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預
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あず
ふりがな文庫
“
預
(
あず
)” の例文
白い
胸掛
(
むねかけ
)
をした鶴子は、
寧
(
むしろ
)
其美しきを
撰
(
えら
)
んで
摘
(
つ
)
み且摘み、小さな手に持ち切れぬ程になったのを母の手に
預
(
あず
)
けて、また盛に摘んで居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
預
(
あず
)
かってもらう産婆さんには一円でも高いとおっしゃいますかとこう一本突込まれて亭主は渋々ながら二円の祝儀を出したという事です。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
役場を
預
(
あず
)
かっている人で、
典獄
(
てんごく
)
(刑務所の役人)と
代理執行官
(
だいりしっこうかん
)
をかねていた人は、わたしたちを
牢
(
ろう
)
に入れることを
好
(
この
)
まなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
春になると、北上の
河谷
(
かこく
)
のあちこちから、
沢山
(
たくさん
)
の馬が
連
(
つ
)
れて来られて、
此
(
こ
)
の部落の人たちに
預
(
あず
)
けられます。そして、上の野原に
放
(
はな
)
されます。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あわてた与吉、かたわらに荷を出していたところてん屋の小僧、チョビ安という八つばかりの少年に壺を
預
(
あず
)
けて、お
尻
(
しり
)
に帆上げて逃げだした。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
正二
(
しょうじ
)
は、こんな
時計
(
とけい
)
を
学校
(
がっこう
)
へ
持
(
も
)
っていったら、きっと
小谷
(
おたに
)
や、
森
(
もり
)
に
笑
(
わら
)
われるだろうと
思
(
おも
)
ったので、お
母
(
かあ
)
さんに、
預
(
あず
)
かってもらうことにしました。
正二くんの時計
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜半観測の
間合
(
まあい
)
などには暖炉に向いながら、
旧里
(
ふるさと
)
に
預
(
あず
)
け置きたる三歳の
小児
(
しょうに
)
が事など始めて想い起せし事もありたり。
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
現
(
げん
)
に
只
(
ただ
)
今
(
いま
)
も
命様
(
みことさま
)
には
何
(
なに
)
かの
御用
(
ごよう
)
を
帯
(
お
)
びて
御出
(
おで
)
ましになられ、
乙姫様
(
おとひめさま
)
は、ひとりさびしくお
不在
(
るす
)
を
預
(
あず
)
かって
居
(
お
)
られます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この
通
(
とお
)
り、あっしがふところに
預
(
あず
)
かっておりやすから、どうか
親船
(
おやぶね
)
に
乗
(
の
)
った
気
(
き
)
で、おいでなすっておくんなせえやし
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
多分
(
たぶん
)
、一
億
(
おく
)
や二
億
(
おく
)
の
金
(
かね
)
はためていたと
思
(
おも
)
うですが、これをまた、
銀行
(
ぎんこう
)
にも
預
(
あず
)
けず、
株券
(
かぶけん
)
にもせず、どこかにかくして
持
(
も
)
つていやがつたにちがいないです。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
また豊野の停車場にては、小荷物
預
(
あず
)
けんといいしに、
聞届
(
ききとど
)
けがたしと、官員がほしていいしを、
痛
(
いた
)
く
責
(
せ
)
めしに、後には何事をいいても、いらえせずなりぬ。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
廉子はじめ後宮の
女人
(
にょにん
)
たちもすべて、諸家の“
預
(
あず
)
け
籠
(
ご
)
め”となって分散されていたのである。また新朝廷の、
久我
(
こが
)
ノ右大臣へも事のよしを報じてもどった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この着物を売ればその位の金にはなるではないか。大小を
預
(
あず
)
ければ
宜
(
よ
)
いが、是れは
挟
(
さ
)
して行かねばならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
過日
(
こないだ
)
長六爺
(
ちょうろくじじい
)
に聞いたら、おいらの山を
何町歩
(
なんちょうぶ
)
とか叔父さんが
預
(
あず
)
