卒業そつげふ)” の例文
あに到底たうてい相談さうだんになつてれるひとぢやない、自分じぶん大學だいがく卒業そつげふしないから、ひと中途ちゆうとめるのは當然たうぜんぐらゐかんがへてゐる。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いまかれ當世たうせいかくれもき、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさから、くも懇篤こんとくなる薫陶くんとうけて生長せいちやうしたことは、世界せかい第一だいいち學校がくかう卒業そつげふしたよりも、わたくしためにはうれしいです。
かくかれ醫科大學いくわだいがく卒業そつげふして司祭しさいしよくにはかなかつた。さうして醫者いしやとしてつるはじめにおいても、なほ今日こんにちごと別段べつだん宗教家しゆうけうからしいところすくなかつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大島小學校おほしませうがくかうたものが、いま東京とうきやう三人さんにんます。これがぼく同窓どうさうです。此三人このさんにんあつまるくわい僕等ぼくら同窓會どうさうくわいです。其一人そのひとり三田みた卒業そつげふしていま郵船會社いうせんぐわいしやます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
卒業そつげふなされてなんといふおやくらず高帽子たかぼうし立派りつぱくろぬりの馬車ばしやにのりて西洋館せいやうくわんたまところ
闇桜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それから日蔭ひかげに生まれた平民の子が急に日向ひなたに出て金箔きんはくを付けられたのがうれしくて、幾らか虚榮きよえい心に眼を眩まされた形で、虚々うか/\と日をくらしてゐた。何時の間にか中學校ちうがくかう卒業そつげふして了つた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
宴會えんくわいふが、やさしいこゝろざしのひとたちが、なき母親はゝおや追善つゐぜんいとなんだ、せきつらなつて、しきさかづきんだ、なつの十ぎを、袖崎そでさきふ、………今年ことし東京とうきやう何某大學なにがしだいがく國文科こくぶんくわ卒業そつげふして
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
学校がつこう卒業そつげふ証書しようしよが二まいや三まいつたとてはなたしにもならねばたかかべ腰張こしばり屏風びやうぶ下張したばりせきやまにて、偶々たま/\荷厄介にやつかいにして箪笥たんすしまへば縦令たとへばむしはるゝともたねにはすこしもならず。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
それからまたねんばかりつたら、叔父をぢ安之助やすのすけ大學だいがく卒業そつげふして、小六ころく高等學校かうとうがくかうの二年生ねんせいになつた。叔母をば安之助やすのすけ一所いつしよなか六番町なかろくばんちやううつつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ドクトル、アンドレイ、エヒミチ、ラアギンは風變ふうがはりな人間にんげんで、青年せいねんころにははなはだ敬虔けいけんで、宗教上しゆうけうじやうてやうと、千八百六十三ねん中學ちゆうがく卒業そつげふするとぐ、神學大學しんがくだいがくらうとけつした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
鬼子おにことよべどとびんだるおたかとて今年ことし二八にはちのつぼみの花色はないろゆたかにしてにほひこまやかに天晴あつぱ當代たうだい小町こまち衣通そとほりひめと世間せけんさぬも道理だうりあらかぜあたりもせばあの柳腰やなぎごしなにとせんと仇口あだぐちにさへうはされて五十ごとう稻荷いなり縁日えんにち後姿うしろすがたのみもはいたるわかものは榮譽えいよ幸福かうふくうへやあらん卒業そつげふ試驗しけん優等證いうとうしようなんのものかは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それには叔父をぢくなつたことやら、いでおこ經濟上けいざいじやう變化へんくわやら、また安之助やすのすけ卒業そつげふやら、卒業後そつげふごひかえてゐる結婚けつこん問題もんだいやらが這入はいつてゐたのだとふ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくし大學だいがくでゝす、しか卒業そつげふせずにしまひました。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)