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鐵瓶
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てつびん
ふりがな文庫
“
鐵瓶
(
てつびん
)” の例文
新字:
鉄瓶
彼
(
かれ
)
は
色々
(
いろ/\
)
な
事情
(
じじやう
)
を
綜合
(
そうがふ
)
して
考
(
かんが
)
へた
上
(
うへ
)
、まあ
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だらうと
腹
(
はら
)
の
中
(
なか
)
で
極
(
き
)
めた。さうして
爪
(
つめ
)
の
先
(
さき
)
で
輕
(
かる
)
く
鐵瓶
(
てつびん
)
の
縁
(
ふち
)
を
敲
(
たゝ
)
いた。
其時
(
そのとき
)
座敷
(
ざしき
)
で
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「寢て居る顏の上へ、二階から大火鉢を投られたんです。その火鉢には煮えくり返つてゐる
鐵瓶
(
てつびん
)
を掛けてあつたとしたらどんなものです」
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
卯平
(
うへい
)
は
狹
(
せま
)
いながらにどうにか
土間
(
どま
)
も
拵
(
こしら
)
へて
其處
(
そこ
)
へは
自在鍵
(
じざいかぎ
)
を
一
(
ひと
)
つ
吊
(
つる
)
して
蔓
(
つる
)
のある
鐵瓶
(
てつびん
)
を
懸
(
かけ
)
たり
小鍋
(
こなべ
)
を
掛
(
か
)
けたりすることが
出來
(
でき
)
る
樣
(
やう
)
にした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
火
(
ひ
)
がどツさり。
炭
(
すみ
)
が
安
(
やす
)
い。
有難
(
ありがた
)
い。
平泉
(
ひらいづみ
)
の
晝食
(
ちうじき
)
でも、
昨夜
(
ゆうべ
)
松島
(
まつしま
)
のホテルでも
然
(
さ
)
うだつた。が、
火
(
ひ
)
がどツさり。
炭
(
すみ
)
が
安
(
やす
)
い。
有難
(
ありがた
)
い。
鐵瓶
(
てつびん
)
の
湯
(
ゆ
)
はたぎる。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
火鉢
(
ひばち
)
の
火
(
ひ
)
が
赤
(
あか
)
いのも、
鐵瓶
(
てつびん
)
が
優
(
やさ
)
しい
響
(
ひゞ
)
きに
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てゝゐるのも、ふと
擡
(
もた
)
げてみた
夜着
(
よぎ
)
の
裏
(
うら
)
が
甚
(
はなはだ
)
しく
色褪
(
いろあ
)
せてゐるのも、すべてが
皆
(
みな
)
私
(
わたし
)
に
向
(
むか
)
つて
生
(
い
)
きてゐる——この
年
(
とし
)
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
▼ もっと見る
搖起
(
ゆりおこ
)
し是十兵衞
最早
(
もはや
)
今のは
寅刻
(
なゝつ
)
の
鐘
(
かね
)
殊
(
こと
)
に此鐘は何時も少し
遲
(
おそ
)
き故夜の明るに間も有まい眼を
覺
(
さま
)
して支度せよ
鐵瓶
(
てつびん
)
の湯も
温
(
ぬる
)
んで有と聞て十兵衞は起上り
顏
(
かほ
)
を
洗
(
あら
)
はず支度を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
寒
(
さむ
)
いでせう、
御氣
(
おき
)
の
毒
(
どく
)
さまね。
生憎
(
あいにく
)
御天氣
(
おてんき
)
が
時雨
(
しぐ
)
れたもんだから」と
御米
(
およね
)
が
愛想
(
あいそ
)
を
云
(
い
)
つて、
鐵瓶
(
てつびん
)
の
湯
(
ゆ
)
を
注
(
つ
)
ぎ
注
(
つ
)
ぎ、
昨日
(
きのふ
)
煑
(
に
)
た
糊
(
のり
)
を
溶
(
と
)
いた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
愛稱ガラツ八の八五郎が、お先煙草を五匁ほど
燻
(
くん
)
じて、
鐵瓶
(
てつびん
)
を一パイ
空
(
から
)
つぽにして、さてこんな事を言ひ出すのです。
銭形平次捕物控:232 青葉の寮
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
念佛寮
(
ねんぶつれう
)
の
雨戸
(
あまど
)
は
空洞
(
からり
)
と
開
(
あ
)
け
放
(
はな
)
たれて、
殊更
(
ことさら
)
に
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
む
寒
(
さむ
)
さに
圍爐裏
(
ゐろり
)
には
麁朶
(
そだ
)
の
火
(
ひ
)
が
焔
(
ほのほ
)
を
立
(
た
)
てた。
蔓
(
つる
)
のある
煤
(
すゝ
)
けた
鐵瓶
(
てつびん
)
が
自在鍵
(
じざいかぎ
)
から
低
(
ひく
)
く
垂
(
た
)
れて
焔
(
ほのほ
)
を
臀
(
しり
)
で
抑
(
おさ
)
へた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
さきに
秋冷
(
しうれい
)
相催
(
あひもよほ
)
し、
次第
(
しだい
)
に
朝夕
(
あさゆふ
)
の
