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闘
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たたか
ふりがな文庫
“
闘
(
たたか
)” の例文
幾年も幾年も貧窮と
闘
(
たたか
)
って、彼女は生れ故郷を去って都へと行った。そこでは生存競争が激しいと云う事も、彼女はよく知っていた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
ワグナーの戦いは、その芸術に対する世の無理解への戦いであり、伝統主義者達への
闘
(
たたか
)
いであり、同時に営業劇場への闘いであった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
「じつは、
私
(
わたし
)
のところに
強
(
つよ
)
い
闘鶏
(
とうけい
)
が一
羽
(
わ
)
いる。かつて
負
(
ま
)
けたことがないのだから、ひとつおまえさんのこの
鶏
(
とり
)
と
闘
(
たたか
)
わしてみましょう。」
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
上らぬとなるとます/\意地になって、片手は錨、片手は
井筒
(
いづつ
)
の縁をつかみ、井の上に
伸
(
の
)
しかゝって不可見水底の柄杓と
闘
(
たたか
)
って居ると
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それでも、彼はなお
闘
(
たたか
)
いつづけた。彼がもどって来た晩、二人は口実を設けて顔を合わせもせず、食事もいっしょにしなかった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
▼ もっと見る
誰
(
だれ
)
が
戦争
(
せんそう
)
で
儲
(
まう
)
け、
誰
(
だれ
)
が
何
(
なん
)
の
恨
(
うら
)
みもない
俺達
(
おれたち
)
に
殺
(
ころ
)
し
合
(
あ
)
ひをさせるか、
誰
(
だれ
)
が
死
(
し
)
を
賭
(
と
)
して
俺達
(
おれたち
)
のために
闘
(
たたか
)
ひ、
何
(
なに
)
が
俺達
(
おれたち
)
を
解放
(
かいほう
)
するかを
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
鷲王
(
しゅうおう
)
と
龍王
(
りゅうおう
)
との
相
(
あい
)
闘
(
たたか
)
うが如き
凄惨狠毒
(
せいさんこんどく
)
の光景を生ぜんことを想察して
預
(
あらかじ
)
め之を
防遏
(
ぼうあつ
)
せんとせるか、今皆確知する
能
(
あた
)
わざるなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
民族は抑圧に対抗するとき最も
強靭
(
きょうじん
)
であり、民族的英雄や民族の伝説は、多くは民族の繁栄よりも、相共に
嘗
(
な
)
めた苦しみと
闘
(
たたか
)
いの記念である。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
なお彼は驚くべき話をつづけて、今までの冒険のうちで一番変っていたのは、六本足の男ヂェリオンと
闘
(
たたか
)
った時のことだと娘達に話しました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
昔は
芥川
(
あくたがわ
)
君と芭蕉論を
闘
(
たたか
)
わし、一も二もなくやッつけてしまったのだが、今では僕も芭蕉ファンの一人であり、或る点で蕪村よりも好きである。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
闘
(
たたか
)
ハスニ/柳橋妓ニ命ズルハ少年ノ興/駒野禅ニ参ズルハ前世ノ因/廿歳旧游游ビテ未ダ
了
(
お
)
ヘズ/又台麓酔吟ノ人ト為ル〕
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
尋常
(
よのつね
)
の犬なりせば、その場に腰をも
抜
(
ぬか
)
すべきに。月丸は原来心
猛
(
たけ
)
き犬なれば、そのまま虎に
噉
(
くっ
)
てかかり、
喚
(
おめき
)
叫んで
暫時
(
しばし
)
がほどは、力の限り
闘
(
たたか
)
ひしが。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
これは彼の苦心の中でも比較的楽な
方
(
ほう
)
だったかも知れない。が、彼の日記によれば、やはりいつも多少の危険と
闘
(
たたか
)
わなければならなかったようである。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが、身の落目をとりかえすため奮然として
闘
(
たたか
)
うてだてが今あるのだろうか。彼は妻の言葉を聞きながら、薄暗くなってゆく窓の外をぼんやり
眺
(
なが
)
めていた。
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
慎重に意見を
闘
(
たたか
)
わせたすえ、これから一年間、研究室のレトルトや電離函から離れ、四人の努力で一つでも多くの廃棄金山を復活させようと申しあわせた。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
沼南は
廃娼
(
はいしょう
)
を最後の使命として
闘
(
たたか
)
った。が、若い時には相応に
折花攀柳
(
せっかはんりゅう
)
の風流に遊んだものだ。その時代の沼南の消息は
易簀
(
えきさく
)
当時多くの新聞に伝えられた。
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
