“こえぶね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
肥船50.0%
肥舟33.3%
肥料船16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こっちの肥船こえぶねをおどかして、ようやく川なかへ漕ぎだしたんですが、このごたくさのあいだに衝きあたった石船のほうは、いちはやく逃げてしまって影もかたちもない。
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
堀に曳きずる肥舟こえぶねの重い小腹にすられゆく。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
荷船にぶね肥料船こえぶねとまが貧家の屋根よりもかえって高く見える間からふと彼方かなた巍然ぎぜんとしてそびゆる寺院の屋根を望み見る時、しばしば黙阿弥もくあみ劇中の背景を想い起すのである。
四谷と赤坂両区の高地に挟まれたこの谷底の貧民窟は、堀割と肥料船こえぶね製造場せいぞうばとを背景にする水場みずばの貧家に対照して、坂と崖と樹木とを背景にする山の手の貧家の景色を代表するものであろう。