故郷を想うこきょうをおもう
内地へ来て以来かれこれ十年近くなるけれど、殆んど毎年二三度は帰っている。高校から大学へと続く学生生活の時分は、休暇の始まる最初の日の中に大抵蒼惶として帰って行った。われながらおかしいと思う程、試験を終えると飛んで宿に帰り、急いで荷物を整えて …