トップ
>
屡々
>
しば/\
ふりがな文庫
“
屡々
(
しば/\
)” の例文
長崎は淫風の極めて
太甚
(
はなはだ
)
しき地なり。襄の彼地に在るや
屡々
(
しば/\
)
遊里に誘はれたりき。今日と雖も娼閣の壁上往々其旧題を見るといへり。
頼襄を論ず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
ことに
屡々
(
しば/\
)
この「アミユレツト」に関して犯罪の行はるゝことなどが探偵小説に書かれてあるから特に一言注意を促した訳である。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
屡々
(
しば/\
)
速射砲等
(
そくしやほうとう
)
をもつて
反對
(
はんたい
)
に
撃沈
(
げきちん
)
される
程
(
ほど
)
で、とても、
我
(
わ
)
が
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
破天荒
(
はてんくわう
)
なる、
此
(
この
)
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
とは
比較
(
ひかく
)
する
事
(
こと
)
も
出來
(
でき
)
ぬのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
水車が休んでゐる時は松はひとりで
淋
(
さび
)
しく
奏
(
かな
)
でた。その声が
屡々
(
しば/\
)
のこと私を、父と松林の中の道を通つて
田舎
(
ゐなか
)
から出て来た日に連れ戻した。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
因業で几帳面な人間ほど、肉親愛が強い——と言つた例を、平次は
屡々
(
しば/\
)
見せつけられますが、これもまた一つのよい例でした。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
が、丁度その頃から、彼と彼の父との間に、金銭上の事で何かごたごたした不機嫌な会話が
屡々
(
しば/\
)
取交
(
とりか
)
はされるやうになつた。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
して梅五郎の
許
(
もと
)
へは
沢山
(
たくさん
)
尋ねて来る人が有たのか女「はい有ッても
極極
(
ごく/\
)
僅
(
わず
)
かです其うちで
屡々
(
しば/\
)
来るのが甥の藻西太郎さんで、 ...
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
勿論
(
もちろん
)
それは彼の思ひ過ぎでもあつた。これまでも
屡々
(
しば/\
)
あつたことだ。こんな気持の時は足がおのづからステーションや波止場の方へ向くのであつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
奉「フム、由其の方は存じて居ろうが、龜甲屋の元の宅は根岸であったによって、坂本の経師職桃山が出入ゆえ、幸兵衛が
屡々
(
しば/\
)
仕事にまいったであろう」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しながら
此處彼處
(
ここかしこ
)
へ
圍
(
かこ
)
ひ者をなし其上
屡々
(
しば/\
)
女郎買にも
行
(
ゆき
)
家
(
うち
)
の下女には手を付て
懷妊
(
くわいにん
)
させて金を取られいやはや女を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
わが気力の著じるく衰へ来りしより
以来
(
このかた
)
、彼の馬十の顔を見る毎に、怪しく疑ひ深き
瞋恚
(
しんに
)
の心、しきりに燃え立ちさかりて今は
斯様
(
かう
)
よと片膝立つる事
屡々
(
しば/\
)
なり。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今の人は讓歩と云ふことの眞意義を知らない。けれども
姑息
(
こそく
)
の妥協は、政治、經濟の上では勿論、學問の上にも
屡々
(
しば/\
)
行はれて、それで大きな勃發もなしに流轉して行く。
計画
(旧字旧仮名)
/
平出修
(著)
日本
(
につぽん
)
でも
昔
(
むかし
)
から
百姓
(
ひやくしよう
)
が
土地
(
とち
)
を
耕
(
たがや
)
したり、
山
(
やま
)
が
崩
(
くづ
)
れたりした
時
(
とき
)
、ひょっこり
石器
(
せつき
)
の
發見
(
はつけん
)
されたことが
屡々
(
しば/\
)
ありましたが、
昔
(
むかし
)
はそれらの
石器
(
せつき
)
を
人間
(
にんげん
)
が
造
(
つく
)
つたものとは
思
(
おも
)
はないで
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
偉
(
えら
)
い
婦人
(
ふじん
)
の
傳記以外
(
でんきいぐわい
)
に、
屡々
(
しば/\
)
婦人
(
ふじん
)
の
讀物
(
よみもの
)
として
推奬
(
すゐしやう
)
