“肥料船”の読み方と例文
読み方割合
こえぶね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
荷船にぶね肥料船こえぶねとまが貧家の屋根よりもかえって高く見える間からふと彼方かなた巍然ぎぜんとしてそびゆる寺院の屋根を望み見る時、しばしば黙阿弥もくあみ劇中の背景を想い起すのである。
四谷と赤坂両区の高地に挟まれたこの谷底の貧民窟は、堀割と肥料船こえぶね製造場せいぞうばとを背景にする水場みずばの貧家に対照して、坂と崖と樹木とを背景にする山の手の貧家の景色を代表するものであろう。