“奥蔵”の読み方と例文
旧字:奧藏
読み方割合
おくぐら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其の中に春見屋はるみやという宿屋を出しましたのが春見丈助という者で、表構おもてがまえ宏高こうこうといたして、奥蔵おくぐらがあって、奉公人も大勢使い、実にたいした暮しをして居ります。
十七の奥蔵おくぐらに、五枚錣に九ツのじょうおろして、大切に秘蔵をしておりますのをね、今日お見えの嬉しさに、実は、貴女に上げましょうと思って取出しておきました。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
問屋町の裏側はしもたやで、というよりほとんへい奥蔵おくぐらのつづき、ところどころ各家の非常口の、小さい出入口がある。女たちがそっと外出そとでをする時とか、内密ないしょの人の訪れるところとなっている。
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)