皇子みこ)” の例文
苦情くじようみましたので、まやかしものといふことがわかつて、これもたちまかへされ、皇子みこ大恥おほはぢをかいてきさがりました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
「やすみしし吾大王おほきみ、高耀ひか皇子みこきいます大殿おほとのの上に、ひさかたの天伝あまづたひ来る、雪じもの往きかよひつつ、いや常世とこよまで」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
午睡ひるねする人達ひとたちもあわててとびき、うえしたへの大騒おおさわぎをえんじたのも道理どうり、その来客らいきゃくもうすのは、だれあろう、ときみかどうず皇子みこ
その像を髪に籠められてまなじりを決して睨み立たれた美しく若き皇子みこの御勇姿は、真に絵のようであったろうと拝察されます。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ながえになっていた前の兵が、とつぜん地へ膝を折って俯ッ伏し、がたっと、地響きやら物音がしたせつなに、輿の内からあばれ出た皇子みこ宗良の姿が
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
陛下には皇子みこをも持ち給わで、なお、微臣に食物をはぐくみ給うことをもって、乳人の優しさをお示しあそばされ候。
一番古くから有名になっていたのは、筑前深江ふかえ子負原こうのはらというところにあった二つの皇子みこ産み石であります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
皇子みこたち共にこたへていはく、理実ことわり灼然いやちこなり。則ち草壁皇子尊づ進みて盟ひていはく、天神あまつかみ地祇くにつかみ、及び天皇すめらみことあきらめたまへ、おのれ兄弟長幼、あはせて十余のみこおのおの異腹ことはらよりづ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
『これで執政ノ皇子みこの名に、また一段とひびがはいる。……いや、巷の声はおそろしいな。……』
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
皇朝くわうてうの昔、七〇誉田ほんだの天皇、兄の皇子みこ七一大鷦鷯おほさざききみをおきて、すゑ皇子みこ七二菟道うぢきみ七三日嗣ひつぎ太子みことなし給ふ。天皇崩御かみがくれ給ひては、兄弟はらからゆづりて位にのぼり給はず。
神武天皇じんむてんのうがおかくれになつてのちさきまをしたいすけよりひめが、自分じぶんのおみになつた三人さんにん皇子みこたちを、ころさうとするものゝあることを、むきだしにいふことは出來できないから
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「ここにおわす御方おんかたこそ、今上きんじょうだい一の皇子みこにましまし、さきの比叡山天台座主ざす、ただ今はご還俗あそばされて、兵部卿大塔宮護良もりなが親王様におわすぞ! ……われらはお供の木寺相模」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
安部あべおおしが大金で買った毛皮がめらめらと焼けたと書いてあったり、あれだけ蓬莱ほうらいの島を想像して言える倉持くらもち皇子みこ贋物にせものを持って来てごまかそうとしたりするところがとてもいやです
源氏物語:17 絵合 (新字新仮名) / 紫式部(著)
皇子みこぞ今御生みあれましたれ日の出くサイレンはつづくまさに大皇子おほみこ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
また紅葉賀もみじのがの試楽なども、「上達部かんだちめ皇子みこだちも皆泣きぬ」
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
光明ひかる皇子みこのいもうと
信姫 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
日嗣ひつぎ皇子みこ
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
代匠記には「中大兄ハ天智天皇ナレバみことトカ皇子みこトカありヌベキニヤ。傍例ニヨルニもっともあるベシ。三山ノ下ニ目録ニハ御ノ字アリ。脱セルカ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
そのほか、諸国にわたって、皇子みこなるものが、再起をはかっておりますのに、どうして、それらのうごきと後醍醐とが、無関係でありえましょうや
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みなくらゐたか身分みぶんたふとかたで、一人ひとり石造いしつくりの皇子みこ一人ひとり車持くらもちの皇子みこ一人ひとり右大臣うだいじん阿倍御主人あべのみうし一人ひとり大納言だいなごん大伴御行おほとものみゆき一人ひとり中納言ちゆうなごん石上麻呂いそのかみのまろでありました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
いつはしらの皇子みこ次を以て相盟ふこと先の如し。然して後に天皇のたまはく、朕がこども各異腹にして生る。然れども今ひとつ母同産おもはらからの如くてめぐましむ。則ちみそのひもひらきて、その六皇子を抱きたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
つまり天津日継あまつひつぎ皇子みこ彦火々出見命様ひこほほでみのみことさまが、姉君あねぎみ御婿君おんむこぎみにならせられた事実じじつ現世げんせ人達ひとたちれきいて、あんな不思議ふしぎ浦島太郎うらしまたろうのお伽噺とぎばなしつくあげげたのでございましょう。
中ノ大兄ノ皇子みこは一ばんしんがりに、昨日の午ちかく立つて行かれた。あとはあのお宮の中には鼠一ぴきゐはしない。……いやその鼠が、まつ先に移つていつたといふではないか。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
