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画
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え
ふりがな文庫
“
画
(
え
)” の例文
旧字:
畫
その場の切迫した光景と、その時の綿々とした情緒とが、洗練された言語の巧妙なる用法によって、
画
(
え
)
よりも鮮明に活写されている。
雪の日
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
青島 僕はかまわず堂脇の家の広い庭にはいりこんで
画
(
え
)
を描いていてやった。そうしたら堂脇がお嬢さんを連れて散歩にやってきた。
ドモ又の死
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
見て居て下さい。その
中
(
うち
)
に、
画
(
え
)
を描くことが、人間としてどんなに立派な仕事であるか、堂々たる男子の事業として恥かしくないかを
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
張交
(
はりまぜ
)
の
襖
(
ふすま
)
には
南湖
(
なんこ
)
の
画
(
え
)
だの
鵬斎
(
ぼうさい
)
の書だの、すべて亡くなった人の趣味を
偲
(
しの
)
ばせる
記念
(
かたみ
)
と見るべきものさえ
故
(
もと
)
の通り
貼
(
は
)
り付けてあった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あなたのお宅の御主人は、面白い
画
(
え
)
をお
描
(
か
)
きになりますね。
嘸
(
さぞ
)
おうちのなかも、いつもおにぎやかで面白くいらっしゃいましょう。」
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
表紙の
画
(
え
)
の
撫子
(
なでしこ
)
に取添えたる
清書
(
きよがき
)
草紙、まだ
手習児
(
てならいこ
)
の作なりとて
拙
(
つたな
)
きをすてたまわずこのぬしとある処に、
御名
(
おんな
)
を記させたまえとこそ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一本々々見ると、みんな同じように金色に光っているのですが、三本一しょにならべると、女の顔を
画
(
か
)
いた一まいの
画
(
え
)
になるのでした。
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
さらにまた南蛮の
画
(
え
)
にて見たる、悪魔の凄じき
形相
(
ぎょうそう
)
など、こまごまと談りければ、夫人も今更に「じゃぼ」の恐しさを思い知られ
るしへる
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「だんだん、ほんとうの
君
(
きみ
)
がでて、おもしろくなるね。」と、
若
(
わか
)
い
先生
(
せんせい
)
は、なにを
画
(
え
)
から
見取
(
みと
)
ったものか、
秀吉
(
ひできち
)
を
勇気
(
ゆうき
)
づけました。
天女とお化け
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それから『
抱朴子
(
ほうぼくし
)
』を読んで、その夢を
祥瑞
(
しょうずい
)
だと思って、蝦蟇の
画
(
え
)
をかき、蝦蟇の彫刻をして人に贈った。これが蟾翁の号の由来である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「とうさん、番町の先生はそう言ったよ。いろいろな人の例を僕に引いてみせてね、
田舎
(
いなか
)
へ引っ込んでしまうと
画
(
え
)
がかけなくなるとサ。」
嵐
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わたくしの
画
(
え
)
はお兄様の
真似
(
まね
)
なのよ。どうしてこの前のときお兄様がその事を仰言らなかつたか、わたくし不思議な気がして帰りましたの。
青いポアン
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
そういう目的には、どうも絵よりも写真の方が良いらしい。その良い例は
内田清之助
(
うちだせいのすけ
)
氏の『
画
(
え
)
と鳥』という本に沢山出ている。
南画を描く話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
あるいは河水に姿をうつす館や村落の
画
(
え
)
のような景色を賞し、またあるいは
池沼幽水
(
ちしょうゆうすい
)
に釣糸を垂れて、岸辺に道草をくいながらの旅であった。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
尤も、米を得るべく、遊歴もやり、大道に
凧
(
たこ
)
の絵を描いて売ったこともあるが、門口から、
画
(
え
)
の依頼者として、訪れてくる者は、絶無だった。
田崎草雲とその子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
画
(
え
)
を好かぬ
小供
(
こども
)
は
先
(
ま
)
ず少ないとしてその
中
(
うち
)
にも自分は小供の時、何よりも画が好きであった。(と岡本某が語りだした)。
画の悲み
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
などあるを見るに
古
(
いにしえ
)
の人は皆実地を写さんとつとめたるからに趣向にも画法にもさまざま工夫して新しき
画
(
え
)
を作りにけん。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「また
画
(
え
)
え
描
(
か
)