されるのは、
婦人
(
ふじん
)
の
書
(
か
)
いた
書物
(
しよもつ
)
である。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
巧
(
うま
)
い
事
(
こと
)
云
(
い
)
つてら!』と
云
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
てゝ
鳩
(
はと
)
は
再
(
ふたゝ
)
び
巣
(
す
)
に
落着
(
おちつ
)
きました、
愛
(
あい
)
ちやんは
首
(
くび
)
が
枝
(
えだ
)
から
枝
(
えだ
)
に
絡
(
から
)
みさうなので、
出來
(
でき
)
るだけ
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
に
屈
(
かゞ
)
んでゐましたが、
歩
(
ある
)
く
時
(
とき
)
には
屡々
(
しば/\
)
足
(
あし
)
を
停
(
と
)
めて
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
私はその書物のなかのその話を耳にいれたとき、私もまた何かさういふ罪を犯したことがあるやうな気がしてならなかつた。病身がちな私は、
屡々
(
しば/\
)
真蒼
(
まつさを
)
になつて、母に抱きついた。
町の踊り場
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
久しく忘れてゐた詞だ。少年の頃よく
穉
(
おさな
)
い詩を作つた折に
屡々
(
しば/\
)
使つた詞だ。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
雪
(
ゆき
)
の
難
(
なん
)
——
荷擔夫
(
にかつぎふ
)
、
郵便配達
(
いうびんはいたつ
)
の
人
(
ひと
)
たち、
其
(
そ
)
の
昔
(
むかし
)
は
數多
(
あまた
)
の
旅客
(
りよかく
)
も——
此
(
これ
)
からさしかゝつて
越
(
こ
)
えようとする
峠路
(
たうげみち
)
で、
屡々
(
しば/\
)
命
(
いのち
)
を
殞
(
おと
)
したのでありますから、いづれ
其
(
そ
)
の
靈
(
れい
)
を
祭
(
まつ
)
つたのであらう、と
大空
(
おほぞら
)
の
雲
(
くも
)
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人夫中の一人喜作なるもの両三日前より
屡々
(
しば/\
)
病の為めに
困
(
くるし
)
み、一行も大に
憂慮
(
いうりよ
)
せしが、文珠岩を
発見
(
はつけん
)
するや
否
(
いな
)
直
(
ただ
)
ちに再拝して
飯
(
めし
)
一椀、鰹節一本とを
捧呈
(
ほうてい
)
し、
祈祷
(
きとう
)
に
時
(
とき
)
を
移
(
うつ
)
し
了
(
おは
)
りて
忝
(
かたじけ
)
く其飯を
喫
(
きつ
)
す
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
己は
屡々
(
しば/\
)
斯
(
こ
)
う云って
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あまりの事に、平次も八五郎も默つて聽く外はありません、江戸時代に
屡々
(
しば/\
)
行はれた寺社の開帳には、當れば斯んな賑ひは隨分あつたものです。
銭形平次捕物控:274 贋金
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼れが我身に覚えも無き事を
易々
(
やす/\
)
と白状して殆ど裁判を誤らしめんとするに至りし其不心得を痛く叱るに彼れ
屡々
(
しば/\
)
首
(
こうべ
)
を垂れ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
進
(
まゐ
)
らするなり何も御座らぬ
掴
(
つか
)
み料理澤山お
食
(
あが
)
りくだされよと亭主の
愛想
(
あいさう
)
に人々は大いに悦び
盃盞
(
さかづき
)
屡々
(
しば/\
)
巡るうち時分を計り傳吉は小用に行く體して叔母女房を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
加
(
くわ
)
ふるに
橄欖島
(
かんらんたう
)
の
附近
(
ふきん
)
には、
始終
(
しじう
)
有名
(
いうめい
)
なる
海賊船
(
かいぞくせん
)
が
横行
(
わうかう
)
し、また
屡々
(
しば/\
)
、
歐洲
(
をうしう
)
諸國
(
しよこく
)
の
軍艦
(
ぐんかん
)
も
巡航
(
じゆんかう
)
して
來
(
き
)
ますから、
其邊
(
そのへん
)
に
我
(
わ
)
が
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
が
機關
(
きくわん
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
失
(
うしな
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
