたり、せつめいをかいてわたします。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
ワッフル
鍋
(
なべ
)
の
図
(
ず
)
春 第八十二 ワッフル
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「——あなたは
図
(
ず
)
う/\しいのね。」
大阪万華鏡
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
へたな言葉をさし挟んで、相手のしゃべる
図
(
ず
)
をはずすまいと、眼八、大事そうにソッとひとつうなずいた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お声に応じて、横手の、
唐子
(
からこ
)
が
戯
(
たわむ
)
れている
狩野派
(
かのうは
)
の
図
(
ず
)
をえがいた塗り扉をあけて、ひょっくりあらわれた人物を見ると、……誰だってちょっとびっくりするだろう。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
抽斎は平素
画
(
え
)
を鑑賞することについては、なにくれとなく
教
(
おしえ
)
を乞い、また
古器物
(
こきぶつ
)
や
本艸
(
ほんぞう
)
の参考に供すべき動植物を
図
(
ず
)
するために、筆の
使方
(
つかいかた
)
、
顔料
(
がんりょう
)
の
解方
(
ときかた
)
などを指図してもらった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ますますはげしく
射
(
い
)
かけましたから、さすがに
乱暴
(
らんぼう
)
な
荒
(
あら
)
えびすも
総崩
(
そうくず
)
れになって、かなしい
声
(
こえ
)
をあげながら
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
しました。
味方
(
みかた
)
はその
図
(
ず
)
をはずさず、どこまでも
追
(
お
)
っかけて行きました。
田村将軍
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
面と向ッて
図
(
ず
)
大柄
(
おおへい
)
に、「痩我慢なら大抵にしろ」と昇は云ッた。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一
図
(
ず
)
に
小供
(
こども
)
の
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
ったのでございました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
スープ
鍋
(
なべ
)
の
図
(
ず
)
春 第三十 万年スープ
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
直接の主人である忠左衛門も、この男の真心と一
図
(
ず
)
なのには持て余して、山科にいた頃も、江戸の石町へ移ってからも、二、三度連れて、父の所へ来た事がある。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
肉挽器械
(
にくひききかい
)
の
図
(
ず
)
夏 第百四十一 肉料理
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「ちッ、この
阿女
(
あま
)
がッ……」と馬春堂、真似もできない顔をして、耳がとれるか手を離さすか、大きな
図
(
ず
)
ウ
体
(
たい
)
を不器用にどたばたさせて、その胸元を食ッてかかる。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とばかり智深を
拒
(
こば
)
んで、その大きな
図
(
ず
)
ウ
体
(
たい
)
を突きもどし、さらに山門前の石段へ突きころがした。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
民蔵
(
たみぞう
)
、そのほうの
奇策
(
きさく
)
はまんまと
図
(
ず
)
にあたった。こなたより
奉行所
(
ぶぎょうしょ
)
へ
密告
(
みっこく
)
したため、アレ見よ、
沖
(
おき
)
でも、この通りなさわぎをしているわい……小きみよい
悪党
(
あくとう
)
ばらの最後じゃ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると蜀勢は、その夜から翌日へかけて、続々と退いてゆく様子である。さては恐れをなして道を変更したなと見たので、秦良は、この
図
(
ず
)
をはずすなと、にわかに、追撃をかけた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
立場を変えていえば、尊氏の水軍戦略が、みごと、
図
(
ず
)
にあたっていたのである。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
図
(
ず
)
を
外
(
はず
)
さず、藤吉郎は別間に控えさせておいた治郎左衛門を連れて来た。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……はッと、私は立ちふさがり、私も、女の一
図
(
ず
)
で、争いました。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(この
図
(
ず
)
に乗って、
打
(
ぶ
)
っ倒せ)と、呼応して出た形もある。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いよいよ
図
(
ず
)
にのって、
減
(
へ
)
らず
口
(
ぐち
)
をたたきだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大きな
図
(
ず
)
う
体
(
たい
)
を
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
設計二
図
(
ず
)
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
図
常用漢字
小2
部首:⼞
7画
“図”を含む語句
不図
図々
企図
合図
図体
画図
下図
設計図
相図
意図
図太
図抜
無図
指図
愚図愚図
一図
図星
愚図
愚図々々
図会
...