信仰しんかう)” の例文
たとひ遠郷ゑんきやうむこよめにゆきて年をても鳥をしよくすれば必凶応あしきことあり、灵験れいげん煕々あきらかたる事此一を以て知るべし。されば遠郷ゑんきやう近邑きんいう信仰しんかうの人多し。
横穴よこあななかでも格別かくべつめづらしい構造かうぞうではいが、ゆかみぞとがやゝ形式けいしきおいことなつてくらゐで、これ信仰しんかうするにいたつては、抱腹絶倒はうふくぜつたうせざるをない。
わたくしなに貴方あなた自分じぶん信仰しんかうむかはせやうと權利けんり主張しゆちやうはせんのです。』院長ゐんちやう自分じぶんわかつていので、さも殘念ざんねんふやうに。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
信者しんじや善光寺ぜんくわうじ身延みのぶ順礼じゆんれいるほどなねがひだつたのが、——いざ、今度こんど、ととき信仰しんかうにぶつて、遊山ゆさんつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
宗助そうすけ薄笑うすわらひをしたぎり、なんともこたへなかつた。其代そのかはして、御米およね信仰しんかういて、くはしい質問しつもんけなかつた。御米およねには、それが仕合しあはせかもれなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
信仰しんかうなし己の菩提所ぼだいしよ牛込うしごめの宗伯寺なりしが終に一大檀那だいだんなとなり寄進の品も多く又雜司ざふし鬼子母神きしぼじん金杉かなすぎ毘沙門天びしやもんてん池上いけがみ祖師堂そしだうなどの寶前はうぜん龍越りうこしと云ふ大形の香爐かうろ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
以前は気質きしつの相違であつたが、今は信仰しんかうまでが斯うちがつたので、和上は益々奥方が面白く無い。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
ロミオ 信仰しんかうかたこのまなこに、かりにも其樣そのやう不信心ふしんじんおこるならば、なみだほのほともかはりをれ! 何度なんどおぼれてもにをらぬこの明透すきとほ異端げだうめ、うそうたとが火刑ひあぶりにせられをれ! なんぢゃ
もつとも周三は近頃ちかごろおそろしい藝術的げいじゆつてき頬悶ほんもんおちいツて、何うかすると、折角せつかく築上つきあげて來た藝術上の信仰しんかう根底こんていからぐらつくのであツた、此のぐらつきは、藝術家にりて、もつとも恐るべき現象げんしやう
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
うそをおひ、彼男あれうして其樣そのやうことはふ、よしつてからが、にがかほでおしだまつてるべきはづ、いよ/\のうそおつしやれば、さてもなさけないことそのやうわたしこと信仰しんかうしてくたさりませぬは
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たとひ遠郷ゑんきやうむこよめにゆきて年をても鳥をしよくすれば必凶応あしきことあり、灵験れいげん煕々あきらかたる事此一を以て知るべし。されば遠郷ゑんきやう近邑きんいう信仰しんかうの人多し。
もしまたふねあぶないとしんじたらば、らぬことでござるぞ。なんでもあやふやだと安心あんしんがならぬ、ひとたのむより神佛しんぶつしんずるより、自分じぶん信仰しんかうなさるが一番いちばんぢや。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御米およね御前おまへ信仰しんかうこゝろおこつたことがあるかい」と或時あるとき宗助そうすけ御米およねいた。御米およねは、たゞ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
我々われ/\到底たうてい合奏がつそう出來できません、わたくし貴方あなた信仰しんかうせしむるわけにはきませんから。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
あゝ、末世まつせだ、なさけない。みんなみんなで、また信仰しんかうよわいといふはうしたものぢやな。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
必竟ひつきやうずるに、彼等かれら信仰しんかうは、かみなかつたため、ほとけはなかつたため、たがひ目標めじるしとしてはたらいた。たがひつて、まるゑんゑがはじめた。彼等かれら生活せいくわつさみしいなりにいてた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
貴方あなたしんじてゐなさるから結構けつこうだ。然云さうい信仰しんかうりさへすれば、假令たとひかべなか塗込ぬりこまれたつて、うたうたひながら生活せいくわつしてかれます。貴方あなた失禮しつれいながら何處どこ教育けういくをおけになつたか?
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
なん難有ありがた信仰しんかうではないか。つよ信仰しんかうつて法師ほふしであつたから、到底たうてい龍神りうじんごときがこのおれしづめることは出來できない、波浪はらう不能沒ふのうもつだ、としんじてうたがはぬぢやから、其處そこでそれ自若じじやくとしてられる。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)