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桔梗
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ききやう
ふりがな文庫
“
桔梗
(
ききやう
)” の例文
盂蘭盆
(
うらぼん
)
の
墓詣
(
はかまうで
)
に、
其
(
そ
)
のなき
母
(
はゝ
)
を
偲
(
しの
)
びつゝ、
涙
(
なみだ
)
ぐみたる
娘
(
むすめ
)
あり。あかの
水
(
みづ
)
の
雫
(
しづく
)
ならで、
桔梗
(
ききやう
)
に
露
(
つゆ
)
を
置添
(
おきそ
)
へつ、うき
世
(
よ
)
の
波
(
なみ
)
を
思
(
おも
)
ふならずや。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
低
(
ひく
)
くて
眉毛
(
まゆげ
)
濃
(
こ
)
く
眼
(
まなこ
)
尖
(
するど
)
く其上に左の
目尻
(
めじり
)
に
豆粒程
(
まめつぶほど
)
の大きな
黒子
(
ほくろ
)
が一つあり黒
羽二重
(
はぶたへ
)
の
衣物
(
きもの
)
にて紋は丸の中に
確
(
たしか
)
に
桔梗
(
ききやう
)
と言れてお金は横手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おつ母さん、
金盥
(
かなだらひ
)
に水をくんで来て頂戴。それから美代ちやん、二階の机の上の花瓶から
桔梗
(
ききやう
)
の花を二つぬいて来て……
萎
(
しを
)
れてないのをね。
空の悪魔(ラヂオ・ドラマ)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
古池に飛び込む
蛙
(
かはづ
)
は昔のまゝの蛙であらう。中に
玉章
(
たまづさ
)
忍ばせた
萩
(
はぎ
)
と
桔梗
(
ききやう
)
は
幾代
(
いくだい
)
たつても同じ形同じ色の萩桔梗であらう。
虫干
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
下
(
した
)
に
萩
(
はぎ
)
、
桔梗
(
ききやう
)
、
芒
(
すゝき
)
、
葛
(
くず
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
を
隙間
(
すきま
)
なく
描
(
か
)
いた
上
(
うへ
)
に、
眞丸
(
まんまる
)
な
月
(
つき
)
を
銀
(
ぎん
)
で
出
(
だ
)
して、
其横
(
そのよこ
)
の
空
(
あ
)
いた
所
(
ところ
)
へ、
野路
(
のぢ
)
や
空月
(
そらつき
)
の
中
(
なか
)
なる
女郎花
(
をみなへし
)
、
其一
(
きいち
)
と
題
(
だい
)
してある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
絵は
御簾
(
みす
)
にそれも桜で、裏に蝶が二つ白抜きで附いて居ました。それには桃色の縁がとられてました。
桔梗
(
ききやう
)
の花の扇は大阪の誰かから貰つた物でした。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
と
路
(
みち
)
ばたに
咲
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
龍膽
(
りんだう
)
の
花
(
はな
)
が
父
(
とう
)
さんに
聲
(
こゑ
)
を
掛
(
か
)
けて
呉
(
く
)
れました。
龍膽
(
りんだう
)
は
桔梗
(
ききやう
)
に
似
(
に
)
た
小
(
ちい
)
さな
草花
(
くさばな
)
で、よく
山道
(
やまみち
)
なぞに
咲
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
かけるものです。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
路、山に入つて、萩、
女郎花
(
をみなへし
)
、
地楡
(
われもかう
)
、
桔梗
(
ききやう
)
、
苅萱
(
かるかや
)
、今を盛りの滿山の秋を踏み分けて上る。車夫が折つてくれた色濃い桔梗の一枝を鶴子は握つて負られて行く。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
闌秋
(
らんしう
)
に
化性
(
けしやう
)
したる如き
桔梗
(
ききやう
)
、
蜻蛉
(
とんぼ
)
の眼球の如き
野葡萄
(
のぶだう
)
の実、これらを束ねて地に引き
据
(
す
)
ゑたる間より、
樅
(
もみ
)
の木のひよろりと
一際
(
ひときは
)
高く、色波の旋律を指揮する童子の如くに立てるが
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
それから
二人
(
ふたり
)
で
庫裡
(
くり
)
へ行つて、住職の坊さんに
宝物
(
はうもつ
)
を見せて貰つた。その中に一つ、銀の
桔梗
(
ききやう
)
と
金
(
きん
)
の
薄
(
すすき
)
とが入り乱れた上に美しい
手蹟
(
しゆせき
)
で歌を書いた、八寸四方
位
(
くらゐ
)
の小さな
軸
(
ぢく
)
がある。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
空もいつかすつかり
霽
(
は
)
れて、
桔梗
(
ききやう
)
いろの天球には、いちめんの星座がまたたきました。
水仙月の四日
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
春は壺菫に秋は
桔梗
(
ききやう
)
女郎花
(
をみなへし
)
、其草原は四季の花に富んでゐるので、私共はよく遊びに行つたものだが、其頃は、一面に萱草の花の盛り、殊にも水車小屋の
四周
(
まはり
)
には沢山咲いてゐた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
野
(
の
)
は
桔梗
(
ききやう
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
のさきみだれた
美
(
うつく
)
しい
世界
(
せかい
)
です。その
