“勿論:もちろん” の例文
“勿論:もちろん”を含む作品の著者(上位)作品数
芥川竜之介70
泉鏡花27
中里介山19
森鴎外19
海野十三17
“勿論:もちろん”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語8.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)3.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆2.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
=Xは縄のもっとも低い部分の受ける力とします。Wは勿論もちろん女の体重と御承知下さい。どうです御分りになりましたか
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人の心の転機は、ほかの人には勿論もちろんわからないし、また、その御本人にも、はっきりわかっていないものではなかろうか。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「が、そなたが江戸へ行くことは、伯父上は勿論もちろんのこと、ここの先生も、またそなたの御実家もみな不同意でござろうな」
作家 そんな物をせるのは愚ぢやありませんか? 読者に気の毒なのは勿論もちろんですが、雑誌の為にも損になるでせう。
売文問答 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勿論もちろんくちにはささ落葉おちばが、一ぱいにつまつてゐますから、こゑすこしもきこえません。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
爾薩待「勿論もちろんさ。植物病院さ。いまはもう外国ならどこの町だって植物病院はあるさ。ここではぼくがはじめだけれど。」
植物医師:郷土喜劇 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
勿論もちろんこの問題もんだい專門家せんもんかよつ飽迄あくまで研究けんきうされねばならぬのであるが。
建築の本義 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
兵士へいし勿論もちろんこれをすためには緑門アーチ形造かたちづくつてることをめねばなりませんでした
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
勿論もちろん叱言こゞとつたつて、かへるはうではお約束やくそくの(つらみづ)だらうけれど
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もっともあくまで分析的に調べたら、勿論もちろん点の大小や濃淡、それにわずかなその配置の差などがあるにはちがいない。
南画を描く話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
勿論もちろん概念的には色の思想があったに違いありませんが、夢の中ではほとんど絶対に色に対する感覚が無かったのです。
じつまたじつかれかせぎにかせぎ、百姓ひやくしやう勿論もちろんすみやけ
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しかるに内地は諸侯は勿論もちろん国民の議論は、外国と条約を結ぶことは国をあやうくする、そうしてこれに反抗する。
これは勿論もちろん、彼が富裕の家に育ったからでもありますが、同時に友人たちに対する親愛の心の深かったのによるのでした。
ラヴォアジエ (新字新仮名) / 石原純(著)
勿論もちろんそのはずだろうさ。」と種彦は無造作にいい捨てて銀の長煙管ながぎせるで軽く灰吹はいふきたたいた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
僕は勿論もちろんこの芝居に、——或はこの芝居のかげになった、存外深いらしい彼等の敵意に好奇心を感ぜずにはいられなかった。
湖南の扇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自分だって、それは勿論もちろん、大いにものを食べますが、しかし、空腹感から、ものを食べた記憶は、ほとんどありません。
人間失格 (新字新仮名) / 太宰治(著)
正面しやうめん黒板こくばん白墨チヨオクにして、何事なにごとをかしるすのです、——勿論もちろん
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
後に訂正して、明治二十九年九月の歌舞伎新報に掲載されたが、勿論もちろん、どこの劇場でも採用されるはずはなかった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この少年せうねん數學すうがく勿論もちろん其他そのた學力がくりよく全校ぜんかう生徒中せいとちゆう
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
けれども始めに言う通り、詩は本来感情の文学である故に、言語のスピリットたる音律なしには勿論もちろん真の表現は有り得ない。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
空と艸木くさきとのうつつた池の水面が、ほとんどうまる位な蛙だから、賛成の声も勿論もちろん大したものである。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勿論もちろん、見も知らぬ少女ではあったが、この華やかな周囲の中にあっても、彼女は、すぐ気づく程きわだって美しかった。
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
勿論もちろん田舎ゐなかには苅入かりいれときよくいねはいると、それからわづらう
