「聴いて下さいよ親分、——そのお屋敷の御当主庄司右京様は二年前から軽い中気でお役御免になり引籠り中大変なことが始まった」
銭形平次捕物控:115 二階の娘 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
それにもかかわらず、鶴見はよく堪えて、静かに引籠って、僅かにその残年を送っているのである。
夢は呼び交す:――黙子覚書―― (新字新仮名) / 蒲原有明(著)
小桜姫物語:03 小桜姫物語 (新字新仮名) / 浅野和三郎(著)
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について (新字新仮名) / 石河幹明(著)
廣介は、あの夜以来、心配の余り、病気と称して邸に引籠ったまま、島の工事場へも行かず、それとなく、千代子の一挙一動を監視して、彼女の心の動きをば、大体見てとることが出来ました。
落ちぶれて田舎へ引籠ったとなるとかあいそうですから、こんど戦地からかえって、いろいろ問い合せて見ると、母親——つまり私の従妹も死んでしまって、女の子の引取り手もないという始末です
藤助と岩根半蔵が縛られてから五日、平次はこれほどの手柄にも慢ずるどころか、神田の家に引籠って、人に顔も見せなかったのです。
銭形平次捕物控:076 竹光の殺人 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「こちらへ引籠りましてからは、どなたへもお知らせを致しませぬ、諸方からお見舞を頂くことをかえって恐れておりました」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「逢いません、——あと二三日の辛抱で、ここへ来て貰えると思いましたので、宵からこの部屋に引籠って、帳面の調べをいたしました」
銭形平次捕物控:122 お由良の罪 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
それから数日の間、お銀様が面を見せなかったのは、引籠って、塚の上に立てられるべき、なんらかの建設物のプランを立てていたものだとも考えられる。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)