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いずみ
ふりがな文庫
“
泉
(
いずみ
)” の例文
浴衣
(
ゆかた
)
を
着
(
き
)
た
髪
(
かみ
)
の白い
老人
(
ろうじん
)
であった。その着こなしも
風采
(
ふうさい
)
も
恩給
(
おんきゅう
)
でもとっている古い
役人
(
やくにん
)
という風だった。
蕗
(
ふき
)
を
泉
(
いずみ
)
に
浸
(
ひた
)
していたのだ。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それはね、おとうさま、きのう、あたしが森のなかの
泉
(
いずみ
)
のそばにすわって、あそんでいたら、
金
(
きん
)
のまりが水のなかにおちてしまったの。
カエルの王さま:または鉄のハインリッヒ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
私が其の名音に
逢
(
あ
)
った時は、昭和三年で六十位であった。其の名音は、最初
泉
(
いずみ
)
の某と云う庵にいて有徳の住持に
事
(
つか
)
えていた。
法華僧の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「もし
仙人
(
せんにん
)
がわたしをおしどりにしてこの
泉
(
いずみ
)
の上にはなったならばお前はどうするつもりか。」と
若者
(
わかもの
)
は池の
面
(
おもて
)
から
眼
(
め
)
をはなさないでいった。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「
桑
(
くわ
)
の
葉
(
は
)
なら、
僕
(
ぼく
)
、
明日
(
あした
)
学校
(
がっこう
)
へ
持
(
も
)
ってきてあげる。びんの
中
(
なか
)
へ
水
(
みず
)
を
入
(
い
)
れてさしておきたまえ。」と、
泉
(
いずみ
)
が、
教
(
おし
)
えました。
芽は伸びる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
そこには
泉殿
(
いずみどの
)
とよぶ
一棟
(
ひとむね
)
の
水亭
(
すいてい
)
がある。
泉
(
いずみ
)
の
亭
(
てい
)
の
障子
(
しょうじ
)
にはあわい明かりがもれていた。その
燈影
(
とうえい
)
は水にうつって、ものしずかな
小波
(
さざなみ
)
に
縒
(
よ
)
れている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
少し行くと、おいしそうな
果物
(
くだもの
)
の木がありました。そのそばに、きれいな水がふき出している
泉
(
いずみ
)
もありました。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「道理でお昼に待ちぼうけを食ったわ。伯母さんも
泉
(
いずみ
)
の水町さんがお出になるって、張り切っていたのに」
田園情調あり
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
自分が云おう云おうとして云えなかった物が、其処に
滾々
(
こん/\
)
として
泉
(
いずみ
)
の如く流れて居るのを会得する。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
横にも
竪
(
たて
)
にも水をひく工事は発達して、
掘井戸
(
ほりいど
)
は家々にちかくなり、共同の
泉
(
いずみ
)
まで
汲
(
く
)
みにゆくひつようが、多くの
村里
(
むらざと
)
ではなくなってしまった上に、さらに
手桶
(
ておけ
)
というものが発明せられて
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これに
由
(
よ
)
って
人智
(
じんち
)
は、
人間
(
にんげん
)
の
唯一
(
ゆいいつ
)
の
快楽
(
かいらく
)
の
泉
(
いずみ
)
となつている。しかるに
我々
(
われわれ
)
は
自分
(
じぶん
)
の
周囲
(
まわり
)
に、
些
(
いささか
)
も
知識
(
ちしき
)
を
見
(
み
)
ず、
聞
(
き
)
かずで、
我々
(
われわれ
)
はまるで
快楽
(
かいらく
)
を
奪
(
うば
)
われているようなものです。
勿論
(
もちろん
)
我々
(
われわれ
)
には
書物
(
しょもつ
)
がある。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ちょっとした広場のまん中に
泉
(
いずみ
)
があって、木かげがこんもりしている所を見つけると、わたしはハープを下ろしてワルツを一曲ひき始めた。曲はゆかいな調子であったし、わたしの指も軽く動いた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
生
(
せい
)
の
小川
(
おがわ
)
へ、
生
(
せい
)
の
元
(
もと
)
つ
泉
(
いずみ
)
へと1200
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
それから、おばあさんは、女の子の手から
泉
(
いずみ
)
のなかへすべりおちた
糸巻
(
いとま
)
きもかえしてくれました。そのとき、門がしまりました。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
雁
(
かり
)
の童子と
仰
(
お
)
っしゃるのは。」老人は
食器
(
しょっき
)
をしまい、
屈
(
かが
)
んで
泉
(
いずみ
)
の水をすくい、きれいに口をそそいでからまた云いました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
女神
(
めがみ
)
の
声
(
こえ
)
は、