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勿論もちろん第一条件だけでも拒絶されるよりもよいが、第二条件もなるべく考え直して承諾してもらいたい——そんな文面だった。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それに、先妻の子が男女取り交ぜて、四人もあったのですから、祖母の結婚生活が幸福でなかったのは勿論もちろんであります。
ある恋の話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
勿論もちろん今日こんにちではその仕掛に多少の改良は加えられたが、天然の地形はいまだ畚渡しの全廃を許さぬ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
勿論もちろん』と海龜うみがめつて、『二すゝんで、相手あひて打棄放うつちやりぱなしにする——』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
某飛行場に近い畑の中に、一台の軍用機がふわりふわりと降りて来た。勿論もちろんプロペラーの回転を落した空中滑走である。
人のいない飛行機 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
冬の寒い時に脂肪分しぼうぶんの食物が必要な事は勿論もちろんですが夏の暑い時でも脂肪分が不足すると色々な病気を起します。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
勿論もちろんそれには研究けんきゆう行屆ゆきとゞいてゐるのと、さうでないとの關係かんけいくははつてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
したがって是が正常の婚姻の導きになったことは勿論もちろんであろうが、風儀は必ずしもこれにって乱れはしなかった。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そうして勿論もちろん支那シナからの輸入であるが、この語この文字をあてはめた内容は、輸入以前からあったものと考えられる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
水晶の結晶のような六角の柱などは勿論もちろんのこと、北極探検の際初めて発見されたというピラミッド型のものも再三見られた。
雪を作る話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
富者は多けれども神をおそるるの信仰なきは勿論もちろん、わが生みし子をすら治め得ざるもの比々ひひ皆しかりである。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
そん軍曹が、皿の料理をむさぼり食う弟から聞いた鉱山の噂では、勿論もちろん、そうした組織だったことは分らなかった。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
彼は彼の母に孝行した、勿論もちろん愛撫あいぶ接吻せっぷんが未亡人だった彼の母を性的に慰めるのを承知しながら。
侏儒の言葉 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
こんな場合は勿論もちろん他の地区の方が良かったが、然し警察は案外私が他の地区に逃げこんだと思っているかも知れない。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
お前が今まで、宗教や、倫理や、哲学や、文芸などから提供せられた想像で測れば、勿論もちろん不完全だということが出来るだろう。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
京阪は勿論もちろん、地方でも有力の新聞社はみな従軍願いを出していますが、地方の小さい新聞社では従軍記者を出さないのがある。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
従つて彼の借りてゐた家には二階の戸棚の中は勿論もちろん、柱や鴨居かもゐに打つた釘にも瓢箪が幾つもぶら下つてゐた。
仙人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
主人の道庵先生は、こんなにして働いているのだから、先に返した駕籠に乗って帰った人が先生でないことは勿論もちろんであります。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
肉体が食物の補給を必要とするは勿論もちろんなれど、ただそれが完全に消化した上でなければ、交霊実験を試みてはならぬ。
これは勿論もちろんわたくしにも、幾分いくぶんながら同情どうじやうくにるものには相違さうゐなかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
朝、戸外に出れば、ひげの凍るのは勿論もちろんであるが、時によると、上下睫毛まつげの凍著を覚えることすらある。
諏訪湖畔冬の生活 (新字旧仮名) / 島木赤彦(著)
勿論もちろん、そのおとうさんも、二十時代はたちじだいには、右同斷みぎどうだんだつたのはふまでもない。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
顔立も勿論もちろんだけれども、第一に手足のきれいな人がほしいと云う注文なので、お宅のお嬢様なら打ってつけだと思うのであるが
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この犬は非常に賢い犬で、私の年来の友達であるが、私の妻などは勿論もちろん大多数の人間などよりよほど賢い、と私は信じている。
若し、ここで私をひどく驚かした者が無かったなら、私はそこで丁字路の角だったことなどには、勿論もちろん気がつかなかっただろう。
