トップ
>
肥料
>
こやし
ふりがな文庫
“
肥料
(
こやし
)” の例文
どうやらこの方が、ずっと
肥料
(
こやし
)
がよくきいたものらしい。役員連はそろそろ好い景気になって、めいめい家庭を営んだりし始めた。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
人もその通りで、
善
(
い
)
い智恵を出させようとするにはそれだけの食物を与えなければなりますまい。野菜を作っても
肥料
(
こやし
)
が大切です。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
土
(
つち
)
土用が過ぎて、
肥料
(
こやし
)
つけの馬の手綱を執る樣になると、もう自づと男羞しい少女心が萠して來て、盆の踊に夜を明すのが何より樂しい。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「親方、私はもう今迄のような臆病な心を、さらりと捨てゝしまいました。———お前さんは真先に私の
肥料
(
こやし
)
になったんだねえ」
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
また時には先生は極めて抽象的な言葉を用いられることもあった。その時にも「それから時々根に
肥料
(
こやし
)
をやる事も忘れないで」
指導者としての寺田先生
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
▼ もっと見る
甲「なに
肥料
(
こやし
)
をしないものはないが、
直接
(
じか
)
に肥料を
喰物
(
くいもの
)
に
打
(
ぶっ
)
かけて喰う奴があるか、
怪
(
け
)
しからん
理由
(
わけ
)
の分らん奴じゃアないか」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「理由があるもんか。なぜ
肥料
(
こやし
)
が臭いかには、議論の余地はない。肥料は臭い、ただそれっきりだ。僕は鼻をつまんで逃げ出すばかりさ。」
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
笑うと出っ歯の
齦
(
はぐき
)
の露出するのも気になったが、お品が悪くはないながらに口の利き方や気分に、どこか
肥料
(
こやし
)
くさいようなところがあった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「あの
竹藪
(
たけやぶ
)
は大変みごとだね。何だか
死人
(
しびと
)
の
膏
(
あぶら
)
が
肥料
(
こやし
)
になって、ああ
生々
(
いきいき
)
延びるような気がするじゃないか。ここにできる
筍
(
たけのこ
)
はきっと
旨
(
うま
)
いよ」
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
初雄 えへん、君はこの村において、
肥料
(
こやし
)
の
糟
(
かす
)
にもならない、更に、あえて、しかしてその、いささかも用のない人です。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「僕は人間としては北海道の方が
肥料
(
こやし
)
が利いていると答えた。学業成績のことは前に話してあるから、今更嘘がつけない」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
草をとつて生のまゝ土に埋め、或は烈日に乾燥させ、焼いて灰にし、積んで腐らし、いづれにしても土の
肥料
(
こやし
)
にしてしまふ。
馴付
(
なつ
)
けた敵は、味方である。
草とり
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
草をとって生のまゝ土に埋め、或は烈日に乾燥させ、焼いて灰にし、積んで腐らし、いずれにしても土の
肥料
(
こやし
)
にしてしまう。
馴付
(
なつ
)
けた敵は、味方である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その上に
肥料
(
こやし
)
の化学的成分とやらもすつかり頭に入れておかなくつちやなりましねえのだからな。何だつてお前様、それにはみんな
銭
(
ぜに
)
がかゝりまするだよ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鶏の糞をかき集めると、畑の
肥料
(
こやし
)
になるのである。すると、そこへ紺絣の筒っぽに、板裏の
草履
(
ぞうり
)
をはいた三太がやって来た。三太は牧の旦那の
独
(
ひと
)
り息子である。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
彦太郎が卯平の所に寄ったのも、四荷ほど
肥料
(
こやし
)
を廻してくれるようにと頼まれていたからであったのに、商売も忘れてしまって彦太郎は逃げ出して行くのである。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「いいとも、いいとも。役につかないがいい。そうすりゃ、働く時間がたくさんになる。役人たちに
肥料
(
こやし
)
を運ばせるがいい。それに
埃
(
ごみ
)
はたくさんたまっている。」
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
新宿の數多いビルヂングは、何かの張子細工のやうに見えるし、アスハルトの街路の上を無限に續く
肥料
(
こやし
)
車が行列して居る。歩いてる人間まで田舍臭く薄ぎたない。
悲しい新宿
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そのくせその本から得た知識がへんにインテリがかったものとなって噺のニュアンスを壊すなんてこともなく、きわめて彼の場合にはいい
肥料
(
こやし
)
となっているらしい。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
