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綴
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つゞ
ふりがな文庫
“
綴
(
つゞ
)” の例文
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
哉
(
かな
)
、
己
(
おのれ
)
より
三歳
(
みつ
)
弱
(
わか
)
い
山田
(
やまだ
)
が
既
(
すで
)
に
竪琴草子
(
たてごとざうし
)
なる
一篇
(
いつぺん
)
を
綴
(
つゞ
)
つて、
疾
(
とう
)
から
価
(
あたへ
)
を
待
(
ま
)
つ者であつたのは
奈何
(
どう
)
です、
然
(
さう
)
云
(
い
)
ふ物を書いたから
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
眞珠太夫はうは言のやうに言つて、長い
睫毛
(
まつげ
)
が涙を
綴
(
つゞ
)
るのです。蒼白い高貴な顏、これはいかなる身分の者であつても恥かしくない相です。
銭形平次捕物控:319 真珠太夫
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
滋幹の日記が母恋しさの餘りに
綴
(
つゞ
)
られた文章のような観があるのも道理であって、現存しているのは断片的な部分々々に過ぎないけれども
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
我見しに、かの光の奧には、
遍
(
あまね
)
く宇宙に
枚
(
ひら
)
となりて分れ散るもの集り合ひ、愛によりて
一
(
ひとつ
)
の
卷
(
まき
)
に
綴
(
つゞ
)
られゐたり 八五—八七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
鐘
(
かね
)
一ツ
賣
(
うれ
)
ぬ日はなし江戸の春とは
幕府
(
ばくふ
)
の
盛世
(
さかん
)
なる大都會の樣を
纔
(
わづか
)
十七文字に
綴
(
つゞ
)
りたる古人の秀逸にして其町々の繁昌は
詞
(
ことば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
春星
(
しゆんせい
)
影
(
かげ
)
よりも
微
(
かすか
)
に空を
綴
(
つゞ
)
る。
微茫月色
(
びばうげつしよく
)
、花に
映
(
えい
)
じて、
密
(
みつ
)
なる枝は月を
鎖
(
とざ
)
してほの
闇
(
くら
)
く、
疎
(
そ
)
なる
一枝
(
いつし
)
は月にさし出でゝほの白く、
風情
(
ふぜい
)
言ひ
尽
(
つく
)
し
難
(
がた
)
し。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
無論
(
むろん
)
、
讀書人
(
どくしよじん
)
夏目漱石
(
なつめさうせき
)
は
勝負事
(
しようぶごと
)
には
感興
(
かんきよう
)
を
持
(
も
)
つてゐなかつたのであらうが、それは
麻雀競技
(
マアジヤンきやうぎ
)
の
甚
(
はなは
)
だ
漠然
(
ばくぜん
)
とした、
斷片的
(
だんぺんてき
)
な
印象
(
いんしよう
)
を
數行
(
すうぎやう
)
綴
(
つゞ
)
つたのに
過
(
す
)
ぎない。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
打ち明けるならば三千代が平岡へ
嫁
(
とつ
)
ぐ前に打ち明けなければならない筈であつた。彼は
涙
(
なみだ
)
と
涙
(
なみだ
)
の
間
(
あひだ
)
をぼつ/\
綴
(
つゞ
)
る三千代の此一語を聞くに堪えなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は雑誌の主幹R先生の情にすがり、社に居残つて生活費まで貰ひ、処方による薬を
服
(
の
)
んで衰へた健康の養生に意を注いだ。そして暇にまかせて自叙伝を
綴
(
つゞ
)
つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
進んで答ふらく、「其の方法は五倫五常の道を守るに在ります」と。翁は頭を
振
(
ふ
)
つて曰ふ、
否々
(
いな/\
)
、そは
金看板
(
きんかんばん
)
なり、
表面
(
うはべ
)
の
飾
(
かざ
)
りに過ぎずと。因つて、左の訓言を
綴
(
つゞ
)
りて與へられたりと。
遺教
(旧字旧仮名)
/
西郷隆盛
(著)
又大阪の今宮という処に心中があった時に、
或
(
ある
)
狂言作者が
巧
(
たくみ
)
にこれを
綴
(
つゞ
)
り、標題を
何
(
なん
)
としたら
宜
(
よ
)
かろうかと色々に考えたが、何うしても工夫が附きませぬ、そこで
三好松洛
(
みよししょうらく
)
の
許
(
もと
)
へ行って
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
養生
(
やうじやう
)
を
榮燿
(
えいやう
)
の
樣
(
やう
)
に
思
(
おも
)
ふは
世上
(
せじやう
)
一般
(
いつぱん
)
の
習慣
(
ならはし
)
なり。
今
(
いま
)
余
(
よ
)
が
言
(
い
)
へる
養生法
(
やうじやうはふ
)
は、いかなる
貧人
(
ひんじん
)
、いかなる
賤業
(
せんげふ
)
の
人
(
ひと
)
にても、
日夜
(
にちや
)
心
(
こゝろ
)
を
注
(
そゝ
)
げば
出來
(
でき
)
る
事
(
こと
)
なり。
因
(
よつ
)
て
其
(
その
)
大意
(
たいい
)
を
三首
(
さんしゆ
)
の
蜂腰
(
ほうえう
)
に
綴
(
つゞ
)
ること
爾
(
しか
)
り。
養生心得草
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
赤
(
あか
)
い
額
(
ひたひ
)
、
蒼
(
あを
)
い
頬
(
ほゝ
)
——
辛
(
から
)
うじて
煙
(
けむり
)
を
拂
(
はら
)
つた
絲
(
いと
)
のやうな
殘月
(
ざんげつ
)
と、
火
(
ひ
)
と
炎
(
ほのほ
)
の
雲
(
くも
)
と、
埃
(
