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四谷
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よつや
ふりがな文庫
“
四谷
(
よつや
)” の例文
四谷
(
よつや
)
の
通
(
とほ
)
りへ
食料
(
しよくれう
)
を
探
(
さが
)
しに
出
(
で
)
て、
煮染屋
(
にしめや
)
を
見
(
み
)
つけて、
崩
(
くづ
)
れた
瓦
(
かはら
)
、
壁泥
(
かべどろ
)
の
堆
(
うづたか
)
いのを
踏
(
ふ
)
んで
飛込
(
とびこ
)
んだが、
心
(
こゝろ
)
あての
昆布
(
こぶ
)
の
佃煮
(
つくだに
)
は
影
(
かげ
)
もない。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
淀橋
(
よどばし
)
区、
四谷
(
よつや
)
区は、大半焼け尽しました。
品川
(
しながわ
)
区、
荏原
(
えばら
)
区は、
目下
(
もっか
)
延焼中
(
えんしょうちゅう
)
であります。
下町
(
したまち
)
方面は、むしろ、小康状態に入りました」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
四谷
(
よつや
)
の御用聞で
朱房
(
しゅぶさ
)
の源吉という顔の良いのが、一応見に来ましたが、裏木戸やお勝手口の締りは厳重な上、塀の上を越した跡もないので
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
先生病院のベッドの上で気がついたときの様子はというと、顔が二倍ぐらいに
腫
(
は
)
れあがっていて、人相は
四谷
(
よつや
)
お岩をむくましたようだった。
天才になりそこなった男の話
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
わたしが、父と一緒に
四谷
(
よつや
)
へ
納涼
(
すずみ
)
ながら散歩にゆくと、秋の初めの涼しい夜で、
四谷伝馬町
(
よつやてんまちょう
)
の通りには幾軒の
露店
(
よみせ
)
が出ていた。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
下谷
(
したや
)
から
浅草
(
あさくさ
)
へ出たらう、それから
本郷台
(
ほんがうだい
)
へ
上
(
あが
)
つて、
牛込
(
うしごめ
)
へ出て
四谷
(
よつや
)
から
麹町
(
かうぢまち
)
へ出て
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
た、いやもうがつかりした。
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
下谷
(
したや
)
佐竹ッ
原
(
ぱら
)
の浄るり座や、
麻布
(
あざぶ
)
森元
(
もりもと
)
の
開盛座
(
かいせいざ
)
を廻り、
四谷
(
よつや
)
の
桐座
(
きりざ
)
や、
本所
(
ほんじょ
)
の寿座が出来て、格の好い中劇場へ出るようになるかと思うと、また
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私はその道具屋の
我楽多
(
がらくた
)
といっしょに、小さい
笊
(
ざる
)
の中に入れられて、毎晩
四谷
(
よつや
)
の大通りの夜店に
曝
(
さら
)
されていたのである。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
商人は一声叫ぶなり坂を
四谷
(
よつや
)
の方へ逃げあがった。あがったところに
夜鷹蕎麦
(
よたかそば
)
の灯があった。商人は
鞴
(
ふいご
)
のような
呼吸
(
いき
)
と同時にその屋台へ飛びこんだ。
狢
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
けれども夕日と東京の美的関係を論ぜんには、
四谷
(
よつや
)
麹町
(
こうじまち
)
青山
(
あおやま
)
白金
(
しろかね
)
の
大通
(
おおどおり
)
の如く、西向きになっている一本筋の長い街路について見るのが一番便宜である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ひつじ屋で、花模様のジョウゼットを買ってから、
四谷
(
よつや
)
に洋装学校をもっているあるマダムの邸宅を訪問した。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
役所に遠いのを
仮托
(
かこつけ
)
に、
猿楽町
(
さるがくちょう
)
の親の家を離れて
四谷
(
よつや
)
の
津
(
つ
)
の
守
(
かみ
)
の女の写真屋の二階に下宿した事もあった。神田の
皆川町
(
みながわちょう
)
の
桶屋
(
おけや
)
の二階に同居した事もあった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「どうもえらい騒動でげすな。拙者は、まだ暗いうちに家を出まして、
四谷
(
よつや
)
からあるいて来ましたので」
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
四谷
(
よつや
)
区某町某番地に、鶴見仙之助というやや高名の洋画家がいた。その頃すでに五十歳を越えていた。
花火
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
眠くって頭の
芯
(
しん
)
がズキズキするのをこらえて、朝の街に出てゆくと、汚い
鋪道
(
ほどう
)
の上に、散しの黄や赤が、露にベトベト濡れて陽に光っていた。
四谷
(
よつや
)
までバスに乗る。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
刑事は
殆
(
ほとん
)
どそれを廻り尽して、今は、山の手の
牛込
(
うしごめ
)
と
四谷
(
よつや
)
の区内が残っているばかりであった。
二銭銅貨
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
橋本の敬さんが、実弟の
世良田
(
せらだ
)
某
(
ぼう
)
を連れて来た。
五歳
(
いつつ
)
の年
四谷
(
よつや
)
に養子に往って、十年前渡米し、今はロスアンゼルスに
砂糖
(
さとう
)
大根
(
だいこん
)
八十町、セロリー四十町作って居るそうだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
けさほど
檀家
(
だんか
)
の縁日あきんどを狩りたてて、江戸じゅう総ざらえをいたさせましたら、耳なし浪人くまの
檻
(
おり
)
を引き連れて、きょうから向こう三日間、
四谷
(
よつや
)
の
毘沙門
(
びしゃもん
)
さまの境内で
右門捕物帖:10 耳のない浪人
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
享保
(
きょうほう
)
十八年、九月十三日の朝、
四谷
(
よつや
)
塩町のはずれに小さな道場をもって、義世流の剣道を指南している鈴木伝内が、奥の小座敷で茶を飲みながら、
築庭
(
ちくてい
)
の秋草を見ているところへ
鈴木主水
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
いったいどこへゆくのだろう?
