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そとで
ふりがな文庫
“
外出
(
そとで
)” の例文
六角堂に参詣するとか、
黒谷
(
くろだに
)
様に墓参のためとか言って、しげしげと
外出
(
そとで
)
あそばしたのは皆その女と
逢引
(
あいびき
)
するためだったのでしょう。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
独身で暮す
鰥
(
やもお
)
に似ず、
極
(
ごく
)
内気でございますから、
外出
(
そとで
)
も致さず
閉籠
(
とじこも
)
り、
鬱々
(
うつ/\
)
と
書見
(
しょけん
)
のみして居ります
処
(
ところ
)
へ、
或日
(
あるひ
)
志丈が尋ねて参り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
郡氏の細君選択方法は、これと思ふ女があつたら、座敷で見合などしないで、その女が
外出
(
そとで
)
をする時、そつと
後
(
あと
)
をつけて
往
(
ゆ
)
くのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
自分は
生来
(
うまれつき
)
外出
(
そとで
)
を好まなかった所へ父母が
其様
(
そんな
)
であるから、少しは意地にもなって、全く人目に触れない女になってしまおう
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
そうして阿曽の出入りすることにも、彼女の
外出
(
そとで
)
が
頻繁
(
ひんぱん
)
になり帰りがおそくなることにも、何一つ干渉もしなければ
厭
(
いや
)
な顔も見せなかった。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
彼も
外出
(
そとで
)
の仕事には当てられなかったが、どんなときでも栄二には近よらず、棒の両端が合わないように、いつも遠くはなれていようとした。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「あの
御曹子
(
おんぞうし
)
には、まったく、手を焼いてしまう。
外出
(
そとで
)
は、禁物だ」誰をさがしているのか、きょろきょろと、走ってきて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君も知っている様に、僕が
外出
(
そとで
)
嫌いなのは、この自分の身体を天日や人目にさらす感じが、たまらなくいやだからだ。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
綾子はぞろりと
外出
(
そとで
)
の
装
(
なり
)
、
繻珍
(
しゅちん
)
の丸帯を今
〆
(
し
)
めて、姿見に向いたるが、帯留の
黄金
(
きん
)
金具をぱちんと懸けつつ振返りて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
汝
(
そち
)
の
母人
(
ははびと
)
も
近頃
(
ちかごろ
)
は
漸
(
ようや
)
く
修行
(
しゅぎょう
)
が
積
(
つ
)
んで、
外出
(
そとで
)
も
自由
(
じゆう
)
にできるようになったので、
是非
(
ぜひ
)
一
度
(
ど
)
汝
(
そち
)
に
逢
(
あ
)
わそうかと
思
(
おも
)
っている。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
小さい時分から父に
伴
(
つ
)
れられて
外出
(
そとで
)
するたびに、きっとどこかで物を食う癖のついた自分は、成人の
後
(
のち
)
も御供と
御馳走
(
ごちそう
)
を引き離しては考えていなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この雪の為に
外出
(
そとで
)
を封ぜられし人は、この
日和
(
ひより
)
とこの道とを見て、皆
怺
(
こら
)
へかねて
昨日
(
きのふ
)
より出でしも多かるべし。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
これらのことその身すこやかなれば
元
(
もと
)
よりいふにも足らぬことなれど、寒さを恐れて春も
彼岸
(
ひがん
)
近くまで
外出
(
そとで
)
の折には必ず
懐炉
(
かいろ
)
入れ歩くほどの
果敢
(
はか
)
なき身には
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
返禮が氣の毒なとて、
心切
(
しんせつ
)
かは知らねど十軒長屋の一軒は除け物、男は
外出
(
そとで
)
がちなればいさゝか心に懸るまじけれど女心には遣る瀬のなきほど切なく悲しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
宿の主人は折角ながら
外出
(
そとで
)
は嫌ひだといふ理由で、おかみさんは女中達を出してやると後で困るから自分とお兼だけは留守番をするといふ理由で不參だつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
これだけは
一刻
(
いっとき
)
も、そばを離さず、こうして
外出
(
そとで
)
にも、駕籠へ入れて持ち歩いているものとみえる。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「その点は、気兼ねがなくってよろしうございます、ほんとに、お銀様には済みませんが、あなた様の御不自由なお
住居
(
すまい
)
では、少しは
外出
(
そとで
)
ということをなさいませんと」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ト
