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至
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いたり
ふりがな文庫
“
至
(
いたり
)” の例文
汽車に乗るんだなと思いながら、いくら金を払うものか、また金を払う必要があるものか、とんと思い至らなかったのは
愚
(
ぐ
)
の
至
(
いたり
)
である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
謹啓、厳寒の
砌
(
みぎ
)
り愈〻
御清穆
(
ごせいぼく
)
に
渉
(
わた
)
らせられ大慶の
至
(
いたり
)
に存じ上げます。毎々多大の御厚情を
蒙
(
こうむ
)
り有難一同深く感謝致して居ります。
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一昨年差上げ候
蝉丸
(
せみまる
)
の拙作韻脚の処書損じ仕り候まゝ差上げ申候。
迹
(
あと
)
にて気付き疎漏の
至
(
いたり
)
に候。後便
認
(
したた
)
め直し差上げ可く候。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
が、さう解釈する事は
独
(
ひと
)
り礼を昨日の上官に失するばかりでなく、予に教師の口を世話してくれた諸先生に対しても甚だ御気の毒の
至
(
いたり
)
だと思ふ。
入社の辞
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
が、そう解釈する事は独り礼を昨日の上官に失するばかりでなく、予に教師の口を世話してくれた諸先生に対しても甚だ御気の毒の
至
(
いたり
)
だと思う。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
「見るにも耐えぬ拙作ながら、ほんの小手調べに綴りましたもの、ご迷惑でもござりましょうがお隙の際に一二枚ご閲読下さらば光栄の
至
(
いたり
)
。……」
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかのみならず今日に
至
(
いたり
)
ては、その御広間もすでに
湯屋
(
ゆや
)
の
薪
(
たきぎ
)
となり、御記録も
疾
(
と
)
く
紙屑屋
(
かみくずや
)
の手に渡りたるその後において、なお何物に
恋々
(
れんれん
)
すべきや。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
しかれども、いまだこの日をもって、
放肆
(
ほうし
)
遊蕩
(
ゆうとう
)
すべきを聞かず。しかるに邦人語意を誤解し、はなはだしきに
至
(
いたり
)
ては、
嫖蕩
(
ひょうとう
)
放肆の義となす者また
尠
(
すく
)
なからず。
日曜日之説
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
然に此篇のお夏は、主人の娘として
下僕
(
かぼく
)
に情を寄せ、其情は
初
(
はじめ
)
に
肉情
(
センシユアル
)
に起りたるにせよ、
後
(
のち
)
に
至
(
いたり
)
て立派なる
情愛
(
アツフヱクシヨン
)
にうつり、
果
(
はて
)
は
極
(
きはめ
)
て神聖なる
恋愛
(
ラブ
)
に迄進みぬ。
「歌念仏」を読みて
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
某
(
それがし
)
儀
(
ぎ
)
今年今月今日切腹して
相果
(
あいはて
)
候
(
そろ
)
事いかにも
唐突
(
とうとつ
)
の
至
(
いたり
)
にて、弥五右衛門
奴
(
め
)
老耄
(
ろうもう
)
したるか、乱心したるかと申候者も
可有之
(
これあるべく
)
候
(
そうら
)
えども、決して左様の事には
無之
(
これなく
)
候
(
そろ
)
。
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
漢字廃止論のあるこの頃かかる
些少
(
さしょう
)
の
誤謬
(
ごびゅう
)
を正すなど愚の
至
(
いたり
)
なりと笑ふ人もあるべし。されど一日なりとも漢字を用ゐる上は誤なからんを期するは当然の事なり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
楽章に
至
(
いたり
)
ては、外国のものは用に適せず。内国に行わるるものまた、いまだ適当と
覚
(
おぼ
)
しきものなし。
国楽を振興すべきの説
(新字新仮名)
/
神田孝平
(著)
葛西善蔵は
屡々
(
しばしば
)
そう言っていたそうであるし、又その通り実行した勇者であったと谷崎精二氏は追憶記に書いているが、この尊敬すべき言葉——私は、
汗顔
(
かんがん
)
の
至
(
いたり
)
であるが
FARCE に就て
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
六条河原にしてこと/″\く生害に及びなんとなり、益田少将此事をよくしれり、いたはしき事の
