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非常
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ひじょう
ふりがな文庫
“
非常
(
ひじょう
)” の例文
そして、黒い
路
(
みち
)
が、
俄
(
にわか
)
に消えてしまいました。あたりがほんのしばらくしいんとなりました。それから
非常
(
ひじょう
)
に強い風が
吹
(
ふ
)
いて来ました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
主人はこの話を
非常
(
ひじょう
)
な
興味
(
きょうみ
)
をもって聞いた。
今後
(
こんご
)
花前の上になんらかの
変化
(
へんか
)
をきたすこともやと思わないわけにはいかなかった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
もし
今後
(
こんご
)
中央公論
(
ちゅうおうこうろん
)
の
編輯
(
へんしゅう
)
を
誰
(
たれ
)
かに
譲
(
ゆず
)
って
閑
(
ひま
)
な
時
(
とき
)
が
来
(
く
)
るとしたら、それらの
追憶録
(
ついおくろく
)
を
書
(
か
)
かれると
非常
(
ひじょう
)
に
面白
(
おもしろ
)
いと
思
(
おも
)
っていました。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれどもたいへん
下手
(
へた
)
ですから、
見物人
(
けんぶつにん
)
がさっぱりありませんで、
非常
(
ひじょう
)
に
困
(
こま
)
りました。「甚兵衛の人形は
馬鹿
(
ばか
)
人形」と町の人々はいっていました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
何時間
(
なんじかん
)
かじっと
坐
(
すわ
)
って
様子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
ていましたが、それからあたりを
丁寧
(
ていねい
)
にもう一
遍
(
ぺん
)
見廻
(
みまわ
)
した
後
(
のち
)
やっと
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
って、
今度
(
こんど
)
は
非常
(
ひじょう
)
な
速
(
はや
)
さで
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
しました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
と、
或朝
(
あるあさ
)
早
(
はや
)
く
非常
(
ひじょう
)
に
興奮
(
こうふん
)
した
様子
(
ようす
)
で、
真赤
(
まっか
)
な
顔
(
かお
)
をし、
髪
(
かみ
)
も
茫々
(
ぼうぼう
)
として
宿
(
やど
)
に
帰
(
かえ
)
って
来
(
き
)
た。そうして
何
(
なに
)
か
独語
(
ひとりごと
)
しながら、
室内
(
しつない
)
を
隅
(
すみ
)
から
隅
(
すみ
)
へと
急
(
いそ
)
いで
歩
(
ある
)
く。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
今年十八
歳
(
さい
)
であったが、頭が
非常
(
ひじょう
)
によくって、
寺子屋
(
てらこや
)
で教わる読み書きそろばんはいつも一番であった。何を考えても何をしても人よりずばぬけていた。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
はっと
心臓
(
しんぞう
)
を
刺
(
さ
)
されたようにびっくりしたときは、
非常
(
ひじょう
)
な
爆音
(
ばくおん
)
とともに、もう
火
(
ひ
)
は
彼
(
かれ
)
を
包
(
つつ
)
んでいました。
火を点ず
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
外
(
ほか
)
さまざまの
事
(
こと
)
がありますが、
就中
(
なかんづく
)
良人
(
おっと
)
が
非常
(
ひじょう
)
に
驚
(
おどろ
)
きましたのは
私
(
わたくし
)
の
竜宮行
(
りゅうぐうゆき
)
の
物語
(
ものがたり
)
でした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
海
蛇
(
へび
)
とブラントおよびブルークの三人が、最初からすがたを見せなかったのを
非常
(
ひじょう
)
に怪しんだが、
重傷
(
じゅうしょう
)
のドノバンを捨てて、かれらをさがすべきでないから、ゴルドンのことばに賛成して
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
またその
反対
(
はんたい
)
の例を
記
(
しる
)
せば、
彼
(
か
)
の
生麦事件
(
なまむぎじけん
)
につき英人の
挙動
(
きょどう
)
は
如何
(
いかん
)
というに、
損害要求
(
そんがいようきゅう
)
のためとて軍艦を品川に
乗入
(
のりい
)
れ、時間を
限
(
かぎ
)
りて幕府に
決答
(
けっとう
)
を
促
(
うなが
)
したるその時の
意気込
(
いきご
)
みは
非常
(
ひじょう
)
のものにして
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
とにかく、
若君
(
わかぎみ
)
は、はじめておおらかな
正義
(
せいぎ
)
の天地を自由に
馳駆
(
ちく
)
する
秋
(
とき
)
がきたと、
非常
(
ひじょう
)
なおよろこびで、
以後
(
いご
)
は
武田残党
(
たけだざんとう
)
の名をすてて、われわれ一
味
(
み
)
の
党名
(
とうめい
)
も、
天馬侠党
(
てんまきょうとう
)
とよぶことにきまったのだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この子が何か答えるときは学者のアラムハラドはどこか
非常
(
ひじょう
)
に遠くの方の
凍
(
こお
)
ったように
寂
(
しず
)
かな
蒼黒
(
あおぐろ
)
い空を
感
(
かん
)
ずるのでした。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
つれてきた
若衆
(
わかしゅう
)
の話によると、
乳
(
ちち
)
しぼりは
非常
(
ひじょう
)
にじょうずで朝おきるにも、とけいさえまかしておけば、一年にも二年にも
一朝
(
ひとあさ
)
時間をたがえるようなことはない。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
プシキンは
死
(
し
)
に
先
(
さきだ
)