熱気
(
やっき
)
として自ら
叱責
(
しか
)
ッて、お勢の
貌
(
かお
)
を視るまでは
外出
(
そとで
)
などを
做
(
し
)
たく無いが、
故意
(
わざ
)
と意地悪く
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
郊外から下町へ出るのは東京へ行くと称して出慣れぬ女連は
外出
(
そとで
)
の仕度に
一騒
(
ひとさわぎ
)
するのである。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
あの
濠
(
ほり
)
の向うにいて宮内は只今
外出
(
そとで
)
しているが、直ぐ戻ってくるから待っていてくれといえ、いいか、濠のところでいうのじゃぞ、あれから内へは、わしがよいといわぬ間は
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
好きな
匂
(
にほひ
)
の高い
煙草
(
たばこ
)
も仕事の間に飲んだ時と、
外出
(
そとで
)
の帰りに買つて来て、する事のない
閑
(
ひま
)
さに飲むのとは味が違ふ。新しい習慣に従ふことを久しい間の惰性が
姑
(
しばら
)
く拒むらしい。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
近頃彼女は、内所の上さんや新造と一緒に——時としては一人で、時々
外出
(
そとで
)
してゐて、東京の地理もほゞ知つてゐたし、千葉や成田がどの方面にあるかくらゐの智識はもつてゐた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
とかくに
外出
(
そとで
)
がちなるなどますます心にかなわざれば、いよいよ離縁して身を退くべしとその志を決しつつ。二三の親しき朋友には。その思うふしをそれとなく
洩
(
も
)
らしたるほどなれど。
藪の鶯
(新字新仮名)
/
三宅花圃
(著)
「あたしはおろか、子供たちだって、
外出
(
そとで
)
も何もあぶなくて出来やしない」
眼
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
問屋町の裏側はしもたやで、というより
殆
(
ほとん
)
ど
塀
(
へい
)
と
奥蔵
(
おくぐら
)
のつづき、ところどころ各家の非常口の、小さい出入口がある。女たちがそっと
外出
(
そとで
)
をする時とか、
内密
(
ないしょ
)
の人の訪れるところとなっている。
旧聞日本橋:02 町の構成
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お駒は聞く耳を立てつゝ、道臣の
外出
(
そとで
)
の着物を箪笥から出した。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
などと
嚇
(
おど
)
しに人に逢うと喋るから怖くって惣次郎は
頓
(
とん
)
と
外出
(
そとで
)
を致しません、力に思う花車がいないから村の者も心配しております。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新画の高い今時、そんな
勿体
(
もつたい
)
ない事があるものかと、鉄斎が
外出
(
そとで
)
をする時には、途中が危いからと言つて、
屹度
(
きつと
)
附人
(
つきびと
)
を一人当てがふ事にしてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一年に二三度と数へるほどしか
外出
(
そとで
)
する事のない母親お
豊
(
とよ
)
の
老眼
(
らうがん
)
をば信じられぬほどに
驚
(
おどろ
)
かしたのである。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
なんとか言っては
外出
(
そとで
)
いたします。そしておそくまで帰りませんのでお勤めなども怠りがちでございます。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
で、早速
外出
(
そとで
)
の支度をすると、車を、例の秘密の家へと走らせた。念の為にポン引紳士を真似て、二丁程手前で車を降り、門を這入るにも、人通りのない折を待った。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「——おばば、てめえの信心が届いたか、今日、
外出
(
そとで
)
の先で、おれはえらい奴に
出
(
で
)
ッ
会
(
く
)
わしたぜ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ついでに
婦
(
おんな
)
二人の顔が杓子と擂粉木にならないのが不思議なほど、変な
外出
(
そとで
)
の夜であった。
貝の穴に河童の居る事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「帰って来たらいいから、もうお寝、これからこんな晩には
外出
(
そとで
)
をしてはなりませんよ」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お島は苦しい療治にかかった最初の日から、そう言われて毎日和服で
外出
(
そとで
)
をしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
外出
(
そとで
)
するにも、薄化粧ばかりしていたが、編物の稽古を初めてからは、「
皆
(
みんな
)
が大層作ッて来るから、私一人なにしない……」と
咎
(
とが
)
める者も無いに、我から
分疏
(
いいわけ
)
をいいいい、こッてりと
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