至
(
いたり
)
て
痛
(
いたは
)
しきは、此上あるべからず、かやうなる憂事を聞なば、身もあられん物か
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
貴墨
(
きぼく
)
拝見
仕
(
つかまつり
)
候、
新
(
あらた
)
に師を失いたる吾々が今日に処するの心得いかんとの
御尋
(
おたずね
)
、御念入の御問
同憾
(
どうかん
)
の
至
(
いたり
)
に候、それにつき野生も深く考慮を費したる際なれば、腹臓なく
愚存
(
ぐぞん
)
陳
(
ちん
)
じ
申
(
もうす
)
べく候
師を失いたる吾々
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
其議論の
激
(
はげ
)
しき
遂
(
つひ
)
に小西技師をして、
国境論者
(
こくけうろんしや
)
は別隊を
率
(
ひき
)
ゐて
別
(
べつ
)
に
探検
(
たんけん
)
すべしとの語を
発
(
はつ
)
せしむるに
至
(
いたり
)
たる程なりき、
若
(
もし
)
糧食
(
れうしよく
)
の
備
(
そな
)
へ充分にして廿日以上の日子を
費
(
つひや
)
すの覚悟なりせば
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
重役の耳へ此の事が聞え、部屋
住
(
ずみ
)
の身の上でも、中根善之進何者とも知れず
殺害
(
せつがい
)
され、
不束
(
ふつゝか
)
の
至
(
いたり
)
と云うので、父善右衞門は百日の間
蟄居
(
ちっきょ
)
致して
罷
(
まか
)
り
在
(
あ
)
れという御沙汰でございますから
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
憎
(
にく
)
み
非道
(
ひだう
)
の
所置
(
しよち
)
御座候より藤五郎儀
若氣
(
わかげ
)
の
至
(
いたり
)
にて
不行跡
(
ふぎやうせき
)
御座候を
幸
(
さいは
)
ひに同人を
廢
(
はい
)
し候は
是非
(
ぜひ
)
なき
次第
(
しだい
)
に付弟藤三郎を
嫡子
(
ちやくし
)
に致すべき
旨
(
むね
)
私し共
諫
(
いさ
)
め候を主税之助儀不承知にて同人
實子
(
じつし
)
佐
(
すけ
)
五郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
しかしてそれ、これを保護するがごときは、天然の至情ありて、知愚貧富の別なく、みな意を加えざるなきも、それ、これを教育するの一事に
至
(
いたり
)
ては、これを度外に置き
顧
(
かえり
)
みざる者また少からず。
教育談
(新字新仮名)
/
箕作秋坪
(著)
悲惨といえば悲惨の
至
(
いたり
)
ですが、我我婦人はこの大勢に対し、
幸
(
さいわい
)
な事には教育の
御蔭
(
おかげ
)
で一千年以来失っていました智慧と勇気とを
恢復
(
かいふく
)
し、「我も人である」という自覚の下に女子の職能は単に妻として
女子の独立自営
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
港八九は
成就
(
じょうじゅ
)
に
至
(
いたり
)
候得共
(
そうらえども
)
前度
(
せんど
)
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
入口
六ヶ敷候
(
むずかしくそうろう
)
に付
増夫
(
ましぶ
)
入而
(
いれて
)
相支候得共
(
あいささえそうらえども
)
至而
(
いたって
)
難題至極と
申
(
もうし
)
此上は武士之道之心得にも御座
候得
(
そうらえ
)
ば神明へ
捧命
(
ほうめい
)
申処
(
もうすところ
)
の
誓言
(
せいげん
)
則
(
すなわち
)
御見分の
通
(
とおり
)
遂
二
本意
一
ほんいとげ
候事
(
そうろうこと
)
一日千秋の
大悦
(
たいえつ
)
拙者
(
せっしゃ
)
本懐
(
ほんかい
)
之
至
(
いた
)
り死後御推察
可
レ
被
レ
下
くださるべく
候
(
そうろう
)
不具
(
ふぐ
)
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
実は
亜米利加
(
アメリカ
)
の大統領ウッドロオ・ウイルソンなのだから、北村四海君に対しても、何とも御気の毒の
至
(
いたり
)
に堪えない。
葱
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
独
(
ひと
)
り上等と下等との
大分界
(
だいぶんかい
)
に
至
(
いたり
)
ては、ほとんど
人為
(
じんい
)
のものとは思われず、天然の定則のごとくにして、これを
怪
(
あや
)
しむ者あることなし。(権利を異にす)
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
しかれども王家あにこれをもって教を
立
(
たつ
)
るものならんや。百露の王すでに
西班牙
(
スペイン
)
のために滅さる今に