誰あろう高貴の御方おんかたこそ、今上きんじょう第一の皇子みこにましまし、文保二年二月二十六日、仏門に帰せられ比叡山に上らせられ、梨本なしのもと門跡とならせられた、尊雲法親王に御在おわされたからであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
体仁早世さうせいましては、皇子みこ五四重仁しげひとこそ国しらすべきものをと、われも人も思ひをりしに、五五美福門院びふくもんゐんねたみ五六さへられて、四の宮の五七雅仁まさひとうばはれしは深きうらみにあらずや。
皇子みこぞ今御生みあれましたれ日の出くサイレンはつづくまさに大皇子おほみこ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こうなっても、廉子は自分が生みまいらせた皇子みこには未来の大きな夢をかけていた。女ごころはべつである。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日並ひなみし皇子みこみことうまめて御猟立みかりたたししとき来向きむかふ 〔巻一・四九〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
御傷おんいたわしや! 皇子みこ様の御身おんみが! ……前征夷大将軍、兵部卿様の宮様が!」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二十四の若い身ぞらで、年端もゆかぬ皇子みこ皇女ひめみこを残して世を去るのは、なんとしても辛かつたらうと思ふ。あれは妹媛いろとの菟野とはちがつて、どこか淋しいところのある気の弱い女だつた。
春泥:『白鳳』第一部 (新字旧仮名) / 神西清(著)
三とせをわたりてもなほ果つべくもあらぬを、菟道うぢきみ深くうれひ給ひて、あに久しくきて天がしたわづらはしめんやとて、七四みづから宝算よはひたせ給ふものから、罷事やんごとなくて兄の皇子みこ御位みくらゐかせ給ふ。
れましてたぐひなくす此の皇子みこの我が大皇子ぞただち日嗣の宮
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
高光る 日嗣ひつぎ皇子みこ 厩戸うまやどの ひじりおほぎみ けはし世に れましまして はらからと たのおみらが 由々しくも 惑へるなかに いかさまに 嘆きませるか かしこくも 斑鳩の里 うち日さす 宮居みやいさだめて 飛ぶ鳥の 明日香あすかのみ代ゆ あかつきの 道うちひらくと 夢殿に ひとりこもらせ 夕されば のりのきはみを
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「じつはゆうべ、野口ノ宿で、はしなく、皇子みこの宗良さまによそながらお目にかかり……」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
れましてたぐひなくす此の皇子みこの我が大皇子ぞただち日嗣の宮
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たくさんな皇子みこたちも、戦陣にうしなわせ、残る幾人いくたりかの皇子すら、北や東や西と、ちりぢりに所をへだてて、八月十六日の深夜うしこく、おん息をひきとるときの御枕べにいたのは
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あきつ神我が大君は朝に夜に通ひわたらすと皇子みこますと
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
壬申じんしんノ乱の大海人おおしあま皇子みこ軍。木曾義仲の寿永じゅえいの都入り。承久じょうきゅうらんの北条勢と朝廷がた
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あきつ神我が大君は朝に夜に通ひわたらすと皇子みこますと
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「ではついに、お望みの皇子みこ(宗良)とのご対面も、かないませぬか」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなゆし、もろもろの皇子みこたちや、その皇兄いろせや。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
西国にある皇子みこのおひとり懐良かねなが親王に、遺勅を送って——
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなゆし、もろもろの皇子みこたちや、その皇兄いろせや。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
日の皇子みこや、御鉾みほことり、かくちましぬ。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
むかし、惟喬これたか皇子みこ
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日の皇子みこや、御鉾みほことり、かくちましぬ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
皇子みこだよ」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなまばゆ、皇子みこにします。
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
あなまばゆ、皇子みこにします。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
びうつる、金星の皇子みこ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)