しかし、沙弥とは言え、寺門に属する自分を誘惑した罪科として、あのかよわい姫まで罰せられるとも知れない。これは一つ
闘
(
たたか
)
おう。その勇気でありました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
前よりも
真面目
(
まじめ
)
な態度で、文学論を
闘
(
たたか
)
わしに来たが、葉子はそれを一手に引き受けて、にやにや笑っている庸三をそっち
退
(
の
)
けに、
綺麗
(
きれい
)
な手にまで表情をして
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
互いに
闘
(
たたか
)
いなお抵抗しながら、その血潮をすべて失いつつある。両者のいずれが第一に倒れるであろうか。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
闘
(
たたか
)
い去り闘い来り、思いのこすところはない。面々も、よい敵を選んで、華やかに名を遂げ給え。まず、勝助より御名代の討死を遂げん。いやしくも、御馬印を
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その光の輪の中で、どちらが上とも下ともわからない二人が、今はもう衰えきったからだの、声も立てないで、
闘
(
たたか
)
っている。その互いになぐり合う鈍い音と唸り声
胎内
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
それに現在の李陵は、他人の不幸を実感するには、あまりに自分一個の苦しみと
闘
(
たたか
)
うのに懸命であった。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
附言
角力戯
(
すもうぎ
)
は邦人の多く好むところなれども、野蛮の醜風を
免
(
まぬ
)
かれざるものとす。それ人たるものは、智をこそ
闘
(
たたか
)
わしむべけれ。力を闘わしむるは獣類の所業なり。
国楽を振興すべきの説
(新字新仮名)
/
神田孝平
(著)
これによって慰安を得、心の
糧
(
かて
)
を得、
以
(
もっ
)
て
貧賤
(
ひんせん
)
と
闘
(
たたか
)
い、病苦と闘う勇気を養う事が出来るのである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
幼時犬を
闘
(
たたか
)
わしむることを好んで、学業を事としなかったが、人が父兄に
若
(
し
)
かずというを以て責めると、「今に見ろ、立派な医者になって見せるから」といっていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その機械は、やがて送信所に
据
(
す
)
えつけられ、全世界へ向って電波を出し始めるであろう。
大東亜戦争
(
だいとうあせんそう
)
を
闘
(
たたか
)
っている
雄々
(
おお
)
しい日本の叫びが、世界中に
撒
(
ま
)
き
散
(
ち
)
らされるのだ。
もくねじ
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私情から申しても
怨
(
うら
)
みがござる。公情から申せば主義の敵でござる。貴殿に
闘
(
たたか
)
いを宣するしだい、ご用心あってしかるべく
候
(
そうろう
)
。——
桃
(
もも
)
ノ
井
(
い
)
久馬
(
きゅうま
)
の
息
(
そく
)
兵馬
(
ひょうま
)
より
山県紋也
(
やまがたもんや
)
殿へ
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
苛酷
(
かこく
)
な現実の前に
闘
(
たたか
)
いの意力をさえ失い、へなへなと崩折れてしまい——自分が今までその上に立っていた知識なり信念なりが、少しも自分の血肉と溶け合っていない
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
まことに集中の手紙にある久保謙君の処女習作「朝」の中の「乳母車にのせられた嬰児」が今はこごしく障害と汚染にみちた社会的現実に立向かい、
闘
(
たたか
)
いつつあるのである。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
で、ぼくは、あなたとレエスのことばかり、空想していました。ボオトは、勝負はとにかく、全力を出し切らねばならない。全力を出し、クルウが
遺憾
(
いかん
)
なく、
闘
(
たたか
)
えたとします。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
わが
君
(
きみ
)
をはじめ、一
同
(
どう
)
はしきりに
舟子達
(
かこたち
)
を
励
(
はげ
)
まして、
暴
(
あ
)
れ
狂
(
くる
)
う
風浪
(
ふうろう
)
と
闘
(
たたか
)
いましたが、やがて
両
(
りょう
)
三
人
(
にん
)
は
浪
(
なみ
)
に
呑
(
の
)
まれ、
残余
(
のこり
)
は
力
(
ちから
)
つきて
船底
(
ふなぞこ
)
に
倒
(
たお
)
れ、
船
(
ふね
)
はいつ
覆
(
くつがえ
)
るか
判
(
わか
)
らなくなりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
良心と悪意とは白糸の
恃
(
たの
)
むべからざるを知りて、ついに
迭
(
たが
)
いに
闘
(
たたか
)
いたりき。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いかな猛獣とでも
闘
(
たたか
)
うというような風采と体格とを持っているのに……。
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
