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朝飯
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あさめし
ふりがな文庫
“
朝飯
(
あさめし
)” の例文
食堂が
開
(
あ
)
いて乗客の多数が
朝飯
(
あさめし
)
を済ました
後
(
のち
)
、自分は母を連れて昨夜以来の空腹を
充
(
み
)
たすべく細い廊下を伝わって後部の方へ行った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この頃産業的に需用の多い「
朝飯
(
あさめし
)
の食卓で
焼麺麭
(
トウスト
)
・卵子・
珈琲
(
コーヒー
)
と一しょに消化してあとへ残らない程度の退屈で幸福な近代結婚生活の小説」
踊る地平線:08 しっぷ・あほうい!
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
明くる日、男は、「私共は二食で、
朝飯
(
あさめし
)
を十時にやります。あなた方はお
構
(
かま
)
いなく」と
何方
(
どち
)
が主やら客やら
分
(
わ
)
からぬ事を云う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
朝飯
(
あさめし
)
も
昼飯
(
ひるめし
)
もてんでんに自分で用意しなければならなかった。読書なり音楽なりの仕事は、つまりそういうもののすんだあとのことであった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
壁
(
かべ
)
一
重
(
え
)
隣
(
となり
)
の
左官夫婦
(
さかんふうふ
)
が、
朝飯
(
あさめし
)
の
膳
(
ぜん
)
をはさんで、
聞
(
きこ
)
えよがしのいやがらせも、
春重
(
はるしげ
)
の
耳
(
みみ
)
へは、
秋
(
あき
)
の
蝿
(
はえ
)
の
羽
(
は
)
ばたき
程
(
ほど
)
にも
這入
(
はい
)
らなかったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
▼ もっと見る
私はその、朝無闇に早く炊いて、私の起きる頃には、もう可い加減冷めてポロ/\になった御飯に茶をかけて流し込むようにして
朝飯
(
あさめし
)
を済ました。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
ロオランスの出るジユリヤンの
画室
(
アトリエ
)
の前にある
珈琲店
(
カフエエ
)
で皆𤍠い
珈琲
(
カフエエ
)
と
麺麭
(
パン
)
とを取つて
廉
(
やす
)
い
朝飯
(
あさめし
)
を腰も掛けずに
済
(
すま
)
せた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
当日になると自分は、
碌
(
ろく
)
に
朝飯
(
あさめし
)
も食わずに家をとび出した。電車でゆけば停車場まで二十分とはかからない。——そう思いながらも、何となく心がせく。
父
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「なんだ、うるさい。朝っぱらから、そんな大きな声でさわぎたてては、
朝飯
(
あさめし
)
がまずくなってしまうじゃないか」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
第二十六 米の粉の
朝飯
(
あさめし
)
も米の粉一合を牛乳六合でドロドロ位に長く煮て砂糖とクリームを掛けて食べます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
身うち知合いの人々のあつまってくるようなさいには、今でもかならずただの
朝飯
(
あさめし
)
夕飯
(
ゆうめし
)
とちがった物を調理して、食べさせなければならぬものとなっている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
南蛮寺
(
なんばんじ
)
の
台所
(
だいどころ
)
か、それにゃ、まずすこし
時刻
(
じこく
)
が早かろうぜ。おあまりは
朝飯
(
あさめし
)
すぎにいかなけりゃくれやしないよ。うふふふふ……
怒
(
おこ
)
ってるのか。
澄
(
す
)
ますなよ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝飯
(
あさめし
)
と
午餉
(
ひるめし
)
とを一つに片付けたる
兼吉
(
かねきち
)
が、
浴衣
(
ゆかた
)
脱捨てて引つ掛くる衣は
紺
(
こん
)
にあめ入の
明石
(
あかし
)
、
唐繻子
(
とうじゅす
)
の丸帯うるささうに
締
(
し
)
め
畢
(
おわ
)
り、
何処
(
どこ
)
かけんのある顔の
眉
(
まゆ
)
蹙
(
しか
)
めて
そめちがへ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その宿直室には、校長の安藤が家族——
妻
(
さい
)
と二人の小供——と共に住んでゐる。
朝飯
(
あさめし
)
の
準備
(
したく
)
が今
漸々
(
やうやう
)
出来たところと見えて、茶碗や皿を
食卓
(
ちやぶだい
)
に並べる音が聞える。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私の下宿ではいつも
朝飯
(
あさめし
)
が済んで下宿人が皆出払った跡で、
緩
(
ゆッ
)
くり掃除や
雑巾掛
(
ぞうきんがけ
)
をする事になっていた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
姉の美佐子が、昨晩とうとう帰っては来なかったので、彼女は冷たい
朝飯
(
あさめし
)
を食べて学校へ出て行った。併し伸子は、ひどく頭が痛むので、二時間だけで帰って来た。
秘密の風景画
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「ホーキンズは
朝飯
(
あさめし
)