源七が家へは
遣
(
や
)
らぬが能い、返礼が気の毒なとて、
心切
(
しんせつ
)
かは知らねど十軒長屋の一軒は
除
(
の
)
け物、男は
外出
(
そとで
)
がちなればいささか心に懸るまじけれど女心には遣る瀬のなきほど切なく悲しく
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その妻は見るも
厭
(
いとはし
)
き夫の
傍
(
そば
)
に在る苦を片時も軽くせんとて、彼の
繁
(
しげ
)
き
外出
(
そとで
)
を
見赦
(
みゆる
)
して、
十度
(
とたび
)
に
一度
(
ひとたび
)
も色を
作
(
な
)
さざるを
風引
(
かぜひ
)
かぬやうに召しませ
猪牙
(
ちよき
)
とやらの
難有
(
ありがた
)
き賢女の志とも
戴
(
いただ
)
き喜びて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
背材
(
せたけ
)
はそう
高
(
たか
)
くはございませぬが、
総体
(
そうたい
)
の
地色
(
ぢいろ
)
は
白
(
しろ
)
で、それに
所々
(
ところどころ
)
に
黒
(
くろ
)
の
斑点
(
まだら
)
の
混
(
まじ
)
った
美
(
うつく
)
しい
毛並
(
けなみ
)
は
今更
(
いまさら
)
自慢
(
じまん
)
するではございませぬが、
全
(
まった
)
く
素晴
(
すば
)
らしいもので、
私
(
わたくし
)
がそれに
乗
(
の
)
って
外出
(
そとで
)
をした
時
(
とき
)
には
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
町「お父さまは少しお見え遊ばすと
直
(
じ
)
きお
外出
(
そとで
)
をなすっていけませんから、
寧
(
いっ
)
そお見え遊ばさない方が宜しゅうございます」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
試
(
こころみ
)
に初めて
袷
(
あわせ
)
を着たその日の朝といわず、昼といわず、また夕暮といわず、
外出
(
そとで
)
の折の道すがら、
九段
(
くだん
)
の坂上、
神田
(
かんだ
)
の
明神
(
みょうじん
)
、
湯島
(
ゆしま
)
の
天神
(
てんじん
)
、または芝の
愛宕山
(
あたごやま
)
なぞ
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さては誰も
物申
(
ものもう
)
に応うるものが無かったのであろう。
女中
(
おんな
)
は
外出
(
そとで
)
で? お蔦は隠れた。……
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、この騒ぎも、ほどなく
鎮
(
しず
)
まろうが、しかし、当分は世間も物騒、
尼前
(
あまぜ
)
や
盲
(
めしい
)
の
外出
(
そとで
)
など、思いもよるまい。お二人には、しばらく、この小松谷におられるがようござる」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
源
(
げん
)
七が
家
(
いゑ
)
へは
遣
(
や
)
らぬが
能
(
よ
)
い、
返禮
(
へんれい
)
が
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なとて、
心切
(
しんせつ
)
かは
知
(
し
)
らねど十
軒
(
けん
)
長屋
(
ながや
)
の一
軒
(
けん
)
は
除
(
の
)
け
物
(
もの
)
、
男
(
おとこ
)
は
外出
(
そとで
)
がちなればいさゝか
心
(
こゝろ
)
に
懸
(
かゝ
)
るまじけれど
女心
(
をんなごゝろ
)
には
遣
(
や
)
る
瀬
(
せ
)
のなきほど
切
(
せつ
)
なく
悲
(
かな
)
しく
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それが習慣になつて、氏は
外出
(
そとで
)
の時はいつも欠かさずそれをついてゐる。初めのうちは、たまには雨がふればいいと思つた事もあるさうだが、やがてそんな事を思ふのすら忘れたといつてゐる。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
僧一 ではなぜうそを言って
外出
(
そとで
)
あそばすのですか。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
あなた様はちっとも
外出
(
そとで
)
をなさいませんな、此の二月でしたっけナ、山本さんと御一緒に梅見にお出掛けに成って、何か
洒落
(
しゃれ
)
をおっしゃいましたっけナ
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三度と数えるほどしか
外出
(
そとで
)
する事のない母親お豊の老眼をば信じられぬほどに驚かしたのである。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
宗吉と同じ長屋に貸蒲団の一ツ
夜着
(
よぎ
)
で、芋虫ごろごろしていた処——事業の運動に
外出
(
そとで
)
がちの熊沢旦那が、お千さんの見張兼番人かたがた妾宅の方へ引取って置くのであるから
売色鴨南蛮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして近ごろはめったに
外出
(
そとで
)
もせぬせいか、皮膚は手の甲まで
女性
(
にょしょう
)
のように白かった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“外出”で始まる語句
外出着
外出姿
外出行
外出勝
外出向
外出好
外出日和