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えない、
不思議
(
ふしぎ
)
な
泉
(
いずみ
)
のように、
若者
(
わかもの
)
の
魂
(
たましい
)
に、ささやくと、
彼
(
かれ
)
は、
涙
(
なみだ
)
ぐましい
感激
(
かんげき
)
にむせびました。
海の踊り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜になり月がのぼって、池の面が白くかぎろいはじめるころ、若者は恋人をともなって、
芝草
(
しばくさ
)
の上の
露
(
つゆ
)
をふみながらふたたび
泉
(
いずみ
)
のほとりにやってきた。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
軍兵
(
ぐんぴょう
)
どもは、
沙漠
(
さばく
)
に
泉
(
いずみ
)
を見つけたように口々に声をもらした。そのほとりには、小さな
社
(
やしろ
)
があるのも目についた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれども、
胃
(
い
)
ぶくろのなかには石がいっぱいつまっていますので、のどがかわいてたまりません。それで、
泉
(
いずみ
)
へいって、水をのもうとしました。
オオカミと七ひきの子ヤギ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
(いいえ。さっきの
泉
(
いずみ
)
で
洗
(
あら
)
いますから、
下駄
(
げた
)
をお
借
(
か
)
りして。)老人は新らしい
山桐
(
やまぎり
)
の下駄とも一つ
縄緒
(
なわお
)
の
栗
(
くり
)
の木下駄を気の
毒
(
どく
)
そうに一つもって来た。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
みじんになった
陶物
(
すえもの
)
の
破片
(
はへん
)
を越えて、どッ、
泉
(
いずみ
)
をきったような
清水
(
しみず
)
があふれだしたことはむろんだが、
猫
(
ねこ
)
もでなければ
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
の
正物
(
しょうぶつ
)
もあらわれなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おかいこの
話
(
はなし
)
をしていたのです。
先生
(
せんせい
)
、
僕
(
ぼく
)
のおかいこは
大
(
おお
)
きくなりました。」と、
泉
(
いずみ
)
が、いいました。
芽は伸びる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしがこれをふきはじめると、まず
泉
(
いずみ
)
の水は上方から深山の大気のようにすんでくる。そして魚たちの心、鳥たちの心、花たちの心も水と同じようにすんでくる。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「このつぎの
泉
(
いずみ
)
にいくまで待つよ。だけど、こんどはおまえがなんていったって、のむからね。もう、のどがかわいてかわいて、たまらないんだ。」
にいさんと妹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
道の
左側
(
ひだりがわ
)
が細い谷になっていてその下で
誰
(
だれ
)
かが
屈
(
かが
)
んで何かしていた。見るとそこはきれいな
泉
(
いずみ
)
になっていて
粘板岩
(
ねんばんがん
)
の
裂
(
さ
)
け目から水があくまで
溢
(
あふ
)
れていた。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
すぐその日から、
宮庭
(
きゅうてい
)
の
泉
(
いずみ
)
のほとりに、大理石で
塔
(
とう
)
をたてることをおおせつかりました。けれど、心の美しい
巨男
(
おおおとこ
)
は、けっしてなげいたり、悲しんだりしなかったのですよ。
巨男の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
翌日
(
よくじつ
)
、
学校
(
がっこう
)
へいくと、
泉
(
いずみ
)
はしんせつにびんの
中
(
なか
)
へ
桑
(
くわ
)
の
枝
(
えだ
)
をさして、
持
(
も
)
ってきてくれました。
芽は伸びる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
鎌倉
泉
(
いずみ
)
ヶ
谷
(
やつ
)
の
浄光明寺
(
じょうこうみょうじ
)
は、ほんの一堂に
庫裡
(
くり
)
があるだけの、
草寺
(
くさでら
)
だった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうして、もうひとりの女の子は、おかあさんのいいつけで、
泉
(
いずみ
)
のそばにすわって、糸をつむぐことになりました。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
まことにお
互
(
たが
)
い、ちょっと
沙漠
(
さばく
)
のへりの
泉
(
いずみ
)
で、お
眼
(
め
)
にかかって、ただ一時を、
一緒
(
いっしょ
)
に
過
(
す
)
ごしただけではございますが、これもかりそめのことではないと
存
(
ぞん
)
じます。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
三
人
(
にん
)
は、かしの
木
(
き
)
の
下
(
した
)
に
腰
(
こし
)
を
下
(
お
)
ろして、
西南
(
せいなん
)
の
国境
(
くにざかい
)
にある
金峰仙
(
きんぷせん
)
の
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