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
つぱのかげで
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
書棚の上のベルギイ・グラスの
花立
(
はなだて
)
に
挿
(
さ
)
した
桔梗
(
ききやう
)
の花の
幾
(
いく
)
つかのしほれかかつてゐたのが今でもはつきり眼の前に浮んでくるが、その時こそ、私は
處女作
(
しよぢよさく
)
「修道院の秋」の最後の一行を書き終つて
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
将門の子は
良兌
(
よしなほ
)
、将国、景遠、千世丸等があり、又十二人の実子があつたなどと云ふ事も見えるから、
桔梗
(
ききやう
)
の前の物語こそは、薬品の桔梗の上品が相馬から出たに本づく戯曲家の作意ではあらうが
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
まつむし草
桔梗
(
ききやう
)
ぎぼうしゆ をみなへしと
優しき歌 Ⅰ・Ⅱ
(新字旧仮名)
/
立原道造
(著)
庭
(
には
)
はさながら
花野
(
はなの
)
也
(
なり
)
。
桔梗
(
ききやう
)
、
刈萱
(
かるかや
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
、
我亦紅
(
われもこう
)
、
瑠璃
(
るり
)
に
咲
(
さ
)
ける
朝顏
(
あさがほ
)
も、
弱竹
(
なよたけ
)
のまゝ
漕惱
(
こぎなや
)
めば、
紫
(
むらさき
)
と、
黄
(
き
)
と、
薄藍
(
うすあゐ
)
と、
浮
(
う
)
きまどひ、
沈
(
しづ
)
み
靡
(
なび
)
く。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引開
(
ひきあけ
)
て直しける
雪踏
(
せつた
)
の
鼻緒
(
はなを
)
の
最
(
いと
)
太
(
ふと
)
き心を隱す元益が出てしづ/\進み入に店の者等は之を見れば
年
(
とし
)
未
(
ま
)
だ
三十路
(
みそぢ
)
に
足
(
たら
)
ざれど
人品
(
じんぴん
)
骨柄
(
こつがら
)
賤
(
いや
)
しからず
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
に丸の中に
桔梗
(
ききやう
)
の
紋
(
もん
)
附
(
つき
)
たる
羽織
(
はおり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あの
桔梗
(
ききやう
)
……。
桔梗の別れ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
丈
(
たけ
)
より
高
(
たか
)
い一
面
(
めん
)
の
雑草
(
ざつさう
)
の
中
(
なか
)
に、
三本
(
みもと
)
、
五本
(
いつもと
)
また
七本
(
なゝもと
)
、
淡
(
あは
)
い
紫
(
むらさき
)
の
露
(
つゆ
)
の
流
(
なが
)
るゝばかり、
且
(
かつ
)
飛
(
と
)
ぶ
処
(
ところ
)
に、
茎
(
くき
)
の
高
(
たか
)
い
見事
(
みごと
)
な
桔梗
(
ききやう
)
が、——まことに、
桔梗色
(
ききやういろ
)
に
咲
(
さ
)
いたのであつた。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
り店へ來りてお光さんに
癲癇
(
てんかん
)
があると言たる
醫師
(
いしや
)
は
年齡
(
としごろ
)
云々
(
しか/″\
)
にて又
面體
(
めんてい
)
は
箇樣々々
(
かやう/\
)
然も
羽織
(
はおり
)
には
丸
(
まる
)
の中に
桔梗
(
ききやう
)
の
紋
(
もん
)
が
附
(
つい
)
てゐたと申に因て日頃より見知る山田元益に
面體
(
めんてい
)
恰好
(
かつかう
)
計
(
ばかり
)
でなく
羽織
(
はおり
)
の
紋
(
もん
)
も相違なければ確に夫とお光さんに話しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
植
(
う
)
ゑ
添
(
そ
)
へたのが
何時
(
いつ
)
か
伸
(
の
)
びて、
丁度
(
ちやうど
)
咲出
(
さきで
)
た
桔梗
(
ききやう
)
の
花
(
はな
)
が、
浴衣
(
ゆかた
)
の
袖
(
そで
)
を
左右
(
さいう
)
に
分
(
わか
)
れて、すらりと
映
(
うつ
)
つて二三
輪
(
りん
)
、
色
(
いろ
)
にも
出
(
で
)
れば
影
(
かげ
)
をも
宿
(
やど
)
して、
雪洞
(
ぼんぼり
)
の
動
(
うご
)
くまゝ、
靜
(
しづ
)
かな
庭下駄
(
にはげた
)
に
靡
(
なび
)
いて
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
露草
(
つゆくさ
)
は
今
(
いま
)
盛
(
さか
)
りです……
桔梗
(
ききやう
)
も
澤山
(
たくさん
)
に
殖
(
ふ
)
えました……
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
前刻
(
さつき
)
の
今
(
いま
)
で、
桔梗
(
ききやう
)
は
星
(
ほし
)
の
紫
(
むらさき
)
の
由縁
(
ゆかり
)
であらう。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“桔梗”の意味
《名詞》
襲の色目の一種。表は二藍、裏は青。
紋所の名。語義1の葉と花を象る。
(出典:Wiktionary)
“桔梗(キキョウ)”の解説
キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)は、キキョウ科の多年生草本植物。山野の日当たりの良い所に育つ。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布する。
(出典:Wikipedia)
桔
漢検準1級
部首:⽊
10画
梗
常用漢字
中学
部首:⽊
11画
“桔梗”で始まる語句
桔梗色
桔梗屋
桔梗旗
桔梗ヶ池
桔梗門
桔梗菱
桔梗笠
桔梗散
桔梗染
桔梗根