発矢
(
はっし
)
の二三十も
列
(
なら
)
べて
闘
(
たたか
)
いたれどその間に足は
記憶
(
おぼえ
)
ある二階へ
登
(
あが
)
り花明らかに鳥何とやら書いた額の下へついに落ち着くこととなれば六十四条の解釈もほぼ定まり
同伴
(
つれ
)
の男が隣座敷へ出ている小春を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
今しがた牛
闘
(
たたか
)
ひてその一つ
角
(
つの
)
折れたるが
途
(
みち
)
のうへに立つ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
その時彼は先夜西山と
闘
(
たたか
)
わした議論のことを思った。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
われらの
且
(
か
)
つ読み、且つ議論を
闘
(
たたか
)
はすこと
呼子と口笛
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
二度必死の病に倒れ、新聞記者と三文文士と、音楽批評家と貴婦人とを相手に二十余年間の戦いを
闘
(
たたか
)
い続けなければならなかった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
巨人や怪物と
闘
(
たたか
)
うことが彼の一生の仕事だけに、心は彼等のことで一杯だから、おそらく大きな木までが巨人や怪物のように見えたのでしょう。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
創
(
きず
)
を
裹
(
つつ
)
み歯を
切
(
くいしば
)
って
闘
(
たたか
)
うが如き経験は、
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て積まざりしなれば、燕王の笑って評せしもの、実に
其
(
その
)
真を得たりしなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
流れのままに押し流され、
闘
(
たたか
)
うにはあまりに弱く、そして空しく失った生涯を嘆いている、その不幸な魂の声を、彼は耳に聞くような気がした。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
二人はこう云う
力競
(
ちからくら
)
べを何回となく
闘
(
たたか
)
わせた。その内に追い追い二人とも、疲労の
気色
(
けしき
)
を現して来た。彼等の顔や手足には、玉のような汗が
滴
(
したた
)
っていた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれどそれを、心のなかで
闘
(
たたか
)
ったとき、そして必死に実行へかかったとき。かれの影は、高い築土の上にあったが、かれの中の妄想は、かえって燃焼されていた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六年間肺病と
闘
(
たたか
)
っていた父の生涯、初めて秋田の女学校へ入るために、町から乗って行った古風な馬車の
喇叭
(
ラッパ
)
の音、同性愛で教育界に一騒動おこったそのころの学窓気分
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
大は世界の形勢より小は折花
攀柳
(
はんりゅう
)
の韻事まで高談放論珍説
贅議
(
ぜいぎ
)
を
闘
(
たたか
)
わすに日も足らずであった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
去るほどに三匹の獣は、互ひに尽す秘術
剽挑
(
はやわざ
)
、右に
衝
(
つ
)
き左に躍り、縦横
無礙
(
むげ
)
に
暴
(
あ
)
れまはりて、
半時
(
はんとき
)
ばかりも
闘
(
たたか
)
ひしが。金眸は
先刻
(
さき
)
より飲みし酒に、四足の働き心にまかせず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
形式主義への・この本能的
忌避
(
きひ
)
と
闘
(
たたか
)
ってこの男に礼楽を教えるのは、孔子にとってもなかなかの難事であった。が、それ以上に、これを習うことが子路にとっての難事業であった。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
私は守旧派と自ら呼び、伝統派と自ら名づけて、四十年間
闘
(
たたか
)
って今日に来て居るのである。伝統派と言ったところで、陳腐を礼讃するものではない、常に新を志しているものである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
明
(
あ
)
くる
日
(
ひ
)
、
友
(
とも
)
だちは
闘鶏
(
とうけい
)
をつれてきました。そして、
金持
(
かねも
)
ちの
鶏
(
とり
)
と
闘
(
たたか
)
わしました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大抵
(
たいてい
)
のひとが暑さにかまけて、
昼寝
(
ひるね
)
でもしているか、
涼
(
すず
)
しい船室を選んで
麻雀
(
マアジャン
)
でも
闘
(
たたか
)
わしているのに、ぼくは
炎熱
(
えんねつ
)
で
溶
(
と
)
けるような甲板の上ででも、あなたや内田さんと、デッキ・ゴルフや
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
闘
常用漢字
中学
部首:⾨
18画
“闘”を含む語句
争闘
戦闘
闘牛場
格闘
闘鶏
闘牛
決闘
闘諍
闘牛士
闘牛行
奮闘
闘争
苦闘
暗闘
拳闘家
闘技場
闘志
角闘
闘鶏師
拒闘
...