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懷中
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くわいちう
ふりがな文庫
“
懷中
(
くわいちう
)” の例文
新字:
懐中
勿論
(
もちろん
)
留守
(
るす
)
を
狙
(
ねら
)
つて
泳
(
およ
)
ぎ
出
(
だ
)
したのであつたが——
揃
(
そろ
)
つて
紫星堂
(
しせいだう
)
(
塾
(
じゆく
)
)を
出
(
で
)
たと
聞
(
き
)
いて、その
時々
(
とき/″\
)
の
弟子
(
でし
)
の
懷中
(
くわいちう
)
は
見透
(
みとほ
)
しによく
分
(
わか
)
る。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
聞き汝が見たる八十兩は是なるやと
懷中
(
くわいちう
)
より取出して見せければ如何にも是にて候と云に彼の男喜八の
體
(
てい
)
を見て其方其如く
慄
(
ふる
)
へては此金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「まだございます、——菊次郎樣は、五百兩の大金を持出したことは判つて居りますが、舟にも、橋場近い川底にも、兩國近くにも、菊次郎樣の
懷中
(
くわいちう
)
にもなかつたさうでございます」
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
塗付
(
ぬりつけ
)
んとするならんイヤ
不屆
(
ふとゞき
)
なる女めと
眼付
(
ねめつけ
)
るにお專は少しも
騷
(
さわ
)
がず彌々爭ひ給はゞ外に見せる
物
(
もの
)
ありと
懷中
(
くわいちう
)
より一通の文を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
師走
(
しはす
)
の
算段
(
さんだん
)
に
驅
(
か
)
け
𢌞
(
まは
)
つて
五味坂
(
ごみざか
)
で
投出
(
なげだ
)
された、
此
(
こ
)
の
時
(
とき
)
は、
懷中
(
くわいちう
)
げつそりと
寒
(
さむ
)
うして、
心
(
しん
)
、
虚
(
きよ
)
なるが
故
(
ゆゑ
)
に、
路端
(
みちばた
)
の
石
(
いし
)
に
打撞
(
ぶつ
)
かつて
足
(
あし
)
の
指
(
ゆび
)
に
怪我
(
けが
)
をした。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
したりけん
懷中
(
くわいちう
)
より
書付
(
かきつけ
)
一通取出し扨此書付は久八殿が
拙者
(
せつしや
)
の
引負
(
ひきおひ
)
引受
(
ひきうけ
)
て呉られし後日の
證據
(
しようこ
)
に渡し
置
(
おく
)
と
言
(
い
)
ひながら兩人の前にさし置きける其文は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此
(
こ
)
の
勢
(
いきほひ
)
に
乘
(
の
)
つて、
私
(
わたし
)
は
夢中
(
むちう
)
で
駈上
(
かけあが
)
つて、
懷中電燈
(
くわいちうでんとう
)
の
燈
(
あかり
)
を
借
(
か
)
りて、
戸袋
(
とぶくろ
)
の
棚
(
たな
)
から、
觀世音
(
くわんぜおん
)
の
塑像
(
そざう
)
を
一體
(
いつたい
)
、
懷中
(
くわいちう
)
し、
机
(
つくゑ
)
の
下
(
した
)
を、
壁土
(
かべつち
)
の
中
(
なか
)
を
探
(
さぐ
)
つて、なき
父
(
ちゝ
)
が
彫
(
ほ
)
つてくれた
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風流自喜偶歩
(
ふうりうおのづからぐうほをよろこぶ
)
、と
云
(
い
)
ふので、
一六
(
いちろく
)
が
釜日
(
かまび
)
でえす、とそゝり
出
(
で
)
る。
懷中
(
くわいちう
)
には
唐詩選
(
たうしせん
)
を
持參
(
ぢさん
)
の
見當
(
けんたう
)
。
世間
(
せけん
)
では、あれは
次男坊
(
じなんばう
)
と、
敬
(
けい
)
して
遠
(
とほ
)
ざかつて、
御次男
(
ごじなん
)
とさへ
云
(
い
)
ふくらゐ。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
竹屋
(
たけや
)
の
藤
(
ふぢ
)
は
時節
(
じせつ
)
にあらず、
金格子
(
きんがうし
)
の
東海樓
(
とうかいろう
)
は
通
(
とほ
)
つた
道
(
みち
)
の
青樓
(
おちやや
)
さの、
處
(
ところ
)
で
今日
(
けふ
)
の
腹工合
(
はらぐあひ
)
と、
懷中
(
くわいちう
)
の
都合
(
つがふ
)
に
因
(
よ
)
つて、
天利
(
てんり
)
といふので
午餉
(
ひる
)
にしよう、
其
(
ま
)
づ
其
(
そ
)
の
城
(
しろ
)
を
見
(