かって持っているはずだっていうんだもの、それじゃあおいらは食潰しの事は有りあしないじゃあないか。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
これまでの僕の知識によると、料理店の構造は、まず玄関を入ると、お
帽子
(
ぼうし
)
外套
(
がいとう
)
預
(
あず
)
かり
所
(
じょ
)
があり、それから中へはいると広間があって、ここで待合わせたり、茶をのんだりする。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「わしはこの
仔牛
(
こうし
)
をあずけられたのだ。ところが、いまだに、
取
(
と
)
りに
来
(
こ
)
ないので
弱
(
よわ
)
っているところだ。すまねえが、おまえら、
手
(
て
)
わけして、
預
(
あず
)
けていった
子供
(
こども
)
を
探
(
さが
)
してくれねえか。」
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
なに、今になって
退
(
の
)
くような奴らは、皆大学様の
御左右
(
ごさう
)
をうかがって、万一お家お取立てになった場合、真先にお見出しに
預
(
あず
)
かろうという
了簡
(
りょうけん
)
から、心にもない義盟に加わってきたのだ。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
その葬喪の席で神と闘って勝負
預
(
あず
)
かりの一件を自慢し語ったとは無鉄砲な男だ。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
証拠のないことだし、自分も暗い
饗応
(
きょうおう
)
に
預
(
あず
)
かっているので、素知らぬ顔をしてパリーへ着いたが、大使館へ出頭して外交郵便夫の役目を果すと同時に
失踪
(
しっそう
)
してしまった。その後大戦は始まる。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「それじゃ
預
(
あず
)
けておこう。これは
叔父様
(
おじさま
)
が西洋からおみやげに持って来てくだすったのだ。まだ
鋸
(
のこぎり
)
だの
鉋
(
かんな
)
だのがあったけれど、なくしてしまった。こんなものがそんなにこわいならきみにあずけるよ」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「
腕
(
うで
)
は
七日
(
なのか
)
の
間
(
あいだ
)
預
(
あず
)
けておくぞ。」
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
かれはわずか息のつまったような
泣
(
な
)
き
声
(
ごえ
)
を立てたが、やがて手早く前足をわたしの手に
預
(
あず
)
けて、じつとおとなしくしていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「へい、ある
筋
(
すじ
)
より頼まれまして、風呂敷に包んだ木箱を一つ、
預
(
あず
)
かっておりますが、何がはいっておるかは、この爺いはすこしも存じませんので」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
俺
(
わし
)
は
古
(
ふる
)
くからこの
瀑布
(
たき
)
を
預
(
あず
)
かっている
老人
(
としより
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
じゃが、
此度
(
このたび
)
縁
(
えん
)
あって
汝
(
そなた
)
を
手元
(
てもと
)
に
預
(
あず
)
かることになって
甚
(
はなは
)
だ
歓
(
よろこ
)
ばしい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それ
程
(
ほど
)
までにいうんなら、
仕方
(
しかた
)
がない、
預
(
あず
)
かろう。その
換
(
かわ
)
り、
太夫
(
たゆう
)
が
借
(
か
)
りに
来
(
き
)
たにしても、もう二
度
(
ど
)
と
再
(
ふたた
)
び
貸
(
か
)
すことじゃないから、それだけは
確
(
しか
)
と
念
(
ねん
)
を
押
(
お
)
しとくぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ソコで大小も
陣笠
(
じんがさ
)
も
一切
(
いっさい
)
の物はヴエンリートの家に
預
(
あず
)
けて、丸で船頭か百姓のような風をして、小舟に乗込み、舟は段々東に
下
(
くだっ
)
てとう/\
羽根田
(
はねだ
)
の浜から上陸して
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
それは、
兄
(
あに
)
が
金
(
かね
)
を
預
(
あず
)
けておいた
銀行
(
ぎんこう
)
がつぶれて、みんな
金
(
かね
)
をなくしてしまったことであります。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ご大切な
宝物
(
ほうもつ
)
とやらを、父とわたくしとで、お
預
(
あず
)
かりもうしておりましたが、そのために、