ながら、まだあの
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
の
嶺
(
みね
)
には
不死
(
ふし
)
の
泉
(
いずみ
)
があるだろうかというようなことを
話
(
はな
)
して
空想
(
くうそう
)
にふけりました。
不死の薬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
二人
(
ふたり
)
はかわりばんこに、
泉
(
いずみ
)
のふちの、しだやぜんまいの
上
(
うえ
)
に
両手
(
りょうて
)
をつき、
腹
(
はら
)
ばいになり、つめたい
水
(
みず
)
の
匂
(
にお
)
いをかぎながら、
鹿
(
しか
)
のように
水
(
みず
)
をのみました。はらの
中
(
なか
)
が、ごぼごぼいうほどのみました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
かわいそうな女の子は、まい日大通りへでて、
泉
(
いずみ
)
のそばにこしをおろして、指から
血
(
ち
)
がでてくるほど、たくさんの糸をつむがなければなりませんでした。
ホレおばあさん
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
流沙
(
るさ
)
の南の、
楊
(
やなぎ
)
で
囲
(
かこ
)
まれた小さな
泉
(
いずみ
)
で、私は、いった
麦粉
(
むぎこ
)
を水にといて、昼の
食事
(
しょくじ
)
をしておりました。
雁の童子
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
これを
聞
(
き
)
くと、たちまち、
小
(
ちい
)
さな
胸
(
むね
)
へ、よろこびが
泉
(
いずみ
)
のように、こみあげました。
空にわく金色の雲
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
魔法使
(
まほうつか
)
いの女というものは、みんな、そんなふうにそうっと歩くものなのです。そして、この女は、森のなかの
泉
(
いずみ
)
という泉に、魔法をかけておいたのでした。
にいさんと妹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ああ、ただも
一度
(
いちど
)
二本の足でぴんぴん歩いてあの
楽地
(
らくち
)
の中の
泉
(
いずみ
)
まで行きあの
冷
(
つめ
)
たい水を
両手
(
りょうて
)
で
掬
(
すく
)
って
呑
(
の
)
むことができたらそのまま
死
(
し
)
んでもかまわないと
斯
(
こ
)
う思うだろう。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、大声でさけびながら、おかあさんヤギといっしょに、大よろこびで、
泉
(
いずみ
)
のまわりをおどりまわりました。
オオカミと七ひきの子ヤギ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
路
(
みち
)
が林の中に入り、達二はあの
奇麗
(
きれい
)
な
泉
(
いずみ
)
まで来ました。まっ白の
石灰岩
(
せっかいがん
)
は、ごぼごぼ
冷
(
つめ
)
たい水を
噴
(
ふ
)
き出すあの泉です。達二は
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ふ
)
いて、しゃがんで何べんも水を
掬
(
すく
)
ってのみました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
王さまのお
城
(
しろ
)
の近くに、こんもりとしげった森がありました。森のなかには古いボダイジュが一本立っていて、その木の下から
泉
(
いずみ
)
がこんこんとわきでていました。
カエルの王さま:または鉄のハインリッヒ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
ですから、カエルのほうは、もとの
泉
(
いずみ
)
のなかに、すごすごとかえっていくよりほかはありませんでした。
カエルの王さま:または鉄のハインリッヒ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
おとうさんは、男の子のひとりをおおいそぎで
泉
(
いずみ
)
にやって、
洗礼
(
せんれい
)
の水をもってこさせようとしました。すると、ほかの子どもたちも、いっしょにかけていきました。
七羽のカラス
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「ねえ、ぼくはのどがかわいちゃったよ。
泉
(
いずみ
)
のあるところがわかりゃ、いってのんでくるんだけどなあ。おやっ、なんだかさらさらいう水音がきこえるようだよ。」
にいさんと妹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
それから、オオカミは
泉
(
いずみ
)
のところまできました。
オオカミと七ひきの子ヤギ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
“泉”の解説
泉(いずみ)は、水が地中から自然にわき出ているところのことである。「湧泉(ゆうせん)」、「湧水」とも呼ぶ。
人とのつながりについて説明する場合には「泉」という用語が使われ、物理的現象として説明する場合には「湧水」という用語が使われる事が多い。
水は人の生活に不可欠であることから、世界中で泉に関連して名づけられた地名は多い。
また、泉を御神体としている寺院も多い。
(出典:Wikipedia)
泉
常用漢字
小6
部首:⽔
9画
“泉”を含む語句
温泉
黄泉
温泉宿
温泉場
林泉
泉水
冷泉
和泉屋
泉殿
上泉伊勢守
黄泉比良坂
温泉嶽
温泉町
湯泉
黄泉国
鉱泉
小泉
黄泉戸喫
黄泉神
噴泉
...