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諫
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いさ
ふりがな文庫
“
諫
(
いさ
)” の例文
証人の一人(菓子製造人のモンターニ)がこれをたしなめる、または
諫
(
いさ
)
める言葉だと言っているが、それはこの場合もっともなんだ。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
「勝負事もいいけれど、あの連中は腹を合わせて何をするかも知れやしないから、ここで
遣
(
や
)
るのは不利益ですよ。」と
諫
(
いさ
)
めてみるが
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
これは折ふし外から来合せた成都の使い、
蒋琬
(
しょうえん
)
の声だった。彼はちょうどこの場へ来合せ、倉皇、営中へ入って、すぐ孔明を
諫
(
いさ
)
めた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と親らしい注意を与えていたので、源氏を不快がらせるようなことは慎まねばならぬとおのおの思いもし
諫
(
いさ
)
め合いもしているのである。
源氏物語:14 澪標
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
この
諫
(
いさ
)
めようのよきこと
古
(
いにしえ
)
もさるためし多し。ふさがりたる処を知らずして、いかに
忠
(
ちゅう
)
をつくして
諫
(
いさ
)
むとも、聞き用いざれば益なし
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
平手
中務
(
なかつかさ
)
政秀は信長のお守役であるが、前々から主信長の行状を気に病んで居た。色々と
諫
(
いさ
)
めては見るものの一向に
験目
(
ききめ
)
がない。
桶狭間合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
忠利がそのころ出家しようとしたのを、ひそかに
諫
(
いさ
)
めたことがある。のちに知行二百石の側役を勤め、算術が達者で用に立った。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
カンコ
苔
(
こけ
)
深しなんど申すは何事ぞ、諫鼓をば
諫
(
いさ
)
めの鼓と読む。
喩
(
たと
)
えば唐の堯帝政を正しくせんがために、
悪
(
あ
)
しき政あればこの鼓を
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
昨日、——散々お
諫
(
いさ
)
め申したが、どうしても、久し振りで仲町の樣子が見たいと仰しやる。拙者と佐々見氏と、前後から守護を
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嫁も起き
出
(
い
)
でて泣きながら
諫
(
いさ
)
めたれど、
露
(
つゆ
)
従
(
したが
)
う色もなく、やがて母が
遁
(
のが
)
れ出でんとする
様子
(
ようす
)
あるを見て、前後の戸口をことごとく
鎖
(
とざ
)
したり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
陳の霊公が臣下の妻と通じその女の肌着を身に着けて
朝
(
ちょう
)
に立ち、それを見せびらかした時、
泄冶
(
せつや
)
という臣が
諫
(
いさ
)
めて、殺された。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
と繰返し
諫
(
いさ
)
める妹のことばもききいれず、一心に創作に
精進
(
しょうじん
)
し、
大音寺前
(
だいおんじまえ
)
の荒物屋の店で、あの名作「たけくらべ」の着想を得たのであった。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
フランチエスカは我頬を撫でゝ、我が餘りに心弱きを
諫
(
いさ
)
め、かくては世に立たんをり、いと
便
(
びん
)
なかるべしと氣づかひ給ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
武王
(
ぶわう
)
、
(二六)
木主
(
ぼくしゆ
)
を
載
(
の
)
せ、
號
(
がう
)
して
文王
(
ぶんわう
)
と
爲
(
な
)
し、
東
(
ひがし
)
のかた
(二七)
紂
(
ちう
)
を
伐
(
う
)
つ。
伯夷
(
はくい
)
・
叔齊
(
しゆくせい
)
(二八)
馬
(
うま
)
を
叩
(
ひか
)
へて
諫
(
いさ
)
めて
曰
(
いは
)
く
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
全く「心の病」である——彼はそこで、
放肆
(
ほうし
)
を
諫
(
いさ
)
めたり、
奢侈
(
しゃし
)
を諫めたりするのと同じように、敢然として、修理の神経衰弱を諫めようとした。
忠義
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
千束町は遂に千束町にして蠣殻町には依然として小待合多し。韓愈仏骨を論ずるの表は身命を賭して君王を
諫
(
いさ
)
むるもの人気取りの論文にあらず。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
此時三人の人がセルギウスにけふのお勤をお廃めになつたら宜しからうと云つて
諫
(
いさ
)
めた。一人はセラビオンと云ふ寺番で、今一人は寺男である。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
と、夫にとり縋って、
諫
(
いさ
)
めたが聴かれなかった。そこで、いよいよ心許なく、クリームヒルトは
喘
(
あえ
)
ぎ喘ぎ云うのであった。
潜航艇「鷹の城」