淫売婦 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
私と主人はこういう情愛に関係する話はお互いの間は勿論もちろん、現代の出来事を話題としても決して話したことはない。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
勿論もちろん、その討伐軍は大垣、筑紫の両藩十万人を先鋒にして、錦旗にこの世の春を誇り乍ら、すでにもう江戸を進発しているのだ。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
勿論もちろん、彼には、アメリカへ返すイギリスの戦債が、前からシンガポールのすずと護謨との上で呼吸していたのは分っていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
水蒸気を供給するための水槽の温度も勿論もちろん恒温装置を用いて一度の十分の一以内の精密度で一定に保つようにした。
雪雑記 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
一応、橘はこう口に出していったものの、勿論もちろん、ここまで今になれば来なければならない二人であることを知った。
姫たちばな (新字新仮名) / 室生犀星(著)
姉の夫より年上でもとは云ったようなものの、勿論もちろんそうでなくて済めばその方が体裁がよく、それに越したことはないのである。
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
……主人の気まぐれを、気にして喜んだり、うらんだりする事になりますと、あの夜、家にいた五人の人は勿論もちろん
(新字新仮名) / 楠田匡介(著)
種彦はわが身の上は勿論もちろんもしやそのために罪もない絵師や版元にまでわざわいを及ぼしてはと一方ひとかたならず心配して
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
海には僕等の来たころ勿論もちろん、きのうさえまだ七八人の男女なんにょ浪乗なみのりなどを試みていた。
海のほとり (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ゆえに余輩は彼を知るに於て、彼の日記を通して彼の過去を知るは勿論もちろん、馬島に於ける彼が日常をも推測せざるべからず。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
枯野にほたるを放ったようなもので風流かも知れないが、細君の御意ぎょいに入らんのは勿論もちろんの事である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは勿論もちろんその後の仕事のなかで変ってきたが、それでも党員としての「廿四時間の政治生活」を私がしていたとは云えなかった。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
封建時代は勿論もちろんのこと、明治時代に入ってさえも、我々の国の若者たちは、全くその「青年の日」の自由と楽しみを奪われていた。
老年と人生 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
自費による移住の農夫には、家屋、農具は勿論もちろん、一段歩につき金十両の莫大ばくだいな開墾料をあたえたのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
私は三越でこさえた白いあさのフロックコートを着ましたが、これは勿論もちろん、私の好みで作法ではありません。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
勿論もちろん菜食を一年以上もしますなれば仲々肉類は不愉快なにおいや何かありまして好ましくないのであります。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
羽目を外した昂奮、則を越えた置酒高会ちしゅこうかい、動物的な慾情の満足——人間がこれに走れば、勿論もちろん祭日は有害である。
幸運こううん悲運ひうんのけじめは勿論もちろんあるとしても、つ者がつにはかならず當ぜん由がある。
計算されていますから私共は分子の形や構造こうぞう勿論もちろんその存在そんざいさえも見得みえないのです。
手紙 三 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ところ勿論もちろん秩序ちつじよなく、寐言ねごとのやうで、周章あわてたり、途切とぎれてたり
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
勿論もちろん、彼等にもめすおすはあろうが、今ここに屍体となって現われたのは、たしかに女性であった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
中々なかなか骨の折れた事で容易よういではございません、勿論もちろん牛は力のあるのが性質うまれつきゆゑ
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ところ勿論もちろん秩序ちつじょなく、寐言ねごとのようで、周章あわてたり、途切とぎれてたり
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
——勿論もちろん田端たばたからかへりがけに、ぐにそのいへ立寄たちよつたのであるが。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ユスタスの後にも、第二第三のユスタスが出来たことは勿論もちろんですが、今では私は、我ながら不思議に思うくらい大人しいものです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
