こと/″\)” の例文
新字:
しばらくすると、毛蟲けむしが、こと/″\眞白まつしろてふになつて、えだにも、にも、ふたゝ花片はなびららしてつてみだるゝ。幾千いくせんともかずらない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
このとき大地だいち開閉かいへいによつて土民どみん勿論もちろん彼等かれらつてゐた畜類ちくるい牛馬ぎゆうば駱駝らくだとういたるまでこと/″\くそれにまれ、八千はつせん乃至ないし一萬いちまん人口じんこうゆうしてをつたこの部落ぶらくそのために跡方あとかたもなくうしなはれたといふ。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
何故なぜとなれば昨日きのふまでは、如何いか重要ぢうえうことにしろ、櫻木大佐さくらぎたいさある秘密ひみつをばそのむねたゝんでわたくしかたらぬとおもふと、多少たせう不快ふくわいかんいでもなかつたが、いま秘密造船所ひみつぞうせんじよことも、海底戰鬪艇かいていせんとうていことこと/″\わか
かのうづたかめるくちなはしかばねも、彼等かれらまさらむとするにさいしては、あな穿うがちてこと/″\うづむるなり。さても清風せいふうきて不淨ふじやうはらへば、山野さんや一點いつてん妖氛えうふんをもとゞめず。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくて餘物よぶつるや。みな丘山きうざんもたゞならず、すなはみづかる。るにしたがうて、𥶡りんこと/″\むしむなもとつらぬく。もつ飛衞ひゑいぐ。先生せんせい高踏かうたふしてつていはく、汝得之矣なんぢこれをえたり
術三則 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ちてもりしづかに、かぜむで肅殺しゆくさつつるところえだ朱槍しゆさうよこたへ、すゝき白劍はくけんせ、こみち漆弓しつきうひそめ、しもやじりぐ。峻峰しゆんぽうみな將軍しやうぐん磊嚴らいがんこと/″\貔貅ひきうたり。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それでも、たれもが、御老體ごらうたいすくはれたごとくにかんじて、こと/″\前者ぜんしや暴言ばうげんうらんだ。——ところで、その鐵棒かなぼうをついたでこがとふと、みぎ禪門ぜんもん一家いつか、……どころか、せがれなのだからおもしろい。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ると、渡過わたりすぐる一方いつぱうきしは、したふか溪河たにがは——すなは摺上川すりかみがは——のがけのぞんで、づらりとならんだ温泉宿やど幾軒々々いくけん/\こと/″\みなうらばかりが……三階さんがいどころでない、五階ごかい七階しちかいに、座敷ざしきかさ
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かたむいてるがこと/″\一樣いちやうむきにではなく、あるものはみなみはうへ、あるものはきたはうへ、また西にしはうへ、ひがしはうへ、てん/″\ばら/\になつて、このかぜのない、そられた、くもりのない、水面すゐめんのそよ/\とした
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つかでんとするに、あり、いなごごとぶ。南房なんばう人形氏にんぎやうし矢繼早やつぎばやところ小賊せうぞくみなたふる。陽知春やうちしゆん一人いちにんのみいのちまつたうすることをて、たる寶貝はうばいこと/″\くこれをつかかへす。くわんまたのちかれゆるしつ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)