無数むすう)” の例文
旧字:無數
さくらみきから、校舎こうしゃまどわたしてあるつなには、無数むすうまるはたや、満洲国まんしゅうこくはたや、中華民国ちゅうかみんこくはたなどが、つるしてあった。
汽車は走る (新字新仮名) / 小川未明(著)
現在げんざい欧米おうべい出版界しゅっぱんかいには、った作品さくひん無数むすうあらわれてりますが、本邦ほんぽうでは、翻訳書ほんやくしょ以外いがいにはあまり類例るいれいがありません。
と、熊蔵が、用意ようい松明たいまつを持たせて中にすすむと、清水にぬれて海獣かいじゅうはだのようにヌルヌルした岩壁がんぺきを、無数むすう沢蟹さわがにが走りまわったのに、ハッとした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、なつうみのかなたにかたむいて無数むすうのうろこぐもうつくしく花弁はなびらのようにそらりかかったときに、げてんだものもありました。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
見れば、えりもとからびんに、霜柱しもばしらわったように、無数むすうはりゆびにさわった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
河辺かわべには、毎日まいにちいくにんということなく、無数むすう人々ひとびと両岸りょうがんならんでりをしました。そして、金色こんじきうお自分じぶんろうとおもったのでありました。
金の魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
オオ、無数むすうはり
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おとこったあとで、むすめふくろけてみますと、そのなかには、無数むすう金銀きんぎんこなはいっていて、もくらむばかりでありました。
ろうそくと貝がら (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、たちまち、無数むすうのおおかみが、どこからかれをなして、ゆきをけたってけてきました。子供こどもは、そのなかの一とうはやくもりました。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの高原こうげんにいるころ、あかつきかぜが、あたまうえそらわたり、葉末はずえつゆのしずくのしたたるとき、ほしひかりが、無数むすうにきらめいていた。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
平三へいぞうこしろしているうしろには、こんもりとしたばらのやぶがあって、しろはなのさかりでした。それには、無数むすうのみつばちがあつまっています。
赤いガラスの宮殿 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まりは、石塊いしころうえをころげたり、つちうえはしったりしました。そして、からだじゅうに無数むすうきずができていました。
あるまりの一生 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこには、するど無数むすうとげがあって、そとからのてきまもってくれるであろうし、そのやわらかな若葉わかばたまご孵化ふかして幼虫ようちゅうとなったときの食物しょくもつとなるであろうとかんがえたからでした。
冬のちょう (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこには、無数むすうしろいうさぎが、けているように、波頭なみがしらひかってえるばかりでした。
海の踊り (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、みなみそら見返みかえりながら、太陽たいようかって威嚇いかくしました。すると無数むすうのおおかみは、ひとしく太陽たいようかって、とおぼえをしたのであります。そのこえは、じつにものすごかった。
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、ちかづいてみると、無数むすうちいさなビーズを、ひざのあたり、くろ衣服いふくうえにまいて、その一つ一つにはりとおしながら、それらのあかしろあおむらさきのビーズをいとにつないでいました。
死と話した人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
はなは、たちまちのうちに、無数むすう黄色きいろんできたのをました。どのにも、またどのくさにも、まっていました。ちょうどはなびらのりかかったようにえたのです。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
最初さいしょは、それは、おじいさんのよろこばしましたのですけれど、ちょうがたくさんのたまごんでいって、あとから、あお裸虫はだかむし無数むすう孵化ふかして、やわらかなや、べることをりますと
花と人間の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまは、よるそらあおがれました。あたまうえには無数むすうほしかがやいていました。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、しだいにふけていく、初秋しょしゅうよるそらあおぎました。金色きんいろに、緑色みどりいろに、うすくくれないに、無数むすうほしかがやいています。おそらく、どの一つにも烈々れつれつとして、ほのおがっているにちがいない。
少女と老兵士 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、自然しぜんは、どこも、かしこも、人間にんげんらしつくしたので、最後さいごに、これらのしままもろうとするごとく、無数むすういわがとりかこみ、平常ふだんですら、なみたかくて近寄ちかよりがたいところとなっていました。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、雨脚あめあしが、しろぎんせん無数むすう空間くうかんいていました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
同時どうじゆきのような白鳥はくちょうが、無数むすうびたったのであります。
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)