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色香
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いろか
ふりがな文庫
“
色香
(
いろか
)” の例文
夢心地
(
ゆめごこち
)
の
背
(
せ
)
をドンと
一
(
ひと
)
ツ
撲
(
ぶ
)
たれたやうに、そも/\
人口
(
じんこう
)
……
萬
(
まん
)
、
戸數
(
こすう
)
……
萬
(
まん
)
なる、
日本
(
につぽん
)
第二
(
だいに
)
の
大都
(
だいと
)
の
大木戸
(
おほきど
)
に、
色香
(
いろか
)
も
梅
(
うめ
)
の
梅田
(
うめだ
)
に
着
(
つ
)
く。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
年三十をこえると、
色香
(
いろか
)
はとぼしい。従って良縁のさきも狭い。だが分別はできてくる。人間、人生の見さかいも備わっていよう。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
太夫
(
たゆう
)
が
締
(
し
)
めて
踊
(
おど
)
ったとて、おせんの
色香
(
いろか
)
が
移
(
うつ
)
るという
訳
(
わけ
)
じゃァなし、
芸人
(
げいにん
)
のつれあいが、そんな
狭
(
せま
)
い
考
(
かんが
)
えじゃ、
所詮
(
しょせん
)
うだつは
揚
(
あ
)
がらないというものだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
僕はつねに思うに、庭の樹を見ても年々歳々同じからずして、
老行
(
おいゆ
)
くとともに元気も衰えるが、手入れをしたり、肥料をほどこすと、再び
色香
(
いろか
)
を増すを見る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
戀
(
こひ
)
しい、
懷
(
なつか
)
しい、ヂュリエット、
何
(
なん
)
として
今尚
(
いまな
)
ほ
斯
(
か
)
うも
艶麗
(
あてやか
)
ぢゃ?
若
(
も
)
しや
形
(
かたち
)
のない
死神
(
しにがみ
)
が
卿
(
そなた
)
の
色香
(
いろか
)
に
迷
(
まよ
)
うて、あの
骨
(
ほね
)
ばかりの
怪物
(
くわいぶつ
)
めが、
己
(
おの
)
が
嬖妾
(
おもひもの
)
にしようために
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
驚き見れば
長高
(
たけたか
)
き老紳士の目尻も
異
(
あやし
)
く、満枝の
色香
(
いろか
)
に惑ひて、これは失敬、意外の
麁相
(
そそう
)
をせるなりけり。彼は
猶懲
(
なほこ
)
りずまにこの
目覚
(
めざまし
)
き
美形
(
びけい
)
の同伴をさへ
暫
(
しばら
)
く
目送
(
もくそう
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
女が再び面をあげた時、涙に輝いた眼と、情に熱した頬とは、
一方
(
ひとかた
)
ならぬ
色香
(
いろか
)
を添えつ
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
残
(
のこ
)
んの
色香
(
いろか
)
を墨染の袖に包んでいる尼と狭い一室に
膝
(
ひざ
)
をつき合わせ、彼女の孤独を慰めたり自分の
無躾
(
ぶしつけ
)
を
詑
(
わ
)
びたりしながら、少しずつ身の上話を
手繰
(
たぐ
)
り出すようにしたのであろう。
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
起せり友次郎も始はお花が
色香
(
いろか
)
に
迷
(
まよ
)
ひ
出國
(
しゆつこく
)
したる
過
(
あやま
)
ちは有ども
後
(
のち
)
にお花が
助太刀
(
すけだち
)
して
美名
(
びめい
)
を
世上
(
せじやう
)
に上たる事是
偏
(
ひとへ
)
に岡山侯の
賢良
(
けんりやう
)
なるより下にも又斯る人々ありしと其頃世上に
噂
(
うはさ
)
せり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかも若い女が多数を
占
(
し
)
めていた。それがまた普通の令嬢や細君と違って、
色香
(
いろか
)
を命とする
綺麗
(
きれい
)
な人ばかりなので、その中に
交
(
まじ
)
るこの母は、ただでさえ
燻
(
くす
)
ぶり過ぎて
地味
(
じみ
)
なのである。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこでこちらも
早速
(
さつそく
)
に「君が
色香
(
いろか
)
もかんばせも」と
鸚鵡返
(
あうむがへし
)
をしておいた。したが、あらしに打たれる花は、さぞ色褪せることだらう。……ぴかりと
稻妻
(
いなづま
)
はたたがみ、はつとばかりに氣がついた。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「愛」の
色香
(
いろか
)
を
毀
(
こぼ
)
ちたる憎き「死」の神。
忌々しき「死」の大君は
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
深張
(
ふかばり
)
の
涼傘
(
ひがさ
)
の影ながら、
尚
(
な
)
ほ
面影
(
おもかげ
)
は透き、
色香
(
いろか
)
は
仄
(
ほの
)
めく……
心地
(
ここち
)
すれば、
誰
(
たれ
)
憚
(
はばか
)
るともなく
自然
(
おのず
)
から
俯目
(
ふしめ
)
に
俯向
(
うつむ
)