がまだだな。ホーキンズ、勝手に取って、自分の持場へ帰って食べなさい。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
寝て
丁度
(
ちょうど
)
飯の出来上った頃起きて、その
儘
(
まま
)
湯屋に
行
(
いっ
)
て
朝湯
(
あさゆ
)
に這入て、それから塾に
帰
(
かえっ
)
て
朝飯
(
あさめし
)
を
給
(
た
)
べて又書を読むと云うのが、大抵緒方の塾に居る間
殆
(
ほと
)
んど
常極
(
じょうきま
)
りであった。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私たちは
朝飯
(
あさめし
)
の間一言も口をききませんでした。そして朝飯がすむとすぐ私は散歩に出かけました。私は朝の澄んだ空気の中で、昨夜からの事件を考え直してみようと思ったのです。
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
……
張合
(
はりあひ
)
のない
例
(
れい
)
の
寢坊
(
ねばう
)
が
朝飯
(
あさめし
)
を
濟
(
す
)
ましたあとだから、
午前
(
ごぜん
)
十時半頃
(
じふじはんごろ
)
だと
思
(
おも
)
ふ……どん/\と
色氣
(
いろけ
)
なく
二階
(
にかい
)
へ
上
(
あが
)
つて、やあ、いゝお
天氣
(
てんき
)
だ、
難有
(
ありがた
)
い、と
御禮
(
おれい
)
を
言
(
い
)
ひたいほどの
心持
(
こゝろもち
)
で
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
翌日、暑くならぬ
中
(
うち
)
にと思つて、
朝飯
(
あさめし
)
をすますとすぐ、
私
(
わたし
)
は
横手村
(
よこてむら
)
に行つた。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
女房と
朝飯
(
あさめし
)
と——
何方
(
どちら
)
が
人世
(
じんせい
)
に関係する所が大きいだらうと疑つた者がある。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
朝飯
(
あさめし
)
を
食
(
た
)
べずに
出
(
で
)
て、つかれたのではないか。」と、
軽
(
かる
)
く
想像
(
そうぞう
)
しました。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
若衆は牛舎の仕事を終わって
朝飯
(
あさめし
)
にはいってくる。
来
(
く
)
る
来
(
く
)
る当歳の
牝
(
め
)
牛が一頭ねたきり、どうしても起きないから見て下さいというのであった。僕はまた胸を針で刺されるような思いがした。
去年
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
食べかけの
朝飯
(
あさめし
)
をのどにつめ、あとはろくに食べずに家をとびだしました。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
母親はわが子を励ますつもりで寒そうな
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のままながら、いつも長吉よりは早く起きて暖い
朝飯
(
あさめし
)
をばちゃんと用意して置く。長吉はその親切をすまないと感じながら
何分
(
なにぶん
)
にも眠くてならぬ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
尋けるに權兵衞は
故郷
(
こきやう
)
へ
引込
(
ひきこみ
)
たる由
土地
(
ところ
)
の者申故三吉は力なく又々
安宅
(
あたけ
)
の方へ到りしに當時は所々に
切店
(
きりみせ
)
有て引込ける故ぶらりと是へ上り大に酒を
飮
(
のみ
)
一分ばかりも遣ひ其夜は遊びて翌朝立出
朝飯
(
あさめし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
彼は下宿へ帰って
朝飯
(
あさめし
)
を
喫
(
く
)
い、学校へ出かける時お
媽
(
かみ
)
さんに云った。
雀が森の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「木村のおばさんのところで
朝飯
(
あさめし
)
を食うんだ」
暗夜の格闘
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
私は
朝飯
(
あさめし
)
とも
午飯
(
ひるめし
)
とも片付かない
茶椀
(
ちゃわん
)
を手に持ったまま、どんな風に問題を切り出したものだろうかと、そればかりに
屈托
(
くったく
)
していたから
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたしがものを学びたいという
望
(
のぞ
)
みは、はしなくお父さんに、自分もむかし本を買うために毎朝
朝飯
(
あさめし
)
のお金を二スー
倹約
(
けんやく
)
したむかしを思い出させた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
朝飯
(
あさめし
)
兼
昼飯
(
ひるめし
)
をすませた後、僕は書斎の
置
(
お
)
き
炬燵
(
ごたつ
)
へはいり、二三種の新聞を読みはじめた。新聞の記事は諸会社のボオナスや羽子板の売れ行きで持ち切っていた。
年末の一日
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
家に入って
畳
(
たたみ
)
の上に
坐
(
すわ
)
って、お
膳
(
ぜん
)
を出して
朝飯
(
あさめし
)
夕飯
(
ゆうめし
)
と同じに、食事をする者は上流の家、または都会に住む人のところでも、決して全部とはいわれぬのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
米
(
こめ
)
の
粉
(
こ
)
の
朝飯
(
あさめし
)