親娘
(
おやこ
)
の者が、ひとかたならぬ
難儀
(
なんぎ
)
をいたしておりますゆえ、きょう、お通りあそばしたのを
幸
(
さいわ
)
い
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その疑問は
預
(
あず
)
かりとしておいて
外
(
ほか
)
にも疑問の種があった。
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
七日
(
なのか
)
の
間
(
あいだ
)
腕
(
うで
)
を
預
(
あず
)
けておくぞ。」
羅生門
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
わたしたちは町に着いて、あのときヴィタリスや犬ととまったことのある
宿屋
(
やどや
)
に荷物を
預
(
あず
)
けて、すぐ
獣医
(
じゅうい
)
を
探
(
さが
)
し始めた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「いや、待て。わからねえぞ。なんだか知らねえが、
預
(
あず
)
かっている物を出せとか言って、大声をあげているぜ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私
(
わたくし
)
なども
矢張
(
やは
)
り
一人
(
ひとり
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
さんの
御指導
(
ごしどう
)
に
預
(
あず
)
かったことは、かねがね
申上
(
もうしあ
)
げて
居
(
お
)
ります
通
(
とお
)
りで、これは
私
(
わたくし
)
に
限
(
かぎ
)
らず、どなたも
皆
(
みな
)
、その
御世話
(
おせわ
)
になるのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
おめえがいやだとかぶりを
振
(
ふ
)
りゃァ、おいらは
人
(
ひと
)
から
預
(
あず
)
かった、
大事
(
だいじ
)
な
金
(
かね
)
を
落
(
お
)
としたかどで、いやでも
明日
(
あした
)
は
棒縛
(
ぼうしば
)
りだ。——そいつもよかろう。おめえはかげで
笑
(
わら
)
っていねえ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
僕
(
ぼく
)
ですか、
見物
(
けんぶつ
)
じゃありませんよ、
消防
(
しょうぼう
)
のてつだいをしました。
自転車
(
じてんしゃ
)
を
他所
(
よそ
)
の
家
(
いえ
)
へ
預
(
あず
)
けておいて
水
(
みず
)
を
運
(
はこ
)
んだのです。
隣組
(
となりぐみ
)
でやるバケツのリレーは、あわてるときは、だめですね。
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それからかれはエチエネット、アルキシー、バンジャメンと
順々
(
じゅんじゅん
)
にキッスして、リーズをねえさんの手に
預
(
あず
)
けた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
もう、そのときは、そんな
木
(
き
)
どころではありません。
木
(
き
)
などは、どうでもよかったのです。
友
(
とも
)
だちの
家
(
うち
)
に
頼
(
たよ
)
って、
雨
(
あめ
)
のやむまで
待
(
ま
)
って、
帰
(
かえ
)
りには、その
無花果
(
いちじく
)
の
鉢
(
はち
)
を
預
(
あず
)
けてゆきました。
ある男と無花果
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「バルブレンのおっかあ、こっちのもたっしゃだよ。
相変
(
あいか
)
わらずかせいでいる、よろしく言ってくれと言って、このお金を
預
(
あず
)
けてよこした。数えてみてください」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
仕事
(
しごと
)
はみな
奉公人
(
ほうこうにん
)
がしてくれるし、
金
(
かね
)
は
銀行
(
ぎんこう
)
に
預
(
あず
)
けておけば、
利子
(
りし
)
に
利
(
り
)
がついて、ますます
財産
(
ざいさん
)
が
殖
(
ふ
)
えるというものだ。もうこんなくわなどを
使
(
つか
)
うことはあるまい。まったく
不要
(
ふよう
)
なものだ。
くわの怒った話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さあ、犬とさるを
連
(
つ
)
れて出て行ってくれ。親方の荷物は
預
(
あず
)
かっておく。親方が
刑務所
(
けいむしょ
)
から出て来れば、いずれここへ
寄
(
よ
)
るだろうし、そのときこちらの
始末
(
しまつ
)
もつけてもらおう」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
預
常用漢字
小6
部首:⾴
13画
“預”を含む語句
御預
預所
預金
預言者
預物
杜預
預置
預想
預言
永預
預防
預託品
預諸
預金通帳
預算
預替
頭預
預姫
預弟子
預察
...