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小口
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こぐち
ふりがな文庫
“
小口
(
こぐち
)” の例文
皆和本で、それぞれの書名が
小口
(
こぐち
)
に綺麗に書かれたのが積重ねてあって、表紙の色はそれぞれ違いましたが、どれも皆無地でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
沢山な閲覧者のなかには、書物からいろんな毒を吸ひ取つて帰る代りに、書物の
小口
(
こぐち
)
に目に見えない病毒を残して
往
(
ゆ
)
くのがある。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
斯
(
こ
)
んな
紙
(
かみ
)
ぢや、
又
(
また
)
すぐ
破
(
やぶ
)
けますね」と
云
(
い
)
ひながら、
小六
(
ころく
)
は
卷
(
ま
)
いた
小口
(
こぐち
)
を一
尺
(
しやく
)
ほど
日
(
ひ
)
に
透
(
す
)
かして、二三
度
(
ど
)
力任
(
ちからまか
)
せに
鳴
(
な
)
らした。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何処
(
どこ
)
から
取付
(
とりつい
)
て
宜
(
い
)
いか実に
訳
(
わ
)
けが分らない。
併
(
しか
)
し年月を
経
(
ふ
)
れば何か英書を読むと云う
小口
(
こぐち
)
が立つに違いないが、今の処では何とも仕方がない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
とても仕事場へ運んで屋根の下で仕事をすることは出来ませんので、庭の野天で、残暑の中に汗みずくとなり、まず
小口
(
こぐち
)
からこなし初めました。
幕末維新懐古談:73 栃の木で老猿を彫ったはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
透
(
すか
)
し見れば彼の
十七屋
(
となや
)
のの飛脚に相違なし
因
(
よつ
)
て重四郎は得たりと
尻
(
しり
)
引
(
ひつ
)
からげて待つほどに
定飛脚
(
ぢやうひきやく
)
と
書
(
かき
)
たりし小田原挑灯を
荷物
(
にもつ
)
の
小口
(
こぐち
)
へ
縊付
(
くゝりつ
)
け三度
笠
(
がさ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
イザ食べようという時
小口
(
こぐち
)
から
極
(
ご
)
く薄く切って
溶
(
と
)
き
芥子
(
からし
)
を添えるのだ。一つ試してみ給え、一番
軽便
(
けいべん
)
の豚料理だ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そのほか、岩崎山、青塚、
小口
(
こぐち
)
、
曼陀羅寺
(
まんだらじ
)
などの陣々をあわせて、ざっと総兵力約八万八千と
称
(
とな
)
えられている。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三つには、真の意味の批評の一向出て来ないことである。まず三番目の理由から、話の
小口
(
こぐち
)
をほぐしてゆく。
歌の円寂する時
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
切り
小口
(
こぐち
)
の神経の筋が縮んで、肉の中に引っ
釣
(
つ
)
り込んで行く時なんぞは、特別にキンキン痛いのですが、それが実際に在りもしない膝っ小僧だの、足の裏だのに響くのです
一足お先に
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
此
(
この
)
度
(
たび
)
のは、
一昨日
(
をとゝひ
)
の
朝
(
あさ
)
から
懸
(
かゝ
)
つた
仕事
(
しごと
)
で、ハヤ
其
(
その
)
半
(
なかば
)
を
挽
(
ひ
)
いた。
丈
(
たけ
)
四
間半
(
けんはん
)
、
小口
(
こぐち
)
三
尺
(
じやく
)
まはり
四角
(
しかく
)
な
樟
(
くすのき
)
を
眞二
(
まつぷた
)
つに
割
(
わ
)
らうとするので、
與吉
(
よきち
)
は十七の
小腕
(
こうで
)
だけれども、
此
(
この
)
業
(
わざ
)
には
長
(
た
)
けて
居
(
ゐ
)
た。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
紀伊
東牟婁
(
