トップ
>
価
>
あたひ
ふりがな文庫
“
価
(
あたひ
)” の例文
旧字:
價
過
(
すぎ
)
し
年
(
とし
)
北国より人ありて
拳
(
こぶし
)
の大さの
夜光
(
やくわう
)
の玉あり、よく一
室
(
しつ
)
を
照
(
てら
)
す、よき
価
(
あたひ
)
あらば
売
(
うら
)
んといひしかば、
即座
(
そくざ
)
に其人に
托
(
たく
)
して
曰
(
いはく
)
、其玉
求
(
もとめ
)
たし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それらの士は、俗悪なる新画に巨万の
黄金
(
わうごん
)
を
抛
(
なげう
)
つて顧みない天下の
富豪
(
ふがう
)
に
比
(
くら
)
べると、少くとも趣味の独立してゐる点で尊敬に
価
(
あたひ
)
する人々である。
鑑定
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
古
(
むか
)
し我先人が文明を買ひし
価
(
あたひ
)
は国を
亡
(
うしな
)
ふ程に高直なりき」と
白皙
(
はくせき
)
人種に駆使せられながら我子孫のツブヤカんことを。
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
ああこのこわれたる指環、この指環に
真
(
まこと
)
の
価
(
あたひ
)
の籠もつてゐるとは、恐らく百年の後ならでは、
何人
(
なんぴと
)
にも分りますまい。
こわれ指環
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
まるで
取替
(
とりか
)
へる
価
(
あたひ
)
がないと
言
(
い
)
へば
其
(
それ
)
までだ、——あゝ、
其
(
それ
)
がために、
旧通
(
もとどほ
)
りお
浦
(
うら
)
を
隠
(
かく
)
して、
此
(
こ
)
の
木像
(
もくざう
)
を
突返
(
つきかへ
)
したのか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
明治初年の書画の
価
(
あたひ
)
を知らむがために其一二を抄する。「探幽雲山一軸代金一両二分、常信花鳥一軸代金三分。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
得難いものの様に思つて居た子を見る喜びと云ふものと楽々
目前
(
もくぜん
)
に近づいて居るのを思ふと、それはもう何程の
価
(
あたひ
)
ある事とも鏡子には思へないのであらう。
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
代助は平生から物質的状況に重きを置くの結果、たゞ貧苦が愛人の満足に
価
(
あたひ
)
しないと云ふ事丈を知つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
旅行して居る際などは早く髪が出来るので便利であつたと
其
(
その
)
人が云つて居た。
序
(
ついで
)
に
其
(
その
)
人の払つた
価
(
あたひ
)
をも書いて置く。其れは日本貨にして八十円だつた
相
(
さう
)
である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
今日までの歴史を細閲すれば、自由を買はんとて流せし血の
価
(
あたひ
)
と煩悶せし苦痛の量とはいかばかりぞや。
徳川氏時代の平民的理想
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
わたしの考では、イワンに愛国心がある以上は、自分を犠牲にして、外国人の持つてゐる鱷の
価
(
あたひ
)
を二倍三倍にしたのを喜んで、それを自慢して好いではありませんか。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
春挙氏は言ひ値通りに
価
(
あたひ
)
を払つて石を引取つた。実をいふと、石屋の
主人
(
あるじ
)
は値切られる積りで、幾らか
懸値
(
かけね
)
を言つたらしかつたが、
画家
(
ゑかき
)
はそんな事に頓着しなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
価
(
あたひ
)
高い洋酒が、次ぎから次ぎへと抜かれた。料理人が、懸命の腕を振つた珍しい料理が後から後から運ばれた。低くはあるが、華やかなさゞめきが卓から卓へ流れた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
価
(
あたひ
)
貴
(
たか
)
き物は
海人
(
あま
)
の家にふさはしからず。父の見給はばいかに
罪
(
つみ
)
し給はんといふ。豊雄、
一三三
財
(
たから
)
を
費
(
つひや
)
して買ひたるにもあらず。きのふ
一三四
人の
得
(
え
)
させしをここに置きしなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
此
(
こ
)
の雑誌も
九号
(
くがう
)
迄
(
まで
)
は続きましたが、
依様
(
やはり
)
十号から
