商人しょうにん)” の例文
いまどき、めずらしいきゃくである。こんな冬の季節きせつに、しかもこんなへんぴな土地に、たび商人しょうにんだってめったにきたことはないのだ。
ちょうどそのとき、中津なかつからくろがね惣兵衛そうべえという商人しょうにん長崎ながさきにきていて、用事ようじがすんだので、中津なかつへかえることになっていました。
そして、にぎやかなまちなかあるいて、それを貴族きぞくったり、金持かねもちに莫大ばくだいかねりつけたり、また商人しょうにんゆずったりしたのであります。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「たしかにさようとぞんぜられます。今朝けさヒームキャのこうぎしでご説法せっぽうのをハムラの二人の商人しょうにんおがんでまいったともうします」
四又の百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
やみでもてえげええるだろうが、おいらァ堅気かたぎ商人しょうにんで、四かくおびを、うしろでむすんでわけじゃねえんだ。面目めんぼくねえが五一三分六ごいちさぶろくのやくざものだ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
むかし昔、ある所に、お金持の商人しょうにんがいて、三人のむすこと三人のむすめと、つごう六人のこどもをもっていました。
山壁やまかべの下の農場のうじょうに住む百姓ひゃくしょうや、海からニシンをとってくる漁師りょうしや、ボルイホルムに住んでいる商人しょうにんや、夏になると、まいとしやってくる海水浴かいすいよくの客や
その品物をすっかり船につみおえたところで、忠義者ちゅうぎもののヨハネスは商人しょうにんの身なりをしました。王さまも、身分みぶんを知られないようにするため、おなじ身なりをしました。
そうして各人かくじん正当せいとうおわりであるとするなれば、なんため人々ひとびと邪魔じゃまをするのか。かりにある商人しょうにんとか、ある官吏かんりとかが、五ねんねん余計よけい生延いきのびたとしてところで、それがなんになるか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
御殿があんまり美しいのと、アラジンがお金持らしいのに腹が立って、いきがとまってしまうほどでした。そこで、まほう使は商人しょうにんにばけました。そして、たくさんのどうで作ったランプを持って
一、二ねんのちには、天才てんさいは、まったくみにじられて、あとかたもなく、如才じょさいのない、きざな一商人しょうにんができあがるでありましょう。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おうさまや、ぼうさんや、貴族きぞくや、商人しょうにんなどがてるものは、ごくわずかの年月としつきしか、つづかないものだと思います。
回米方かいまいかたというのは、このくらやしきにおくりこまれてきたこめはりのばんをしたり、商人しょうにんったりする仕事しごとで、ずいぶん、せきにんのおもい役目やくめでした。
さわぎはだんだん大きくなって、下宿げしゅく人間にんげんはひとりのこらず、そのうえ出入でいりの商人しょうにんたちまでがぼくの部屋へやにはいりこんで、実験じっけん機械きかい薬品やくひんをいじりはじめたんだ
いよいよ、いちばんおしまいのしなを見おわったとき、王女は商人しょうにんにおれいをいって、かえろうとしました。ところが、ふなべりへでてみますと、なんということでしょう。
「みんな、ああして修行しゅぎょうをして、おおきくなって、いい商人しょうにんになるのですよ。」と、おかあさんは、いって、しばらくかんがえていらっしゃいました。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分じぶんくにでとれるこめや、名産めいさん特産とくさん品々しなじなを、このくらやしきにおくってきて、それを大阪おおさか商人しょうにんりわたして、自分じぶんくに財政ざいせいをまかなうことになっていました。
見ていますと、商人しょうにんたちは店のすみっこに走っていっては、いちばんいい品物を持ってきて、それを台の上にならべながら、むちゅうになって手をふっているのです。
わたしは商人しょうにんではなく、じつは、王なのです。あなたにおとらぬ生まれのものです。あなたを、はかりごとでつれだしたのも、あなたをおしたいするあまりにやったことなのです。
なにも、学校がっこうへいったら、みんながえらくなるというのでない。りっぱな商人しょうにんには、小僧こぞうからがるものがおおいのだよ。
子供はばかでなかった (新字新仮名) / 小川未明(著)
真吉しんきちは、おおきくなってから、りっぱな商人しょうにんになりました。そして、おかあさんによく孝行こうこうをつくしたということであります。
真吉とお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
とおくにから、わざわざふねって、ひすいをたかりに、ひともうけしようとわらってやってくる商人しょうにんもありました。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
だから、不正直ふしょうじき商人しょうにんになると、そこをつけこんで、いいしなでもわるいといって、やすい、わるいしなでもいいといって、たかったりして、もうけるものです。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ふねみなとくと、はやく、その商人しょうにんから、このあおいしおうとおもって見張みはっているひとまでありました。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、小学校しょうがっこう卒業そつぎょうすると、すぐ都会とかい呉服屋ごふくや奉公ほうこうされました。それから、もう何年なんねんたったでしょう。かれは、勉強べんきょうして、すえにはいい商人しょうにんになろうとおもっているのでした。
隣村の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なぜなら、すこしでもやすいとるのが、ふつう商人しょうにんのすることであるのに、なぜこのひとばかりは、しょうじきにほめるのか、これを、どう理解りかいしていいか、まよったのです。
ひすいの玉 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、かどのところに、さまざまの草花くさばなを、みちうえにひろげている商人しょうにんました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもらばかりでなく、この街道かいどうとおって、あちらのほうたびをする商人しょうにんなどまでが、松並木まつなみきこしろして、たばこをすったり、おじいさんからあめをって、それをべながら
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
宝石商ほうせきしょうは、ほんとうにびっくりしました。自分じぶんが、なにもらない商人しょうにんをだまして、いろいろめずらしい宝石ほうせきれたものですから、こころなかではあまりいい気持きもちがしなかったのです。
宝石商 (新字新仮名) / 小川未明(著)
毎日まいにちのように、勝手かってもとへごようきにくる、出入でいりの商人しょうにん暑中伺しょちゅううかがいにってきたのであって、だれがいたのかしれないが、わかおんなひとが、晩方ばんがたまちあるいているいてありました。
遠方の母 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんどはほしが、先刻さっきから、感心かんしんして、うたいている、商人しょうにんふうのおとこ
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
これは、商人しょうにん場合ばあいですが、こんなはなしがあります。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
くろ百合ゆりです。」と、商人しょうにんこたえました。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)