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ところがペテロは驚いてイエスの袖を引き、「とんでもない。先生に死なれてなるものか」と、目の色変えて
諫
(
いさ
)
めました。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
「ウーム。惜しい事で御座るのう。その与九郎の里方、西村家の者で、与九郎の不行跡を
諫
(
いさ
)
める者は居りませぬかのう」
名君忠之
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「お力には何処までもなって差上げたいんですけれど、これはお
諫
(
いさ
)
めして今のうちに思い止まって戴く方が宜かろうと主人が申すのでございます」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
けれども閣僚達はもしものことがあっては内閣の更迭が行われぬとも限らぬので極力
諫
(
いさ
)
めてそれを思い止どまらせた。
怪談綺談
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
その時もおげんは家を出る決心までして、東京の方に集まっている親戚の家を訪ねに行ったこともあったが、人の
諫
(
いさ
)
めに思い直して国へと引返した。
ある女の生涯
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
母の
諫
(
いさ
)
めがあったればこそ出てきたのに、このわがまま家老め! 見えすいたおせじばかりならべたてている! という反感がこみあげてきました。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それは彼が財宝を捨てる勇気を持ったからである。彼がその財宝を海に沈めようとしたとき、人は
諫
(
いさ
)
めて言った、貧人にも与え仏事にも用いられよ。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
認
(
したゝ
)
め吉三郎盜賊人殺しに
相違
(
さうゐ
)
なき
旨
(
むね
)
訴
(
うつた
)
へんとて番頭へも
其趣
(
そのおもぶ
)
き申
聞
(
きけ
)
ければ妻のお
蔦
(
つた
)
は
夫
(
をつと
)
を
諫
(
いさ
)
め吉三郎は
勿々
(
なか/\
)
然樣
(
さやう
)
の事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「圭一郎もそないな罰當りを言や今に掘立小屋に住ふやうにならうぞ」と父は殆ど泣いて彼の不心得を
諫
(
いさ
)
め
窘
(
たしな
)
めた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
息子
(
むすこ
)
の
嗜好
(
すき
)
な
色々
(
いろ/\
)
の
物
(
もの
)
を
御馳走
(
ごちさう
)
して「さて、
忰
(
せがれ
)
や、お
前
(
まへ
)
は
此頃
(
このごろ
)
はどうしておいでだえ。
矢張
(
やはり
)
惡
(
わる
)
い
業
(
しわざ
)
を
改
(
あらた
)
めませんのかえ。」と
涙
(
なみだ
)
ながらに
諫
(
いさ
)
めかけると
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
時節
(
とき
)
が参らねば浮世の事はすべて思うようにはならぬものじゃ。万事気永うなさるがよい。なるほど父上を
諫
(
いさ
)
められることも折につけてはなさるもよい。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お君でも傍にいてなだめたり
諫
(
いさ
)
めたりするから江戸へ来て以来はあんまり大きな騒ぎを持ち上げませんでした。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
懶惰
(
らんだ
)
によりて罰せらるるにあらず、
諫
(
いさ
)
めて叱らるることもあり、諫めずして叱らるることもあり、言うも善し言わざるも善し、
詐
(
いつわ
)
るも悪し詐らざるも悪し
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
とひたすらに
諫
(
いさ
)
めしとぞ。聞きたる時の我に罪なければ思わぬ人の
誰
(
たれ
)
なるかは知るべくもなく打ち過ぎぬ。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
磯良これを
怨
(
うら
)
みて、或ひは
舅姑
(
おやおや
)
の
忿
(
いかり
)
に
五六
托
(
よ
)
せて
諫
(
いさ
)
め、或ひは
徒
(
あだ
)
なる心をうらみかこてども、
五七
大虚
(
おほぞら
)
にのみ聞きなして、後は
五八
月をわたりてかへり来らず。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
何
(
なに
)
ごとにも
一
(
ひ
)
と
筋
(
すぢ
)
なる
乙女氣
(
をとめぎ
)
には
無理
(
むり
)
ならねど、さりとは
歎
(
なげ
)
かはしき
迷
(
まよ
)
ひなり、
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
親
(
した
)
しく
逢
(
あ
)
ひて
親
(
した
)
しく
語
(
かた
)
りて、
諫
(
いさ
)
むべきは
諫
(
いさ
)
め
慰
(
なぐさ
)
むべきは
慰
(
なぐさ
)
めてやりたし
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
上皇は事の次第を糾問しようとしたが、太后が口をそへて、あの実直な諸兄にそのやうなことがあり得る筈はありませぬ、と
諫
(
いさ
)
めたので、上皇も追求しなかつた。
道鏡
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
文麻呂 (凜然と)道ならぬ不義の恋路に身をやつしておられる大納言殿を、お
諫
(
いさ
)
め申しに参りました!