って
非常
(
ひじょう
)
に
苦痛
(
くつう
)
を
感
(
かん
)
じ、
不幸
(
ふこう
)
なるハイネは
数年間
(
すうねんかん
)
中風
(
ちゅうぶ
)
に
罹
(
かか
)
って
臥
(
ふ
)
していた。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
あの
大
(
おお
)
きな
身体
(
からだ
)
の
人
(
ひと
)
が
非常
(
ひじょう
)
に
痩
(
や
)
せて
小
(
ちい
)
さくなって
顔
(
かお
)
にかすかな
赤味
(
あかみ
)
がある
位
(
くらい
)
でした。
夏目先生と滝田さん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
斯
(
か
)
く
天狗
(
てんぐ
)
は
本来
(
ほんらい
)
中性
(
ちゅうせい
)
ではありますが、しかし
性質
(
せいしつ
)
からいえば、
非常
(
ひじょう
)
に
男
(
おとこ
)
らしく
武張
(
ぶば
)
ったのと、
又
(
また
)
非常
(
ひじょう
)
に
女
(
おんな
)
らしく
優
(
や
)
さしいのとの
区別
(
くべつ
)
があり、
化
(
ばけ
)
る
姿
(
すがた
)
もそれに
準
(
じゅん
)
じて、
或
(
あるい
)
は
男
(
おとこ
)
になったり
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
猿
(
さる
)
は
鬼
(
おに
)
の中からでてきて、甚兵衛と二人で、
壊
(
こわ
)
れた人形を
抱
(
だ
)
いて、
非常
(
ひじょう
)
に
悲
(
かな
)
しみました。けれども、いくら
悲
(
かな
)
しんでもいまさら
仕方
(
しかた
)
はありません。二人は
壊
(
こわ
)
れた人形を
持
(
も
)
って、
田舎
(
いなか
)
の町へ
帰
(
かえ
)
りました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ロセツはこれがために
非常
(
ひじょう
)
に利したりという。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
この時は日がかんかんと
照
(
て
)
って土は
非常
(
ひじょう
)
にあつく、竜はくるしさにばたばたしながら水のあるところへ行こうとしました。
手紙 一
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
自分のからだにだけは
非常
(
ひじょう
)
に
潔癖
(
けっぺき
)
であって、シャツとか
前掛
(
まえか
)
けとかいうものは毎日
洗
(
あら
)
っている。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
『そうしてよく
呑
(
の
)
み、よく
食
(
く
)
ったものだ。また
非常
(
ひじょう
)
な
自由主義
(
じゆうしゅぎ
)
の
人間
(
にんげん
)
などもあったッけ。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
本線
(
ほんせん
)
のシグナルは、今夜も
眠
(
ねむ
)
られませんでした。
非常
(
ひじょう
)
なはんもんでした。けれどもそれはシグナルばかりではありません。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いつ
何時
(
なんどき
)
どんなところで
無残
(
むざん
)
ななくなりようをすることやらと、つねづねそればかりを
苦
(
く
)
に
病
(
や
)
んでたのだから、まことにいい終わりようでありましたと
告
(
つ
)
げられて
非常
(
ひじょう
)
によろこんだ。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
力が
非常
(
ひじょう
)
に強く、かたちも
大層
(
たいそう
)
恐
(
おそ
)
ろしく、それにはげしい
毒
(
どく
)
をもっていましたので、あらゆるいきものがこの竜に
遭
(
あ
)
えば、弱いものは目に見ただけで気を
失
(
うしな
)
って
倒
(
たお
)
れ
手紙 一
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
おまえたちはみなこれから人生という
非常
(
ひじょう
)
なけわしいみちをあるかなければならない。たとえばそれは
葱嶺
(
パミール
)
の
氷
(
こおり
)
や
辛度
(
しんど
)
の
流
(
なが
)
れや
流沙
(
るさ
)
の火やでいっぱいなようなものだ。
学者アラムハラドの見た着物
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お前たちね、今日はここへ
非常
(
ひじょう
)
なえらいお方が
入
(
い
)
らっしゃるんだから
此処
(
ここ
)
に
居
(
い
)
てはいけないよ。
二人の役人
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
月のあかりはどこかぼんやりありましたが、
霧
(
きり
)
が
非常
(
ひじょう
)
に
深
(
ふか
)
かったのです。ところがボートは
左舷
(
さげん
)
の方
半分
(
はんぶん
)
はもうだめになっていましたから、とてもみんなは
乗
(
の
)
り切らないのです。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
大王は
非常
(
ひじょう
)
に
感動
(
かんどう
)
され、すぐにその女の
処
(
ところ
)
に歩いて行って申されました。
手紙 二
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
それは長さが二
寸
(
すん
)
ぐらい、
幅
(
はば
)
が一寸ぐらい、
非常
(
ひじょう
)
に細長く
尖
(
とが
)
った形でしたので、はじめは私どもは上の
重
(
おも
)
い
地層
(
ちそう
)
に
押
(
お
)
し潰されたのだろうとも思いましたが、
縦
(
たて
)
に埋まっているのもありましたし
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
千倍ぐらいになりますと、下のレンズの
直径
(
ちょっけい
)
が
非常
(
ひじょう
)
に小さくなり、
従
(
したが
)
って
視野
(
しや
)
に光があまりはいらなくなりますので、下のレンズを
油
(
あぶら
)
に
浸
(
ひた
)
してなるべく多くの光を入れて
物
(
もの
)
が見えるようにします。
手紙 三
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
“非常”で始まる語句
非常時
非常梯子
非常識
非常に
非常召集
非常線
非常滊笛
非常臨検
非常呼集
非常手段