四谷
(
よつや
)
を過ぎ、
市
(
いち
)
ヶ
谷
(
や
)
を過ぎ、
牛込
(
うしごめ
)
の方へ走ってゆく。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「ええ、狆は荒物屋にはいません。ですが、
四谷
(
よつや
)
の親類の方にいるんだそうです」
幕末維新懐古談:54 好き狆のモデルを得たはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
保己一
(
ほきいち
)
の
男
(
だん
)
、
四谷
(
よつや
)
寺町
(
てらまち
)
に住む
忠雄
(
ただお
)
さんの祖父である。当時の流言に、次郎が安藤対馬守
信睦
(
のぶゆき
)
のために廃立の先例を取り調べたという事が伝えられたのが、この
横禍
(
おうか
)
の因をなしたのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
山の手の
四谷
(
よつや
)
の一
劃
(
かく
)
は、屋敷町の
閑寂
(
かんじゃく
)
な木立に、蝉しぐれが
啼
(
な
)
きぬいていた。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この打ちこわしは前年五月二十八日の夜から品川宿、芝
田町
(
たまち
)
、
四谷
(
よつや
)
をはじめ、下町、
本所
(
ほんじょ
)
辺を荒らし回り、横浜貿易商の家や米屋やその他富有な家を破壊して、それが七、八日にも及んだ。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何でも
牛込見附
(
うしごめみつけ
)
からかなり行って、
四谷
(
よつや
)
見附の辺のお
堀端
(
ほりばた
)
から松の枝が往来へ差し出ているのが目につくあたりにお住いだったと思います。痩形で、少し
前屈
(
まえかが
)
みの
恰好
(
かっこう
)
の静かなお年寄でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
例の『
四谷
(
よつや
)
怪談』では
御岩
(
おいわ
)
様の幽霊は概念的作品であまり凄くない。凄くしようという意図の方が凄さの実想より先に見えるからだが、その中にただ、
盥
(
たらい
)
の中から青白い手の出るところがある。
ばけものばなし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
俺あ地蔵様を信心して、
道傍
(
みちばた
)
に石の地蔵様が倒れてござらっしゃれば起して通る、花があれば花、水があれば水を上げて信心するだ……昨日も
四谷
(
よつや
)
の道具屋に、このお地蔵様の木像があったから
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
詩人 お里つて言へば、
四谷
(
よつや
)
か、どつかぢやありませんか。
世帯休業
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「
私等
(
わしらあ
)
ですか、私等は
四谷
(
よつや
)
の
塩町
(
しほちやう
)
に居るんでがすア」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「長唄も
岡安
(
おかやす
)
ならまんざらでもないけれども、松永は唯つッこむばかりで面白くもなんとも有りゃアしない。それよりか清元の事サ、どうも意気でいいワ。『
四谷
(
よつや
)
で始めて
逢
(
お
)
うた時、すいたらしいと思うたが、因果な縁の糸車』」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
四谷
(
よつや
)
だ」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
川崎の大師へ参詣かたがた……は勿体ないが、
野掛
(
のがけ
)
として河原で一杯、茶飯と出ようと、
四谷
(
よつや
)
辺の大工左官など五六人。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
瑠璃子が赤阪
一
(
ひと
)
ツ
木
(
ぎ
)
で先に降り、次に春代が
四谷
(
よつや
)
左門町
(
さもんちょう
)
で降りると、運転手は
予
(
あらかじ
)
め行先を教えられているので、
塩町
(
しおちょう
)
の電車通から曲って
津
(
つ
)
の
守阪
(
かみざか
)
を降りかけた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
下谷
(
したや
)
から
浅草
(
あさくさ
)
を
𢌞
(
まは
)
つて、それから
貴方
(
あなた
)
、
本郷台
(
ほんがうだい
)
へかゝりました、それから
牛込
(
うしごめ
)
へ出まして、
四谷
(
よつや
)
から
麹町
(
かうぢまち
)
を
𢌞
(
まは
)
つて
帰
(
かへ
)
つてまゐりまして、いやもうがつかり
致
(
いた
)
しました。
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
たしか明治二十四年頃であった、二葉亭は
四谷
(
よつや
)
の
津
(
つ
)
の
守
(
かみ
)
の女の写真屋の二階に下宿した事があった。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
四谷
(
よつや
)
に赤外線男が出た。
三河島
(
みかわしま
)
にも赤外線男が現われたと、時間と場所とを
弁
(
わきま
)
えぬ出現ぶりだった。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
何分
(
なにぶん
)
宜
(
よろ
)
しく」と
頼
(
たの
)