ひがしむろ
)
郡高田村西高田の
京等木平
(
きょうらぎたいら
)
山は、同郡
小口
(
こぐち
)
村大字東との境上で、『続風土記』にはこの辺きわめての深山にて至る者なしとある。京良谷という地名はほかの地方にも多い。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さてこれから
船見
(
ふなみ
)
峠、
大雲取
(
おほくもとり
)
を越えて
小口
(
こぐち
)
の
宿
(
しゆく
)
まで行かうとするのであるが、僕に行けるかどうかといふ懸念があるくらゐであつた。那智
権現
(
ごんげん
)
に参拝し、今度の行程について祈願をした。
遍路
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
若旦那
(
わかだんな
)
のお
供
(
とも
)
といえば、
常
(
つね
)
に
市
(
いち
)
どんと
朋輩
(
ほうばい
)
から
指
(
さ
)
される
慣
(
なら
)
わしは、
時
(
とき
)
にかけ
蕎麦
(
そば
)
の一
杯
(
ぱい
)
くらいには
有
(
あ
)
りつけるものの、
市松
(
いちまつ
)
に
取
(
と
)
っては、
寧
(
むし
)
ろ
見世
(
みせ
)
に
坐
(
すわ
)
って、
紙
(
かみ
)
の
小口
(
こぐち
)
をそろえている
方
(
ほう
)
が
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
峯「
戯
(
ふざ
)
けちゃアいけねえじゃアねえか、此処まで来て、此処じゃア立場も
無
(
ね
)
え、下沢渡へ別れ道の
小口
(
こぐち
)
まで
往
(
い
)
きねえな、
彼処
(
あすこ
)
へ
往
(
い
)
けば又一人や二人帰り車も居るだろうから、此処じゃア何うもしようがねえやな」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
壁
(
かべ
)
に掛けたの
許
(
ばかり
)
でも大小
合
(
あは
)
せると余程になる。
額縁
(
がくぶち
)
を
附
(
つ
)
けない
下画
(
したゑ
)
といふ様なものは、
重
(
かさ
)
ねて
巻
(
ま
)
いた
端
(
はじ
)
が、
巻
(
ま
)
き
崩
(
くづ
)
れて、
小口
(
こぐち
)
をしだらなく
露
(
あら
)
はした。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
膝や肩の丸味は三角の所へ弓をやって形を作り、印を結んだ手は片面で、
四分板
(
しぶいた
)
を切り抜いて、細丸太を切って
小口
(
こぐち
)
から二つ割りにして指の形を作る。
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
そこでブリスケが煮えたのですから
一旦
(
いったん
)
出して
小口
(
こぐち
)
から薄く切って野菜とともに皿へ盛って今の煮た汁を
裏漉
(
うらご
)
しにしてかけて出すとなかなか美味しい御馳走が出来ます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
拙僧
(
せつそう
)
も立身の
小口
(
こぐち
)
に先生も
御隨身
(
ごずゐしん
)
の思召あらば
拙僧
(
せつそう
)
御吹擧
(
ごすゐきよ
)
に
及
(
およ
)
ぶべしといふ伊賀亮は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
さてこれから
船見峠
(
ふなみとうげ
)
、
大雲取
(
おおくもとり
)
を越えて
小口
(
こぐち
)
の
宿
(
しゅく
)
まで行こうとするのであるが、僕に行けるかどうかという懸念があるくらいであった。
那智権現
(
なちごんげん
)
に参拝し、今度の行程について祈願をした。
遍路
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
手際
(
てぎは
)
なもので、
煽
(
あふ
)
ぐ
内
(
うち
)
に、じり/\と
團子
(
だんご
)
の
色
(
いろ
)
づくのを、
十四五本
(
じふしごほん
)
掬
(
すく
)
ひ
取
(
ど
)
りに、
一掴
(
ひとつか
)
み、
小口
(
こぐち
)
から
串
(
くし
)
を
取
(
と
)
つて、
傍
(
かたはら
)
に
醤油
(
したぢ
)
の
丼
(
どんぶり
)
へ、どぶりと
浸
(
つ
)
けて、
颯
(
さつ
)
と
捌
(
さば
)
いて、すらりと
七輪
(
しちりん
)
へ
又
(
また
)
投
(
な
)
げる。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