至
(
いたり
)
て、天孫の国、万国と
角立
(
かくりつ
)
するもの、ひとり皇国あるのみ。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
はなはだ
遅
(
おそ
)
まきの話で
慚愧
(
ざんき
)
の
至
(
いたり
)
でありますけれども、事実だから
偽
(
いつわ
)
らないところを申し上げるのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
方角は磁石失念のためしかとわからず今一応検分のつもり何とぞ貴下御全快を待ち御散歩かたがた御鑑定希望の
至
(
いたり
)
に御座候。とんだ御迷惑
甚
(
はなはだ
)
恐縮しかし昔より道楽は若い時に女。中年に芸事。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかるに強いて倫理科を置きて徳育に助くるあらんとするは愚の
至
(
いたり
)
なり。
病牀譫語
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
不届ノ
至
(
いたり
)
、殊ニ其方共ノ
訴
(
うったえ
)
ヨリ、大勢無罪ノモノ
迄
(
まで
)
入牢イタシ、御詮議ニ相成リ、其上無名ノ
捨訴状
(
すてそじょう
)
、
捨文
(
すてぶみ
)
等
有之
(
これあり
)
、右
認
(
したため
)
方全ク其方共ノ
仕業
(
しわざ
)
ニ相聞エ、
重科
(
じゅうか
)
ノ者ニ付死罪
申付
(
もうしつく
)
ベキ者ニ候
処
(
ところ
)
、
大弐
(
だいに
)
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ただしその品行の
厳
(
げん
)
と
風致
(
ふうち
)
の
正雅
(
せいが
)
とに
至
(
いたり
)
ては、
未
(
いま
)
だ
昔日
(
せきじつ
)
の上士に及ばざるもの
尠
(
すく
)
なからずといえども、概してこれを見れば品行の上進といわざるを得ず。
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
西洋の狸から
直伝
(
じきでん
)
に輸入致した術を催眠法とか
唱
(
とな
)
え、これを応用する連中を先生などと
崇
(
あが
)
めるのは全く西洋心酔の結果で拙などはひそかに
慨嘆
(
がいたん
)
の
至
(
いたり
)
に
堪
(
た
)
えんくらいのものでげす。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
土芳
(
とはう
)
云
(
いふ
)
、翁
曰
(
いはく
)
、学ぶ事は常にあり。席に臨んで文台と我と
間
(
かん
)
に
髪
(
はつ
)
を入れず。思ふこと
速
(
すみやか
)
に
云
(
いひ
)
出
(
いで
)
て、
爰
(
ここ
)
に
至
(
いたり
)
てまよふ念なし。文台引おろせば即
反故
(
ほご
)
なりときびしく示さるる
詞
(
ことば
)
もあり。
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
人生五十の坂も早や間近の身を以て娘同様のものいつも側に引付けしだらもなき
体
(
てい
)
たらく
耻
(
はずか
)
し
気
(
げ
)
もなく御目にかけ候
傍若無人
(
ぼうじゃくぶじん
)
の
振舞
(
ふるまい
)
いかに場所がらとは
申
(
もうし
)
ながら酒
醒
(
さ
)
めては
甚
(
はなはだ
)
赤面の
至
(
いたり
)
に御座候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
はなはだ
遺憾
(
いかん
)
の
至
(
いたり
)
だから、どうか雷獣ごときもののために僕を誤解しないように願います
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
目下新緑
晩鶯
(
ばんおう
)
の
候
(
こう
)
明窓浄几
(
めいそうじょうき
)
の御境涯
羨望
(
せんぼう
)
の
至
(
いたり
)
に
有之
(
これあり
)
候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「兄さんは銀時計もいただけず、博士論文も書けず。落第はする。不名誉の
至
(
いたり
)
だ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「はあ、そうだったかね。それは感心に品行方正の
至
(
いたり
)
だね」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“至”の意味
《名詞》
(context、units of measure)数量を表す単位。1至は1035494216806390423141907689750528を表す。
(出典:Wiktionary)
至
常用漢字
小6
部首:⾄
6画
“至”を含む語句
至当
乃至
至極
大至急
至誠
冥加至極
至難
至當
必至
奇怪至極
至急
尤至極
至情
至善
至親
至要
至願
卑怯至極
夏至祭
四至
...