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めがね
ふりがな文庫
“
眼鏡
(
めがね
)” の例文
おじいさんは、
眼鏡
(
めがね
)
をかけて、はさみをチョキチョキと
鳴
(
な
)
らしながら、くしをもって、
若者
(
わかもの
)
の
頭髪
(
かみ
)
にくし
目
(
め
)
を
入
(
い
)
れてみて
驚
(
おどろ
)
きました。
てかてか頭の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
仕掛
(
トリック
)
を見た時、島幾太郎とその手下の者が少しも驚かなかったのは
何
(
ど
)
うしたわけであろう——、あの青い
眼鏡
(
めがね
)
でだけ読める仕掛けを
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
思想の風窓である
眸
(
ひとみ
)
は、そのために焼かれてしまう。
眼鏡
(
めがね
)
もそれを隠すことはできない。地獄にガラスをかぶせたようなものである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし微笑は消えて、言葉は終らぬ内に途絶えて了つた。彼女は
眼鏡
(
めがね
)
を取上げ、聖書を閉ぢて、椅子を
卓子
(
テエブル
)
から後の方へ押しやつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
そうしたら部屋のむこうに日なたぼっこしながら
衣物
(
きもの
)
を縫っていた
婆
(
ばあ
)
やが、
眼鏡
(
めがね
)
をかけた顔をこちらに向けて、
上眼
(
うわめ
)
で
睨
(
にら
)
みつけながら
碁石を呑んだ八っちゃん
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
長者のうちのお
祖父
(
じい
)
さんも出て来て、大きなまんまるい
眼鏡
(
めがね
)
の下に眼をまんまるくして、「ほほう」と感心したように眺め入りました。
影法師
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
しかしMはいつのまにか
湯帷子
(
ゆかた
)
や
眼鏡
(
めがね
)
を着もの脱ぎ場へ置き、海水帽の上へ
頬
(
ほお
)
かぶりをしながら、ざぶざぶ
浅瀬
(
あさせ
)
へはいって行った。
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
見るとことごとく西洋人である。中には
眼鏡
(
めがね
)
を出してこっちを眺めているのもあった。けれども見るうちに眼鏡は不必要になった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある午後、僕は博士の不在を見すまして、猛然と彼女に迫つた。阿耶は拒まなかつた。二人は黒
眼鏡
(
めがね
)
をかけて、白熱光
裡
(
り
)
の人となつた。
わが心の女
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
「お母さん達の眼にはさばけた人間でも、おいらの
眼鏡
(
めがね
)
にかけるちふと話にやなんねえさ、へゝん……。」と吐き出すやうに云ふ。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「遠い昔の新婚旅行の晩、………彼が顔から近眼の
眼鏡
(
めがね
)
を
外
(
はず
)
したのを見ると、とたんにゾウッと
身慄
(
みぶる
)
いがしたこと」も事実であり
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
頭髪の刈り方を違え、口髭を
生
(
はや
)
し、
眼鏡
(
めがね
)
をかけ、医者の手術を受けて、
一重眼瞼
(
ひとえまぶた
)
を二重にし、その上顔面の一部に、小さい傷さえ拵えた。
一人二役
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
たずねて
村役人
(
むらやくにん
)
の
家
(
いえ
)
へいくと、あらわれたのは、
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
に
落
(
お
)
ちかかるように
眼鏡
(
めがね
)
をかけた
老人
(
ろうじん
)
でしたので、
盗人
(
ぬすびと
)
たちはまず
安心
(
あんしん
)
しました。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
掛
(
か
)
けてゐる
眼鏡
(
めがね
)
をはづして、
蘿月
(
らげつ
)
は
机
(
つくゑ
)
を離れて
座敷
(
ざしき
)
の
真中
(
まんなか
)
に
坐
(
すわ
)
り直つたが、
襷
(
たすき
)
をとりながら
這入
(
はい
)
つて来る妻のお
滝
(
たき
)
と
来訪
(
らいはう
)
のお
豊
(
とよ
)
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
いったいその女
掏摸
(
すり
)
というのは、どの客であろうかと、
銭筥
(
ぜにばこ
)
の
抽出
(
ひきだし
)
から
眼鏡
(
めがね
)
をだして、上がってくるのを一人一人見張っている。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
されば信ずるものは何かといえば、「
眼鏡
(
めがね
)
は眼鏡、茶碗は茶碗」とこの一言で充分でしょう。以上が私の宗教観です。
此処
(
ここ
)
に一首あります。
我が宗教観
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
虫
除
(
よ
)
けの薬をいれる、ホドヂンと云うセロファンの薬の袋を
貼
(
は
)
っているひとたちのなかに、
眼鏡
(
めがね
)
をかけた赤い着物のおばあさんもいました。
