外は零下三十度近い寒さである。 黒河へ向う私たちの汽車は、孫呉の駅を出て既に数時間走っている。 車窓に見える限りの雪原は、いつまで行っても平坦で、何の起伏もない。家もなければ立木もなく、薄鼠のただ一色に見える雪の原は、ところどころ朔風に傷つ …
著者 | 中谷宇吉郎 |
初出 | 黒河への旅「文藝春秋 第二十三巻第二号」1945(昭和20)年2月1日
陸の大洋「文藝春秋 第二十三巻第二号」1945(昭和20)年2月1日
草原の王者「財 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約23分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約37分(300文字/分) |