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俺
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おれ
ふりがな文庫
“
俺
(
おれ
)” の例文
何という賑やかさ華やかさだ。下水の掃除人がこの掃除口を閉め忘れてるのを幸いに、
俺
(
おれ
)
も少しこの賑やかな通りを散歩してみるかな
不思議な帽子
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「坊主。行って来い。
俺
(
おれ
)
が行くと
好
(
い
)
いのだが、俺はちと重過ぎる。ちっとの
間
(
ま
)
の辛抱だ。行って来い。行って梨の実を盗んで来い。」
梨の実
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
「おっと、待てよ。これは悴の下駄を買うのを忘れたぞ。あ
奴
(
いつ
)
は
西瓜
(
すいか
)
が好きじゃ。西瓜を買うと、
俺
(
おれ
)
もあ奴も好きじゃで両得じゃ。」
蠅
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
俺
(
おれ
)
は
旅
(
たび
)
へゆこう。そして
雪
(
ゆき
)
のない、いい
国
(
くに
)
で
働
(
はたら
)
こう。
金
(
かね
)
がもうかり、おもしろいことがたくさんあって、いい
暮
(
く
)
らしができるだろう。
おかしいまちがい
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「だが、
俺
(
おれ
)
たちも
一昨年
(
おととし
)
、去年は
駄目
(
だめ
)
だったじゃねえか。一日、足を棒にして歩いても一両なかっただもんな。
乞食
(
こじき
)
でも知れてるよ」
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
『
少
(
すこ
)
しも
乗客
(
じょうきゃく
)
を
煩
(
わずら
)
わさんように
務
(
つと
)
めている
俺
(
おれ
)
か、それともこんなに
一人
(
ひとり
)
で
大騒
(
おおさわぎ
)
をしていた、
誰
(
たれ
)
にも
休息
(
きゅうそく
)
もさせぬこの
利己主義男
(
りこしゅぎおとこ
)
か?』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「
俺
(
おれ
)
は畜生を見違えちゃった。あいつは床屋じゃねえ、
蛇
(
へび
)
だ。ようし、錠前屋を呼んできて、今にしっぽに鈴をつけさしてやらあ。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
俺
(
おれ
)
アなア、第一に、人をだしぬくってことが大きれえなんだ。女のことになりゃア、主も家来もねえというんなら、それもよかろう。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
甲田は偶然その二人が話してるのを聞いた。一人は、
俺
(
おれ
)
は三日休んだ筈だと言つた。一人は俺もみんなで七日許り休んだ筈だと言つた。
葉書
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
俺
(
おれ
)
に似て器用でもあるから、行く行くは相当の
棟梁
(
とうりょう
)
にもなれようというような考えで、いよいよ両親は私を大工にすることにした。
幕末維新懐古談:02 私の子供の時のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
A
馬鹿
(
ばか
)
を
云
(
い
)
つちやいかん。
統計
(
とうけい
)
は
神聖
(
しんせい
)
だ。
勝手
(
かつて
)
に
算出
(
さんしゆつ
)
して
堪
(
たま
)
るもんか。それよりか
君
(
きみ
)
、
俺
(
おれ
)
の
今度
(
こんど
)
の
年賀状
(
ねんがじやう
)
の
趣向
(
しゆかう
)
を
見
(
み
)
せてやらう。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
「此の人は何か自分に投げつけに来た。
俺
(
おれ
)
はひよつとするとその為めに
悶
(
もだ
)
えねばならぬかも知れぬ。が、それでも俺は仕合せだ……。」
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
それぢやお前は、
俺
(
おれ
)
は馬鹿でお前が
怜悧
(
れいり
)
だといふんだね。
宜
(
よろ
)
しい、弱い者いぢめといふんなら、
俺
(
おれ
)
は、ま、馬鹿になツてねるとしやう。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
(この社は隅から隅まで
俺
(
おれ
)
の所有に属しているのだ)といったような、例えば、牧場主が自分の牧場を見舞う時のような得意さと
六月
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
これ古服は黒し、
俺
(
おれ
)
は旅まわりの烏天狗で、まだいずれへも
知己
(
ちかづき
)
にはならないけれど、いや、
何国
(
いずこ
)
の
果
(
はて
)
にも、魔の
悪戯
(
いたずら
)
はあると見える。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いけねえいけねえ。
俺
(
おれ
)
あ
明日
(
あした
)
っから又、台湾館の前に突立って怒鳴らなくちゃならねえ約束がして在るんだ。放してくれ放してくれ」