み
)
て
梅
(
うめ
)
とやれ
城の石垣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
樣子
(
やうす
)
が
何
(
ど
)
うも、ふびんや、
餘
(
あま
)
り
小遣
(
こづかひ
)
がなかつたらしい。
尤
(
もつと
)
も
地
(
ぢ
)
もの
張
(
はり
)
と
俗
(
ぞく
)
に
號
(
がう
)
する
徒
(
てあひ
)
は、
懷中
(
くわいちう
)
の
如何
(
いかん
)
に
係
(
かゝ
)
はらず、
恁
(
か
)
うしたさもしい
料簡
(
れうけん
)
と、
昔
(
むかし
)
から
相場
(
さうば
)
づけに
極
(
き
)
めてある。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
幾干
(
いくら
)
か
小遣
(
こづかひ
)
があると
見
(
み
)
えて、
時々
(
とき/″\
)
前垂
(
まへだれ
)
の
隙間
(
すきま
)
から、
懷中
(
くわいちう
)
を
覗込
(
のぞきこ
)
んで、ニヤリと
遣
(
や
)
る。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さて
銀側
(
ぎんがは
)
の
懷中
(
くわいちう
)
時計
(
どけい
)
は、
散策
(
さんさく
)
の
際
(
さい
)
も
身
(
み
)
を
放
(
はな
)
さず、
件
(
くだん
)
の
帶
(
おび
)
に
卷着
(
まきつ
)
けてあるのだから、
時
(
とき
)
は
自分
(
じぶん
)
にも
明
(
あきら
)
かであらう、
前
(
さき
)
に
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
前
(
まへ
)
を
通
(
とほ
)
つたのが
六時
(
ろくじ
)
三十分
(
さんじつぷん
)
で、
歸
(
かへ
)
り
途
(
みち
)
に
通懸
(
とほりかゝ
)
つたのが
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
まゝよ、
一分
(
いつぷん
)
でも
乘後
(
のりおく
)
れたら
停車場
(
ステエシヨン
)
から
引返
(
ひきかへ
)
さう、それが
可
(
い
)
い、と
目指
(
めざ
)
す
大阪
(
おほさか
)
を
敵
(
かたき
)
に
取
(
と
)
つて、
何
(
ど
)
うも
恁
(
か
)
うはじめから
豫定
(
よてい
)
の
退却
(
たいきやく
)
を
畫策
(
くわくさく
)
すると
云
(
い
)
ふのは、
案
(
あん
)
ずるに
懷中
(
くわいちう
)
のためではない。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、
各々
(
おの/\
)
その
懷中
(
くわいちう
)
に
對
(
たい
)
して、
憤懣
(
ふんまん
)
不平
(
ふへい
)
勃々
(
ぼつ/\
)
たるものがある。
從
(
したが
)
つて
氣焔
(
きえん
)
が
夥
(
おびたゞ
)
しい。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
抵抗
(
てむかひ
)
も
成
(
な
)
らず
裸
(
はだか
)
にされて、
懷中
(
くわいちう
)
ものまで
剥取
(
はぎと
)
られた
上
(
うへ
)
、
親船
(
おやぶね
)
、
端舟
(
はしけ
)
も、
斧
(
をの
)
で、ばら/\に
摧
(
くだ
)
かれて、
帆綱
(
ほづな
)
、
帆柱
(
ほばしら
)
、
離
(
はな
)
れた
釘
(
くぎ
)
は、
可忌
(
いまはし
)
い
禁厭
(
まじなひ
)
、
可恐
(
おそろし
)
い
呪詛
(
のろひ
)
の
用
(
よう
)
に、
皆
(
みんな
)
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つたんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
最
(
も
)
う
恁
(
か
)
う
成
(
な
)
れば
度胸
(
どきよう
)
を
据
(
す
)
ゑて、
洒落
(
しや
)
れて
乘
(
の
)
る。……
室
(
しつ
)
はいづれも、
舞臺
(
ぶたい
)
のない、
大入
(
おほいり
)
の
劇場
(
げきぢやう
)
ぐらゐに
籠
(
こ
)
んで
居
(
ゐ
)
たが、
幸
(
さいは
)
ひに、
喜多八
(
きたはち
)
懷中
(
くわいちう
)
も
輕
(
かる
)
ければ、
身
(
み
)
も
輕
(
かる
)
い。
荷物
(
にもつ
)
はなし、お
剩
(
まけ
)
に
洋杖
(
ステツキ
)
が
細
(
ほそ
)
い。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
懷
部首:⼼
19画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“懷中”で始まる語句
懷中物
懷中電燈
懷中鏡
懷中時計
懷中紙
懷中提灯