んで
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
た。
角
(
かど
)
へ
来
(
き
)
て、
四谷
(
よつや
)
から
歩
(
ある
)
く
積
(
つもり
)
で、わざと、
塩
(
しほ
)
町
行
(
ゆき
)
の電車に
乗
(
の
)
つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
四谷
(
よつや
)
北町の
小永井鉄馬
(
こながいてつま
)
殿、二百五十石を
食
(
は
)
んで、
安祥
(
あんしょう
)
旗本の有名な家柄だ——、その方が中風で、弟の
滝三郎
(
たきさぶろう
)
というのが後見をしているが、どうも面白くないことがある」
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
夕方
四谷
(
よつや
)
の三輪会館に行ってみると場内はもういっぱいの人で、舞台は例の「剃刀」である。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
四谷
(
よつや
)
で生れていまもあの辺に住んでいる女から、お鯉の生家は、いま
三河屋
(
みかわや
)
という牛肉屋のある
向角
(
むこうかど
)
であったということを聞いたことがあったので、さまざまに
取沙汰
(
とりざた
)
されている
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
同じ日の午前十時頃、
四谷
(
よつや
)
の桜井品子の家には、又別の椿事が突発していた。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
台所を働くお仙という女は知行所から呼び寄せたが、主人の手廻りの用を勤める女は江戸の者を召仕うことにして、番町から遠くない
四谷
(
よつや
)
生れのお菊というのを一昨年の秋から屋敷に入れた。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ふたり手を携えこの江戸に走りまして、
四谷
(
よつや
)
の先に袋物屋を営みおりますと知りましたゆえ、恥ずかしさもうち忘れあと追いかけまして、昔のふたりに返るよう迫りましたところ、男の申しますには
右門捕物帖:17 へび使い小町
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
一名
四谷
(
よつや
)
とんびという一味の通人でありました。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
途中
(
とちう
)
で
出
(
で
)
あつたと
言
(
い
)
つて、
吉井勇
(
よしゐいさむ
)
さんが
一所
(
いつしよ
)
に
見
(
み
)
えた。これは、
四谷
(
よつや
)
に
居
(
ゐ
)
て
無事
(
ぶじ
)
だつた。が、
家
(
いへ
)
の
裏
(
うら
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
に
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
つて
難
(
なん
)
を
避
(
さ
)
けたのださうである——
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
帰り
途
(
みち
)
が同じ
四谷
(
よつや
)
の方角なので、君江と春代とは大抵毎晩
連立
(
つれだ
)
って
数寄屋橋
(
すきやばし
)
あたりから円タクに乗る。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「そうさね。東京は馬鹿に広いからね。——何でも
下町
(
したまち
)
じゃねえようだ。
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
だね。山の手は
麹町
(
こうじまち
)
かね。え? それじゃ、
小石川
(
こいしかわ
)
? でなければ
牛込
(
うしごめ
)
か
四谷
(
よつや
)
でしょう」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
四谷
(
よつや
)
お
駕籠町
(
かごまち
)
比丘尼店
(
びくにだな
)
平助ッ」
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
若
(
わか
)
い
時
(
とき
)
の
事
(
こと
)
だ。
今
(
いま
)
では
構
(
かま
)
ふまい、
私
(
わたし
)
と
其
(
そ
)
の
丁
(
てい
)
と
二人
(
ふたり
)
で、
宿場
(
しゆくば
)
でふられた。
草加
(
さうか
)
で
雨
(
あめ
)
に
逢
(
あ
)
つたのではない。
四谷
(
よつや
)
の
出
(
で
)
はづれで、
二人
(
ふたり
)
とも
嫌
(
きら
)
はれたのである。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
以前
飯田町
(
いいだまち
)
にいた荒木の
婆
(
ばあ
)
さんの家へも電話をかけたが、どうしても通じないんだ。今は
四谷
(
よつや
)
にいるんだからね。実はこれから行って見ようかと思っていたところさ。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“四谷”の解説
四谷(よつや)は、東京都新宿区の町名で、旧四谷区の地域内である。
(出典:Wikipedia)
四
常用漢字
小1
部首:⼞
5画
谷
常用漢字
小2
部首:⾕
7画
“四谷”で始まる語句
四谷見附
四谷見付
四谷通
四谷左門
四谷怪談
四谷伝馬町
四谷坂町
四谷小町
四谷新宿
四谷大番町