新生の門:――栃木の女囚刑務所を訪ねて
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
眼鏡
(
めがね
)
をかけた白ズボンの青年は、いよいよ梅三爺とは五六間程の距離になった。爺は、それが巡査でないことだけは
判
(
わか
)
った。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
(
戊戌
(
つちのえいぬ
)
即ち天保九年の)夏に至りては愈々その
異
(
こと
)
なるを覚えしかども尚悟らず、こは
眼鏡
(
めがね
)
の曇りたる故ならめと
謬
(
あやま
)
り思ひて
八犬伝談余
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
太陽と、
蒼空
(
あおぞら
)
と、雲の間を、ヒトリポッチで飛んで行く感激の涙が……それを押し
鎮
(
しず
)
めるべく私は、
眼鏡
(
めがね
)
の中で二三度パチパチと
瞬
(
またた
)
きをした。
怪夢
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
彼は
遽
(
あわ
)
てず騒がず悠々と芝生を歩んで、甕の傍に立つ。
先
(
まず
)
眼鏡
(
めがね
)
をとって、ドウダンの枝にのせる。次ぎに
褌
(
したおび
)
をとって、春モミジの枝にかける。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ほろほろとこぼす涙をぬぐいやりつつ、加藤子爵夫人は、さらに
眼鏡
(
めがね
)
の下よりはふり落つる涙をぬぐいて、その書をしかとふところにおさめ
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
私は急にヘルメットや
日除
(
ひよ
)
け
眼鏡
(
めがね
)
を買つた。母親から護符を貰つた。
合歓
(
ねむ
)
の花ざかりを夢想したり銀相場を調べたりした。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
眼鏡
(
めがね
)
はありませんか。緑青色の鳶だと言う、それは聖心女子院とか
称
(
とな
)
うる女学校の屋根に立った避雷針の矢の根である。
白金之絵図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大きな
鼈甲
(
べっこう
)
ぶちの
眼鏡
(
めがね
)
を鼻の上にのせて、紫に
葵
(
あおい
)
を白くぬいた
和鞍
(
わぐら
)
や、
朱房
(
しゅぶさ
)
の
馬連
(
ばれん
)
や
染革
(
そめかわ
)
の
手甲
(
てっこう
)
などをいじっていた。
旧聞日本橋:14 西洋の唐茄子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「そうかね。」と、長い
柄
(
え
)
の網をもった人がきらりと
眼鏡
(
めがね
)
を光らせて、蟹の登っている枝のあたりを見上げました。
椰子蟹
(新字新仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
僕、もうあなたのためなら、
眼鏡
(
めがね
)
をみんな
取
(
と
)
られて、
腕
(
うで
)
をみんなひっぱなされて、それから
沼
(
ぬま
)
の
底
(
そこ
)
へたたき
込
(
こ
)
まれたって、あなたをうらみはしませんよ
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「ハイロ君、もしきみがほしいのなら、ぼくが目にかけて、きみたちの姿や顔が見える特殊の
眼鏡
(
めがね
)
かなんかゆずってくれたまえ。それならあれをあげる」
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
小豆
(
あずき
)
かね。あいた、もう眼がはっきり見えないよ。息子のピエエルが
眼鏡
(
めがね
)
を買ってくれるといいんだけど……」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
席上に年若き紳士あり、
金縁
(
きんぶち
)
の
眼鏡
(
めがね
)
を眼の上ならで鼻の上の
辺
(
あた
)
りに
載
(
の
)
せながら眼鏡越しに座敷の隅々まで眺め廻し
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
母上は老眼に
眼鏡
(
めがね
)
かけながら暇さえあれば片っ端より読まれ候てなるほどなるほどと感心いたされ候ことに候
初孫
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
赤く白く
面
(
おもて
)
を塗りて、
赫然
(
かくぜん
)
たる色の衣をまとい、
珈琲店
(
カッフェー
)
に坐して客をひく女を見ては、
往
(
ゆ
)
きてこれに
就
(
つ
)
かん勇気なく、高き帽を
戴
(
いただ
)
き、
眼鏡
(
めがね
)
に鼻を挟ませて
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
戸外
(
そと
)
へ出ようとして扉に手をかけた時、ふ、ふ、ふと笑うような声がした。
揮
(
ふ
)
り返って見ると、
見附
(
みつけ
)
の窓の中に宵のままの老婆が大きな
眼鏡
(
めがね
)
を見せていた。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
彼はもっぱら『神信心』に
凝
(
こ
)
りだし、たいがいひとり黙々として、『殉教者伝』に読みふけったが、そのつど、大きな丸い銀縁の
眼鏡
(
めがね
)
をかけるのであった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
風巻は両手ではさんでいた
眼鏡
(
めがね
)
を胸もとまであげて、それがまるで俺の詩であるかのように胸に抱きかかえて