折角油の
異臭
(
におい
)
に慣れたところに、
肥料
(
こやし
)
のにおいなんか押し付けられちゃ、たまらない……なぞと我儘を
突張
(
つっぱ
)
った。無理にも亭主に運転手稼業を止めさせまいとした。
衝突心理
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
次
(
つ
)
ぎに
草原
(
くさはら
)
の
濕地
(
しつち
)
は『
腐植土
(
ふしよくど
)
』といつて、
植物
(
しよくぶつ
)
が
枯
(
か
)
れて、
根
(
ね
)
や
枝
(
えだ
)
や
葉
(
は
)
が
腐
(
くさ
)
つた
肥料
(
こやし
)
になつてゐるような
土
(
つち
)
に
富
(
と
)
み、
水分
(
すいぶん
)
も
多
(
おほ
)
いので、
植物
(
しよくぶつ
)
の
生育
(
せいいく
)
には
大變
(
たいへん
)
都合
(
つごう
)
がよいため
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
蒔絵
(
まきえ
)
の金銀のくもりを
拭清
(
ふききよ
)
むるには如何にせばよきや。
堆朱
(
ついしゅ
)
の盆
香合
(
こうごう
)
などその
彫
(
ほり
)
の間の塵を取るには如何にすべきや。盆栽の梅は
土用
(
どよう
)
の
中
(
うち
)
に
肥料
(
こやし
)
やらねば来春花多からず。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
茴香
(
ういきょう
)
の花が咲いているのだ。そうしてもしも俺が死んだら、その茴香の
肥料
(
こやし
)
になるのだ。……死! 肥料! 恐ろしいことだ! これはどうしても逃げなければならない。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
菊の鉢に
肥料
(
こやし
)
をやるよりはまだ造作ない返事であった。今日はこれから出掛けて行ってももう会社は退けているじゃろから、明日一緒に行って上げようということになった。
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
越水 畑に
肥料
(
こやし
)
をやるのはいゝが、臭くつてやりきれない。あれをなんとかして貰へんですか。僕んとこは、前うしろに畑があるんだから閉口なんだ。なあ、おいクマソ……。
犬は鎖に繋ぐべからず
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
おじいさんは、
肥料
(
こやし
)
をやったり、つるをのばしたりして、
毎日
(
まいにち
)
のように、
圃
(
はたけ
)
へ
出
(
で
)
ては
初夏の不思議
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大丈夫
(
だいぢやうぶ
)
だとも、
馬鈴薯
(
じやがいも
)
が
大
(
え
)
かく
成
(
な
)
る
樣
(
やう
)
ぢや
其
(
その
)
肥料
(
こやし
)
は
桑
(
くは
)
も
吸
(
す
)
ふから、いや
桑
(
くは
)
の
根
(
ね
)
つ
子
(
こ
)
の
遠
(
とほ
)
くへ
踏
(
ふ
)
ん
出
(
だ
)
すんぢや
魂消
(
たまげ
)
たもんだから、
目
(
め
)
も
有
(
あ
)
りもしねえのに
肥料
(
こやし
)
の
方
(
はう
)
へ
眞直
(
まつすぐ
)
にずうつと
來
(
く
)
つかんな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寄生木になつて栄えるは
嫌
(
きらひ
)
ぢや、
矮小
(
けち
)
な
下草
(
したぐさ
)
になつて枯れもせう
大樹
(
おほき
)
を頼まば
肥料
(
こやし
)
にもならうが、たゞ寄生木になつて高く止まる奴等を日頃いくらも見ては卑い奴めと心中で
蔑視
(
みさ
)
げて居たに
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
ハト麦は、世間並みの大麦や小麦と違って、
肥料
(
こやし
)
がいりません。そうして、
蒔
(
ま
)
いて僅かの間に取入れができます。その上に
取穀
(
とりこく
)
が多いし、味がよろしいし、食べて薬用にもなるものでございます。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
引いて頂けゃ、水はそれで十分以上でごわすもの、そしたら、
肥料
(
こやし
)
もどっさり入れて、田の草取りなんかわらわらと、俺等は鬼のように稼いで、来年こそは、立派な稲にしてお目にかけしてごわす。
黒い地帯
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
眼に見えて
肥料
(
こやし
)
ききゆく夏の日の園の草花咲きそめにけり
樹木とその葉:05 夏を愛する言葉
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
田の草をそのまま田への
肥料
(
こやし
)
かな
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
この血を愛の
肥料
(
こやし
)
にしようと思ふ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
水もよくきく、
肥料
(
こやし
)
もよくきく
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
骨身を
肥料
(
こやし
)
に働いて来たに
百姓仁平
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
木の芽生えの
肥料
(
こやし
)
に——
胚胎
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ねぢ
鉢卷
(
はちまき
)