ほこり
)
のもやと、……
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
を
地上
(
ちじやう
)
に
綴
(
つゞ
)
つて、
住
(
す
)
める
人
(
ひと
)
もないやうな
家々
(
いへ/\
)
の
籬
(
まがき
)
に、
朝顏
(
あさがほ
)
の
蕾
(
つぼみ
)
は
露
(
つゆ
)
も
乾
(
かわ
)
いて
萎
(
しを
)
れつゝ
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
不幸
(
ふかう
)
な
彼女
(
かのぢよ
)
は
拭
(
ぬぐ
)
ふことの
出來
(
でき
)
ない
汚點
(
しみ
)
をその
生涯
(
しやうがい
)
にとゞめた。さうしてその
汚點
(
しみ
)
に
對
(
たい
)
する
悔
(
くゐ
)
は、
彼女
(
かのぢよ
)
の
是
(
これ
)
までを、さうしてまた
此先
(
このさき
)
をも、かくて
彼女
(
かのぢよ
)
の一
生
(
しやう
)
をいろ/\に
綴
(
つゞ
)
つて
行
(
ゆ
)
くであらう。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
それがために
物
(
もの
)
を
突
(
つ
)
き
刺
(
さ
)
したり
孔
(
あな
)
をあける
錐
(
きり
)
の
類
(
るい
)
、ことに
毛皮
(
けがは
)
だとか
織
(
お
)
り
物
(
もの
)
だとかを、
縫
(
ぬ
)
つたり
綴
(
つゞ
)
り
合
(
あは
)
せたりするためには、
石
(
いし
)
の
錐
(
きり
)
は
堅
(
かた
)
くてもをれ
易
(
やす
)
くてだめですから、それにはどうしても
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
葉マキ虫の葉を
綴
(
つゞ
)
りて
寝
(
い
)
ぬる如く、一同皆
蒲団
(
ふとん
)
に
包
(
くる
)
まりて一睡す。
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
羽二重の
赤玉
(
あかだま
)
を
綴
(
つゞ
)
つた花よ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
文章を
綴
(
つゞ
)
つたといふことは、曲者の並々ならぬ太さですが、同時に吉三郎殺しは、房吉ではないといふ證據にもなるのでした。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
例に依ってこま/″\と思いのたけを書き
綴
(
つゞ
)
ったあとに、せめて私はあなたが此の文を御覧下すったかどうか、それだけでも知りたいのです、決してねんごろな御言葉をとは申しません
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
食卓
(
しよくたく
)
は、
人数
(
にんず
)
が
人数
(
にんず
)
だけに、左程大きくはなかつた。部屋の
広
(
ひろ
)
さに比例して、
寧
(
むし
)
ろ
小
(
ち
)
さ
過
(
すぎ
)
る位であつたが、
純白
(
じゆんぱく
)
な卓布を、取り集めた花で
綴
(
つゞ
)
つて、
其中
(
そのなか
)
に
肉刀
(
ナイフ
)
と
肉匙
(
フオーク
)
の
色
(
いろ
)
が
冴
(
さ
)
えて
輝
(
かゞや
)
いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
江戸の町々がすつかり青葉に
綴
(
つゞ
)
られて、
時鳥
(
ほとゝぎす
)
と
初鰹
(
はつがつを
)
が江戸ツ子の詩情と味覺をそゝる頃のことです。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
老後のつれ/″\に
在
(
あ
)
りし世の事どもをおもい
出
(
い
)
だして書き
綴
(
つゞ
)
ったと云う風に見えるが、しかし「念佛を申すよりほかのいとなみもない」尼の身が、なんの目的でこれを書く気になったのだろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
世間は五月になつたばかり、町々は青葉に
綴
(
つゞ
)
られて、その頃の江戸はさながらの田園都市でした。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藁蘂
(
わらしべ
)
で結つた油氣のない髮は、半分白髮が交つて、多年日光の下で燒き上げた澁紙色の皮膚、遠州
縞
(
じま
)
の單衣の尻を端折つて、
淺葱色
(
あさぎいろ
)
の股引は
海藻
(
もくづ
)
を
綴
(
つゞ
)
つたやうに
繼
(
つぎ
)
だらけです。
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸の町が青葉で
綴
(
つゞ
)
られて、
薫風
(
くんぷう
)
と
五月
(
さつき
)
の陽光が長屋の隅々まで行き渡るある朝のこと
銭形平次捕物控:199 蹄の跡
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
江戸の四月、神田の家並も若葉に
綴
(
つゞ
)
られて、何處からともなく
飼鶯
(
かひうぐひす
)
の聲が聞えます。
銭形平次捕物控:193 色若衆
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
薄墨の書いた
起請
(
きしよう
)
が十三通、外にとろけさうな文句を
綴
(
つゞ
)
つた日文が三百幾十本となり、このまゝ諦めるにしては、二人の仲はあまりにも深間過ぎて、暗討まで仕掛けられた吾妻屋永左衞門にしても
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
とあはれ深く
綴
(
つゞ
)
つてあるのです。
銭形平次捕物控:059 酒屋火事
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
綴
漢検準1級
部首:⽷
14画
“綴”を含む語句
補綴
綴込
点綴
横綴
綴合
仮綴
綴糸
直綴
綴字
一綴
綴錦
洋綴
綴織
綴目
綴文
綴音
菊綴
合綴
羅馬字綴
綴本
...