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ロミオ (炬火持に對ひ)
俺
(
おれ
)
に
炬火
(
たいまつ
)
を
與
(
く
)
れい。
俺
(
おれ
)
には
迚
(
とて
)
も
浮
(
う
)
かれた
眞似
(
まね
)
は
出來
(
でき
)
ぬ。
餘
(
あんま
)
り
氣
(
き
)
が
重
(
おも
)
いによって、
寧
(
いっ
)
そ
明
(
あかる
)
いものを
持
(
も
)
たう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「へん。
貴様
(
きさま
)
ら三
疋
(
びき
)
ばかり食い
殺
(
ころ
)
してやってもいいが、
俺
(
おれ
)
もけがでもするとつまらないや。おれはもっといい食べものがあるんだ」
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お
池
(
いけ
)
のきれいな
藻
(
も
)
の
中
(
なか
)
へ、
女蛙
(
をんなかへる
)
が
子
(
こ
)
をうみました。
男蛙
(
をとこかへる
)
がそれをみて、
俺
(
おれ
)
のかかあ は
水晶
(
すいしやう
)
の
玉
(
たま
)
をうんだと
躍
(
おど
)
り
上
(
あが
)
つて
喜
(
よろこ
)
びました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「節ちゃんは苦労して、
以前
(
まえ
)
から比べるとずっと良くなった。何だか
俺
(
おれ
)
はお前が好きに成って来た——前にはそう好きでもなかったが」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
盲
(
めくら
)
の上にツン
的
(
てき
)
ときたひにゃ、それこそ、でくの
坊
(
ぼう
)
よりなッちゃあいねえからな。ええオイ竹童……おッと、こいつは
俺
(
おれ
)
がまちがった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
氏は悲痛な声を出して「今は子供のことなんか考えていられない。そんな場合でない。自分の苦痛で
俺
(
おれ
)
は一ぱいだ。子供には健康がある」
婦人改造の基礎的考察
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「馬鹿! 一升餅くらいで、一里からの
雪路
(
ゆきみち
)
、吉田様まで、誰が行くものか。
俺
(
おれ
)
の欲しいの、餅なんかじゃねえ。銀の
杯
(
さかずき
)
を欲しいのだ。」
手品
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「沼南の大臣になるなら
俺
(
おれ
)
が第一番に反対運動する、国家の政治が沼南のお天気模様で毎日グラグラ変られて
堪
(
たま
)
るもんか、」と。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「じゃ、聴いて貰いますか」そう云って横瀬は、
莨
(
たばこ
)
を一本、口に
銜
(
くわ
)
えた。「これは、
俺
(
おれ
)
の知っている、或る男の、素晴らしい計画なんだ。 ...
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
何をするか、危ないじゃないか、と彦太郎が云うと、小父さん、何か面白いお話をしておくれよ、
俺
(
おれ
)
わざわざ聞きに来たんだ、と云った。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
あたったら?……
彼奴
(
あいつ
)
の指がちょっとしまると、それで
俺
(
おれ
)
の生命がなくなる……すると……そうだ、明日は、今から二日たつと
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「ばか! 青大将にしかなれないのか!」と悟空が
叱
(
しか
)
った。青大将が消えて八戒が現われた。「だめだよ、
俺
(
おれ
)
は。まったくどうしてかな?」
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「ああ、
俺
(
おれ
)
は一番損な道を来たものだ。右の道を来たために、都の入口で死ななければならぬか。」と、心の
中
(
うち
)
で思いました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
そのくせ
俺
(
おれ
)
は跫音をきいた覚えがありやしない。こういう風に僕は長島に言うのである。ワッハッハと彼は笑って無言である。
青い絨毯
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「なんというべらぼうなこったか、干からびた
鼠
(
ねずみ
)
のような
俺
(
おれ
)
が——ここにはいるんだって? わしゃ、はずかしいわいなあ。」
旧聞日本橋:13 お墓のすげかえ
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
実のお
母親
(
ふくろ
)
の気でいても全くは他人、この魂胆を知っているのは松五郎の生前に聴いた
俺
(
おれ
)
ばかりだ……とお前のところの隠居に云わせるのだ
悪因縁の怨
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
俺
(
おれ
)
にも貸せ」と梶さんが手を
伸
(
の
)
ばす。「待て、待て」と横から
覗
(
のぞ
)
いていた沢村さんが怒る。あとは、ワアッと大笑いでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