僕等の前にいる「新時代」は勿論もちろん彼等とは別人だった。が、女の断髪や男の中折帽をかぶった姿は彼等とほとんど変らなかった。
蜃気楼 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
また助詞の「の」「ノボル」「ノチ」「殿トノ」などの「ノ」は「能」の類の文字を用いて、勿論もちろん以上の二つと別である。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
「そういう一切のことは、船としては勿論もちろん船長がお答えすべきですから……」無理矢理に押しつけてしまった。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
夢想! 美の小さなオアシスの探求の道によってか、それとも能動的に創造の道によってかは、勿論もちろん、一部分理想の高さに関係する。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
朝夕あさゆうの掃除は勿論もちろん、先生が湯に這入はいる時は背中せなかを流したり湯をとったりしてらなければならぬ。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
勿論もちろんその時には私なども大阪の書生がエライ/\と自慢をして居たけれども、れは人物の相違ではない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
勿論もちろんこの感じは的のあなたを射るようなもので、女性に多少の冤屈えんくつを負わせているかも知れないとは、同時に思っている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その一本の線香の細さ、立ち昇る煙のたよたよしさ、——少女は勿論もちろん目を閉ぢたなり、線香のかほりをいでゐるのである。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勿論もちろん疲れた眠い顔や、中にはずいぶん緊張した顔もあるにはあったろうが、別にそれがために今のように不愉快な心持はしなかった。
電車と風呂 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
勿論もちろん彼はその時も、洛陽の西の門の下に、ほそぼそと霞を破っている三日月の光を眺めながら、ぼんやりたたずんでいたのです。
杜子春 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「どうするつて」と、さきの水夫が言ひました。「そりや親方勿論もちろん、喰べるにきまつてゐるぢやありませんか」
動く海底 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
勿論もちろんその時はひどく怒るだろうが、怒るほど内心未練が強くなるのにきまっているから、翌日かならず恨みをいいにやって来る。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
勿論もちろん土地気候の関係や各人体質の如何いかんに依りて長短の差は有ろうが、大体に於て百二十五の寿命というのがその趣旨である。
勿論もちろんそれも馬鹿に出来ない問題ではあるが、場所が場所でもあるし、私にすれば笑い話にして貰った方がよい。
ナオミの手だって、しなやかでつやがあって、指が長々とほっそりしていて、勿論もちろん優雅でないことはない。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
勿論もちろんだ。この人の大きなたびでは、自分だけひとり遠い光の空へ飛びることはいけないのだ。)
雁の童子 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
勿論もちろん解らんので御座いますとも。私自分で自分が解らんくらゐで御座いますもの。然し貴方も間さん、随分お解りに成りませんのね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
勿論もちろん何のことか判然聞取ききとれなかったんですが、ある時あかねさす夕日の光線がもみの木を大きな篝火かがりびにして
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
現に自分はこの屋敷に生まれて二十八年の月日を送っているが、自分は勿論もちろんのこと、誰からもそんなうわさすら聞いたことがない。
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
勿論もちろん、こゝらの大通りに往来は絶えなかつたが、二つの憎い影法師をわざわざ踏みにじつて通るやうな、意地の悪い通行人もなかつた。
勿論もちろん、かのふねわたくし想像さうざうするがごと海賊船かいぞくせんであつたにしろ
勿論もちろんこく因縁いんねんなどはしんぜられぬが、老女らうじよ最後さいご一言いちごん
勿論もちろん水が出たとて大事にはなりますまいが、此地ここの渓川の奥入おくいりは恐ろしい広い緩傾斜かんけいしゃの高原なのです。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
勿論もちろんこんな言葉は主として若い細君や、職業婦人、学校の先生、女学生、モダンガアル等が使うようである。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
さう云ふことに苦労するのは勿論もちろんかく意味を正確に伝へる文章を作る余裕よゆうさへない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勿論もちろん金を受取ったからって、再び此処ここへ帰らなくともいい、いや帰らない方がいい、と云うのである。
自殺を買う話 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)