さま)” の例文
新字:
昨夜ゆうべもすがらしづかねぶりて、今朝けされよりいちはなけにさまし、かほあらかみでつけて着物きものもみづからりしを取出とりいだ
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ヂュリ れぢゃぶは? かゝさまからぬ。おそうまでねぶらいでか、はやうからさましてか? 何事なにごとがあって、えたやら?
ぬすみ取んと彼曲者かのくせものは半四郎が寢たる夜着よぎわきより徐々そろ/\と腹のあたりへ手を差入さしいれければ後藤は目をさましはてきやつめが來りしぞと狸寢入たぬきねいりをしてひそかにそばの夜具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大晦日おほみそかの江戸の街は、一瞬轉毎しゆんてんごとに、幾百人かづつ最後の足掻きの坩堝るつぼの中に、眼をさまさして行くのでせう。
きみを待たせし厩奴うまやもりまたは心ならず目をさましゐたる僕の馬梳うまぐしを用ふるもかくはやきはいまだみず —八一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そのおとづれにすつかりさました地上ちじやうゆきは、あふられ/\てかぜなかにさら/\とあがり、くる/\とかれてはさあつとひといへ雨戸あまど屋根やねことまかしてゐる。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
かれ其後そのゝち讀書どくしようちにも、睡眠ねむりいてからも、イワン、デミトリチのことあたまかららず、翌朝よくてうさましても、昨日きのふ智慧ちゑある人間にんげんつたことをわすれること出來できなかつた
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
柳川やながはさんが、柳川やながはさんがおえになりました。」うつとりとさますと、「ゆきだよ、ゆきだよ、大雪おほゆきつた。このゆきやつがあるものか。」と、もう枕元まくらもとながかほつてる。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
當來のいのちよ、眠れるわれをさまさむとしてきたるはなれか。
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
さまし立歸りしに財布の見えねば南無三と取て返してさがせし處只今の次第ゆゑ此上は親子三人飢死うゑじにより外なしと覺悟致せしと涙を拭々ふき/\かたりければ駕籠舁かごかきは始終を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もう一度家の中へ取つて返すと、後取の徳太郎といふ五つになるのが、家の中の騷ぎに眼をさまして起き出したのを、叔母のお里が一生懸命なだめて居る最中でした。
ロレ 此上このうへは、そっと墓所はかしょまでかねばならぬ。この三時みときあひだに、ヂュリエットはさまさう。始終しじゅうをロミオにらせなんだとおりゃったらさぞわしうらむであらう。
おもつていてはたれど今頃いまごろさましてかゝさんかゝさんと婢女をんなどもを迷惑めいわくがらせ、煎餅おせんやおこしのたらしもかで、皆々みな/\いておにはすとおどかしてゞもやう
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わかかあさんにさはるまいと、ひよいとこしかしてた、はずみに、婦人ふじんうへにかざした蛇目傘じやのめがさしたはひつて、あたまつかへた。ガサリとおとすと、ひゞきに、一時ひとときの、うつゝのねむりさますであらう。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
イワン、デミトリチはふとさまし、脱然ぐつたりとした樣子やうすりやうこぶしほゝく。つばく。はじちよつかれには前院長ぜんゐんちやうかぬやうでつたがやがれとて、其寐惚顏そのねぼけがほにはたちま冷笑れいせううかんだので。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
さまし給ふに合點がてんゆかずと無理にこぢあけ這入はひり見ればは如何に隱居は無慚むざんにも夜具の中に突殺つきころされあけそみて死したればアツとばかりに打驚きあきれ果てぞ居たりける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひき交換とりかへたとは事實まことか? ならば何故なぜこゑまでも交換とりかへなんだぞ? あのこゑがあればこそ、いだきあうたかひなかひな引離ひきはなし、朝彦あさびこさま歌聲うたごゑで、可愛いとしいおまへ追立おひたてをる。
不意に賑をさました富太郎は絶え入るやうに泣き叫んで、側に寢て居る筈の姉の懷へ飛込まうとしましたが、それが、思ひもよらぬ大男——しかも、あまり人相のよくない八五郎と見ると
やまかづら、かすみ二字にじくも三色みいろ明初あけそめて、十人十色じふにんといろさます。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)