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
将平員経のみではあるまい、群衆心理に摂収されない者は、或は口に出して
諫
(
いさ
)
め、或は心に秘めて非としたらうが、興世王や玄茂が事を用ゐて、
除目
(
ぢもく
)
が行はれた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかしやがて妻に気づかれ、泣いて
諫
(
いさ
)
められ、今後は絶対にしないという誓いをさせられたのである。
雨あがる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
三斎屋敷
闖入
(
ちんにゅう
)
を決心、がに股のちび助、吉公に打ちあけて、
諫
(
いさ
)
めるのを振り切って、忍び込んだのだったが、その晩、あの雪之丞に
見咎
(
みとが
)
められ、それがきっかけで
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
堺では私の
竹馬
(
ちくば
)
の友である伊藤市郎氏、この方もよく慰みに網打に行かれたですが高部氏の話をして
諫
(
いさ
)
めたところが幸いに私の
請
(
こい
)
を容れ網を焼いて餞別にしてくれた。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
これは自分の心持に忠実な態度だろうかとおぬいはよく考えてみるのだった。禁酒会員である以上は、自分の力の及ぶかぎり飲酒を
諫
(
いさ
)
めなければならないとも思った。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
父が母と違って絶壁のように保守的で頑固なために、幾度母に責め
諫
(
いさ
)
められながらもついにあの姉を小学校にさえ出さなかった。女に新教育は許せないというのである。
故郷を想う
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
そして始めは、珠子のことを引合いに出して
諫
(
いさ
)
めたもんだが、私がそれをやっつけて、珠子がそれを望んでいることを明らかにしてやったら、それはもういわなくなった。
大脳手術
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さ、こゝぢやて、お前達にとつて忘れてはならないのは。もしか
乃公
(
わし
)
に善からぬ事があつたら、遠慮なく
諫
(
いさ
)
めて呉れ。そしてお前達も人の諫めに会つたら、屹度その言葉を
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
伏姫が父を
諫
(
いさ
)
めて、賞罰は
政
(
まつりごと
)
の枢機なることを説き、一言は以て
苟且
(
かりそめ
)
にすべからざるを言ひ、身を
捐
(
す
)
てゝ父の義を立てんとするに至りては、宛然たるシバルリイの美玉なり。
処女の純潔を論ず:(富山洞伏姫の一例の観察)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
お縫の話によると、外記はおととしの秋頃から吉原へかよい始めて、
大菱屋
(
おおびしや
)
の
綾衣
(
あやぎぬ
)
という遊女と深くなった。それについてはお縫も意見した。用人の堀部
三左衛門
(
さんざえもん
)
も
諫
(
いさ
)
めた。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
御主人は
女性
(
にょしょう
)
なり、
我
(
わし
)
が一家を預りながら、飛んだ悪魔をお抱えあるを
諫
(
いさ
)
めなんだが
不念
(
ぶねん
)
至極、何よりもまずこの月の
入用
(
いりよう
)
をまだ
御手許
(
おてもと
)
から頂かぬに、かの悪魔めが
食
(
くい
)
道楽
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
だからあの日、
朋輩
(
ほうばい
)
の玉目三郎に向ってずいぶん
諫
(
いさ
)
めたものだ。——時期を見なければならない。たといどれほど
苛烈
(
かれつ
)
な新政権とは云え、無から有を生ずるわけはないのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
父は乳人に
諫
(
いさ
)
められると、その時は素直に詫びるのであるが、その日のうちに直ぐもう正体もなく酔いしれると云う有様で、詩を吟じたり、泣き
喚
(
わめ
)
いたりするくらいはまだしも
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
或
(
あ
)
る情史(柳の横櫛といふ者なりけん)の中の見出しにこの句を置き、その下に番頭が若旦那の不身持を
諫
(
いさ
)
むる事を書きしを見しより、
忽
(
たちま
)
ちこの句に味を生じたるが如き心地せり。
俳句の初歩
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
諫
漢検準1級
部首:⾔
16画
“諫”を含む語句
諫言
切諫
諫止
諫書
諷諫
苦諫
忠諫
諫早
直諫
諫奏
諫争
諫鼓
御諫言
諫諍
諫議
諫言立
諫説
御諫止
諫誡
強諫
...