俺
(
おれ
)
が一つこの喧嘩の仲裁をしてやらなくちゃならんと言うて、自分の腰の
煙管
(
きせる
)
を抜いて坊さんの所へずっと持って行きました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
が、かうして、忘れよう/\と努力して、それを忘れて
了
(
しま
)
つたら、
却
(
かへ
)
つてどうにも出来ない空虚が、
俺
(
おれ
)
の心に出来て了つた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
俺
(
おれ
)
などはまだ学問が足りないのだ、平家物語を註釈する程に学問が出来て居ないのだと言つて、
慨歎
(
がいたん
)
して筆を
擱
(
お
)
くところが書いてありました。
一人の無名作家
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
俺
(
おれ
)
も、あの
市來知
(
いちぎしり
)
にある、
野菊
(
のぎく
)
の
咲
(
さ
)
いてる
母親
(
マザー
)
の
墓
(
はか
)
にだけは
行
(
ゆ
)
きたいと
思
(
おも
)
つてゐる。
本當
(
ほんたう
)
に
市來知
(
いちぎしり
)
はいゝ
所
(
ところ
)
だからなあ。』
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
花岡 そりゃ、しめたよ、
俺
(
おれ
)
が。しめたけど、誰がお前こんな——だからよ……ちきしょう! お前の、その——
軽蔑
(
けいべつ
)
か? 軽蔑するんだな?
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
なるほど
俺
(
おれ
)
は働かないが、その代りお前が働いてくれる、それでこれまでも暮らして来た、これからだって暮らせるだろう。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それで鮎子さんは、パトロンと別れて
俺
(
おれ
)
と結婚したい、結婚したらパトロンから貰ったお金で俺を勉強させると言っている。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
彼は不忠者である、彼は不孝者であるという言葉はしばしば聞くが、
俺
(
おれ
)
は不忠である俺は不孝であると感ずることは少ない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
ピツコロ 「よけいなことを言ふな。だけど
皆
(
みんな
)
が
俺
(
おれ
)
の顔をみて笑つてる。少し恥かしいな。では、横丁へいつて泣かう。」
〈ピツコロさん〉
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
俺
(
おれ
)
はこんな男に対して、どんな手段を取るだろう、俺が
蜀
(
しょく
)
の都へ
往
(
ゆ
)
くのは、
拗
(
す
)
ねて往くのではない、苦しいから逃げて往くのだ、
何
(
いず
)
れにしても
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
「
俺
(
おれ
)
は石だぞ。俺は石だぞ。」と念じているような気持で少しも動かないのである。ただ眼だけはらんらんとさせている。
交尾
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
若し
俺
(
おれ
)
が使い切れぬ程の大金を手に入れることが出来たらばなあ。
先
(
ま
)
ず広大な地所を買入れて、それはどこにすればいいだろう。数百数千の人を
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
つまらねえのを、たくさん入れても、部の質が落ちるばかりだしなあ、
俺
(
おれ
)
だって、張り合いがねえや。考えて置いて
呉
(
く
)
れ。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
文麻呂 元気を出せ! 清原! 元気を出すんだ! なよたけと貴様の恋は死んでもこの
俺
(
おれ
)
が
成就
(
じょうじゅ
)
させるぞ!……親父の名誉にかけて俺は誓う!
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
これ程おもう
俺
(
おれ
)
にお前の気持をいって呉れ、というので、「空ゆと来ぬ」が特殊ないい方で、今の言葉なら、「宙を飛んで来た」ぐらいになる。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「その縁の尽きないのが、
究竟
(
つまり
)
彼我
(
ふたり
)
の身の
窮迫
(
つまり
)
なのだ。
俺
(
おれ
)
もかう云ふ事に成らうとは思はなかつたが、成程、悪縁と云ふ者は
為方
(
しかた
)
の無いものだ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
俺
(
おれ
)
の祖先は、
渡
(
わた
)
り者かも知れない。魚を
捕
(
と
)
ってカツカツ食って行ったのであろう」そういいながらも、
貧乏
(
びんぼう
)
をして何日も飯が食えぬと私を叩き
清貧の書
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
“俺”の意味
《代名詞》
(おれ)主に男性が用いる、ぞんざいな自称。
(出典:Wiktionary)
俺
常用漢字
中学
部首:⼈
10画
“俺”を含む語句
俺等
俺家
俺達
俺共
俺許
俺故
俺方
此方俺