『年末の一日（ねんまつのいちにち）』

………僕は何でも雑木の生えた、寂しい崖の上を歩いて行った。崖の下はすぐに沼になっていた。その又沼の岸寄りには水鳥が二羽泳いでいた。どちらも薄い苔の生えた石の色に近い水鳥だった。僕は格別その水鳥に珍しい感じは持たなかった。が、余り翼などの鮮か …

著者	芥川竜之介
ジャンル	文学 > 日本文学 > 小説 物語
ジャンル	文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出	「新潮　第二十三年第一号」1926（大正15）年1月1日
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約6分（500文字/分）
朗読目安時間	約10分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

苛（い） 炬燵（ごたつ） 後（うしろ） 革（かわ） 直（すぐ） 板葺（いたぶ） 穢（きたな） 袖無（そでな） 家（いえ） 請（しょう） 谷（や） 鉄柵（てつさく） 苔（こけ） 梢（こずえ） 焚（た） 雑巾（ぞうきん） 雑司（ぞうし） 稍（やや） 縞（しま） 置（お） 胞衣（えな） 誰（たれ） 途（みち） 赤鏽（あかさび） 裾（すそ） 襷（たすき） 角（かく） 訣（わけ） 寧（むし） 側（そば） 兎（と） 出悪（でにく） 動坂（どうざか） 勿論（もちろん） 古樒（ふるしきみ） 可笑（おか） 吊（つ） 外套（がいとう） 奉天（ほうてん） 家（うち） 楫棒（かじぼう） 少時（しばらく） 崖（がけ） 師走（しわす） 後架（こうか） 恬然（てんぜん） 惹（ひ） 昼飯（ひるめし） 時宜（じぎ） 朝飯（あさめし） 侘（わび）