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生々
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なま/\
ふりがな文庫
“
生々
(
なま/\
)” の例文
其
(
その
)
二尺
(
にしやく
)
程
(
ほど
)
下
(
した
)
の
勾配
(
こうばい
)
の
一番
(
いちばん
)
急
(
きふ
)
な
所
(
ところ
)
に
生
(
は
)
えてゐる
枯草
(
かれくさ
)
が、
妙
(
めう
)
に
摺
(
す
)
り
剥
(
む
)
けて、
赤土
(
あかつち
)
の
肌
(
はだ
)
を
生々
(
なま/\
)
しく
露出
(
ろしゆつ
)
した
樣子
(
やうす
)
に、
宗助
(
そうすけ
)
は
一寸
(
ちよつと
)
驚
(
おど
)
ろかされた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
背負
(
せおひ
)
て
歩行
(
あるく
)
辨慶がのそ/\と出きたりモシ/\文さん今日は
雨降
(
あめふり
)
で御互に
骨休
(
ほねやす
)
み久し
振
(
ぶり
)
なれば一
口
(
くち
)
呑
(
のむ
)
べし夫に今さんまの
生々
(
なま/\
)
としたるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
潜戸を入つて二三十歩行くと、新に芝地を掘り返した畑で、
鍬
(
くは
)
の跡も
生々
(
なま/\
)
しいところへ、白いものが一つ落ちて居ります。
銭形平次捕物控:172 神隠し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……天狗が乘りよるわいとおもてると、何んや家根の眞ん中に穴があいて、
生々
(
なま/\
)
しい人間の手がプランと
下
(
さ
)
がつた。………
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
玉子
(
たまご
)
の
半熟
(
はんじゆく
)
、と
誂
(
あつら
)
へると、やがて
皿
(
さら
)
にのつて、
白服
(
しろふく
)
の
手
(
て
)
からトンと
湧
(
わ
)
いて、
卓子
(
テエブル
)
の
上
(
うへ
)
へ
顯
(
あらは
)
れたのは、
生々
(
なま/\
)
しい
肉
(
にく
)
の
切味
(
きりみ
)
に、
半熟
(
はんじゆく
)
の
乘
(
の
)
つたのである。
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
言葉に
生々
(
なま/\
)
しさといふものがなく、余韻が深く、それだけに、不用意に使ふと誤解され易い言葉であります。
文化とは:――力としての文化 第一話
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
二十代や三十代の、
未
(
ま
)
だ血の気の
生々
(
なま/\
)
した頃は、人に隠れて
何程
(
どれほど
)
泣いたか知れないよ、お前の
祖父
(
おぢいさん
)
が
昔気質
(
むかしかたぎ
)
ので、
仮令
(
たとひ
)
祝言
(
しうげん
)
の
盃
(
さかづき
)
はしなくとも、
一旦
(
いつたん
)
約束した上は
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
私の田舎の家に、末派の模写した雪舟の仏画があるが、厚い脣などには、実に
生々
(
なま/\
)
しい苦悶の色が見え、長く切れた眼尻など、決して決して澄んだ感じのものではない。
故郷に帰りゆくこころ
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
斯
(
か
)
くして
嶺千鳥窪
(
みねちどりくぼ
)
の
遺跡
(
ゐせき
)
は、
各部面
(
かくぶめん
)
に
大穴
(
おほあな
)
を
穿
(
うが
)
ち
散
(
ち
)
らした。
今
(
いま
)
でも
其跡
(
そのあと
)
は
生々
(
なま/\
)
しく
殘
(
のこ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其れから少し離れて、
隣家
(
となり
)
で
挘
(
もぎ
)
ツて捨てた
鰯
(
いわし
)
の頭が六ツ七ツ、尚だ
生々
(
なま/\
)
しくギラ/\光つてゐた。其に
銀
(
ぎん
)
蠅がたかツて、何うかするとフイと飛んでは、またたかツてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
新開地だけにたゞ軒先障子などの白木の夜目にも
生々
(
なま/\
)
しく見ゆるばかり、
床
(
ゆか
)
低く屋根低く、立てし障子は地より
直
(
たゞち
)
に軒に至るかと思はれ、既に
歪
(
ゆが
)
みて隙間よりは
鉤
(
つり
)
ランプの笠など見ゆ。
空知川の岸辺
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
人
(
ひと
)
の
噂
(
うは
)
さと
共
(
とも
)
に
彼女
(
かのぢよ
)
の
傷
(
いたで
)
はだん/\その
生々
(
なま/\
)
しさを
失
(
うしな
)
ふことが
出來
(
でき
)
たけれど、
猶
(
なほ
)
幾度
(
いくど
)
となくその
疼
(
いた
)
みは
復活
(
ふくくわつ
)
した。
彼女
(
かのぢよ
)
は
靜
(
しづ
)
かに
悔
(
く
)
ゐることを
知
(
し
)
つた。それでも
猶
(
なほ
)
その
悔
(
くゐ
)
には
負惜
(
まけを
)
しみがあつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
その
下駄
(
げた
)
にて
重
(
おも
)
き
物
(
もの
)
を
持
(
も
)
ちたれば
足
(
あし
)
もと
覺束
(
おぼつか
)
なくて
流
(
なが
)
し
元
(
もと
)
の
