成績せいせき)” の例文
「ああ、それでそういうのですか。かんがえてごらんなさい、平常ふだんあそんでばかりいて、いい成績せいせきのとれるはずがないでありませんか。」
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
ノッポは光吉こうきちのあだ名だった。かれは成績せいせきも級一番だが、体格たいかくもだんぜんずばぬけていた。ちびの内藤ないとうなぞは、かれのかたくらいしかない。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
これと同時どうじにその論議ろんぎ具體化ぐたいくわした建築物けんちくぶつ實現じつげんさらのぞましいことである。假令たとひその成績せいせき多少たせう缺點けつてんみとめられてもそれ問題もんだいでない。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
如何に一切を天道様に預けて、時計に用がない百姓でも、時には斯様こんなはき/\した成績せいせきを見なければ、だらけてしまう。夏は自然の「ヤンキーズム」だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
朝は五へんも六ぺんもおこされる。学校の成績せいせきがわるいのもあたりまえのことだ。十五になったら十六になったらと思ってみてれば、年をとるほどわるくなる。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
ボートはぐ、水練すゐれんる、自転車で乗廻のりまはす、うまる、学科には平生へいぜい苦心くしんせんのであつたが、く出来ました、試験しけん成績せいせき相応さうおうよろしかつた、わたしと来ると
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それは、短歌たんかうへ成績せいせきによつてゞありますが、人麿ひとまろきてゐた時分じぶんあるひはそのひさしく人麿ひとまろ評判ひようばんたかかつたのは、この長歌ちようかつくちから非常ひじようにあつたてんでありました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼女かのぢよ長男ちやうなんつとむゆめのやうに成人せいじんした。小學時代せうがくじだいから學業がくげふ品行ひんかうとも優等いうとう成績せいせきで、今年ことし中學ちうがくへると、すぐに地方ちはう專問學校せんもんがくかう入學試驗にふがくしけんけるためにつたのである。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
実際じっさい、林太郎は学校の成績せいせきがよく、いままでに三番とさがったことはなかったのです。ただ、頭が重いため、運動がへたで、ことにかけっくらになると、いつもびりっかすでした。
あたまでっかち (新字新仮名) / 下村千秋(著)
学校の成績せいせきも私より南さんの方が確かにかつたと思つて居ます。南さんは私によく
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
丁度一学期がっき試験しけんんでその採点さいてんおわりあとは三十一日に成績せいせき発表はっぴょうして通信簿つうしんぼわたすだけ、わたくしのほうからえばまあそうです、農場のうじょう仕事しごとだってその日の午前でむぎ運搬うんぱんも終り
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
過去くわこ箇月かげつかん國民こくみんが一協力けふりよくして國民經濟こくみんけいざい立直たてなほし努力どりよくして、從來じうらいることの出來できなかつた成績せいせきげたことから推論すゐろんすれば、かならずや日本國にほんこく經濟けいざい基礎きそ打立うちたてゝ、國民こくみん繁榮はんえい
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
吾輩より少し大きなちんが顔の中心に眼と口を引き集めたようなかおをして付いて行く。吾輩は例の忍び足で再び勝手から往来へ出て、急いで主人の家に帰る。探険はまず十二分の成績せいせきである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いふまでもなく先生はわたしの三田文科ぶんくわ生時だいからの先生であるが、球突たまつきでは始終ししう喧嘩けんくわあひ手で、銀座裏ぎんざうらの日勝亭せうてい勝負せうふあらそつて、その成績せいせきで風月どう洋食ようしよくのおごりつこをしたなどもしばしばである。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
喧嘩好けんくわずきの少年せうねん、おまけに何時いつくらすの一ばんめてて、試驗しけんときかならず最優等さいゝうとう成績せいせきところから教員けうゐん自分じぶん高慢かうまんしやくさはり、生徒せいと自分じぶん壓制あつせいしやくさはり、自分じぶんにはどうしても人氣にんきうすい。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
学校がっこうにいるうちは、成績せいせきはいいほうでありましたけれど、やはりともだちをいじめたり、先生せんせいのいうことをきかなかったりして先生せんせいこまらしました。
海へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
も少しはるとつたやうな多芸たげい才子さいしで、学課がくくわ中以上ちういじやう成績せいせきであつたのは、校中かうちう評判ひやうばんの少年でした、わたしは十四五の時分じぶんはなか/\のあばれ者で、課業くわげふの時間をげては運動場うんどうばへ出て
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
度重たびかさなれば、次第しだいに馴れて、肩の痛みも痛いながらに固まり、肩腰に多少ちから出来でき、調子がとれてあまり水をこぼさぬ様になる。今日きょうは八分だ、今日は九分だ、と成績せいせきの進むが一のたのしみになる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「君が来てくれてから、前任者の時代よりも成績せいせきがよくあがって、校長も大いにいい人を得たと喜んでいるので——どうか学校でも信頼しんらいしているのだから、そのつもりで勉強していただきたい」
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
別府べっぷさんがそういうのもむりはなかった。きょうの星野ほしのは、投手としてはかなりできがよかったけれども、打者としては、ふるわなかった。投手ゴロひとつ、三しんひとつ、という不景気ふけいき成績せいせきだ。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
「じゃあ、りょう一つしかなく、あとみんなゆうなのね。」と、おつは、その成績せいせきの、あまりいいのに、おどろいたようでした。
ひとをたのまず (新字新仮名) / 小川未明(著)
吉雄よしおは、学校がっこう成績せいせきがよかったなら、おやたちは、どんなにしても、中学校ちゅうがっこうれてやろうとおもっていましたが、それは、あきらめなければなりませんでした。
子供はばかでなかった (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなにほしいのなら、ってあげます。そのかわり、いい成績せいせき卒業そつぎょうなさいね。」と、おねえさんは、まちへいって、正二しょうじくんに、学生向がくせいむきの腕時計うでどけいってくださいました。
正二くんの時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
長吉ちょうきち学校がっこう課目かもくうちで、いちばん算術さんじゅつ成績せいせきわるかったので、この時間じかんにはよく先生せんせいからしかられました。先生せんせいというのはもう四十五、六の、あたまのはげかかったせいひくひとでありました。
残された日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうちゃんは、自分じぶんでも、あまりいい成績せいせきとはおもわれなかったので、いくつこうがあるかなあとかんがえていました。先生せんせいが、通信箋つうしんせんをおわたしなさると、むねをどきどきさせながらひらいてみました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
だから、自分じぶんでは熱心ねっしんにかいたつもりでも、めいめいのものとくらべて、よいわるいをきめられるので、いつも、ほめられるのは、ごろ成績せいせきがいいとされているものにかぎっていました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみは、成績せいせきが、よかった?」と、おつが、こうかって、ききました。
ひとをたのまず (新字新仮名) / 小川未明(著)