秋付録 米料理百種「西洋料理の部」の「第二十六 米の粉の
朝飯
(
あさめし
)
」
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「
親方
(
おやかた
)
がいったのはこいつだな、これを
撃
(
う
)
ちとめてこいといういいつけか。なアんだ、こんなものなら
朝飯
(
あさめし
)
まえにただ一
発
(
ぱつ
)
だ。それで、おいらの
出世
(
しゅっせ
)
となりゃ、ありがた山のほととぎすさ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝飯
(
あさめし
)
を済せて伯父さんの先生の出勤を見送って了うと、学校は午後だから、其迄は身体に
一寸
(
ちょっと
)
隙
(
すき
)
が出来る。
其暇
(
そのひま
)
に自分の勉強をするのだが、其さえ時々急ぎの
謄写物
(
とうしゃもの
)
など
吩咐
(
いいつか
)
って
全潰
(
まるつぶれ
)
になる。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
母親はわが子を
励
(
はげ
)
ますつもりで寒さうな
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のまゝながら、いつも
長吉
(
ちやうきち
)
よりは早く起きて
暖
(
あたゝか
)
い
朝飯
(
あさめし
)
をばちやんと用意して置く。
長吉
(
ちやうきち
)
は
其
(
そ
)
の親切をすまないと感じながら
何分
(
なにぶん
)
にも眠くてならぬ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
例の大陸
朝飯
(
あさめし
)
——
珈琲
(
コーヒー
)
・
巻麺麭
(
まきパン
)
・人造蜂蜜・インクの
香
(
におい
)
の濃い新聞・女中の微笑とこれだけから構成されてる——を極度に排斥して、BEEFEXと
焼林檎
(
やきりんご
)
と純白の食卓布に固執していることも
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
と
大聲
(
おほごゑ
)
で
喚
(
わめ
)
いて
居
(
ゐ
)
るのがよく
聞
(
きこ
)
えた。まだ、
私
(
わたし
)
たち
朝飯
(
あさめし
)
の
前
(
まへ
)
であつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「なるほど、レストランへ行くんですね。明日の
朝飯
(
あさめし
)
は何んだろう」
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ちょうどすこし
前
(
まえ
)
に、
女中
(
じょちゅう
)
が
朝飯
(
あさめし
)
のお
湯
(
ゆ
)
を
持
(
も
)
ってきたののです。
花と人の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
朝飯
(
あさめし
)
とお
踏
(
ふ
)
みなすったか」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
普通の食事を取らない彼の
朝飯
(
あさめし
)
はほとんど五分とかからなかった。
楊枝
(
ようじ
)
も使わないで立ち上った彼はすぐ二階へ行こうとした。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いろいろとわたしを
試験
(
しけん
)
をしてみた
末
(
すえ
)
、
大将
(
たいしょう
)
はかわいそうになって、とにかく
朝飯
(
あさめし
)
を
食
(
た
)
べさせることにする。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
すなわち二つの言葉は同じで、もと
朝飯
(
あさめし
)
を食わぬうちに、お茶の子だけで、一仕事をしていた
名残
(
なごり
)
である。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
朝飯
(
あさめし
)
を節するがため褥中に書を讀み、正午に近くなるを待ち階下の臺所に行き葱と人參とを煮、麥飯の粥をつくりて食ふ。食後炭火なければ再び寐床に入り西洋紙に鉛筆にて賣文の草稿をつくる。
荷風戦後日歴 第一
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
額で母を
睨
(
にら
)
めて、
津蟹
(
づがに
)
が泡を吐くように、
沸々
(
ぶつぶつ
)
言っている。ポチは朝起だから、もう其時分には
疾
(
とッ
)
くに
朝飯
(
あさめし
)
も済んで、
一切
(
ひとッき
)
り遊んだ所だが、私の声を聴き付けると、何処に居ても一目散に飛んで来る。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「さて、この大使館では
朝飯
(
あさめし
)
にどんな御馳走を出しよるかな」
大使館の始末機関:――金博士シリーズ・7――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
朝飯
(
あさめし
)
をすまして、一本の
敷島
(
しきしま
)
をゆたかに吹かしたるときの余の観想は以上のごとくである。日は
霞
(
かすみ
)
を離れて高く
上
(
のぼ
)
っている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
父親の
朝飯
(
あさめし
)
をこしらえ、夜はおそくまでさらを
洗
(
あら
)
ったりなどをしてからでなくては、とこにはいらなかったから、かの女はまるで子どもでいるひまがなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
“朝飯”の意味
《名詞》
朝御飯。
(出典:Wiktionary)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
飯
常用漢字
小4
部首:⾷
12画
“朝飯”で始まる語句
朝飯前
朝飯の献立