氷
(
こほり
)
にすべり、あれと
言
(
い
)
ふ
間
(
ま
)
もなく
横
(
よこ
)
にころべば
井戸
(
いど
)
がはにて
向
(
むか
)
ふ
臑
(
ずね
)
したゝかに
打
(
う
)
ちて、
可愛
(
かわい
)
や
雪
(
ゆき
)
はづかしき
膚
(
はだ
)
に
紫
(
むらさき
)
の
生々
(
なま/\
)
しくなりぬ
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昂奮
(
こうふん
)
しないでお
聽
(
き
)
きなさいツ。ではこれから
自分達
(
じぶんたち
)
の
行
(
ゆ
)
く
道
(
みち
)
が、どんなに
嶮
(
けは
)
しい、
文字
(
もじ
)
通
(
どほ
)
りの
荊棘
(
いばら
)
の
道
(
みち
)
だつてことが、
生々
(
なま/\
)
しい
現實
(
げんじつ
)
として、お
孃
(
ぢやう
)
さん、ほんとにあなたにわかつてゐるんですか……
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
は犯人が被害者を慘殺するため又屍體を竈の中へ押し込むために使用されたものでまだ
生々
(
なま/\
)
と血と毛髮のべつとり附着せる儘竈の中より發見され、四本目の叉には染革を吊す金具が引懸つてゐた。
無法な火葬
(旧字旧仮名)
/
小泉八雲
(著)
當時の事を考へると、記憶は未だ
生々
(
なま/\
)
しく、久保田君の金釦の制服姿も、昨日一昨日の事のやうに思はれるが、しかしながら十年の歳月は、流石にさまざまの變遷を物語るものがなければならない。
貝殻追放:015 「末枯」の作者
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
生々
(
なま/\
)
しくも吃水線は蒼ぐもる、緑の空に見入つてあれば
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
君
(
きみ
)
が
死
(
し
)
を
以
(
もつ
)
て
貼
(
は
)
り
付
(
つ
)
けたビラの
跡
(
あと
)
はまだ
生々
(
なま/\
)
しい。
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
見
(
みん
)
と
拔放
(
ぬきはなし
)
ければ
鍔元
(
つばもと
)
より
切先
(
きつさき
)
まで
生々
(
なま/\
)
しき
血汐
(
ちしほ
)
の付
居
(
ゐる
)
にぞコレヤ
汝
(
おのれ
)
は大膽不敵なる奴かな是が何より證據なり
何處
(
どこ
)
で人を殺し
夜盜
(
よたう
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
だが、そこへ行つて見ると、又新しい事件が、
生々
(
なま/\
)
しい傷口を開けたまゝ、平次の來るのを待つてゐたのです。
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……
同伴
(
つれ
)
のなじみの
墓
(
はか
)
も、
參
(
まゐ
)
つて
見
(
み
)
れば、
雜
(
ざつ
)
とこの
體
(
てい
)
であらうと
思
(
おも
)
ふと、
生々
(
なま/\
)
と
白
(
しろ
)
い
三角
(
さんかく
)
を
額
(
ひたひ
)
につけて、
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
雲
(
くも
)
の
影
(
かげ
)
に、もうろうと
立
(
た
)
つてゐさうでならぬ。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
艦隊の出動には、また別個の感激的場面を伴ふものだが、汽車で運ばれる軍隊といふものには、不思議に
生々
(
なま/\
)
しい「生活の歌」があることを彼は気づいてゐた。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
ところ/″\に
幟
(
のぼり
)
や
提燈
(
ちやうちん
)
を立てたらしい穴が、
生々
(
なま/\
)
しく殘つてゐて、繩の
切
(
き
)
れ
端
(
はし
)
のやうなものも、ちよい/\散らばつてゐるのは、祭があつてから間のないことを思はせた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
やがて私のやさしい心は、沈欝にして
生々
(
なま/\
)
し
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
敷居に
飛沫
(
しぶ
)
いた血潮は、大方拭き取つたやうですが、まだ
生々
(
なま/\
)
しく殘つて、何となくぞつとさせます。
銭形平次捕物控:047 どんど焼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「これは
生々
(
なま/\
)
とした
匂
(
にほ
)
ひだ。
眞個
(
まつたく
)
人臭
(
まひとくさ
)
い。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
殺
(
あや
)
めしが如くまだ
生々
(
なま/\
)
しき
膏
(
あぶら
)
の
浮
(
うい
)
て見ゆれば
偵
(
さすが
)
に吉兵衞は
愕然
(
ぎよつ
)
として扨ても山賊の住家なり
斯
(
かゝ
)
る所へ泊りしこそ
不覺
(
ふかく
)
なれと
後悔
(
こうくわい
)
すれど今は
網裡
(
まうり
)
の魚
函中
(
かんちう
)
の
獸
(
けもの
)
また
詮方
(
せんかた
)
ぞ
無
(
なか
)
りければ如何はせんと再び
枕
(
まくら
)
に
就
(
つき
)
ながらも次の間の
動靜
(
やうす
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
々
3画
“生々”で始まる語句
生々世々
生々的
生々流転
生々殿
生々動流
生々流々
生々流相
生々溌剌