きか」とおたつが云った、「そんなものどこがいいだえ、そんなことばっかししてえて頭が
病
(
や
)
めんべえがね」
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ついでだから
画
(
え
)
についてちょっと説明して見よう。菜の花の咲いている景色を見て、美しいと感じた時、如何にしてこれを画に書くであろうか。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
ただし窓のカーテンも壁の
画
(
え
)
もなく、残っている
僅
(
わず
)
かの家具も
一隅
(
いちぐう
)
に積みかさねられて、さしずめ売物とでもいった形。がらんとした感じがする。
桜の園
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二人を檻に入れますとすぐに宿屋に帰って、自分の手下の
中
(
うち
)
で
画
(
え
)
をよく書く者に、ヒョロ長いヒョロ子の姿とブタブタした豚吉の姿を描かせました。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
そのあいだに点々としてあるいは魚を
網
(
あみ
)
し、あるいは草をかり、あるいは家畜にえをやり、あるいは木材を運ぶ同士のすがたが
画
(
え
)
のごとく展開する。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
北山も江古田で一軒世帯を作って、
画
(
え
)
に精進していたし、瑠美子は最近往来の道が開けて来た、郊外の
従姉
(
いとこ
)
の家へ、ずっと預けっ放しになっていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その面は赤い地に
画
(
え
)
を白く抜いてある。もっともスウェーデンで拵えた燐寸も幾分か入って居るですけれども、それは
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
あたりの物が皆
素描
(
あらがき
)
の
画
(
え
)
のような寂しい物であるだけいっそう目に立って、この世界のものとは思えないのである。
源氏物語:12 須磨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ちょうど机の上に昨夕買って来た『
新声
(
しんせい
)
』の
卯花衣
(
うのはなごろも
)
があったから、「雪チャン。これを御覧。綺麗な
画
(
え
)
があるよ」
雪ちゃん
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
画
(
え
)
かきはもうどこへ行ったか赤いしゃっぽだけがほうり出してあって、自分はかげもかたちもありませんでした。
かしわばやしの夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その形なども
画
(
え
)
に描いて伝えてあるが、十歳ぐらいの小児の形を成し、頭上に凹所あり、これに水を蓄えておる。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「うん、成金趣味さ。でも、あんなヘボ
画
(
え
)
かきにはもったいない。悪運が強くて
罹災
(
りさい
)
も、しやがらねえ。利用せざるべからずさ。さあ、寝よう、寝よう」
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
画工は
画
(
え
)
の具その他をたずさえて、役人に伴われて行きますと、どういうわけか、城の門を出る頃からその役人はただ
昏々
(
こんこん
)
として酔えるが如きありさまで
中国怪奇小説集:09 稽神録(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
貧乏
画
(
え
)
かきの庄太郎は、一郎の補助なしには生きて行くことが出来なかった。彼は、云い
難
(
がた
)
き不快を
圧
(
おさ
)
えて、屡々
恋敵
(
こいがたき
)
の門をくぐることを余儀なくされた。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
古い
絵巻物
(
えまきもの
)
などの
画
(
え
)
につたわっているのは、木の
櫃
(
ひつ
)
や袋のたぐいであるが、二つとも手製が容易でないうえに、櫃のほうは持つのに二人かかるものが多く
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
余は
奥書院
(
おくしょいん
)
の戸をあけた。西南を一目に
見晴
(
みは
)
らす
此処
(
ここ
)
の座敷は、今雪の
田園
(
でんえん
)
を
額縁
(
がくぶち
)
なしの
画
(
え
)
にして見せて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
黄海! 昨夜月を浮かべて白く、今日もさりげなく雲を
蘸
(
ひた
)
し、島影を載せ、
睡鴎
(
すいおう
)
の夢を浮かべて、
悠々
(
ゆうゆう
)
として
画
(
え
)
よりも静かなりし黄海は、今
修羅場
(
しゅらじょう
)
となりぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
絵画ははじめ
跡見玉枝
(
あとみぎょくし
)
女史に、後には
橋本雅邦
(
はしもとがほう
)
翁に学ばれました。いつでしたかずっと前に、
天女
(
てんにょ
)
が花を降らせている
画
(
え
)
をある展覧会で見うけたことがありました。
大塚楠緒子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
画
(
え
)
でその地の景色を見たでも何でも無いのに、始終、夢に
或
(
ある
)
地の景色を見る。
一日
(
いちじつ
)
、
不図
(
ふと
)
或る道へ出た。するとその道は夢に、その或る景色を見に行く道に寸分
違
(
たが