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
もう六十に近いと思う小柄の
爺
(
じい
)
さんが、貧相な
眼鏡
(
めがね
)
をかけてしょんぼりと仕事をしている。誰からか頼まれた直しものである。見ると船箪笥風の
引出
(
ひきだし
)
である。
思い出す職人
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そして、
八反
(
はったん
)
の着物を着たまま、ゴミ
除
(
よ
)
け
眼鏡
(
めがね
)
を顔につけ、部落を乗りまわしたものであった。その姿は全く異様であったが、
頓着
(
とんじゃく
)
するどころではなかった。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
倦
(
う
)
まず立働く人で、お雪の傍に居ても直に
眼鏡
(
めがね
)
を掛けて、孫の為に継物したり、娘の仕事を手伝ったりした。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
乃
(
そこ
)
で
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
眼鏡
(
めがね
)
をかけ、
氣味
(
きみ
)
の
惡
(
わる
)
い
程
(
ほど
)
帽子屋
(
ばうしや
)
を
凝視
(
みつめ
)
られました、
帽子屋
(
ばうしや
)
は
眞
(
ま
)
ッ
蒼
(
さを
)
になつて
顫
(
ふる
)
へてゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
そしてお互の間に、意識はしなかったが、色々な点に於て競争の感情が動いて居ないでもなかった。三人の中で、一番早く
眼鏡
(
めがね
)
を金縁にしたのは、譲吉であった。
大島が出来る話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
男はへんじもせず、うつむいたままで、テーブルの上においてある
眼鏡
(
めがね
)
を大いそぎでとりあげてかけると、やっと、ゆっくりとおかみさんのほうにむきなおった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
御成
(
おなり
)
街道へさしかかる頃から、雷鳴と電光が強くなって来たので、臆病な私は用心して
眼鏡
(
めがね
)
をはずした。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大人
(
おとな
)
三人前
(
さんにんまへ
)
を
一手
(
いつて
)
に
引
(
ひき
)
うけて
鼻唄
(
はなうた
)
交
(
まじ
)
り
遣
(
や
)
つて
退
(
の
)
ける
腕
(
うで
)
を
見
(
み
)
るもの、
流石
(
さすが
)
に
眼鏡
(
めがね
)
と
亡
(
な
)
き
老婆
(
ひと
)
をほめける。
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「よかった!」と一言、小さい声で
呟
(
つぶや
)
いて、深く肩で息をした。それから、そっと
眼鏡
(
めがね
)
をはずした。
一灯
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ロイド
眼鏡
(
めがね
)
をかけていることさえも知られていること、それからあんな奴は少し金さえかければ
直
(
す
)
ぐ捕まえる事が出来ると云っているから充分に注意して欲しいとあった。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
貧相な
猫背
(
ねこぜ
)
だった。
額部
(
ひたい
)
が抜け上がって、ほそい眼がしじゅう笑っていた。晩年はそれに、大きな
眼鏡
(
めがね
)
をかけていた。鼻に特徴があって、横にねじれたような鼻であった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
眼鏡
(
めがね
)
などをかけ、一見サラリーマン
風
(
ふう
)
に見える。そいつが夕刊をひろげて読んでいるのです。
ボロ家の春秋
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
孫四郎
(
まごしろう
)
は易者然たる
鼈甲
(
べっこう
)
の
眼鏡
(
めがね
)
をかけて積んである絵本をまたぎ茶盆をまたぎして、先刻から机の上、床の間、押し入れの中としきりに引っくり返して何かさがしていたが
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
恐る恐る円道ある時、
思
(
おぼ
)
さるる
用途
(
みち
)
もやと伺いしに、塔を建てよとただ一言云われしぎり振り向きもしたまわず、
鼈甲縁
(
べっこうぶち
)
の大きなる
眼鏡
(
めがね
)
の
中
(
うち
)
より
微
(
かす
)
かなる眼の光りを放たれて
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
素敵に大きな
眼鏡
(
めがね
)
をかけた男性の怪物が、黒灰浦の真中の海へ深く
潜
(
もぐ
)
り込んだかと思うと、暫くあって浮き上り、浮き上ると共に、あっぷあっぷと息をついて、浮袋にだきついて
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“眼鏡”の解説
眼鏡(めがね、メガネ、がんきょう)とは、ヒトの眼(目)に装着して、レンズにより、屈折異常や視力の補正、目の保護あるいは装身具として使う器具。コンタクトレンズと違い、角膜など眼球には直接触れさせずかける。
(出典:Wikipedia)
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
鏡
常用漢字
小4
部首:⾦
19画
“眼鏡”で始まる語句
眼鏡橋
眼鏡屋
眼鏡越
眼鏡蛇
眼鏡売
眼鏡連