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白雲
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はくうん
ふりがな文庫
“
白雲
(
はくうん
)” の例文
この
壁柱
(
かべはしら
)
は
星座
(
せいざ
)
に
聳
(
そび
)
え、
白雲
(
はくうん
)
に
跨
(
また
)
がり、
藍水
(
らんすゐ
)
に
浸
(
ひた
)
つて、
露
(
つゆ
)
と
雫
(
しづく
)
を
鏤
(
ちりば
)
め、
下草
(
したくさ
)
の
葎
(
むぐら
)
おのづから、
花
(
はな
)
、
禽
(
きん
)
、
鳥
(
とり
)
、
虫
(
むし
)
を
浮彫
(
うきぼり
)
したる
氈
(
せん
)
を
敷
(
し
)
く。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
戸を明くれば、十六日の月桜の
梢
(
こずゑ
)
にあり。
空色
(
くうしよく
)
淡
(
あは
)
くして
碧
(
みどり
)
霞
(
かす
)
み、
白雲
(
はくうん
)
団々
(
だん/″\
)
、月に
近
(
ちか
)
きは銀の如く光り、遠きは綿の如く
和
(
やわ
)
らかなり。
花月の夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
私は午後の三、四時までを九州ホテルで休養した上、
夕暮
(
ゆうぐれ
)
、上野さんや
園
(
その
)
さんと、
白雲
(
はくうん
)
池から白雲牧場の方を散歩して見た。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
年
(
とし
)
ちゃんは、お
母
(
かあ
)
さんや、
妹
(
いもうと
)
のたつ
子
(
こ
)
さんと
汽車
(
きしゃ
)
の
窓
(
まど
)
から、
青々
(
あおあお
)
とした
外
(
そと
)
の
景色
(
けしき
)
をながめていますと、
遠
(
とお
)
い
白雲
(
はくうん
)
の
中
(
なか
)
で、ぽかぽかと
電
(
いなづま
)
がしていました。
古いてさげかご
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
水に臨んだ
紅葉
(
こうよう
)
の村、谷を
埋
(
うず
)
めている
白雲
(
はくうん
)
の
群
(
むれ
)
、それから
遠近
(
おちこち
)
に
側立
(
そばだ
)
った、
屏風
(
びょうぶ
)
のような数峯の
青
(
せい
)
、——たちまち私の眼の前には、大癡老人が造りだした
秋山図
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
鎌倉ちょう二字は二郎が旧歓の夢を呼び起こしけん、夢みるごときまなざし遠く窓外の
白雲
(
はくうん
)
をながめてありしが静かに眼を閉じて手を組み、
膝
(
ひざ
)
を重ねたり。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あるひは
銚子
(
ちょうし
)
の海浜、隅田川
真崎
(
まっさき
)
等を描きし風景の如き、その空中に漂ふ
大
(
だい
)
なる
白雲
(
はくうん
)
は家屋樹木と共にこれらの図の布局をなすに当つて欠くべからざる要件の一となれり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さればとて故郷の
平蕪
(
へいぶ
)
の村落に
病躯
(
びょうく
)
を
持帰
(
もちかえ
)
るのも
厭
(
いと
)
わしかったと見えて、
野州
(
やしゅう
)
上州
(
じょうしゅう
)
の山地や温泉地に一日二日あるいは三日五日と、それこそ
白雲
(
はくうん
)
の風に漂い、
秋葉
(
しゅうよう
)
の空に
飄
(
ひるがえ
)
るが如くに
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いや、平面と呼ぶべくそれはあまりにでこぼこして、汽車を迎えるために
撒
(
ま
)
かれた小さな水たまりが、
藁屑
(
わらくず
)
と
露西亜
(
ロシア
)
女の唾と、
蒼穹
(
そうきゅう
)
を去来する
白雲
(
はくうん
)
の一片とをうかべているだけだった。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
白雲
(
はくうん
)
は
低
(
ひく
)
く
飛
(
と
)
び、
狂瀾
(
きやうらん
)
天
(
てん
)
に
跳
(
をど
)
る
印度洋上
(
インドやうじやう
)
、
世界
(
せかい
)
の
大惡魔
(
だいあくま
)
と
世
(
よ
)
に
隱
(
かく
)
れなき七
隻
(
せき
)
の
大海賊船
(
だいかいぞくせん
)
をば、
木葉微塵
(
こつぱみぢん
)
に
粉韲
(
うちくだ
)
いたる
我
(
わが
)
帝國軍艦
(
ていこくぐんかん
)
「
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
」と、
神出鬼沒
(
しんしゆつきぼつ
)
の
電光艇
(
でんくわうてい
)
とは、
今
(
いま
)
や
舷
(
げん
)
をならべて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