寒
(
さむ
)
さと
成
(
な
)
り、やがて
暮
(
くれ
)
が
近
(
ちか
)
づくと、
横寺町
(
よこでらまち
)
の
二階
(
にかい
)
に
日
(
ひ
)
が
當
(
あた
)
つて、
座敷
(
ざしき
)
の
明
(
あかる
)
い、
大火鉢
(
おほひばち
)
の
暖
(
あたゝか
)
い、
鐵瓶
(
てつびん
)
の
湯
(
ゆ
)
の
沸
(
たぎ
)
つた
時
(
とき
)
を
見計
(
みはか
)
らつて、お
弟子
(
でし
)
たちが
順々
(
じゆん/\
)
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「ま、待つてくれ。さう
彈
(
はず
)
みが付いちや
叶
(
かな
)
はない——先づ膝つ小僧を隱しなよ。
鐵瓶
(
てつびん
)
は
沸
(
たぎ
)
つてゐるんだぜ、そいつを引つくり返すと穩かぢや濟まない」
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
醫者
(
いしや
)
が
歸
(
かへ
)
つたあとで、
宗助
(
そうすけ
)
は
急
(
きふ
)
に
空腹
(
くうふく
)
になつた。
茶
(
ちや
)
の
間
(
ま
)
へ
出
(
で
)
ると、
先刻
(
さつき
)
掛
(
か
)
けて
置
(
お
)
いた
鐵瓶
(
てつびん
)
がちん/\
沸
(
たぎ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そつから、はあ、
鐵瓶
(
てつびん
)
の
中
(
なか
)
さ
徳利
(
とつくり
)
おしこめばえゝんだな、さうすりやどうだもかうだもねえんだな」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
茶
(
ちや
)
がなかつたら、
内
(
うち
)
へ
行
(
い
)
つて
取
(
と
)
つて
來
(
き
)
な。
鐵瓶
(
てつびん
)
をおかけ。」と
小造
(
こづくり
)
な
瀬戸火鉢
(
せとひばち
)
を
引寄
(
ひきよ
)
せて、ぐい、と
小机
(
こづくゑ
)
に
向
(
むか
)
ひなすつた。それでも、せんべい
布團
(
ぶとん
)
よりは、
居心
(
ゐごころ
)
がよかつたらしい。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
火箸
(
ひばし
)
が無くなつたり、
鐵瓶
(
てつびん
)
の
蓋
(
ふた
)
が無くなつたり、足袋が片つぽ無くなつたり、貝
杓子
(
びしやく
)
が無くなつたり、支配人の煙草入が無くなつたり、私の紙入が無くなつたり」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
大火鉢
(
おほひばち
)
に
火
(
ひ
)
がくわん/\と
熾
(
おこ
)
つて、
鐵瓶
(
てつびん
)
が、いゝ
心持
(
こゝろもち
)
にフツ/\と
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てて
居
(
ゐ
)
る。
銅壺
(
どうこ
)
には
銚子
(
てうし
)
が
並
(
なら
)
んで、
中
(
なか
)
には
泳
(
およ
)
ぐのがある。
老鋪
(
しにせ
)
の
旦那
(
だんな
)
、
新店
(
しんみせ
)
の
若主人
(
わかしゆじん
)
、
番頭
(
ばんとう
)
どん、
小僧
(
こぞう
)
たちも。
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此處にはいつぞやお夢の頭の上に落された
唐銅
(
からかね
)
の大火鉢が
性懲
(
しやうこり
)
もなく据ゑられて、火もなく
鐵瓶
(
てつびん
)
もありませんが、冷たい灰が火鉢の半分程も減らされて居るのでした。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
女房
(
にようばう
)
は
鐵瓶
(
てつびん
)
の
下
(
した
)
を
見
(
み
)
かた/″\、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
の
長火鉢
(
ながひばち
)
の
前
(
まへ
)
へ
出張
(
しゆつちやう
)
に
及
(
およ
)
んで
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「爐の隅に、
地雷火
(
ぢらいくわ
)
が仕掛けてあつたんですよ。程よいところで口火に火が廻ると、五徳も
鐵瓶
(
てつびん
)
も、灰も爐もハネ飛ばして、グワラグワラドシンと來た。いやその凄かつたことと言つたら」
銭形平次捕物控:220 猿蟹合戦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
大變
(
たいへん
)
だ。」
私
(
わたし
)
は
夢中
(
むちう
)
で、
鐵瓶
(
てつびん
)
を
噴火口
(
ふんくわこう
)
へ
打覆
(
ぶちま
)
けた。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
お靜の手が屆くので、何處から何處まで
嘗
(
な
)
めたやうに綺麗ですが、座布團二枚、長火鉢が一つ、
鐵瓶
(
てつびん
)
と茶道具と、そして、そして——、それつきりと言つた、簡素そのものの小市民生活です。
銭形平次捕物控:204 美女罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鐵
部首:⾦
21画
瓶
常用漢字
中学
部首:⽡
11画
“鐵”で始まる語句
鐵
鐵漿
鐵砲
鐵槌
鐵棒
鐵道
鐵砲玉
鐵檻車
鐵鎖
鐵拳