父がそれ等の乱暴な俥夫の横理屈に対して
飽
(
あく
)
まで自分を
抑
(
おさ
)
へて彼等の機嫌を取つてゐるのを私は
屡々
(
しば/\
)
見た。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
吾人は又
屡々
(
しば/\
)
愛国及び基督教てふ声を聞き政府及び教会てふ声を聞き、社会問題及び教会てふ声を聞く。
信仰個条なかるべからず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
希臘神話の中に出て来る魔法使ひの女サーシーはこのマンドレークを最も
屡々
(
しば/\
)
使用したといはれて居る。この迷信は余程久しい間行はれ、
沙翁
(
さをう
)
の劇の中にも
度々
(
たび/\
)
引用せられてゐる。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
『
私
(
わたし
)
は
審問
(
しんもん
)
の
終
(
をは
)
りに「
傍聽人
(
ばうちやうにん
)
が
喝釆
(
かつさい
)
しやうとして、
直
(
たゞ
)
ちに
數多
(
あまた
)
の
廷丁
(
てい/\
)
どもに
制止
(
とめ
)
られた」と
云
(
い
)
ふことを、
屡々
(
しば/\
)
新聞
(
しんぶん
)
で
讀
(
よ
)
んでは
居
(
ゐ
)
ましたが、それが
何
(
ど
)
う
云
(
い
)
ふ
意味
(
いみ
)
だか
解
(
わか
)
りませんでした。』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
肌触
(
はだざは
)
りに荒い感じがあつて、何うかすると
酷
(
ひど
)
い恐い目をするのだつたが、晴代に失恋の悩みを聴いてもらつたところから、親しみが生じて、料理を特別に一皿作つてくれることも
屡々
(
しば/\
)
あつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
名物の白梅の老木は、塀の上から悉く見上げられ、大枝に掛けて居るといふ白衣長髮の梅の精も、月の良い晩は、
屡々
(
しば/\
)
外から映し繪のやうに見られたことでせう。
銭形平次捕物控:284 白梅の精
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
二種
(
ふたいろ
)
加
(
くは
)
ゆるゆゑ如何程
重
(
おも
)
き
癲癇
(
てんかん
)
なりともたゞ一二服を服用すれば
忽地
(
たちまち
)
全快なさんこと
霜
(
しも
)
に
沸湯
(
にえゆ
)
を注ぐに等き世にも
怪有
(
けう
)
なる
奇劑
(
きざい
)
なるは是迄
夥多
(
あまた
)
の人に用ゐ
屡々
(
しば/\
)
功驗
(
こうけん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
か言出さんとする如く唇
屡々
(
しば/\
)
動きたるも
漸
(
ようや
)
くに我心を
推鎮
(
おししず
)
め「え、え」と悔しげなる声を
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
廣
(
ひろ
)
い
樣
(
やう
)
でも
狹
(
せま
)
いのは
滊船
(
きせん
)
の
航路
(
かうろ
)
で、
千島艦
(
ちしまかん
)
とラーヴエンナ
號
(
がう
)
事件
(
じけん
)
の
實例
(
じつれい
)
を
引
(
ひ
)
く
迄
(
まで
)
もなく、
少
(
すこ
)
しく
舵機
(
かぢ
)
の
取方
(
とりかた
)
を
※
(
あやま
)
つても、
屡々
(
しば/\
)
驚怖
(
きやうふ
)
すべき
衝突
(
しようとつ
)
を
釀
(
かも
)
すのに、
底事
(
なにごと
)
ぞ、
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ちやうど電車通りを越えた高台のところに、其の口入屋があつたので、そこへ還つてゐるあひだ、
屡々
(
しば/\
)
圭子の家を覗きに来たり何かして、一晩でも泊めると、もうそこに淡い愛着が出て来るのが
チビの魂
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
それは小肥りの立派な殿樣振りで、噂で聽いた、冷酷無殘な樣子はなく、反つて幾分の甘さと寛大さと、身分のある者に
屡々
(
しば/\
)
見受けられる、打ち解け過ぎた頭の惡さを感じさせるのでした。
銭形平次捕物控:289 美しき人質
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
従ッて又隣近所で目を醒すに違い無い、其所だテ隣近所で目を醒してもアヽ又例の喧嘩かと別に気にも
留
(
とめ
)
ずに居る様な所が何所にか有るだろう(大)夫では
屡々
(
しば/\
)
大喧嘩の有る家かネ(谷)爾サ
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
屡
漢検準1級
部首:⼫
12画
々
3画
“屡”で始まる語句
屡
屡〻
屡次
屡叩
屡瞬
屡ゝ
屡屡
屡〻見