慾
(
よく
)
が出て、会員に
頒布
(
はんぷ
)
する
位
(
くらゐ
)
では
面白
(
おもしろ
)
くないから、
価
(
あたひ
)
を
廉
(
やす
)
くして
盛
(
さかん
)
に
売出
(
うりだ
)
して見やうと
云
(
い
)
ふので、
今度
(
こんど
)
は四六
倍
(
ばい
)
の
大形
(
おほがた
)
にして、十二
頁
(
ページ
)
でしたか
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
春だの夏だのの
価
(
あたひ
)
はもう分からない。いつだつて寒がつてゐる。さうでないことは、只稀にちよいとの間ある丈である。その暖い心持は煖炉のお蔭でも、太陽のお蔭でも、そんな事はどうでも好い。
老人
(新字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
価
(
あたひ
)
無
(
な
)
き
宝
(
たから
)
といふとも
一坏
(
ひとつき
)
の
濁
(
にご
)
れる
酒
(
さけ
)
に
豈
(
あに
)
まさらめや (同・三四五)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
静寂の
価
(
あたひ
)
を量らなければいけない
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
古志
(
こし
)
の
長岡魚沼
(
ながをかうをぬま
)
の川口あたりにて漁したる一番の
初鮏
(
はつさけ
)
を
漁師
(
れふし
)
長岡
(
ながをか
)
へたてまつれば、
例
(
れい
)
として
鮏
(
さけ
)
一
頭
(
ひき
)
に(一頭を一尺といふ)米七俵の
価
(
あたひ
)
を
賜
(
たま
)
ふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
博士は貞潔といふことに就いて、
嘗
(
かつ
)
て考へて見た事がある。貞潔なんぞといふものは、心の上には認むべき
価
(
あたひ
)
もあらうが、体の上には詰まらないものだと思つた。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今日
(
けふ
)
本郷
(
ほんがう
)
通りを歩いてゐたら、ふと
托氏
(
とし
)
宗教小説と云う本を見つけた。
価
(
あたひ
)
を尋ねれば十五銭だと云ふ。
点心
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
寂寞
(
じやくまく
)
の
罌粟花
(
けし
)
を散らすや
頻
(
しきり
)
なり。人の記念に
対
(
たい
)
しては、永劫に
価
(
あたひ
)
すると否とを問ふ事なし」といふ句が
眼
(
め
)
に
付
(
つ
)
いた。先生は安心して柔術の学士と談話をつゞける。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
やや広ければ特別室とせられ、
価
(
あたひ
)
も其れに添ひたるもののよしに
候
(
さふら
)
へど、機関に近く窓の小さければ、特別は特別に𤍠き意なりしかなど船員を
揶揄
(
やゆ
)
しあるを見申し
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
察するにイワンの心では、ドイツ人に余り低い
価
(
あたひ
)
を要求して貰ひたくはなかつたゞらう。兎に角己が問を発した跡で、鱷の腹の中から、豚のうなるやうな、一種特別な
謦咳
(
しはぶき
)
が聞えた。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
他
(
ひと
)
の
援
(
たす
)
けさへなく
六八
世にくだりしものの
田畑
(
たばた
)
をも、
価
(
あたひ
)
を
賤
(
やす
)
くして
六九
あながちに
己
(
おの
)
がものとし、今おのれは
村長
(
むらをさ
)
とうやまはれても、むかしかりたる人のものをかへさず、礼ある人の
席
(
むしろ
)
を譲れば
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「
,
(
コンマ
)
」の
価
(
あたひ
)
二百万
弗
(
ドル
)
11・28(夕)
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
川原
(
かはら
)
の底の底の
価
(
あたひ
)
なき
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
此
獣
(
けもの
)
雪を
避
(
さけ
)
て他国へ去るもありさらざるもあり、
動
(
うごか
)
ずして雪中に
穴居
(
けつきよ
)
するは
熊
(
くま
)
のみ也。
熊胆
(
くまのい
)
は越後を上
品
(
ひん
)
とす、雪中の熊胆はことさらに
価
(
あたひ
)
貴
(
たつと
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
中央なる机には美しき
氈
(
かも
)
を掛けて、上には書物一二巻と写真帖とを
列
(
なら
)
べ、
陶瓶
(