く。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
努
(
つと
)
めて幼少の時に
描
(
えが
)
いた理想を
養
(
やしな
)
うことは
年々歳々
(
ねんねんさいさい
)
枯
(
か
)
れゆく心の
色香
(
いろか
)
を新たむるの道であろうと信ずる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
春の
色香
(
いろか
)
に
出
(
い
)
でたるは
憐
(
あはれ
)
むべく、
打霞
(
うちかす
)
める空に
来馴
(
きな
)
るる
鵯
(
ひよ
)
のいとどしく
鳴頻
(
なきしき
)
りて、午後二時を過ぎぬる院内の
寂々
(
せきせき
)
たるに、たまたま響くは患者の廊下を
緩
(
ゆる
)
う行くなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
昼は
千早振
(
ちはやぶる
)
神路山
(
かみじやま
)
の麓、かたじけなさに涙をこぼした旅人が、夜は大楼の
音頭
(
おんど
)
の
色香
(
いろか
)
の
艶
(
えん
)
なるに迷うて、町の
巷
(
ちまた
)
を浮かれ歩いていますから、夜の
賑
(
にぎわ
)
いも、やっぱり昼と変らないくらいであります。
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
噺
(
はな
)
さう
譯
(
わけ
)
がない
屹度
(
きつと
)
お光さんの
色香
(
いろか
)
に迷ひ私があれ程に言て置た事をも打忘れて
自分
(
じぶん
)
から
迷惑
(
めいわく
)
を
釀
(
こしら
)
へ私に相談も無い者だ夫と云も日頃から身の
嗜
(
たしな
)
みの
惡
(
わる
)
い故と
早
(
はや
)
やきかけし女房は
可笑
(
をかし
)
くも又
道理
(
もつとも
)
なり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
その
色香
(
いろか
)
をかきむしッてやる。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
刺
(
とげ
)
に
生
(
お
)
ふる
色香
(
いろか
)
とも知れ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
既に、草刈り、
柴
(
しば
)
刈りの女なら知らぬこと、髪、
化粧
(
けわい
)
し、
色香
(
いろか
)
、
容
(
かたち
)
づくった町の女が、
御堂
(
みどう
)
、拝殿とも言わず、この
階
(
きざはし
)
に
端近
(
はしぢか
)
く、
小春
(
こはる
)
の
日南
(
ひなた
)
でもある事か。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
宛然
(
さながら
)
色香
(
いろか
)
を
擅
(
ほしいまま
)
にせる
牡丹
(
ぼたん
)
の枝を
咲撓
(
さきたわ
)
めたる
風情
(
ふぜい
)
にて、彼は親しげに座を進めつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
残
(
のこ
)
んの
色香
(
いろか
)
人を迷わしむるものがあって、浅井亡びた後の論功行賞としては、この美しい後家さんを賜わりたいということに、内心、織田の宿将どもが
鎬
(
しのぎ
)
を削ったが、そこは貫禄と言い、功績と言い
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
刺
(
とげ
)
に
生
(
お
)
ふる
色香
(
いろか
)
とも知れ。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
色香
(
いろか
)
はないが
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
錦
(
にしき
)
に
面影
(
おもかげ
)
を
留
(
と
)
めた
風情
(
ふぜい
)
は、
山嶽
(
さんがく
)
の
色香
(
いろか
)
に
思
(
おもひ
)
を
碎
(
くだ
)
いて、
戀
(
こひ
)
の
棧橋
(
かけはし
)
を
落
(
お
)
ちた
蒼空
(
あをぞら
)
の
雲
(
くも
)
の
餘波
(
なごり
)
のやうである。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
藤
(
ふぢ
)
の
花
(
はな
)
の
紫
(
むらさき
)
は、
眞晝
(
まひる
)
の
色香
(
いろか
)
朧
(
おぼろ
)
にして、
白日
(
はくじつ
)
、
夢
(
ゆめ
)
に
見
(
まみ
)
ゆる
麗人
(
れいじん
)
の
面影
(
おもかげ
)
あり。
憧憬
(
あこが
)
れつゝも
仰
(
あふ
)
ぐものに、
其
(
そ
)
の
君
(
きみ
)
の
通
(
かよ
)
ふらむ、
高樓
(
たかどの
)
を
渡
(
わた
)
す
廻廊
(
くわいらう
)
は、
燃立
(
もえた
)
つ
躑躅
(
つゝじ
)
の
空
(
そら
)
に
架
(
かゝ
)
りて、
宛然
(
さながら
)
虹
(
にじ
)
の
醉
(
ゑ
)
へるが
如
(
ごと
)
し。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
路
(
みち
)
をしたうて
來
(
き
)
た
蝶
(
てふ
)
は
居
(
ゐ
)
ないが、
誘
(
さそ
)
ふ
袂
(
たもと
)
に
色香
(
いろか
)
が
時
(
とき
)
めく。……
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“色”で始まる語句
色
色彩
色々
色沢
色合
色紙
色艶
色褪
色気
色白