で
肥料
(
こやし
)
やる
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
勿論
(
もちろん
)
、根を抜かれた、
肥料
(
こやし
)
になる、
青々
(
あおあお
)
と
粉
(
こな
)
を吹いたそら豆の
芽生
(
めばえ
)
に
交
(
まじ
)
って、
紫雲英
(
れんげそう
)
もちらほら見えたけれども。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
沖へ行つて
肥料
(
こやし
)
を釣つたり、ゴルキが露西亜の文学者だつたり、馴染の芸者が松の木の下に立つたり、古池へ蛙が飛び込んだりするのが精神的娯楽なら
坊っちやん
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
喜「誠に
御道理
(
ごもっとも
)
……
併
(
しか
)
し屎草履と仰しゃるが、米でも麦でも
大概
(
たいげえ
)
土から出来ねえものはねえ、それには
肥料
(
こやし
)
いしねえものは有りますめえ、あ痛い、又打ったね」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うち込んだのだ、もう今からは日本国中に、お前に
優
(
まさ
)
る女は居ない。お前はもう今迄のような臆病な心は持って居ないのだ。男と云う男は、皆なお前の
肥料
(
こやし
)
になるのだ。………
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「どうせそれは兄貴の
肥料
(
こやし
)
になるのさ。
狂人
(
きちがい
)
が何を知るものか。」浅井は苦笑していた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
屋根一面に
南瓜
(
かぼちゃ
)
の
蔓
(
つる
)
を這わしたりして
肥料
(
こやし
)
の
異臭
(
におい
)
を着物まで
沁
(
し
)
み込まして喜んでいた。
衝突心理
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
木賃宿
(
きちんやど
)
、其れ等に雨雪を
凌
(
しの
)
ぐのは、乞食仲間でも
威張
(
いば
)
った手合で、其様な
栄耀
(
えいよう
)
が出来ぬやからは、村の
堂宮
(
どうみや
)
、畑の中の
肥料
(
こやし
)
小屋、止むなければ北をよけた
崖
(
がけ
)
の下、雑木林の落葉の中に
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
陸稻
(
をかぼ
)
も
地
(
ぢ
)
が
珍
(
めづ
)
らしい
内
(
うち
)
は
出來
(
でき
)
るもんだわ、
穗
(
ほ
)
の
出
(
で
)
た
割
(
わり
)
にや
分
(
ぶ
)
は
拔
(
ぬ
)
けねえが、そんでも
開墾
(
おこ
)
したばかしにや
草
(
くさ
)
は
出
(
で
)
ねえから
手間
(
てま
)
が
要
(
え
)
らねえしな、それに
肥料
(
こやし
)
つちやなんぼもしねえんだから
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
金持
(
かねも
)
ちは、
水
(
みず
)
をやったり、
肥料
(
こやし
)
をやったり、
日
(
ひ
)
に
当
(
あ
)
てたりしましたが、
花
(
はな
)
は、
小
(
ちい
)
さなときから、
親
(
した
)
しく、
慣
(
な
)
れた、おじいさんの
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
れてしまったので、
万事
(
ばんじ
)
調子
(
ちょうし
)
が
変
(
か
)
わったとみえて、しだいに
花と人間の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寄生木になって栄えるは嫌いじゃ、
矮小
(
けち
)
な下草になって枯れもしょう
大樹
(
おおき
)
を頼まば
肥料
(
こやし
)
にもなろうが、ただ寄生木になって高く止まる奴らを日ごろいくらも見ては卑しい奴めと心中で
蔑視
(
みさ
)
げていたに
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
沖
(
おき
)
へ行って
肥料
(
こやし
)
を釣ったり、ゴルキが
露西亜
(
ロシア
)
の文学者だったり、
馴染
(
なじみ
)
の芸者が
松
(
まつ
)
の木の下に立ったり、古池へ
蛙
(
かわず
)
が飛び込んだりするのが精神的娯楽なら
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
人形使 これというも、酒の一杯や二杯ぐれえ、時たま
肥料
(
こやし
)
にお施しなされるで、弘法様の御利益だ。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折々、
田圃
(
たんぼ
)
の
肥料
(
こやし
)
の
臭
(
にお
)
いのようなものが何処からともなく
匂
(
にお
)
って来るのが感ぜられた。過ぎて来た路を振り返ると、やはり行く手と同じような松の
縄手
(
なわて
)
が果てしもなくつづいて居る。
母を恋うる記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“肥料”の解説
肥料(ひりょう、肥糧)とは、植物を生育させるための栄養分として人間が施すものである。土壌から栄養を吸って生育した植物を持ち去って利用する農業は、植物の生育に伴い土壌から減少する窒素やリンなどを補給しなければ持続困難である。そこで、減少分を補給するために用いるのが肥料であり、特に窒素・リン酸・カリウムは肥料の三要素と呼ばれる。
(出典:Wikipedia)
肥
常用漢字
小5
部首:⾁
8画
料
常用漢字
小4
部首:⽃
10画
“肥料”で始まる語句
肥料桶
肥料溜
肥料車
肥料屋
肥料船
肥料小屋
肥料入
肥料室
肥料臭