“其子(そのこ)” の例文
其父(そのちち)、戰(たたか)ひて(七三)踵(くびす)を旋(めぐら)さずして、遂(つひ)に敵(てき)に死(し)せり。呉公(ごこう)、今(いま)又(また)其子(そのこ)を吮(す)ふ。妾(せふ)、(七四)其死所(そのししよ)を知(し)らず。是(ここ)を以(もつ)て之(これ)を哭(こく)するなり
無論誠吾が直(ぢか)に逢つたのではないが、妻(さい)に云ひ付(つ)けて断(ことわ)らした。夫でも其子(そのこ)は期日迄に国へ帰つて差支なく検査を済(す)ましてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そんなら其子(そのこ)は亡(な)くなつてか、可憐(かわい)さうなと奧(おく)さま憐(あはれ)がり給(たま)ふ、福(ふく)は得意(とくい)に、此戀(このこひ)いふも言(い)はぬも御座(ござ)りませぬ、子供(こども)の事(こと)なれば心(こゝろ)にばかり思(おも)ふて
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
同書(どうしよ)に崔禹錫(さいうせき)が食経(しよくきやう)を引て「鮏(さけ)其子(そのこ)苺(いちご)に似(に)て赤(あか)く光(ひか)り春生(うま)れて年の内に死(し)す故(ゆゑ)にまた年魚(ねんぎよ)と名く」と見えたり。
そして其子(そのこ)は去年初舞台を踏んで、彼と同じく、否(いな)彼よりももつと正式な、新派俳優になる未来を有(も)つてゐた。彼はその子を決して、三枚目にはしたくないと思つた。
虎 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
其子(そのこ)の身に宿りしより常に殺気(さつき)を帯(お)べる夢のみ多く、或時は深山(しんざん)に迷ひ込みて数千(すせん)の狼(おほかみ)に囲まれ、一生懸命の勇を鼓(なら)して、其(その)首領(しゆりやう)なる老狼(らうらう)を引倒(ひきたふ)し、上顎(うはあご)と下顎(したあご)に手をかけて
母となる (新字旧仮名) / 福田英子(著)
ヤコブの井より遠からずして、其子(そのこ)ヨセフの墓なるものあれど、さるものは見ず。また馬に上りて西へナブルスの谷に入る。南はゲリジム山、北はエバル山に挟まれたる谷なり。
余(よ)が筆(ふで)の先(さき)にて耕(たがや)し得(え)たる收入(しふにふ)は極(きは)めて僅少(きんせう)にして、自(みづか)ら食(く)ひ、自(みづか)ら衣(き)るに未(いま)だ足(た)らざれども、足(た)らざる内(うち)にもそれを貯(たくは)へて、以(もつ)て子孫(しそん)に傳(つた)へるといふ、其子(そのこ)は未(いま)だ無(な)いのである。
『五月蠅(うるさい)ね』と云(い)つて公爵夫人(こうしやくふじん)は、『そんな事(こと)に關(かま)つては居(ゐ)られない!』乃(そこ)で夫人(ふじん)は再(ふたゝ)び其子供(そのこども)に乳(ちゝ)を飮(の)ませ始(はじ)めました、一種(しゆ)の子守歌(こもりうた)を唱(うた)ひながら、一ト節(ふし)終(を)へるとは其子(そのこ)を搖(ゆす)り上(あ)げて
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
其子(そのこ)の帶(おび)は
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
其子(そのこ)曰(いは)く、「築(きづ)かずんば且(まさ)に盜(たう)有(あ)らんとす」と。其(その)鄰人(りんじん)の父(ちち)も亦(また)云(い)ふ。暮(くれ)にして果(はた)して大(おほい)に其財(そのざい)を亡(うしな)ふ。其家(そのいへ)甚(はなは)だ其(そ)の子(こ)を(一〇一)知(ち)として、鄰人(りんじん)の父(ちち)を疑(うたが)へり。
鮒(ふな)やたなごは宜(い)い迷惑(めいわく)な、釣(つ)るほどに釣(つ)るほどに、夕日(ゆふひ)が西(にし)へ落(お)ちても歸(かへ)るが惜(お)しく、其子(そのこ)出(で)て來(こ)よ殘(のこ)り無(な)くお魚(さかな)を遣(や)つて、喜(よろこ)ぶ顏(かほ)を見(み)たいとでも思(おも)ふたので御座(ござ)りましよ
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
文矦(ぶんこう)、呉起(ごき)が善(よ)く兵(へい)を用(もち)ひ・(七五)廉平(れんぺい)にして能(のう)を盡(つく)し士(し)の心(こころ)を得(え)たるを以(もつ)て、乃(すなは)ち以(もつ)て西河(せいが)の守(しゆ)と爲(な)し、以(もつ)て秦(しん)・韓(かん)を拒(ふせ)がしむ。魏(ぎ)の文矦(ぶんこう)既(すで)に卒(しゆつ)す。起(き)、其子(そのこ)武矦(ぶこう)に事(つか)ふ。
私(わたし)がはぎ合(あは)せて考(かんが)へると今(いま)申(まうし)た樣(やう)な事(こと)に成(な)るので御座(ござ)ります、其子(そのこ)に奧樣(おくさま)が似(に)ていらつしやると申(まをし)たのは夫(そ)れは嘘(うそ)では御座(ござ)りませぬけれど、露顯(ろけん)しますと彼男(あれ)に私(わたし)が叱(しか)られます
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其子(そのこ)も昨年(さくねん)の暮(くれ)チプスに懸(かゝ)つて死(し)んださうに聞(きゝ)ました、女(をんな)はませな物(もの)ではあり、死(し)ぬ際(ぎは)には定(さだ)めし父樣(とゝさん)とか何(なん)とか言(い)ふたので御座(ござ)りましよう、今年(ことし)居(ゐ)れば五つになるので御座(ござ)りました
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昔(むかし)鄭(てい)の武公(ぶこう)、胡(こ)を伐(う)たんと欲(ほつ)し、廼(すなは)ち(一〇二)其子(そのこ)を以(もつ)て之(これ)に妻(めあは)せたり。因(よ)つて羣臣(ぐんしん)に問(と)うて曰(いは)く、「吾(われ)、兵(へい)を用(もち)ひんと欲(ほつ)す、誰(たれ)か伐(う)つ可(べ)き者(もの)ぞ」と。關其思(くわんきし)曰(いは)く、「胡(こ)伐(う)つ可(べ)し」と。