壁にかけたのばかりでも大小合わせるとよほどになる。
額縁
(
がくぶち
)
をつけない下絵というようなものは、重ねて巻いた
端
(
はし
)
が、巻きくずれて、
小口
(
こぐち
)
をしだらなくあらわした。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
度
(
たび
)
のは、
一昨日
(
おととい
)
の朝から
懸
(
かか
)
った仕事で、ハヤその
半
(
なかば
)
を挽いた。
丈
(
たけ
)
四
間
(
けん
)
半
(
はん
)
、
小口
(
こぐち
)
三
尺
(
じゃく
)
まわり四角な
樟
(
くすのき
)
を
真二
(
まっぷた
)
つに割ろうとするので、与吉は十七の
小腕
(
こうで
)
だけれども、この
業
(
わざ
)
には
長
(
た
)
けて居た。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巻きおわった時今の紙で巻き目をよく押えておくと太い棒になりますからそれを
小口
(
こぐち
)
に切りますとカステラの渦巻のようなものが出来ます。これはジャムロールといってなかなか美味しいお菓子です。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
三四郎は手を
出
(
だ
)
して、帳面を受取つた。
真中
(
まんなか
)
に
小口
(
こぐち
)
当座
預金
(
あづかりきん
)
通帳とあつて、横に里見美禰子殿と書いてある。三四郎は帳面と印形を持つた儘、女の顔を見て立つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
即
(
すなは
)
ち、
一錢銅貨
(
いつせんどうくわ
)
五十餘枚
(
ごじふよまい
)
を、ざらりと
一側
(
ひとかは
)
ならびに、
細
(
ほそ
)
い、
青
(
あを
)
い、
小
(
ちひ
)
さい
蝦蟇口
(
がまぐち
)
を
用意
(
ようい
)
して、
小口
(
こぐち
)
から、「さあ、さあ、お
剩錢
(
つり
)
を。」——これは、
以來
(
いらい
)
、九九九
會
(
くわい
)
の
常備
(
じやうび
)
共通
(
きようつう
)
の
具
(
ぐ
)
と
成
(
な
)
つて
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
縁側
(
えんがは
)
に
出
(
で
)
て、
高
(
たか
)
い
庇
(
ひさし
)
を
仰
(
あふ
)
ぐと、
黒
(
くろ
)
い
瓦
(
かはら
)
の
小口
(
こぐち
)
丈
(
だけ
)
が
揃
(
そろ
)
つて、
長
(
なが
)
く一
列
(
れつ
)
に
見
(
み
)
える
外
(
そと
)
に、
穩
(
おだや
)
かな
空
(
そら
)
が、
蒼
(
あを
)
い
光
(
ひかり
)
をわが
底
(
そこ
)
の
方
(
はう
)
に
沈
(
しづ
)
めつゝ、
自分
(
じぶん
)
と
薄
(
うす
)
くなつて
行
(
ゆ
)
く
所
(
ところ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
祖母
(
としより
)
が、ト目を
擦
(
こす
)
った
帰途
(
かえりみち
)
。本を持った織次の手は、氷のように冷めたかった。そこで、小さな
懐中
(
ふところ
)
へ
小口
(
こぐち
)
を半分
差込
(
さしこ
)
んで、
圧
(
おさ
)
えるように
頤
(
おとがい
)
をつけて、
悄然
(
しょんぼり
)
とすると、
辻
(
つじ
)
の
浪花節
(
なにわぶし
)
が語った……
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
祖母
(
としより
)
も
莞爾
(
にっこり
)
して、嫁の
記念
(
かたみ
)
を取返す、二度目の
外出
(
そとで
)
はいそいそするのに、手を
曳
(
ひ
)
かれて、キチンと
小口
(
こぐち
)
を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の
膝許
(
ひざもと
)
に残しながら、出しなに、台所を
竊
(
そっ
)
と
覗
(
のぞ
)
くと
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
好加減
(
いゝかげん
)
に
髮剃
(
かみそり
)
で
小口
(
こぐち
)
を
切
(
き
)
り
落
(
おと
)
して
仕舞
(
しま
)
ふ
事
(
こと
)
もあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“小口”で始まる語句
小口書