諏訪一郡の低地は
白雲
(
はくうん
)
密塞
(
みっさい
)
して、あたかも
白波
(
はくは
)
澎沛
(
ほうはい
)
たる大湖水であった。急ぎに急ぐ予らもしばらくは
諦視
(
ていし
)
せざるを得ない。路傍の石によろよろと咲く小白花はすなわち霜に痛める山菊である。
白菊
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
白雲
(
はくうん
)
は尽くる時無からん、白雲は尽くる時無からん……白雲は——。
ダニューヴの花嫁
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
白雲
(
はくうん
)
と冬木と
終
(
つい
)
にかかはらず
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
白雲
(
はくうん
)
を
束
(
つか
)
ねて
草
(
くさ
)
を
曳
(
ひ
)
く
尾
(
を
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
白雲
(
はくうん
)
のたちわくところ
駱駝の瘤にまたがつて
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
湯
(
ゆ
)
の
宿
(
やど
)
と、
湯
(
ゆ
)
の
宿
(
やど
)
で、
川底
(
かはそこ
)
の
巖
(
いは
)
を
抉
(
ゑぐ
)
つた
形
(
かたち
)
で、
緑青
(
ろくしやう
)
に
雪
(
ゆき
)
を
覆輪
(
ふくりん
)
した
急流
(
きふりう
)
は、
颯
(
さつ
)
と
白雲
(
はくうん
)
の
空
(
そら
)
に
浮
(
う
)
いて、
下屋
(
げや
)
づくりの
廂
(
ひさし
)
に
呑
(
の
)
まれる。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
靈
(
れい
)
なる
哉
(
かな
)
この石、
天
(
てん
)
の
雨
(
あめ
)
降
(
ふら
)
んとするや、
白雲
(
はくうん
)
油然
(
ゆぜん
)
として
孔々
(
こう/\
)
より
湧出
(
わきい
)
で
溪
(
たに
)
を
越
(
こ
)
え
峯
(
みね
)
を
摩
(
ま
)
する其
趣
(
おもむき
)
は、
恰度
(
ちやうど
)
窓
(
まど
)
に
倚
(
よ
)
つて
遙
(
はる
)
かに
自然
(
しぜん
)
の
大景
(
たいけい
)
を
眺
(
なが
)
むると
少
(
すこし
)
も
異
(
ことな
)
らないのである。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
しかし弔辞の処女作には多少の興味を持っていたから、「悠々たるかな、
白雲
(
はくうん
)
」などと
唐宋八家文
(
とうそうはっかぶん
)
じみた文章を
草
(
そう
)
した。その次のは
不慮
(
ふりょ
)
の
溺死
(
できし
)
を遂げた
木村大尉
(
きむらたいい
)
のために書いたものだった。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
下界
(
げかい
)
を
見
(
み
)
ると
眼
(
まなこ
)
も
眩
(
くら
)
むばかりで、
限
(
かぎ
)
りなき
大洋
(
たいやう
)
の
面
(
めん
)
には、
波瀾
(
はらん
)
激浪
(
げきらう
)
立騷
(
たちさわ
)
ぎ、
數萬
(
すまん
)
の
白龍
(
はくりよう
)
の
一時
(
いちじ
)
に
跳
(
をど
)
るがやうで、ヒユー、ヒユーと
帛
(
きぬ
)
を
裂
(
さ
)
くが
如
(
ごと
)
き
風
(
かぜ
)
の
聲
(
こゑ
)
と
共
(
とも
)
に、
千切
(
ちぎ
)
つた
樣
(
やう
)
な
白雲
(
はくうん
)
は
眼前
(
がんぜん
)
を
掠
(
かす
)
めて
飛
(
と
)
ぶ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
土地
(
とち
)
のものが、
其方
(
そなた
)
の
空
(
そら
)
ぞと
視
(
なが
)
め
遣
(
や
)
る、
谷
(
たに
)
の
上
(
うへ
)
には、
白雲
(
はくうん
)
行交
(
ゆきか
)
ひ、
紫緑
(
むらさきみどり
)
の
日影
(
ひかげ
)
が
添
(
そ
)
ひ、
月明
(
つきあかり
)
には、
黄
(
き
)
なる、
又
(
また
)
桃色
(
もゝいろ
)
なる、
霧
(
きり
)
の
騰
(
のぼ
)
るを
時々
(
ときどき
)
望
(
のぞ
)
む。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“白雲”の解説
白雲(はくうん、明和元年(1764年) - 文政8年(1825年))は、江戸時代の画僧(浄土宗)。松平定信に仕え『集古十種』の編纂事業に加わった。
法諱は逸誉、のちに良善教順と称した。白雲は画号、別号に閑松堂・松堂・墨癡・蝸牛叟・無心・竹堂など。
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
雲
常用漢字
小2
部首:⾬
12画
“白雲”で始まる語句
白雲頭
白雲木
白雲山
白雲母
白雲洞
白雲石
白雲角
白雲天窓
白雲山魚
白雲重畳