たうへい
)
にはこゝに似合はしからぬ
価
(
あたひ
)
高き花束を生けたり。そが
傍
(
かたはら
)
に少女は
羞
(
はぢ
)
を帯びて立てり。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
さうして、
父
(
ちゝ
)
も
兄
(
あに
)
もあらゆる点に於て神聖であるとは信じてゐなかつた。もし八釜
敷
(
し
)
い吟味をされたなら、両方共拘引に
価
(
あたひ
)
する資格が出来はしまいかと迄疑つてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
護謨
(
ごむ
)
の
価
(
あたひ
)
も一ポンド十四五円まで暴騰したが、現今では
其
(
その
)
反動で二円に下落して居る
相
(
さう
)
だ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
しかし又この属性を刺戟する上には近代の日本の生んだ道徳的天才、——恐らくはその名に
価
(
あたひ
)
する唯一の道徳的天才たる武者小路実篤氏の影響も決して少くはなかつたであらう。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
木堂の書
価
(
あたひ
)
十円也7・4(夕)
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ちゞみのみにはかぎらず
織物
(
おりもの
)
はすべて
然
(
しか
)
ならんが、
目前
(
もくぜん
)
に
我
(
わ
)
が
視
(
みる
)
ところなればいふ也。かゝる縮を
僅
(
わづか
)
の
価
(
あたひ
)
にて
自在
(
じざい
)
に
着用
(
ちやくよう
)
するは
俗
(
ぞく
)
にいふ安いもの也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
入場券は象牙と
鉛
(
なまり
)
と二通りあつて、
何
(
いづ
)
れも
賞牌
(
メダル
)
見たやうな恰好で、表に模様が
打
(
う
)
ち
出
(
だ
)
してあつたり、彫刻が
施
(
ほど
)
こしてあると云ふ事も聞いた。先生は其入場券の
価
(
あたひ
)
迄知つてゐた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
価
(
あたひ
)
十匁と申を九つか十か御こし被下度候。これは人にたのまれ候。皆心やすき人也。金子は此度之便遣しがたく候。よき便の時さし上可申候。
直段
(
ねだん
)
少々
上
(
のぼ
)
り
而
(
て
)
も不苦候。必々奉願上候。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
処が実際二度までも
莫迦
(
ばか
)
に安いレムブラントに遭遇した。一度は一
磅
(
ポンド
)
と云ふ
価
(
あたひ
)
の為に買はなかつたが、二度目には友人の Gogin に
諮
(
はか
)
つた上、とうとうそれを手に入れる事が出来た。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
たま/\
一熊
(
いちゆう
)
を
得
(
う
)
るとも
其儕
(
そのともがら
)
に
価
(
あたひ
)
を
分
(
わかつ
)
ゆゑ
利得
(
りとく
)
薄
(
うす
)
し、さればとて雪中の熊は
一人
(
ひとり
)
の
力
(
ちから
)
にては
得事
(
うること
)
難
(
かた
)
しとぞ。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
売り立ての古玩は
価
(
あたひ
)
高うして落札すること
能
(
あた
)
はずと
雖
(
いへど
)
も、古玩を愛するわが生の
豪奢
(
がうしや
)
なるを誇るものなり。文章を作り、
女人
(
によにん
)
を慕ひ、更に古玩を
弄
(
もてあそ
)
ぶに至る、われ
豈
(
あに
)
君王
(
くんわう
)
の楽しみを知らざらんや。
わが家の古玩
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし英国人は其根を伝へて栽培し、一盆の
価
(
あたひ
)
往々数
磅
(
ポンド
)
に
上
(
のぼ
)
つてゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
寺の門内には
仮店
(
かりみせ
)
ありて物を売り、
人
(
ひと
)
群
(
ぐん
)
をなす。芝居には
仮
(
かり
)
に戸板を
集
(
あつめ
)
て
囲
(
かこひ
)
たる入り口あり、こゝに
守
(
まも
)
る
者
(
もの
)
ありて一人
前
(
まへ
)
何程と
価
(
あたひ
)
を
取
(
とる
)
、これ
屋根普請
(
やねふしん
)
の
勧化
(
くわんけ
)
なり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
価
常用漢字
小5
部首:⼈
8画
“価”を含む語句
価値
高価
安価
物価
評価
代価
報道価値
廉価版
真価
無価値
価格
新聞価値
価打
廉価
価直
価切
估価
無代価
懸価
価段
...