)
わぬ。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
偶像にされまいと努力する人は、大方偶像にされるものであり、偶像にされようと努力する人は、
却
(
かえ
)
って偶像にされないばかりか、ポンチ
画
(
え
)
の材料にされるものである。
小酒井不木氏スケッチ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
成はくりかえしくりかえし見て、これは俺に虫を
捉
(
とら
)
える所を教えてくれていないともかぎらないと思って、
精
(
くわ
)
しく
画
(
え
)
の模様を見た。それは村の東にある大仏閣に似ていた。
促織
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
中にもどこへ顔を出しても、人の注意を
惹
(
ひ
)
くのは、竜騎兵中尉の方である。
画
(
え
)
にあるような美男子である。人を
眩
(
げん
)
するような、生々とした気力を持っている。
馬鹿
(
ばか
)
ではない。
世界漫遊
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ユリウス・ダビット
(著)
近頃
(
ちかごろ
)
春信
(
はるのぶ
)
の
画
(
え
)
で一
層
(
そう
)
の
評判
(
ひょうばん
)
を
取
(
と
)
った
笠森
(
かさもり
)
おせんを
仕組
(
しく
)
んで、一
番
(
ばん
)
当
(
あ
)
てさせようと、
松江
(
しょうこう
)
が
春信
(
はるのぶ
)
と
懇意
(
こんい
)
なのを
幸
(
さいわ
)
い、
善
(
ぜん
)
は
急
(
いそ
)
げと、
早速
(
さっそく
)
きのうここへ
訪
(
たず
)
ねさせての、きょうであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
割合に
肥
(
ふと
)
って居て頭が大きいから、駈けると
蹌
(
よろ
)
けて
転覆
(
ひっくりかえ
)
る事がありますが、
一寸
(
ちょっと
)
見ると写し
画
(
え
)
の口上云い見たいで、なんだか化物屋敷へ出る一ツ目小僧の茶給仕のようでありますが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と、呉羽之介は
画
(
え
)
すがたの出来上るのを楽しみに、いそいそと露月にたずねた。
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
殊
(
こと
)
に兄は書も善くし、
画
(
え
)
も出来、
篆刻
(
てんこく
)
も出来る程の多芸な人に、その弟はこの通りな無芸無能、書画は
扨
(
さて
)
置き骨董も美術品も
一切
(
いっさい
)
無頓着
(
むとんじゃく
)
、
住居
(
すまい
)
の家も大工任せ、庭園の木石も植木屋次第
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私はやっと振り払って、外に出てその物置へ行った時は、もうその姿は見えませんでした。しかしたしかにその者は来た形跡はあって、
扉
(
と
)
の上には例の舞踏人姿の
画
(
え
)
がかかれてありました。
暗号舞踏人の謎
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
薄暗いので、念を入れて額縁の中を覗くと、肖像や
画
(
え
)
ではなくて、手紙か何かのような、書いた物である。己は足を
留
(
と
)
めて、少し立ち入ったようで悪いかとも思ったが、決心して聞いて見た。
冬の王
(新字新仮名)
/
ハンス・ランド
(著)
るいさんは眼のぱつちりした痩形の娘で、わたしの顔を見ると、写真を
撮
(
うつ
)
して呉れとか、
画
(
え
)
を描いて呉れとかとせがんだ。棒縞のモンペを穿いてゐたが、夜になると赤い帯をしめて魚を焼いた。
湖の夢
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
そのあいだ私は友の
憂鬱
(
ゆううつ
)
をやわらげようとする熱心な努力に忙しかった。私たちはともに
画
(
え
)
を
描
(
か
)
き本を読み、あるいは彼の奏する流れるように巧みなギターの奇怪な即興曲を夢み心地で聞いた。
アッシャー家の崩壊
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
それでは去年の十一月におかきになった
画
(
え
)
の事もお話しなさいましたの。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
と
放下
(
ほうげ
)
してしまって、またそこらを見ると、
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
ではない、一方の七、八尺ばかりの広い壁になっているところに、その壁をいくらも余さない位な大きな古びた
画
(
え
)
の
軸
(
じく
)
がピタリと懸っている。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
赤い御本をひらいている
画
(
え
)
のついた表紙のや、
三角帽
(
さんかくぼう
)
のリボンに
鵞
(
が
)
ペンをさしたおばあさんがテエブルの前に腰をかけて、なにか書いていると、そのそばから大きながちょうがくちばしをあけて
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
“画”の意味
《名詞》
(エ、ガ)「絵|え」に同じ。
(カク)(劃)漢字を構成する線や点(狭義では点は含まない。たとえば「点画」の「画」)。字画。
(出典:Wiktionary)
画
常用漢字
小2
部首:⽥
8画
“画”を含む語句
計画
画布
映画
画舫
画板
画像
彩画
画工
画帖
企画
画筆
画家
画図
春画
挿画
画餅
画師
区画
画架
画室
...